すけさんIT企業で人事・採用を担当しています。書類選考で年間1,000件以上、面接で約200人の方とお会いしています。
メーカー系SIerの採用を担当したことはありませんが、グループ系企業出身の方の書類は日常的に見ています。今回はメーカー系SIer48社を一社ずつ調べ直しました。想像と違う結果が出た部分もありました。
検索するとランキング記事はいくつも出てきますが、1位が富士通だったりNECだったりと、サイトによって企業も金額もバラバラです。
原因は集計のしかたにあります。親会社であるメーカー本体と、そのグループのSIer子会社が同じ表に混ざっているケースが多いのです。富士通本体の売上高とその子会社の売上高を並べれば、当然本体が上位を占めます。でも、あなたが応募を検討しているのは、おそらく本体だけではないはずです。
この記事では、集計ルールをはっきり決めたうえで、メーカー系SIer48社を売上高規模別に4つのTierに分けて整理しました。あわせて、売上規模だけを見ていると見落としてしまう「売上規模のズレ」についても解説します。
- メーカー系SIer48社の売上高規模別Tier一覧(親会社本体を除いた集計)
- メーカー系SIerの定義と、どこまでを含めるかの線引き
- Tier1が4割を超える一方、300億〜500億円の会社は4社だけという分布
- 一人あたり売上高で見ると約8倍の差が出る「売上規模のズレ」
- グループ系企業の出身者を、人事が書類・面接でどう見ているか
その会社が良いかどうかは
他の選択肢を見ないと判断できません
人事の立場から言うと、比較対象を持たないまま決めている人が一番損をしています。
50歳未満/未経験は対象外
✓ リモート可否・フレックスなど細かい条件で検索できる
✓ 転職を決めていなくても登録できる
20代後半〜30代が中心
✓ 土曜1日で選考が終わる1Day選考会あり
✓ ITコンサル・メガベンチャーの求人が豊富
この記事の結論|メーカー系SIer48社をTier別に見てわかること
調べてわかったのは、次の3つです。


結論1|Tier1が4割を超える一方、Tier3は4社だけ
売上高1,000億円以上のTier1に該当する企業が22社と、全体の4割を超えました。一方で、300億〜500億円のTier3は4社だけです。
| Tier | 売上高の基準 | 該当社数 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| Tier1 | 1,000億円以上 | 22社 | 46% |
| Tier2 | 500億〜1,000億円 | 11社 | 23% |
| Tier3 | 300億〜500億円 | 4社 | 8% |
| Tier4 | 300億円未満 | 11社 | 23% |
結論2|売上規模はSI事業の規模と一致しない
メーカー系SIerには、システム開発を主体とする会社と、グループ製品の販売やハードウェアの保守を主体とする会社が混在しています。
売上高を従業員数で割った「一人あたり売上高」を計算すると、この違いがはっきり出ます。販売色の強い会社は1億円前後に達するのに対し、開発や保守が主体の会社は1,500万〜2,000万円台にとどまります。同じ「メーカー系SIer」でも、売上高の大きさが、そのまま開発の仕事の多さを表すわけではありませんということです。
結論3|Tierより「グループ内での役割」で見たほうが判断を誤らない
メーカー系SIerの多くは、親会社を頂点とするグループの中で役割が決まっています。上流の構想を担う会社、アプリケーション開発を担う会社、インフラ構築や保守を担う会社といった具合です。
売上規模が大きい会社に入れば上流工程に関われる、というほど単純ではありません。応募先を選ぶときは、Tierと役割の両方を見る必要があります。
職務経歴書で会社名だけを書く方は多いのですが、グループ内でその会社が何を担っているかまで書かれていると、経験の中身が一気に見えてきます。書類を読む側は、会社の規模より役割のほうを知りたいんです。
メーカー系SIerとは|定義と「どこまで含めるか」の線引き



「メーカー系SIer」とひとことで言っても、会社の成り立ちはまちまちです。この分類は思っているよりあいまいなので、まず定義をそろえるところから始めさせてください。


メーカー系SIerの成り立ち
メーカー系SIerとは、コンピュータや通信機器などのハードウェアを製造するメーカーの情報システム部門・ソフトウェア開発部門が分社化してできたIT企業を指します。
特徴は次の3点です。
- 親会社のハードウェアと組み合わせたソリューションを提供することが多い
- グループ内向けの開発(内販)と外部顧客向けの開発(外販)の2軸で事業を展開している
- 親会社のブランド力を背景に、官公庁や大企業の案件を元請けとして受注しやすい
ユーザー系・独立系との違い
SIerは成り立ちによっていくつかに分類されます。メーカー系の位置づけを理解するために、ユーザー系・独立系との違いを整理しておきます。
| 分類 | 親会社の業種 | 主な顧客 |
|---|---|---|
| メーカー系 | 電機・精密機器などのハードウェアメーカー | グループ内+官公庁・民間企業 |
| ユーザー系 | 金融・商社・運輸などIT以外の事業会社 | 親会社・グループ会社が中心 |
| 独立系 | 親会社を持たない | 案件により幅広い |




本記事の集計ルール
ランキングの前提となるルールを明示しておきます。ここが記事によって違うため、順位や金額に差が生まれます。
- 親会社であるメーカー本体はランキングに含めない:
日立製作所・富士通・NECなどの本体は、SI事業以外の売上も含むため、参考枠として別に整理します - 自動車・重工・素材などのメーカー系IT子会社は除外:
親会社がIT機器・電子機器を外販していないため、一般にユーザー系に分類されます - 情報通信商社・販売会社も含める:
都築電気やリコージャパンなど販売色の強い会社も、システム構築を手掛けているため含めています。売上の中身が異なる点は記事の中で明示します。なお都築電気は特定メーカーの子会社ではなく、メーカー製品を扱う情報通信商社のため、独立系SIerの記事にも掲載しています - 売上高は原則として単体を優先:
非上場子会社が多く単体しか公表されていないケースが多いため、表記をそろえています。単体が確認できない場合は連結を採用し、その旨を明記します - 決算期は2024年度〜2025年度(3月期・12月期):
各社の直近公表値を使用しています。調査時点は2026年9月です
なお、調査の過程で、統合によってなくなっていた企業や、すでにグループを離れていた企業が複数ありました。それらは集計から除外しています。この動き自体が転職の判断に関わるため、後半で改めて取り上げます。


志望動機で「メーカー系SIerを志望しています」とだけ書かれていると、なぜその系統なのかが伝わりません。分類そのものより、親会社の製品に近い開発がしたいのか、元請けの立場で働きたいのか、理由まで書かれているほうが読み手には響きます。
メーカー系SIerランキング48社|Tier別一覧表


Tierの区分と数値の扱い
本シリーズでは、ユーザー系・独立系と同じ基準でTierを設定しています。系統をまたいで比較できるようにするためです。
- Tier1:売上高1,000億円以上
- Tier2:売上高500億〜1,000億円
- Tier3:売上高300億〜500億円
- Tier4:売上高300億円未満



売上高は事業規模を示す指標であって、働きやすさや待遇を直接示すものではありません。あくまで会社の全体像をつかむための目安として見てください。
グループ別の企業数
48社をメーカーグループ別に分けると、次のような分布になります。
| グループ | 社数 |
|---|---|
| 日立グループ | 10社 |
| NECグループ | 6社 |
| リコー・OKIグループ(PFUを含む) | 5社 |
| 富士通グループ | 4社 |
| 三菱電機グループ | 3社 |
| キヤノングループ | 3社 |
| 東芝グループ | 3社 |
| その他(精密・計測・制御など) | 14社 |



日立グループが10社と最も多く、富士通グループは4社にとどまります。この差は各グループの組織戦略の違いを反映しており、後半で詳しく解説します。
同じグループの複数社に応募すること自体は問題ありません。ただ、面接では「なぜ他社ではなく当社なのか」を聞かれるのが一般的で、同じグループの会社同士でも同じです。各社の役割の違いを一言で説明できるようにしておくと、答えに詰まりません。
Tier1(売上1,000億円以上)|大手メーカー系SIer22社


Tier1の企業一覧
| 企業名 | 売上高 | 従業員数 | 決算期 |
|---|---|---|---|
| リコージャパン | 8,032億4,600万円 | 17,372名 | 3月 |
| 日立システムズ | 5,502億1,700万円 | 10,520名 | 3月 |
| 富士通Japan | 5,092億円 (連結) | 6,700名 (連結) | 3月 |
| キヤノンマーケティングジャパン | 4,492億3,700万円 | 4,563名 | 12月 |
| NECネッツエスアイ | 3,960億円 (連結) | 7,576名 (連結) | 3月 |
| シャープマーケティングジャパン | 3,461億6,900万円 | 2,897名 | 3月 |
| NECソリューションイノベータ | 3,287億9,300万円 | 12,490名 | 3月 |
| NECプラットフォームズ | 3,126億円 | 6,380名 | 3月 |
| エフサステクノロジーズ | 2,260億円 | 7,500名 (連結) | 3月 |
| 日立ソリューションズ | 2,149億2,200万円 | 5,129名 | 3月 |
| NECフィールディング | 1,998億9,500万円 (連結) | 4,239名 | 3月 |
| 日立ヴァンタラ | 1,645億円 | 1,302名 | 3月 |
| 三菱電機デジタルイノベーション (2025年4月に3社統合で発足) | 1,500億円 (2024年度) | 6,000名 | 3月 |
| パナソニック デジタル (2026年4月に3社統合で発足) | 1,500億円 (2024年度) | 2,200名 | 3月 |
| 京セラコミュニケーションシステム | 1,499億円 (連結) | 4,317名 (連結) | 3月 |
| キヤノンITソリューションズ | 1,471億7,300万円 | 4,258名 | 12月 |
| 三菱電機ソフトウエア | 1,360億円 | 5,224名 | 3月 |
| 横河ソリューションサービス | 1,262億円 | 2,590名 | 3月 |
| コニカミノルタジャパン | 1,252億2,800万円 | 2,795名 | 3月 |
| PFU (リコーグループ) | 1,240億円 (連結) | 3,878名 | 3月 |
| キヤノンシステムアンドサポート | 1,145億5,700万円 | 4,379名 | 12月 |
| 都築電気 | 1,037億2,800万円 (連結) | 2,040名 (連結) | 3月 |
なぜTier1が4割を超えるのか
Tier1に並ぶ企業を見ると、システム開発を主体とする会社だけではないことが分かります。
売上高で最上位に立つリコージャパンは、複合機をはじめとするグループ製品の販売とサポートを広く手掛ける会社です。キヤノンマーケティングジャパン、シャープマーケティングジャパン、コニカミノルタジャパンも同様に販売機能を担っています。
機器の販売売上が計上されるため、システム開発の事業規模以上に売上高が大きくなるのがメーカー系の特徴です。
独立系の大塚商会、ユーザー系のダイワボウ情報システムのように、ほかの系統でも販売・流通の会社は上位に入ります。メーカー系の場合は、リコー、キヤノン、シャープ、コニカミノルタと、グループごとに販売会社があり、そろってTier1に並ぶのが特徴です。
この点を踏まえずに売上ランキングだけを見ると、応募先の実態を読み違えてしまいます。詳しくは後半の「売上規模のズレ」で解説します。
大手ほど募集職種が細かく分かれています。求人票のタイトルだけで判断せず、業務内容の欄まで読み込んでから応募されると、面接での話のズレが減ります。同じ会社でも職種によって求める経験がかなり違います。
Tier2(売上500億〜1,000億円)|11社


Tier2の企業一覧
| 企業名 | 売上高 | 従業員数 | 決算期 |
|---|---|---|---|
| 日立ソリューションズ・クリエイト | 988億6,800万円 | 4,168名 | 3月 |
| 三菱電機システムサービス | 873億400万円 | 2,106名 | 3月 |
| 日立産業制御ソリューションズ | 828億円 | 3,524名 | 3月 |
| 日立社会情報サービス | 811億円 | 3,080名 | 3月 |
| 日立情報通信エンジニアリング | 775億9,000万円 | 2,906名 | 3月 |
| OKIクロステック | 764億円 | 2,706名 | 3月 |
| 日立チャネルソリューションズ | 725億4,500万円 | 876名 | 3月 |
| 日本電気通信システム | 674億円 | 2,588名 | 3月 |
| 富士通ネットワークソリューションズ | 618億円 | 1,348名 | 3月 |
| 東芝テックソリューションサービス | 549億円 | 2,311名 | 3月 |
| 日立システムズフィールドサービス | 544億円 | 2,955名 | 3月 |
「グループの機能会社」が集まる層
Tier2の顔ぶれを見ると、日立グループが6社を占めています。制御システム、社会インフラ、情報通信、チャネル、フィールドサービスと、担当領域ごとに会社が分かれているのが分かります。
この層の会社は、グループ全体の中で特定の機能を担う位置づけにあります。
扱う領域がはっきりしているぶん、その分野の専門性は深めやすい環境です。一方で、担当外の領域に触れる機会は限られます。
専門領域が明確な会社ほど、職務経歴書でその領域の実績を具体的に書けるかが分かれ目になります。担当した業界やシステムの種類まで書かれていると、入社後も同じように力を発揮できそうか、書類の段階で判断できます。
Tier3(売上300億〜500億円)|4社



ここが今回いちばん驚いた部分でした。48社を調べてこの規模の会社が4社しかないとは思っていませんでした。ユーザー系や独立系を調べたときとは、明らかに分布が違います。


Tier3の企業一覧
| 企業名 | 売上高 | 従業員数 | 決算期 |
|---|---|---|---|
| 富士通アドバンストエンジニアリング | 408億1,000万円 | 868名 | 3月 |
| 富士フイルムシステムサービス | 約400億円 | 1,791名 | 3月 |
| 東芝情報システム | 387億6,800万円 | 1,631名 | 3月 |
| 東芝ITサービス | 363億円 | 1,515名 | 3月 |
Tier3が4社にとどまる理由
Tier3が4社しかないのは、メーカー系SIerの成り立ちによるものと考えられます。
メーカー系の会社は、独立系のように事業を拡大して段階的に規模を大きくしてきたわけではありません。
親会社の組織再編によって、最初から一定の規模を持って設立された会社が多いためです。
グループの中核会社や機能別の会社は、最初から数百億円以上の規模で設立されることが多く、専門分野に特化した会社は小さな規模で設立されます。その間の300億〜500億円に入る会社が少ないのは、このためと考えられます。
転職を考える立場からすると、この分布は選択肢の幅に影響します。「大手ほど大きくなく、中小ほど小さくない会社」を探すと、メーカー系では候補がかなり絞られます。
会社の規模で希望条件を絞り込みすぎると、応募先が急に減ってしまう系統です。規模より、担当したい領域や働き方から先に条件を組み立てたほうが、応募先の候補が残ります。
Tier4(売上300億円未満)|11社


Tier4の企業一覧
| 企業名 | 売上高 | 従業員数 | 決算期 |
|---|---|---|---|
| セイコーソリューションズ | 292億5,900万円 | 720名 | 3月 |
| NEC航空宇宙システム | 265億円 | 859名 | 3月 |
| OKIソフトウェア | 258億円 | 1,160名 | 3月 |
| YE DIGITAL | 202億6,300万円 (連結) | 650名 (連結) | 3月 |
| オムロン デジタル (旧:オムロン ソフトウェア) | 189億7,000万円 | 514名 | 3月 |
| リコーITソリューションズ | 156億2,100万円 | 988名 | 3月 |
| ニコンシステム | 136億5,800万円 | 532名 | 3月 |
| ムラタシステム | 107億7,400万円 | 282名 | 3月 |
| 日立ソリューションズ・テクノロジー | 105億円 | 654名 | 3月 |
| 明電システムソリューション | 89億8,800万円 | 472名 | 3月 |
| 島津ビジネスシステムズ | 57億円 | 247名 | 3月 |
規模が小さくても親会社の基盤を持つ
Tier4の企業は売上規模こそ小さいものの、親会社の事業領域と直結した専門性を持っています。航空宇宙、計測機器、産業用機器といった分野です。
また、福利厚生や人事制度が親会社に準じているケースが多く、同じ売上規模の独立系企業と比べると待遇面で恵まれていることがあります。会社の規模だけで判断すると見落としてしまう部分です。
一方で、組織が小さいぶんポジションの数は限られます。管理職への昇進機会や、担当できる案件の幅は、面接の逆質問で聞いてしまうのが早いです。
規模の小さい会社ほど、面接官が現場の責任者や役員であることが多くなります。技術的な話が具体的に深掘りされる傾向があるので、担当業務の詳細を話せるように準備しておくと、深掘りの質問にも落ち着いて答えられます。
親会社(メーカー本体)はランキングに含めるべきか



求人に「日立」とあっても、本体の求人とは限りません。同じ名前でも会社が違うので、応募前に社名を最後まで確かめておくと、面接での話もかみ合います。


参考枠として見る親会社の規模
この記事では親会社であるメーカー本体をランキングから外していますが、規模感を把握しておくことには意味があります。
日立製作所、富士通、NEC、東芝、三菱電機、パナソニックといった企業は、いずれも売上高が1兆円を超える規模です。ただしこの数字には、システム開発以外の事業がすべて含まれています。
たとえば日立製作所であれば鉄道や電力といった社会インフラ事業が、パナソニックであれば家電や電池事業が売上に含まれます。SIerとしての規模を比べるなら、本体の売上高は物差しになりません。
本体とグループ会社では募集ポジションの性質が違う
一般的に、親会社本体は事業戦略の立案や研究開発、超上流工程の役割を担い、グループのSI会社が実際のシステム構築を担当する構造になっています。
そのため募集されるポジションも異なります。本体では事業企画やコンサルティングに近い職種が多く、グループ会社では設計・開発・運用の実務に近い職種が中心になる傾向があります。
積みたい経験が、本体とグループ会社のどちらにあるか。選ぶ基準はそこです。
グループ会社から本体への異動は狙えるのか
「まずグループ会社に入って、後から本体を目指す」という考え方をされる方がいます。
グループ間の人材交流制度を設けている企業はありますが、確実に異動できる仕組みではありません。制度の有無や実績は、選考の場で確認できます。入社後の異動を前提にした転職は、想定どおりにいかなかったときのリスクが大きくなります。
判断の軸は、応募する会社そのものに納得できるかどうかに置くのがおすすめです。
志望動機でグループ全体の魅力だけを語られると、なぜこの会社なのかが伝わりません。応募先の会社がグループ内で何を担っているかに触れられていると、企業研究の深さが伝わります。
その会社が良いかどうかは
他の選択肢を見ないと判断できません
人事の立場から言うと、比較対象を持たないまま決めている人が一番損をしています。
50歳未満/未経験は対象外
✓ リモート可否・フレックスなど細かい条件で検索できる
✓ 転職を決めていなくても登録できる
20代後半〜30代が中心
✓ 土曜1日で選考が終わる1Day選考会あり
✓ ITコンサル・メガベンチャーの求人が豊富
メーカーグループ別の勢力図|主要グループの特徴
日立グループ|機能別に会社が分かれている
今回の48社で最も社数が多いのが日立グループの10社です。
システム構築と運用を担う日立システムズ、アプリケーション開発を担う日立ソリューションズを中核に、制御システム、社会インフラ、情報通信、チャネル、フィールドサービスなど領域ごとに会社が分かれています。
入口が多いぶん、自分の志向に近い領域の会社を選びやすいのが特徴です。一方で、会社ごとの役割の違いを理解していないと、応募先の選択を誤る可能性もあります。
NECグループ|開発と機器・保守で役割が分かれる
NECグループは6社。システム開発の中核を担うNECソリューションイノベータ、ネットワーク構築のNECネッツエスアイ、機器製造のNECプラットフォームズ、保守サービスのNECフィールディングなどで構成されています。
この4社はいずれもTier1に入る規模で、グループ全体として厚みがあります。航空宇宙分野に特化したNEC航空宇宙システムのように、専門領域の会社もあります。
富士通グループ|本体への集約が進む
富士通グループは4社と、日立・NECに比べて少なくなっています。かつて富士通グループだったPFUは、2025年3月にリコーの完全子会社になりました。
富士通は国内子会社の集約を進めてきました。2024年4月に富士通クラウドテクノロジーズを吸収合併し、2026年4月には富士通Japanの民需向け(準大手・中堅中小企業向け)事業などを本体に移しています。入口の数は少ない代わりに、一社あたりの規模が大きいのが富士通グループの特徴です。
三菱電機・東芝・キヤノングループ
三菱電機グループは3社。ソフトウェア開発の三菱電機ソフトウエア、2025年4月にグループのシステム会社3社などを統合して発足した三菱電機デジタルイノベーションが中心です。
東芝グループは3社と、かつてに比べて集約が進んでいます。キヤノングループはシステム開発のキヤノンITソリューションズと、販売を担う2社という構成です。
メーカー系SIerで続く統合・再編



今回調べる中で、当初リストに入れていた企業のうち複数社が、すでに統合やグループの移動で形を変えていました。
| 企業名 | 内容 | 時期 |
|---|---|---|
| 東芝デジタルソリューションズ | 東芝に吸収合併 | 2026年4月 |
| 富士通Japan(民需向け事業など) | 富士通が会社分割で承継 | 2026年4月 |
| パナソニック インフォメーションシステムズほか2社 | 3社統合でパナソニック デジタル発足 | 2026年4月 |
| オムロン ソフトウェア | オムロン デジタルに社名変更 | 2025年10月 |
| 三菱電機インフォメーションネットワークほか2社 | 統合して三菱電機デジタルイノベーション発足 | 2025年4月 |
| 東芝インフラシステムズ | 東芝に統合 | 2025年4月 |
| PFU | リコーの完全子会社に | 2025年3月 |
| 富士通クラウドテクノロジーズ | 富士通に吸収合併 | 2024年4月 |
| アンリツエンジニアリング | アンリツに吸収合併 | 2020年4月 |
| 日本アビオニクス | NECグループを離脱 | 2020年1月 |
本体への吸収合併だけでなく、グループ内の統合や社名変更、別グループへの移動まで、動きはさまざまです。今回の48社には、統合後の会社名で掲載しています。
入社した会社が数年後に統合される可能性は、頭の片隅に置いておくと、いざというときに慌てずに済みます。
書類選考では、社名を見た時点でどんな会社かをイメージしながら読み進めます。旧社名だけだと一度手を止めて調べることになるので、現社名を併記しておくと読む側が助かります。統合された会社も同じです。
売上規模のズレ|売上の大きさは仕事の中身を示さない


一人あたり売上高で見ると約8倍の差がある
売上高を従業員数で割った「一人あたり売上高」を計算すると、メーカー系SIerは大きく2つのグループに分かれます。
| 企業名 | 一人あたり売上高 | 主な事業の性質 |
|---|---|---|
| 日立ヴァンタラ | 約1億2,600万円 | 製品販売中心 |
| シャープマーケティングジャパン | 約1億1,900万円 | 製品販売中心 |
| キヤノンマーケティングジャパン | 約9,800万円 | 製品販売中心 |
| 日立チャネルソリューションズ | 約8,300万円 | 機器製造・販売 |
| 富士通Japan | 約7,600万円 | 製品販売・システム構築 |
| OKIソフトウェア | 約2,200万円 | システム開発中心 |
| 明電システムソリューション | 約1,900万円 | システム開発中心 |
| 日立システムズフィールドサービス | 約1,800万円 | 保守・フィールドサービス中心 |
| 日立ソリューションズ・テクノロジー | 約1,600万円 | システム開発中心 |
| リコーITソリューションズ | 約1,600万円 | システム開発中心 |
最上位と最下位で約8倍。同じ「メーカー系SIer」でも、売上の中身はここまで違います。



意外だったのがリコージャパンです。売上は48社で最大なのに、一人あたりでは約4,600万円。保守やサポートの人員を多く抱えているためと考えられます。販売会社なら一人あたり売上が高い、とも言い切れないんですよね。
機器販売が乗ると売上は膨らむ
一人あたり売上高が高い会社は、グループ製品の販売やハードウェアの取り扱いが売上の大きな部分を占めています。
製品を仕入れて販売する事業は、開発人員を多く抱えなくても売上が立ちます。
そのため売上高は大きくなる一方、システム開発の事業規模はその数字ほど大きくないという構造になります。
売上ランキング上位の会社に応募したつもりが、実際の配属先は販売支援やサポート業務だった、ということも起こり得ます。
内販比率が高いと安定するが、外販の経験は積みにくい
もう一つのズレが、グループ内向けの売上(内販)の比率です。
内販比率が高い会社は、親会社からの発注が安定しているため業績が読みやすくなります。景気変動の影響も受けにくい構造です。
ただし裏を返すと、外部の顧客に対して提案し、競合と比較されながら受注する経験は積みにくくなります。将来的に転職を考えたとき、この経験の有無が評価に影響することがあります。
内販比率を公表している会社は多くありませんが、面接で「グループ外の案件はどの程度ありますか」と質問すれば、おおよその傾向はつかめます。
職務経歴書に「グループ会社向けの案件」と書かれていても、それ自体がマイナスになることはありません。ただ、顧客との折衝や要件の調整をどこまで担ったかが書かれていると、経験の重みがきちんと伝わります。
【現役人事の視点】グループ系SIer出身者を書類・面接でどう見ているか



ここからは私が実際に見てきた範囲の話です。冒頭でもお伝えしたとおり、メーカー系SIerの採用を担当した経験はありません。ユーザー系をはじめとするグループ系企業の出身者を、書類と面接で見てきた実感としてお読みください。


評価しやすい点|上流工程の経験と大規模プロジェクトでの役割
グループ系企業の出身者について、書類の段階で目を引くのは上流工程の経験です。
親会社やグループ会社を顧客として、企画段階から関わった経験、要件定義や設計を担当した経験が書かれていると、入社後に任せられる仕事がイメージできます。元請けの立場で仕事をしてきた方は、この経験を持っていることが多い印象です。
また、規模の大きなプロジェクトで自分がどの役割を担ったかが具体的に書かれていると、評価の材料になります。
確認したくなる点|担当案件がグループ内に閉じていないか
一方で、面接で確認したくなるのが、経験してきた案件の広がりです。
担当してきたシステムがグループ内向けのものに限られている場合、その会社固有の業務知識や独自の仕組みに依存した経験になっていないかを確認します。これは経験の優劣ではなく、転職先で同じように力を発揮できるかを見極めるためです。
ですので、面接では「他の環境でも通用する部分」を意識して話していただけると、こちらも判断しやすくなります。使用した技術、プロジェクトの進め方、課題への向き合い方といった部分です。
系統を問わず見ているところ
SIerの系統にかかわらず、書類選考で共通して見ている点もあります。
- 在籍期間と担当業務の対応が分かるか
- 転職理由が前向きに整理されているか
- 応募職種と経験の接点が見えるか
- 実績が具体的に書かれているか
特別なことではありませんが、書類の段階でここが整理されている方は、面接でも話が通りやすい傾向があります。
グループ会社向けの案件しか経験がないと不安に思われる方がいますが、それだけで不利になることはありません。案件の中で何を判断し、どう動いたかが書かれていれば、経験の中身は十分に伝わります。
メーカー系SIerに転職して後悔しないための確認ポイント
同じ会社でも事業部で仕事内容が変わる
メーカー系SIerは組織が大きいため、同じ会社でも配属される事業部によって扱う技術や顧客がまったく異なります。
求人票に「クラウド環境での開発」と書かれていても、それが全社的な話なのか、特定の部署に限った話なのかは読み取れません。
確認しておきたい項目を挙げておきます。
- 配属予定の部署と、その部署が担当している顧客・案件
- 実際に使用している技術やツール
- 担当できる工程の範囲
- 客先常駐の有無と頻度
待遇面のメリットは押さえておく
メーカー系SIerの魅力として挙げられるのが、待遇面の安定性です。
グループ会社は人事制度や福利厚生が親会社に準じていることが多く、住宅関連の補助、保養施設、財形貯蓄、資格取得の支援といった制度が整っている傾向があります。同じ規模の独立系企業と比べたとき、この部分で差が出ることがあります。
給与水準についても、親会社の水準が反映されるケースが見られます。ただし会社によって差はあるため、求人票の記載や面接での確認が必要です。
グループ内案件に閉じてしまうリスク
一方で注意しておきたいのが、経験の幅が限定される可能性です。
親会社やグループ会社のシステム開発が中心になると、扱う技術も社内の標準に沿ったものになりやすくなります。
安定した環境である反面、汎用的な技術や、外部顧客への提案経験を積む機会は少なくなる傾向があります。
数年後に別の会社への転職を考えたとき、この点が課題になることがあります。会社を選ぶ段階で、グループ外の案件にどの程度関われるかを確認しておくと、数年後の選択肢を狭めずに済みます。
また、キャリアを重ねると協力会社のマネジメント業務の比重が増える傾向もあります。技術者として手を動かし続けたい方は、面接でその点も聞いておくと、入社後のギャップを減らせます。
面接で配属先について質問することを遠慮される方がいますが、こちらとしては入社後のミスマッチを防ぎたいので、聞いていただいたほうが助かります。聞き方さえ丁寧であれば、意欲の表れとして受け取られます。
メーカー系SIerを目指すときの転職エージェントの使い方
配属先の実態は求人票に書かれていない
ここまで見てきたとおり、メーカー系SIerは組織が大きく、同じ会社でも部署によって環境が異なります。
求人票に書かれているのは募集職種の概要までで、実際にどの部署でどんな案件を担当するかまでは分かりません。この部分を補うために、転職エージェントを使う価値があります。
エージェントは過去の紹介実績から、部署ごとの雰囲気や選考の傾向を把握していることがあります。企業側と直接やり取りしている分、求人票に載らない情報を持っているためです。
経験や状況に応じて選び分ける
転職エージェントには得意分野があります。ここでは、IT業界での実務経験がある方向けのサービスを紹介します。
その会社が良いかどうかは
他の選択肢を見ないと判断できません
人事の立場から言うと、比較対象を持たないまま決めている人が一番損をしています。
50歳未満/未経験は対象外
✓ リモート可否・フレックスなど細かい条件で検索できる
✓ 転職を決めていなくても登録できる
20代後半〜30代が中心
✓ 土曜1日で選考が終わる1Day選考会あり
✓ ITコンサル・メガベンチャーの求人が豊富
複数登録して比較する方も多いですが、担当者とのやり取りが負担になることもあります。まずは2社程度から始めて、必要に応じて増やす形が現実的です。


エージェント経由の応募では、推薦状に書かれた内容も一緒に読んでいます。ご自身の希望や強みをエージェントに正確に伝えておくと、推薦状の説得力が変わってきます。
よくある質問
- メーカー系SIerの大手はどこですか?
-
親会社本体を除いた今回の集計で売上高が大きいのは、リコージャパン、日立システムズ、富士通Japan、キヤノンマーケティングジャパン、NECネッツエスアイの5社です。富士通Japanの売上高は、2026年4月の事業移管前の数値です。
ただし上位には製品販売の比重が大きい会社も含まれます。システム開発の規模で見るなら、日立システムズ、NECソリューションイノベータ、日立ソリューションズなども候補になります。 - メーカー系SIerと親会社、どちらに応募すべきですか?
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積みたい経験によって変わります。
事業企画やコンサルティングに近い仕事を希望するなら本体、設計・開発・運用の実務を中心に経験を積みたいならグループのSI会社が近い選択になります。募集職種の内容を見比べると、どちらが近いかが見えてきます。
- メーカー系SIerは未経験でも転職できますか?
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会社や職種によります。
研修制度を整えて未経験者を受け入れている会社もあれば、即戦力を前提とした募集もあります。まずは求人票の応募資格で、未経験可の求人があるかを確認してください。なお、この記事で紹介している転職エージェントは、IT業界での実務経験がある方向けのサービスです。
- メーカー系SIerからWeb系や独立系への転職は不利になりますか?
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不利になるとは限りません。
上流工程の経験や大規模プロジェクトでの実績は、他の環境でも評価される部分です。ただし使用してきた技術がグループ独自のものに偏っている場合は、汎用的な技術の経験を補っておくと選択肢が広がります。
まとめ|Tierと役割の両方で見る
メーカー系SIer48社を調べて分かったことを整理します。
- 売上高1,000億円以上のTier1が22社と4割を超える一方、300億〜500億円のTier3は4社だけだった
- 一人あたり売上高で見ると、製品販売中心の会社と開発中心の会社で約8倍の差がある
- 親会社本体をランキングに含めるかどうかで、順位も金額も大きく変わる
- グループ内の統合や本体への再統合が続いており、社名変更やグループの移動も相次いでいる
売上規模は会社の全体像をつかむ目安にはなりますが、それだけで仕事の中身は分かりません。グループの中でその会社が何を担っているか、配属される部署でどんな案件に関わるのかまで見て、はじめて判断ができます。



この記事の一覧が、応募先を絞り込むときの出発点になれば嬉しいです。気になる会社が見つかったら、次は配属先の実態を確認する段階に進んでみてください。
その会社が良いかどうかは
他の選択肢を見ないと判断できません
人事の立場から言うと、比較対象を持たないまま決めている人が一番損をしています。
50歳未満/未経験は対象外
✓ リモート可否・フレックスなど細かい条件で検索できる
✓ 転職を決めていなくても登録できる
20代後半〜30代が中心
✓ 土曜1日で選考が終わる1Day選考会あり
✓ ITコンサル・メガベンチャーの求人が豊富





