「プロジェクトマネージャ試験(PM試験)って、なくなるらしいよ」——最近そんな話を耳にして、不安になっていませんか。せっかく勉強を始めたのに、あるいはやっと合格したのに、その資格が無駄になってしまうとしたら、モヤモヤした気持ちになるのは当然のことです。
プロジェクトマネージャ試験は「廃止(なくなる)」わけではなく、2027年度から新しい制度に「再編(生まれ変わる)」します。 そして、今持っている・これから取る合格実績が無駄になることもありません。
この記事は、次のような方に向けて書いています。
- PM試験を受けようか迷っている30〜40代の現役SE・エンジニアの方
- すでに合格したけれど「制度が変わると聞いて不安」という方
- 「今から受ける意味があるのか」を冷静に判断したい方
- プロジェクトマネージャ試験は本当になくなるのか(結論と根拠)
- 2027年度から始まる新しい試験制度の全体像
- 「今から受ける意味があるのか」を判断する材料
- すでに取った資格・これから取る資格が無駄にならない理由
- 転職やキャリアで評価されるのかどうか
- 受けるかどうかを決めるためのチェックポイント
【結論】この記事の簡単なまとめ
- PM試験は「廃止」ではなく「再編」。2026年度の実施をもって現行制度が終了し、2027年度から新制度へ移行する予定です(出典:IPAプレス発表 2026年3月31日)。
- 新制度では、PM試験は新設される「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」の「マネジメント領域」へ統合される見込みです。
- 現行制度で合格した人には経過措置があり、新試験で一部科目が免除される方針が示されています(出典:日本経済新聞 2026年5月)。
- 合格率は直近5年でおおむね13〜15%と、高度資格としての価値は変わっていません。
- つまり、「今取る資格が無駄になる」とは言えず、受験を迷う理由が制度改革であるなら、過度に心配する必要はなさそうです。
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
2027年度から始まる試験制度改革の全体像
まず押さえておきたいのが、今回の変化は「PM試験だけ」の話ではなく、情報処理技術者試験の全体が見直される大きな改革だということです。落ち着いて全体像から確認していきましょう。

変更のポイントは、大きく3つです。
- 現行の試験制度は、2026年度(令和8年度)の実施をもって終了する予定です。
- 現在の「応用情報技術者試験」と「高度試験」を大きくまとめ、新設される 「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」 に再編されます。
- 新試験には「マネジメント領域」「データ・AI領域」「システム領域」の3つの区分が設けられます。プロジェクトマネージャ試験は、このうち「マネジメント領域」に位置づけられる見込みです。
(出典:IPA「試験区分体系などの見直し(案)について」2026年3月31日)
新制度が始まる時期の目安を、表にまとめました。
| 試験区分 | 新制度の開始時期(予定) |
|---|---|
| ITパスポート/情報セキュリティマネジメント/基本情報技術者 | 2027年度 春頃 |
| プロフェッショナルデジタルスキル試験(PM試験を含む) | 2027年度 夏頃〜秋頃 |
| データマネジメント試験(新設・仮称) | 2027年度 夏頃〜秋頃 |
あわせて、試験方式も紙からパソコンを使う CBT方式 へと順次移行していきます。2026年度(令和8年度)から移行が予定されており、指定された期間の中から都合のよい日時を選んで受験するスタイルに変わっていきます(出典:IPA試験情報)。
すけさん「大きく変わるんだな」と身構えてしまうかもしれませんが、求められる知識やスキルの本質(プロジェクトを計画し、管理し、やり遂げる力)が変わるわけではありません。 名前や枠組みが整理される、とイメージしていただくとよいかと思います。
面接で『PM試験合格』と聞けば、制度が新旧どちらでも評価は変わりません。人事が見ているのは”資格名”より”難関を突破した学習姿勢とマネジメント知識”です。制度改革を理由に受験をためらう必要はほとんどありません。
「今から受ける意味あるの?」——受験を迷う人への判断材料



「どうせ変わるなら、今受けても意味がないのでは」と感じる方は多いです。ここは大事なポイントなので、じっくり考えていきましょう。


判断材料①:難関×希少という価値は変わっていません
プロジェクトマネージャ試験の合格率は、直近5年でおおむね13〜15%で推移しています。たとえば令和5年度(2023年度)は、応募者12,197名に対して合格者は1,066名、合格率13.5%でした(出典:プロジェクトマネージャ試験ドットコム統計)。
- 100人受けても、合格するのは13〜15人ほど、という難関です。
- この「簡単には取れない」という事実こそが、資格の価値を支えています。
- 制度が変わっても、マネジメントの知識を問う高度資格であることは変わりません。
判断材料②:”現行制度のラストイヤー”という見方もできます
2026年度は、現行制度で受験できる最後の年になる予定です。
- 「慣れ親しんだ論文式(記述)でチャレンジしたい」という方には、今が最後の機会になります。
- 一方で、新制度の内容(シラバス案やサンプル問題)は2026年度夏頃までに順次公表される予定です。焦って結論を出す必要はありません。
判断材料③:学んだ知識は”陳腐化しない”という声が多いです
実際に合格者からは、「試験勉強で体系立ったマネジメント知識が身についたことが、資格そのもの以上の財産になった」という声が多く聞かれます。
- プロジェクトの計画・リスク管理・進捗管理といった知識は、制度が変わっても実務で使い続けられます。
- つまり、勉強に投じた時間は、資格の枠組みが変わっても手元に残ります。


『制度が変わる前に取っておきたい』という動機は、実は好印象です。変化を前向きに捉えて行動できる人は、現場でも重宝されます。迷っているなら”学びが残る”という視点で判断されると、後悔が少ないように思います。
「取った資格が無駄になる?」——合格実績のゆくえ
ここが、いちばん不安に感じる部分かもしれません。
結論からお伝えすると、「無駄になる」とは言えません。 理由を3つに分けて説明します。


理由①:合格したという「事実」は生涯有効です
- 一度合格すれば、「プロジェクトマネージャ試験合格者」という実績は生涯にわたって残ります。
- 制度が新しくなっても、過去に合格した事実そのものが取り消されるわけではありません。
理由②:現行合格者への「経過措置」が示されています
新制度への移行にあたっては、経過措置が用意される方針です。
- 現行の高度試験などで要件を満たした合格者は、一定期間、新試験で一部科目が免除される方針が示されています(出典:日本経済新聞 2026年5月)。
- これは「今までの合格をきちんと引き継ぎます」という国の姿勢のあらわれと言えます。
理由③:知識とスキルは新制度でも問われ続けます
先ほどもお伝えしたとおり、新制度の「マネジメント領域」でも、プロジェクトマネジメントの知識は引き続き問われます。
- 学んだ内容が「使えなくなる」わけではありません。
- むしろ、新制度への橋渡しとして役立つ場面が多いはずです。
ここまでを表で整理します。
| 心配なこと | 実際のところ |
|---|---|
| 合格が取り消される? | 取り消されません。合格実績は生涯有効です。 |
| 新制度で不利になる? | 経過措置で一部科目免除の方針が示されています。 |
| 学んだ知識が無駄になる? | マネジメント領域で引き続き問われ、実務でも活きます。 |
履歴書の資格欄に書かれた合格実績は、制度が変わっても私たち人事にはしっかり伝わります。『いつ取ったか』より『難関を突破したか』が見られるポイントです。安心して学習を続けていただければと思います。
転職・キャリアで評価されるのか
「がんばって取っても、転職で評価されなければ意味がない」——そう考えるのは自然なことです。ここでは、評価される場面とされにくい場面を、正直にお伝えします。


メリット:客観的な”証明力”が強いという声が多いです
- プロジェクトマネージャ試験は、国家試験である情報処理技術者試験のレベル4(最高難度)に位置づけられています。
- 「マネジメント能力を客観的に示せる数少ない資格」として、実際に転職市場で評価されたという声が多く聞かれます。
- 特に、これまでより大規模なプロジェクトを扱う企業や、未経験の業界へ挑戦する際に、自分の実力を裏づける材料になります。
具体的な年収の目安(各社の求人・解説記事より)
あくまで目安ですが、PM・PMO関連ポジションの年収は次のように紹介されています。
| ポジション例 | 年収の目安 |
|---|---|
| PMO業務 | 約550万〜900万円 |
| コンサルティングファームのPM | 約800万〜1,500万円以上 |
| 大手企業の大規模プロジェクトPM | 1,000万円以上も |
デメリット・注意点:資格「だけ」では評価が伸びにくいです



正直にお伝えすると、資格を持っているだけで自動的に年収が上がるわけではありません。
- 「実務経験と組み合わせて初めて評価が最大化される」という声が多いです。
- 会社によっては資格手当や昇進要件になっておらず、社内では直接のメリットを感じにくいケースもあります。
- 実際に、合格しても現場でのマネジメント経験が伴わないと、期待どおりに評価されないこともあります。
まとめると、評価されやすいのはこんな人です。
- 現場でのプロジェクト経験があり、その裏づけとして資格を示せる方
- 大規模案件や上流工程へキャリアを広げたいと考えている方
- 転職で「マネジメント志向」を客観的に示したい方
私たちが最も評価するのは『資格+実務エピソード』のセットです。合格を語るときは、実際に担当したプロジェクトの規模や工夫を一言添えてください。それだけで説得力が大きく変わり、書類通過率も上がりやすくなります。
受験を決めるためのチェックポイント
ここまでの内容をふまえて、「自分は受けるべきか」を判断できるように、チェックポイントを整理しました。ご自身に当てはめながら読んでみてください。


受験を前向きに考えたい人
- 現在プロジェクトの現場にいて、知識を体系立てて整理したい方
- 上流工程やマネジメント職へキャリアを広げたい方
- 転職を視野に入れ、客観的な実力の証明がほしい方
- 「現行制度(論文式)で挑戦したい」という気持ちがある方
急がず、じっくり検討してよい人
- 直近で転職や昇進の予定がなく、時間に余裕がある方
- 新制度の内容を見てから判断したい方(サンプル問題は2026年度夏頃までに順次公開予定)
- 今はまず基本情報・応用情報など、手前の資格から固めたい方
受けると決めたら、次にやること
- IPA公式サイトで最新の試験日程と申込方法を確認する
- 学習スケジュールを逆算して立てる(論文対策は特に早めに)
- 過去問で出題傾向をつかむ
キャリアの節目に資格取得を置くと、学習のモチベーションが続きやすくなります。『転職を考える半年前に受験』など、目的と時期をセットで決めておくと、努力が結果に結びつきやすいと感じています。
よくある質問(Q&A)


- プロジェクトマネージャ試験は結局いつ「なくなる」のですか?
-
「なくなる」という表現は正確ではありません。現行制度が2026年度(令和8年度)の実施をもって終了し、2027年度から新制度「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」の一部として生まれ変わる予定です。試験そのものが消えるわけではありません(出典:IPAプレス発表 2026年3月31日)。
- 2026年度までに取った資格は、新制度でも通用しますか?
-
はい、通用します。合格実績に有効期限はなく、生涯有効です。さらに、現行合格者には新試験で一部科目が免除される経過措置の方針も示されています(出典:日本経済新聞 2026年5月)。「取った資格が無駄になる」と心配しすぎる必要はなさそうです。
- 新制度になるまで待ったほうが得ですか?
-
一概には言えません。「現行の論文式で挑戦したい」「制度が変わる前に取っておきたい」という方には、2026年度が現行制度の最後の機会になります。一方、「新しい試験の中身を見てから決めたい」という方は、2026年度夏頃までに順次公開されるシラバス案やサンプル問題を待つ選択もあります。ご自身の目的と時期に合わせて選ぶのがよいかと思います。
まとめ:制度は変わっても「取る価値」は消えない
最後に、この記事の要点を振り返ります。
- プロジェクトマネージャ試験は「廃止」ではなく「再編」。2026年度で現行制度が終了し、2027年度から新制度へ移行する予定です。
- 新制度では「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」の「マネジメント領域」に位置づけられる見込みです。
- 合格実績は生涯有効で、現行合格者には一部科目免除の経過措置の方針が示されています。
- 合格率13〜15%の難関資格としての価値、そして学んで得た知識は、制度が変わっても手元に残ります。
「制度が変わるから」という理由だけで受験をあきらめるのは、少しもったいないかもしれません。大切なのは、ご自身のキャリアにとって必要かどうかです。この記事が、その判断の一助になればうれしく思います。
まずは最新の試験日程を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。応援しています。


参考情報
- 運営・情報源: 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)、経済産業省、日本経済新聞ほか
- 特徴: 本記事は、IPAおよび経済産業省が2026年3月31日に公開した「情報処理技術者試験における試験区分体系などの見直し(案)」等の一次情報にもとづき、2026年7月時点の公表内容をまとめたものです。制度の詳細は今後変更される可能性があるため、受験前に必ずIPA公式サイトで最新情報をご確認ください。
- 参考URL:
- IPAプレス発表(2026年3月31日):https://www.ipa.go.jp/pressrelease/2025/press20260331.html
- IPA 試験制度の見直しの検討状況:https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/henkou/2025/20260331.html
- IPA プロジェクトマネージャ試験:https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/pm.html
- プロジェクトマネージャ試験ドットコム(統計):https://www.pm-siken.com/pmtoukei.html
- 日本経済新聞(2026年5月・経過措置):https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC274GY0X20C26A5000000/
