「ITストラテジスト試験って、なくなるの?」
「もう名前が消えるなら、取っても意味ないのかな…」
ITストラテジスト試験(以下、ST)は、IPA(情報処理推進機構。ITの国家試験を実施している団体)の試験の中でも、難しさで知られる試験です。IPAは2027年度から新しい試験を始めるとしていて、STの名前で受けられるのは2026年度(前期)が最後になります。
とはいえ、STで問われてきた中身や、すでに合格した実績まで消えるわけではありません。変わるのは試験の枠組みのほうです。
すけさん名前がなくなると聞くと、勉強を続けるか迷いますよね。この記事では、公表資料で確かめた制度の話と、人事として選考で見てきた話を、分けてお伝えします。
- STは本当になくなるのか、いつまで受けられるのか
- 厚生労働省の告示に名前がある、STならではの位置づけ
- すでに合格している人の実績はどうなるのか
- 人事は書類や面接でST合格をどう見ているか(役に立たないと言われる理由も)
この記事の結論(先に知りたい方へ)
- 試験そのものがなくなるわけではありません。2027年度から新しい試験に再編され、STの中身は新試験のマネジメントの分野に引き継がれます
- STの名前で受けられるのは2026年度(前期)が最後。申込は10月6日(火)10時から10月24日(土)17時まで
- すでに合格した実績に有効期限はなく、無効にもなりません。ただし新試験の合格に自動で置き換わるわけではありません
- 役に立つかどうかは、使う場面しだい。人事から見た答えは役に立たないと言われる理由の章で書いています


ITストラテジスト試験は「なくなる」のか?【結論:名称廃止・マネジメント領域に統合】


STという名前の試験は、2026年度で終わります。ただ、中身がまるごと消えるわけではなく、新しい試験のマネジメントの分野に引き継がれる形です。
ここでは、再編の中身と、名前の似た別の資格との違い、それから決まったことと検討中のことの線引きを見ていきます。
2027年度から「プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称)」に再編される
2026年3月31日、経済産業省が情報処理技術者試験の見直し案を公表しました。対象は、応用情報技術者試験と、STを含む高度試験(IPAの試験のうち、いちばん上のレベルの区分)。これを2027年度から3つの試験にまとめ直す内容です。
- プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称)
- プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験(仮称)
- プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験(仮称)
STの行き先は、このうちマネジメントの試験です。ただし、IPAは旧試験と新試験の対応表を出していません。
手がかりになるのが、マネジメントの試験のサンプル問題です。出題のねらいには、次の4つが挙がっています。
- 戦略の立案
- サービスマネジメント(ITサービスを安定して提供するための管理)
- プロジェクトマネジメント
- 組織のガバナンス(会社が正しく運営されているかの管理)と監査
STが扱ってきたIT戦略は、このうち戦略の立案に当たると読めます。プロジェクトの管理や監査と同じ試験の中で、管理系の仕事を広く問う形になりそうです。
3つの新試験の中身は、プロフェッショナルデジタルスキル試験の解説記事でくわしくまとめています。


「AIエージェント・ストラテジスト試験」はSTの後継ではない
名前が似ている資格に、AIエージェント・ストラテジスト資格があります。一般社団法人AICX協会が2026年7月に第1回試験を行った民間の資格で、IPAの国家試験とは別のものです。
STの中身を引き継ぐのは、前の項目で書いたIPAの新試験(マネジメント)のほう。名前にストラテジストと入っているので、ニュースやSNSで並んで見かけることがあるかもしれません。
| 項目 | 内容(2026年9月30日時点) |
|---|---|
| 主催 | 一般社団法人AICX協会(民間資格) |
| 第1回 | 2026年7月実施。受験者1,137名、合格率39.8% |
| 第2回 | 受験期間は10月1日(木)〜10月31日(土)。申込は9月20日で終了 |
| 受験料 | 14,800円(税込) |
| 受け方 | オンライン受験 |
| 試験時間 | 90分(第2回から。第1回は75分) |
| 第3回 | 公表なし |



名前が似ているので、混ざりやすいんですよね。国の試験と民間の資格で、そもそも実施している団体が違う。そこだけ押さえておけば十分だと思います。
確定していること・まだ検討中のこと(2026年10月時点)
再編の話は、決まったことと検討中のことが混ざって伝わりがちです。IPAなどの公表資料を2026年9月30日に確認して、分けて並べました。
確定していること
- 2026年度(令和8年度)は、ITストラテジスト試験として受けられる。実施は前期だけで、CBT方式(会場のパソコンで受ける方式)。日程はいつまで受けられるかの章にまとめています
- 2026年度の出題範囲・出題形式・合格基準は、これまでと変わらない
- 新試験は2027年度から始まる予定。マネジメントの試験のシラバス案(出題範囲をまとめた資料。Ver.0.2、2026年7月31日更新)と、科目Bのサンプル問題が公開されている
- サンプル問題は4問とも、選択肢から答えを選ぶ形式。1問目のテーマはIT戦略
まだ検討中のこと
- 新試験の正式な名前(今は仮称)
- 今の試験で科目免除の条件を満たした人を、新試験でも一定期間免除する経過措置(くわしくは後述します)
- 論文を書く試験の扱い。新試験の合格者だけが受けられる論述試験も検討されていると報じられています(日経クロステック)
論文を書く試験のあり方は、2028年度以降に向けて引き続き検討するとされています(経済産業省)。今のサンプル問題を見る限り、IT戦略というテーマは新試験にも残ります。一方で、論文で問う形は含まれていません。
「最難関」ITストラテジストの特殊な位置づけとは?


STには、ほかの高度試験にない特徴があります。ここでは法律上の扱いと、試験の難しさを順番に見ていきます。
労働基準法14条の特例(厚生労働省告示)に名前がある唯一の高度試験
期間を決めて結ぶ雇用契約(有期雇用)は、原則3年までと労働基準法14条で決まっています。例外として、高度な専門知識を持つ人が、その知識を使う仕事に就く場合は5年まで結べます。
どんな人がこの例外に当たるかは、厚生労働省の告示(法律の細かい基準を国が示したもの)で決まっています。STの合格者は、この告示の第3号に入っています。2015年4月1日からです。
同じ告示には、医師や弁護士、公認会計士なども出てきます。ただ、こちらは第2号。STと同じ第3号に並ぶのは、前身のシステムアナリスト試験と、アクチュアリー試験の合格者です。
今のIPAの試験区分で告示に名前があるのは、STだけ。ただし5年の契約が結べるのは、その知識を使う仕事に就く場合に限られます。ST合格者なら誰でも、という仕組みではありません。
再編後に告示がどうなるかは、2026年9月30日時点で公表されていません。この点はFAQでも補足しています。
「最難関」と言われる理由(受験者の平均年齢・合格率)
難しいと言われる理由のひとつが、受ける人の顔ぶれです。令和7年度(2025年度)春期の受験者の平均年齢は42.1歳。40代前後の人が中心の試験です。
41.8歳という数字を見かけることもあると思います。こちらは申し込んだ人(応募者)の平均で、実際に受けた人の平均が42.1歳、合格した人の平均は40.4歳です。
高度試験の中では高いほうですが、いちばんではありません。受験者の平均年齢が最も高いのはシステム監査技術者で、44.8歳(令和7年度秋期)でした。
| 実施回 | 合格率 |
|---|---|
| 令和5年度(2023年度)春期 | 15.5% |
| 令和6年度(2024年度)春期 | 15.8% |
| 令和7年度(2025年度)春期 | 15.0% |
40代前後の経験者が中心の中で、合格するのは6〜7人に1人ほど。数字で見ても、簡単な試験ではありません。
2026年度の試験構成(今の形式で受けられる最後の回)
2026年度の試験は、4つの科目に分かれています。科目の呼び方は変わりましたが、IPAは出題の範囲や形式、合格基準に変更はないとしています。
| 科目 | 時間 | 形式 |
|---|---|---|
| 科目A-1 | 50分 | 多肢選択式(選択肢から選ぶ。高度試験の共通問題) |
| 科目A-2 | 40分 | 多肢選択式(STの専門分野) |
| 科目B-1 | 90分 | 記述式(文章で答える) |
| 科目B-2 | 120分 | 論述式(論文を書く) |
科目A-1は、応用情報技術者試験の合格などの条件を満たすと免除されます。条件は、後述の経過措置の項目で書いています。
論文(科目B-2)の字数は、過去の試験では設問ごとに決まっていました。設問アが800字以内、イが800〜1,600字、ウが600〜1,200字です。
イとウで合わせて最低1,400字、上限まで書けば3,600字。これを120分で書き上げます。
2,000〜3,000字という数字を目にすることもあるかもしれません。これは実際の答案で書く量の目安で、設問ごとの字数の指定とは別の数字です。



正直に言うと、私は応用情報の午後で基準点に届かず、まだ合格していません。記述だけでも苦戦したので、2時間で論文まで書き切るSTは、それだけで別格だと感じます。
ST合格者の書類を見たときに私が読み取るのは、地頭がいいか、正しい努力ができる人か。どちらにしても、かなり優秀な人という印象を持ちます。
すでにITストラテジストに合格している人はどうなる?





せっかく取ったSTなのに、名前がなくなったら実績まで無駄になるんじゃないか…。そう不安になりますよね。実績そのものは消えないので、そこは安心して大丈夫だと思います。
ここでは、IPAの公表内容をもとに、合格実績の扱いと、新試験への科目免除の経過措置を見ていきます。
合格実績は引き続き有効(履歴書の書き方も)
IPAのよくある質問では、試験の合格に有効期限はなく、過去の合格が無効になることもないと説明されています。更新の手続きもいりません。
同じ回答の中で、昔の試験区分の合格が、新しい試験の合格に自動で置き換わるわけではないとも書かれています。STに受かっていても、新試験のマネジメントに合格した扱いにはなりません。
IPAは、個人のスキル情報をためておける仕組み(プラットフォーム)も検討中です。今の試験や過去の合格情報も、登録して使えるようにする予定とされています。
履歴書の資格欄には、合格した当時の試験名をそのまま書きます。新試験の名前に書き直す必要はありません。
(例)令和○年○月 ITストラテジスト試験 合格
新試験への科目免除の経過措置も検討されている
今の高度試験には、科目A-1(旧午前I)を免除する仕組みがあります。次のどれかに当てはまると、2年後の同じ時期の試験まで、科目A-1を受けずに済みます。
- 応用情報技術者試験に合格した
- 高度試験か、情報処理安全確保支援士試験に合格した
- 高度試験か、情報処理安全確保支援士試験の科目A-1で基準点以上を取った
この免除を、新試験にもつなげる経過措置が検討されています。今の試験で免除の条件を満たした人は、一定期間、新試験の一部の科目が免除される、という内容です。
ただ、IPAの説明は検討しているという段階まで。2026年度に合格した人が対象になるか、期間がどれくらいかは、まだ発表されていません。
2026年度の申込で免除を使うときの注意は、いつまで受けられるかの章で書いています。
資格欄は、まずIT資格があるか、次にいつ頃取ったかを見ています。「ST」のような略し方は気になるので、「ITストラテジスト試験 合格」と正式名称に合格年月を添えて書くのがおすすめです。
ITストラテジストの転職市場での評価はどうなる?【現役IT人事の見解】





ここからは、書類選考や面接をしている人事の立場からお話しします。私1人が見てきた範囲の話なので、どの会社でも同じとは限りません。
書類選考でST合格はどう読まれるか
私が目を通す書類は、年間1,000件を超えます。そのうちST合格者は、年に5人ほどです。
SIer(システム開発を請け負う会社)の採用だけでなく、事業会社(自社で事業を持つ会社)の採用でも見てきました。印象に残っているのは、30代後半のPM(プロジェクトの責任者)の方や、40代で部長職の方です。
書類選考は、ほぼ全員通しています。1次面接も、通過する人が多いです。書類の段階では、STは強いと感じます。



正直に言うと、書類が通るのがSTのおかげなのか、経験のおかげなのかは分けられません。ST合格者は、経験も厚い人が多いんですよね。
ただ、面接で見ているものは少し違います。
面接でST合格者に聞くこと
面接では、STを取った理由を必ず聞きます。反対に、何か月で取ったかは聞いていません。
理由を聞くのは、書類だけでは取った背景が見えないからです。STの話が、その人の仕事の話とつながるのかどうか。ここは話を聞かないと分かりません。
実際、そこがはっきり分かれたケースもありました。くわしい話は、役に立たないと言われる理由の章で書いています。
新試験「マネジメント領域」の合格は、書類でどう見えそうか



ここからは予想の話です。新試験の合格者は、まだ書類で見たことがありません。経験ではお話しできないので、そのつもりで読んでもらえるとうれしいです。
新試験は2027年度から始まる予定です。合格した人が書類に出てくるのは、早くても最初の試験の結果が出たあとになります。
そのうえで、私の予想です。マネジメントの試験は、IT戦略もプロジェクト管理も監査も、1つの試験で問う形。管理の力を広く示せる一方で、IT戦略に強いという見え方は、STの名前ほどはっきりしないかもしれません。
名前が新しいぶん、書類を読む側が中身を知るまでに時間がかかる可能性もあります。しばらくは試験名より、職務経歴書に書かれた経験で判断することになりそうです。
「どうして取ろうと思ったんですか」と聞くとき、知りたいのは合格までのスピードより、どんな仕事の中で必要だと感じたか。そこを聞きたいんです。
STの勉強で身につけたことや、これまでの経験を活かせる求人がどれくらいあるか。IT経験者向けの転職エージェントなら、実際の求人で確かめられます。
その会社が良いかどうかは
他の選択肢を見ないと判断できません
人事の立場から言うと、比較対象を持たないまま決めている人が一番損をしています。
50歳未満/未経験は対象外
✓ リモート可否・フレックスなど細かい条件で検索できる
✓ 転職を決めていなくても登録できる
20代後半〜30代が中心
✓ 土曜1日で選考が終わる1Day選考会あり
✓ ITコンサル・メガベンチャーの求人が豊富
ITストラテジストは「役に立たない」?そう言われる理由と人事から見た答え





役に立たないと言われると、正直モヤモヤしますよね。時間をかけて勉強してきた試験なら、なおさらだと思います。
検索すると、役に立たない、意味がないといった声も出てきます。ここでは、そう言われる理由と、STが活きる仕事・活きにくい仕事を整理します。最後に、私が選考で見てきたケースを紹介します。
「役に立たない」と言われる3つの理由
役に立たないと言われる背景には、次のような事情があります。
- 持っていないとできない仕事(独占業務)がない:
医師や弁護士と違って、STがなくてもIT戦略の仕事はできます。資格そのものが仕事の条件になる場面は、ほとんどありません。 - 求人票に名前が出にくい:
求人票を書く側として、私は「ITストラテジスト歓迎」と書いたことがありません。求人を探す側からすると、STがどう評価されるのか見えにくい部分です。 - 資格手当や年収に直結しにくい:
資格手当があるか、いくらもらえるかは会社によって違います。そもそも、資格だけで年収が決まるわけではありません。
どれも、STで学ぶ中身が役に立たないという話とは少し違います。資格の名前が、仕事や給料の条件として表に出にくい。そこが、役に立たないと感じられやすい理由だと思います。
ST合格が活きる仕事・活きにくい仕事
上流(システムを作る前に、何を作るかを決める段階)や企画の求人は、求人票を書く立場で見ていても増えたと感じます。AIの流行も影響しているのかもしれません。
一方で、ST合格者の応募が増えた感じはしません。役割の求人が増えても、資格の名前で応募が集まるわけではないんです。エージェントの担当者からも、経験者の採用に力を入れる企業が増えているという話を聞きます。
役に立つかどうかは、資格そのものより、今の仕事がSTの中身と重なっているかで変わってくると思います。仕事の中身で分けると、次のような目安になります。
| 仕事の例 | STの出題範囲との重なり | 理由 |
|---|---|---|
| 事業会社のIT企画・情報システム部門(社内のITを担う部署) | 大きい | 会社の戦略に合わせて、ITにどう投資するかを計画すること自体が仕事 |
| ITコンサルタント | 大きい | お客さんの経営の課題を、ITでどう解決するかを考える仕事 |
| SIerでの提案・上流の工程 | 場面による | お客さんの戦略に近い提案をする立場なら、重なる場面がある |
| 実装(プログラムを書く)や運用が中心の仕事 | 小さめ | 決まった仕様をもとに作る・動かすことが中心 |
重なりが小さい仕事でも、STの勉強が無駄になるわけではありません。ただ選考では、今の仕事とどうつながるかを、自分の言葉で説明することになります。
人事から見た答え|書類では強い、決め手は経験と取った理由
ここからは、私が選考で見た2つのケースです。数としては多くないので、傾向というより一例として読んでもらえればと思います。
1つ目は、プロジェクトを進める力が、求人で求める水準を十分に超えていた方です。STがなくても、合格にしていたレベルでした。
求人に対して経験が上回っていたので、合格にして、こちらの想定より高い年収でオファーを出しています。決め手になったのは、プロジェクトを進める力のほうです。
STが判断を変えたわけではありません。でも、評価されなかったわけでもない。評価されたのは、経験のほうでした。
2つ目は、試験に強くて合格した一方で、なぜ取ったのかが見えてこなかった方です。書類では目立ちましたが、面接でSTの話を聞いても、仕事の経験とつながってきませんでした。
面接で取った理由を聞くのは、この2つ目のようなケースがあるからです。STがあるかどうかより、STと経験を自分の言葉でつなげて話せるか。面接で私が見ているのは、そこです。



資格が決め手にならなかった話を書きましたが、落ち込む話ではないと思います。経験がちゃんと見られている、ということなので。
求人票の歓迎条件の欄に出やすいのは、必須にはしないけど本当は欲しい経験のほうです。STの名前がなくても、上流や企画の経験を求めている求人なら、合格は面接で話す材料になると思います。
自分の経験が、どんな求人で活かせそうか。求人をいくつか眺めてみるだけでも、使いどころが見えてくると思います。
その会社が良いかどうかは
他の選択肢を見ないと判断できません
人事の立場から言うと、比較対象を持たないまま決めている人が一番損をしています。
50歳未満/未経験は対象外
✓ リモート可否・フレックスなど細かい条件で検索できる
✓ 転職を決めていなくても登録できる
20代後半〜30代が中心
✓ 土曜1日で選考が終わる1Day選考会あり
✓ ITコンサル・メガベンチャーの求人が豊富
ITストラテジストはいつまで受けられる?2026年度に受けるか、新試験を待つか


STの名前で受けられるのは、2026年度(令和8年度)の試験が最後です。ここでは日程と、2026年度に受けるか新試験を待つかの考え方を書きます。
2026年度の日程(ITストラテジストとして受けられる最後の回)
2026年度のSTは、前期だけの実施です。後期にSTの試験はありません。
申込の受付は、10月6日(火)10時に始まります。締切は10月24日(土)17時です。
| 項目 | 日程・内容 |
|---|---|
| 申込受付 | 2026年10月6日(火)10時〜10月24日(土)17時 |
| 科目A-1・A-2 | 2026年10月17日(土)〜10月27日(火) |
| 科目B-1・B-2 | 2026年11月11日(水)〜11月23日(月) |
| 合格発表 | 2027年2月頃(予定) |
| 受け方 | CBT方式(会場のパソコンで受ける方式) |
| 受験手数料 | 7,500円(税込) |
申込のときに、科目Aと科目Bの日時・会場を同時に予約します。予約した日時は、試験日の3日前まで変更できます(空いている枠に限ります)。申込後のキャンセルや返金はできません。
科目Aを早い日にしたい人は、そのぶん申込も早めになります。
科目A-1の免除を使う人は、申込のときに一部免除申請番号を入力します。入力しないと免除になりません。免除の条件は、経過措置の項目で書いています。
受けると決めている人は、受付開始の10月6日と、締切の10月24日17時をカレンダーに入れておくと安心です。
2026年度に受けたほうがいい人
次のどれかに当てはまるなら、2026年度に受けておく意味は大きいと思います。
- STの名前で合格したい人:
STの名前で受けられるのは、今回が最後です。労働基準法14条の告示に名前がある試験区分として合格できるのも、この回までになります。告示の中身は告示の項目で書いています。 - 論文の試験に挑戦したい人:
新試験のサンプル問題は、選択肢から選ぶ形式でした。今の形の論文試験を受けられるのは、今分かっている範囲では2026年度が最後です。 - 科目A-1の免除が使える人:
1科目少ない負担で受けられます。免除の条件は、経過措置の項目で書いています。 - IT企画やITコンサルの仕事をしている人、これから目指す人:
STの出題範囲と仕事の中身が重なりやすいので、面接で取った理由を話しやすいと思います。
新試験を待ってもいい人
反対に、次のような人は、焦らずに新試験を待つ選択もありだと思います。
- 基本情報や応用情報もまだの人:
応用情報技術者試験も、2027年度から新試験にまとめ直される対象です。経済産業省の見直し案では、新試験のどれか1つに合格すると、応用情報の合格と同じ扱いになるとされています。STにいきなり挑むより、新試験から始める道もあります。 - 管理の仕事を広く学びたい人:
新試験のマネジメントは、IT戦略に絞らず、管理の仕事を広く問う形です。分野を絞らずに学びたい人には、合っているかもしれません。 - 論文に苦手意識がある人:
今分かっている範囲では、サンプル問題は選択式です。ただ、論文で問う試験の扱いは検討中と報じられていて、ずっと選択式だけとは限りません。



受けるか待つか、迷うのは普通のことだと思います。どちらを選んでも大丈夫。今の仕事とつなげて話せそうなほうを選ぶ、くらいで十分なんですよね。


11月に受けて、合格発表は2月頃。その間に転職活動をするなら、書類に「受験済み・結果待ち」と書くか迷うと思います。頑張りは伝わりますが、最終面接官などには好まない人もいて、書かないほうが結果が良かったパターンも見てきました。
よくある質問(Q&A)
- ITストラテジストの合格証は、新試験制度になっても使えますか?
-
はい、使えます。IPAによると、合格に有効期限はなく、過去の合格が無効になることもありません。
ただし、新試験の合格に自動で置き換わるわけではありません。履歴書の書き方も含めて、合格実績の項目で書いています。
- 労働基準法でのITストラテジストの位置づけは、再編後どうなりますか?
-
2026年9月30日時点で、告示の改正は公表されていません。
今は、労働基準法14条の特例を定めた厚生労働省の告示(平成15年厚生労働省告示第356号)があります。その第3号に、STの合格者が入っています。中身は告示の項目で書いています。
新しい発表が出たら、この記事を更新します。
- ITストラテジストとプロジェクトマネージャは、新試験では同じマネジメントの試験になります。違いは何ですか?
-
STは、会社の戦略に合わせて、何にITを使い、どこに投資するかを考える試験です。PMは、決まったプロジェクトを計画どおりに進める力を問う試験です。
新試験では、どちらもマネジメントの1つの試験にまとまります。サンプル問題でも、IT戦略(問1)とプロジェクトマネジメント(問3)が別々の問題として出ています。
ただ、合格がST向け・PM向けのように分かれるという説明は、今の公表資料にはありません。
まとめ
最後に、この記事の要点を並べておきます。
- STは2027年度から、プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称)に再編される。IT戦略というテーマは、新試験にも残る
- STの名前で受けられるのは、2026年度(前期)の試験が最後。日程はいつまで受けられるかの章にまとめています
- 新試験のサンプル問題は選択式。論文で問う試験の扱いは、検討中と報じられている
- 労働基準法14条の告示でのSTの扱いが再編後どうなるかは、2026年9月30日時点で公表なし
- 合格実績は消えない。ただし、新試験の合格に自動では置き換わらない。免除の経過措置は検討中
- 転職の書類選考では、STは強い。私が見てきた範囲では、合否を決めていたのは経験と、取った理由を話せるかどうか



今日できる一歩として、STを取った理由を1行だけ、職務経歴書の下書きに書いてみるのはどうでしょう。これから受ける人は、取ろうと思った理由で大丈夫です。面接で聞かれたときの準備になりますよ。
試験制度の見直しは、これからも発表が続きます。新しい情報が出たら、この記事も更新していきます。






※この記事の情報は、2026年9月30日時点で確認したものです(試験日程は、2026年9月17日更新のIPAの案内によります)。IPA・経済産業省の発表で内容が変わることがあります。最新の情報はIPA公式サイトで確認できます。



