「AWS SAAって、実際どれくらい難しいの?」 「基本情報や応用情報と比べてどのくらい?」 「勉強時間はどれくらい見ておけばいいんだろう…」
この記事は、AWSにこれから触れる方、基本情報・応用情報をお持ちの方、インフラの実務経験がある方——スタート地点の違う3通りの読者を想定して書いています。同じ試験でも、どこから始めるかで難しさの感じ方も、必要な時間も変わるためです。
この記事では、現役IT人事の視点から、難易度の位置づけ・難しいと言われる理由・経験と保有資格別の勉強時間を、出典つきで整理します。あわせて、「採用する側はSAAをどう見ているのか?」という人事のリアルな評価もお伝えします。
- AWS SAAの試験概要と出題範囲
- SAAの難易度レベル(IPA資格との比較あり)と、難しいと言われる理由
- 合格率・合格点の目安と、経験・保有資格別の勉強時間
- 採用担当が書類選考・面接でSAAをどう評価しているか
- SAAと応用情報技術者試験で、採用側の評価がどう分かれるか・どちらを先に取るか
- 不合格だったときの再受験のルール
- SAA取得後のキャリアパスと資格ロードマップ
その会社が良いかどうかは
他の選択肢を見ないと判断できません
人事の立場から言うと、比較対象を持たないまま決めている人が一番損をしています。
50歳未満/未経験は対象外
✓ リモート可否・フレックスなど細かい条件で検索できる
✓ 転職を決めていなくても登録できる
20代後半〜30代が中心
✓ 土曜1日で選考が終わる1Day選考会あり
✓ ITコンサル・メガベンチャーの求人が豊富
【結論】AWS SAAの難易度は”中程度”|基本情報以上・応用情報未満、ただし暗記だけでは通らない試験
「AWS SAAの難易度はどれくらいなのか」——この記事にたどり着いた方が、いちばん先に知りたいのはここだと思います。先に答えからお伝えします。
- 難易度は「中程度」。求められる知識の深さでいえば、基本情報以上・応用情報未満のあたりです
- ただし、暗記だけでは通りにくい試験です。要件に合う構成を選ぶ問題が中心で、サービス名を覚えただけでは選択肢を絞り切れない場面があります
- かかる時間は、スタート地点で大きく変わります。IT実務があるか、AWSに触れているかで、目安の数字そのものが違います
もうひとつ、採用する側から先にお伝えしておきます。筆者が担当してきた選考では、「SAAを持っているから書類を通した」という判断はしていません。資格は、職務経歴に上乗せする材料として見ています。組み合わせによる例外も含めて、詳しくは採用担当はAWS SAAをどう評価している?|人事のホンネでお伝えします。(筆者の選考実務での見方で、件数は記録していません。2026年8月時点)
難易度は”中程度”。ただし、どこと比べるかで印象が変わります
SAAは、AWS認定資格の中ではAssociate(アソシエイト)レベルに位置づけられています。入門レベルの上、プロフェッショナルレベルの下にあたる段です。
「中程度」と書いたのは、この位置づけだけが理由ではありません。SAAは、サービス名を暗記していれば解ける試験ではないからです。出題は「こういう要件のシステムをどう組むか」を問う形式が中心で、知識そのものより、知識を使って選ぶ力を見にきている試験です。
試験時間・問題数・合格点といった具体的な仕様はSAA-C03の試験概要で、他の資格と比べたときの位置はAWS SAAの難易度はどれくらい?他資格との比較で、それぞれ出典つきで整理しています。
なお、合格率について先に1点だけお伝えしておくと、AWSはSAAを含む認定試験の合格率を公表していません。Web上で見かける数字の読み方も、同じ章で扱っています。
経験・保有資格別に見た、合格までの距離(早見表)
スタート地点ごとの勉強時間の目安を、先に1枚にまとめておきます。AWSは学習時間の目安を公式には示していないため、ここに並ぶのはすべて公式以外の数字です。
| スタート地点 | 勉強時間の目安 | 数字の出どころ |
|---|---|---|
| IT実務そのものがこれから | 100時間/150〜250時間 | 公開記事の目安(前者:aws-exam.net「IT業務未経験」、後者:IT資格ラボ「ITもインフラも初めて」)。いずれも根拠の記載はありません |
| IT実務はあるが、AWSは未経験 (ネットワークエンジニアなど) | 50〜80時間 | 本記事の目安(面接で伺った話と、公開されている目安を合わせた筆者の見立て) |
| AWSの実務経験がある | 20〜50時間 | 同上 |
| 基本情報・応用情報を持っている | 基本情報保持で30時間という目安あり | aws-exam.net(根拠の記載なし)。応用情報の保有者に絞った数字は見当たりません |
まずは、ご自身がどの行に当たるかを決めるところから始めてください。区分の定義と、同じ「未経験」でも数字が倍以上違う理由は、AWS SAAの勉強時間の目安|経験・保有資格別で詳しく整理しています。
AWS SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)とは?

AWS SAAは、正式名称を「AWS Certified Solutions Architect – Associate」といいます。AWSが公式に実施している認定資格のひとつで、AWSのサービスを組み合わせて、要件に合うシステム構成を設計できるかを問う試験です。
「AWSを触れるか」ではなく「どう組むか」を見る試験、という位置づけになります。まずは、AWS認定資格全体の中でSAAがどこに置かれているかから見ていきます。
AWS認定資格の全体像とSAAの位置づけ
AWS認定は、Foundational・Associate・Professional・Specialtyの4つのレベルで整理されていて、SAAはAssociate(アソシエイト)にあたります(AWS「AWS Certified Solutions Architect – Associate 認定」ほか公式ページ・2026年8月27日確認)。このレベル分けは「難易度の目安」であって、下から順番に受けていく決まりではありません。
SAA-C03の試験概要
現行バージョンはSAA-C03です。試験の基本仕様は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験名 | AWS Certified Solutions Architect – Associate(SAA-C03) |
| 試験時間 | 130分 |
| 問題数 | 65問 ※うち15問は採点対象外。採点されるのは50問です |
| 出題形式 | 択一選択問題・複数選択問題 |
| 合格点 | 1,000点満点中720点(100〜1,000のスケールドスコア) |
| 受験料 | 20,000円(税別)/150 USD ※2026年8月時点のAWS公式の料金表記。公式ページには「税が適用される場合があります」との注記があります。受験料は改定されることがあるため、申し込みの前にAWS公式の表記をご確認ください |
65問のうち15問は採点されません
試験概要でいちばん見落とされやすいのがここです。出題される65問のうち15問は採点対象外で、スコアに反映されるのは50問です。採点対象外の問題は、今後の出題のために評価されているもので、どれが該当するかは受験中に分かりません(AWS「SAA-C03 試験ガイド」・2026年8月27日確認)。
出題範囲は4分野。配点比率が公開されています
SAA-C03の出題範囲は4つの分野に分かれており、それぞれの配点比率も試験ガイドに明記されています。
| 分野 | 配点比率 |
|---|---|
| 分野1:セキュアなアーキテクチャの設計 | 30% |
| 分野2:レジリエントなアーキテクチャの設計 | 26% |
| 分野3:高パフォーマンスなアーキテクチャの設計 | 24% |
| 分野4:コストを最適化したアーキテクチャの設計 | 20% |
4分野を並べて見えてくるのは、この試験が「サービスを知っているか」ではなく「どんな観点で選んだか」を問うているということです。セキュリティ・可用性・性能・コストという4つの観点は、そのまま設計時に天秤にかける項目です。
最も比率が高いのはセキュアなアーキテクチャの設計(30%)ですが、4分野とも20%を超えており、捨てられる分野はない配分になっています。
CLF(クラウドプラクティショナー)を先に取るか、SAAから受けるか
ここまでの2つ、AWS認定の階層とSAAの出題範囲が分かると、この問いには答えの形が見えてきます。
結論からいうと、これはどちらが正しいかではなく、「AWSの用語と全体像を、どこで身につけるか」という組み立ての問題です。
SAAの4分野は「どう組むか」を問う範囲なので、サービス名や基本的な用語は、知っている前提で出てきます。その前提部分をCLFの学習でまとめて作るか、SAAの学習の中で一緒に拾っていくか——分かれ道はここだけです。どちらの順番でも、最終的に必要な知識は変わりません。
| こういう方は | 組み立て方 |
|---|---|
| AWSにこれから触れる/用語がまだ入っていない | CLFで全体像を先に作ると、SAAの問題文が読みやすくなります。合格が1つ増えるので、学習を続ける区切りにもなります |
| すでにAWSを業務で触っている/インフラの実務経験がある | 用語の前提が入っている状態なので、SAAから始める形も無理がありません |
| 受験料と期間をできるだけ抑えたい | CLFを挟むと、受験料と学習期間がその分だけ増えます。SAAの学習を始めてみて、用語でつまずくようなら戻る、という進め方もできます |
CLFそのものの難易度や、どんな方に向いているかは、こちらの記事で詳しく整理しています。

「なぜCLFを飛ばして、SAAから受験したのですか」——筆者が担当してきた選考では、この質問を受けた候補者の方がいらっしゃいました(件数までは特定していません)。
誤解のないようにお伝えすると、これは順番を咎める質問ではありません。資格の取り方には、その方の考え方が出ます。「業務でAWSを触っていたので用語は入っていた」「取得の期限が決まっていた」——理由を自分の言葉で説明できれば、それで十分に答えになっています。
逆にいえば、CLFから順に取っていること自体が評価される、という性質のものでもありません。選考でSAAがどう扱われるかは採用担当はAWS SAAをどう評価している?|人事のホンネで詳しくお伝えします。(2026年8月時点)
AWS SAAの難易度はどれくらい?他資格との比較

すけさんここまでで、SAAがどういう試験なのかは見えてきたと思います。次に気になるのは、「で、結局どれくらい難しいのか」——つまり、ほかの資格と並べたときにどのあたりに位置するのか、だと思います。
この章では、2つに分けてお伝えします。ひとつはIPA資格(ITパスポート・基本情報・応用情報)と比べたときの体感、もうひとつが合格率・合格点の目安です。どちらも「同じ物差しで測れないもの同士を、どう比べるか」という話になります。そのため、数字を並べる前に、比べ方のほうから整理していきます。難しいと言われる理由と勉強時間の目安は、このあとの2つの章で扱います。
IPA資格(ITパスポート・基本情報・応用情報)との難易度比較
「SAAって基本情報くらい?応用情報くらい?」という比較は、受験を考えるときにいちばん気になるところだと思います。ただ、この2つは同じ物差しで並べにくい試験です。理由は、受験者層と試験の作りの両方にあります。
まず、受験者層がまったく違います。
- ITパスポート:IT非専門職も含む幅広い受験者
- 基本情報技術者:IT業界を目指す方やエンジニア1〜3年目が中心
- AWS SAA:すでにIT業界で働いていて、AWSに関わる仕事をするために受ける方が大半
つまりSAAは「IT実務者が受ける資格」です。受ける人の集まりがそもそも違うので、「どちらが何割受かるか」という形での比較はできません。(AWSが合格率を公表していない点は後述します。)
①試験範囲の広さ:基本情報と同程度〜やや狭い。ただし狭い分、選び分けまで問われる
SAAの出題範囲は、「セキュアなアーキテクチャの設計」「レジリエントなアーキテクチャの設計」「高パフォーマンスなアーキテクチャの設計」「コストを最適化したアーキテクチャの設計」の4分野に限定されています(AWS「SAA-C03 試験ガイド」・2026年8月27日確認。分野ごとの配点比率は前述の試験概要をご覧ください)。
範囲が「AWSでどう組むか」に絞られている分、IPA資格のようにIT全般へ横に広がることはありません。ここだけを見れば、基本情報と同程度からやや狭いという体感は的を射ています。
ただ、狭いことが、そのまま「短く終わる」にはつながりません。範囲が絞られている分、1つひとつのサービスについて「どれを選ぶか」の粒度まで問われるためです。名前と役割を覚えて終わり、という形にはなりにくい作りになっています。
②求められる知識の深さ:基本情報以上、応用情報未満。ただし「必要な方向」が違う
ただ、上下だけで整理すると見落とすものがあります。必要になる知識の方向が違うという点です。
SAAは、前提となるIT知識そのものを深く掘る試験ではありません。応用情報のように、AWSと直接関係しない領域まで手を広げて問われることもありません。その代わり、ネットワーク・データベース・可用性といった基礎的な用語は、説明なしで出てきます。「サブネットを分ける」「冗長化する」といった言葉が、意味を知っている前提で文中に置かれる、というイメージです。
ですので、基礎的なインフラ知識があるほど楽になる試験ではありますが、基礎知識の試験ではありません。この差が、勉強時間の見積もりが人によって大きくぶれる理由でもあります。
③問題の性質:暗記で押し切れる比率がいちばん違う
3つの中で、いちばん性質が離れているのがここです。
SAAの問題は、要件が数行で示され、その条件に最も合う構成を選ぶ形式が中心です。用語の意味を覚えているだけでは選択肢が絞り切れず、「この要件ならどれを使うか」という設計判断が問われます。
暗記の比率が下がる分、知識を入れる時間よりも、問題を解いて判断の型を作る時間のほうが効いてきます。範囲が狭いのに対策が短くならないのは、この性質によるところが大きいです。具体的な進め方は勉強法の章で扱います。
ここまでの3点を、4つの試験で並べるとこうなります。
| 観点 | ITパスポート | 基本情報技術者 | 応用情報技術者 | AWS SAA |
|---|---|---|---|---|
| 出題範囲 | IT全般の基礎を広く浅く | IT全般+開発の基礎 | IT全般を実務レベルで広く | AWSの設計に限定(4分野) |
| 知識の深さ | 用語を理解している水準 | 基礎理論まで | 自分の言葉で説明できる水準 | サービスを選び分けられる水準 |
| 問題の性質 | 知識中心 | 知識+処理を追う力 | 長文・記述への対応 | シナリオから構成を選ぶ判断 |
| 受験者の中心 | IT非専門職も含む | 業界志望〜1〜3年目 | 実務を数年経験した層 | AWSに関わる(予定の)実務者 |
なお、この表のIPA側は、2027年度に前提が変わる可能性があります。IPA(情報処理推進機構)が、応用情報技術者試験を含む試験区分の再編を「見直し(案)」という形で公表しているためです。受験する時期をどう置くかという判断についてはSAA保有者と応用情報保有者、採用担当はどう評価を分けているかで、制度の中身そのものは下記の記事で、それぞれ出典つきで整理しています。


ここまでは学習面での比べ方です。「では、応用情報とSAAは採用の場でどう見られているのか」は評価する側の話になるため、SAA保有者と応用情報保有者、採用担当はどう評価を分けているかで扱います。


合格率・合格点の目安
先に、いちばん誤解が生まれやすいところからお伝えします。AWSは、SAAを含む認定試験の合格率と受験者数を公表していません。公開されているのは合格点だけです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 合格率 | 公表されていません(AWSは合格率・受験者数を公開していない) |
| 合格点 | 1,000点満点中720点(100〜1,000のスケールドスコア) |
| AWSが推奨する経験 | AWSサービスを使用するクラウドソリューションの設計における1年以上の実務経験が望ましい |
学習時間の目安は、経験によって数字の出どころごと変わるため、AWS SAAの勉強時間の目安|経験・保有資格別で分けて整理しています。
Web上で見かける「合格率○%」をどう読むか
SAAについて調べていると、「合格率は約50%」といった数字を目にすることもあると思います。これらはAWSが公表した数字ではなく、記事ごとに推し量った推定値です。推し量り方を並べると、次のようになります。
| 出典(公開・更新日) | 合格率の推定値 | 推し量り方 |
|---|---|---|
| aws-exam.net(更新日の記載なし) | 約50% | ITパスポートと同程度の難易度と見て、ITパスポートの合格率(50%前後)から類推 |
| インフラノート(2025年10月26日) | 約50% | X(旧Twitter)上の投稿を見たうえでの推測 |
| ALH「CANTABILE」(2026年6月22日) | 数字を出していない | 「合格率はAWS公式では公開されていません」と記載 |
ここで大事なのは、同じ「約50%」でも、推し量った方法が違うということです。数字が一致していても、裏づけが2つあるという意味にはなりません。出どころを確かめたうえで、目安の1つとして読むのが自然です。
なお、1つ目の推定は難易度を「ITパスポートと同程度」と置いていて、この記事の「基本情報以上・応用情報未満」とは位置が違います。これは何を物差しにしたかの違いです。この記事ではIPA資格との難易度比較のとおり、知識の深さと問題の性質を物差しにしています。
代わりに目安になるもの
合格率が分からないと不安に感じるかもしれませんが、準備の目安になる情報は公開されています。
- 720点/1,000点という合格点:
スケールドスコアのため、素点で何問正解すれば合格、という換算はできません。模擬試験の点数を目標にする場合も、それは自分で置く目安であって、公式の基準ではありません - AWSが推奨する「設計の実務経験1年以上」:
受験の条件ではなく、あくまで推奨です。ここからの距離が、そのまま必要な学習時間の差になります。学習時間の目安に幅があるのは、この距離が人によって違うためです(勉強時間の目安で整理しています)



「合格率が非公表」と聞くと身構えてしまいますが、
受かるかどうかを決めるのは他の受験者の出来ではありません。720点に届くかどうかだけです。
「応用情報を持っているのですが、SAAは受かりますか」と聞かれることがあります。筆者の答えは、「取得できるだろうと感じます」です。理由は地力の話ではなく、スタート地点の話です。SAAに向かうということはクラウド方面を見ているということで、応用情報で扱う基礎の理解がある状態から始められるためです。この章で見たとおり、SAAで問われるのは基礎知識そのものではなく、その上に乗る「AWSでどう組むか」の判断でした。
ただし、これは1人の採用担当の見立てであって、合否データにもとづくものではありません。「応用情報保有者のSAA合格率」というデータは、そもそも存在しない点にご注意ください。(2026年8月時点)
AWS SAAが難しいと言われる3つの理由


他資格との比較で見たとおり、SAAの出題範囲はAWSの設計に絞られています。それでも「難しい」と言われるのは、範囲の広さより、問われ方のほうに理由があるためです。この章では、AWS公式の試験ガイドに書かれている試験の形式から、つまずきやすい場面を3つに分けて整理します。



先にお断りしておくと、筆者はSAAを受験していません(SE時代はアプリケーション開発を担当していました)。そのためこの章は、受験した体感ではなく試験ガイドの記載をもとに書いています。
理由①:用語を覚えても、選択肢が絞り切れない
試験ガイドによると、SAAの問題形式は次の2種類です(AWS「SAA-C03 試験ガイド」・2026年9月15日確認)。
- 択一選択問題:正解1つと、誤答3つの中から選ぶ
- 複数応答問題:5つ以上の選択肢の中から、正解を2つ以上選ぶ
どちらの形式でも、問われるのは「そのサービスが何をするか」だけではありません。要件が示され、その条件に最も合う構成を選ぶ形が中心です(この性質はIPA資格との難易度比較で触れました)。用語を覚えた段階では、どの選択肢も「間違ってはいない」ように見える——ここが1つ目の壁です。
一方で、「SAAは暗記問題がほとんど」という説明を目にすることもあると思います(aws-exam.net)。これは何を「暗記」と呼ぶかの違いです。サービスの特徴を覚えていれば選べる問題もあります。ただ、コストや可用性といった要件を比べて構成を選ぶ問題は、サービス名を覚えただけでは絞り切れません。暗記が要らない試験ではなく、暗記だけでは足りない試験、と読むのが近いと考えています。
理由②:65問を130分で解く、時間配分が要る
試験は130分で65問です。このうち15問は採点対象外ですが、どれが該当するかは受験中に分かりません(AWS「SAA-C03 試験ガイド」)。つまり65問すべてを本番のつもりで解くことになり、1問あたりに使えるのは約2分です(仕様の詳細はSAA-C03の試験概要)。
約2分の中で、要件を読み、何を優先する問題かをつかみ、選択肢を比べる。理由①の判断を、時間の制約つきで65回続けるのが、この試験の負荷です。迷った問題に時間をかけると、そのぶん残りの問題に使える時間が減ります。1問ずつなら選べる方でも、ここで難しさを感じることになります。
理由③:役割の近いサービスの使い分けが問われる
AWSには、役割の近いサービスや設定がいくつもあります。そしてSAAの出題範囲は、セキュリティ・可用性・性能・コストの4つの観点で分かれています(AWS「SAA-C03 試験ガイド」)。同じ「データを保存する」「処理を分散する」でも、どの観点を優先するかで選ぶものが変わる、ということです。
問題文に添えられた条件が、どの観点で選ぶかの指定になっています。似たもの同士の違いを、要件の言葉と結びつけて言えるかが問われるため、サービスをひとつずつ覚える学習だけでは追いつきにくくなります。違いの整理の仕方は勉強法の章で扱います。
応用情報とSAA、「どちらが難しいか」の感じ方が分かれるのはなぜか
知識の深さで比べると、SAAは基本情報以上・応用情報未満のあたりです(IPA資格との難易度比較)。それでも「どちらが難しいか」の感じ方が人によって分かれるのは、2つの試験で難しさの種類が違うからだと考えています。筆者自身の受験結果が、その一例です。
筆者は基本情報技術者試験を取得したあと、応用情報技術者試験を1回受験しています。2022年ごろ、当時の午前・午後の形式で受けたときの結果は、午前は合格基準を超えたものの、午後で基準に届かず不合格でした。同じ試験の中でも、知識を問う部分と、長文を読んで答える部分とで、結果がはっきり分かれた形です。
これは筆者1人の受験結果で、1件のみです。応用情報は2026年度からCBT方式での実施が予定されていて、形式も当時とは変わります(IPA 令和8年度の応用情報技術者試験・高度試験の実施予定・2026年7月6日更新)。また、筆者はSAAを受験していないため、2つの試験を体感で比べることはできません。
この結果から言えるのは、「難しさ」はひとつの物差しでは測れないということです。応用情報は範囲が広く、長文や記述への対応が求められます。SAAは範囲が絞られている代わりに、要件から構成を選び分ける判断が問われます。
そのため、応用情報で広い範囲の知識を積み上げてきた方ほど、SAAの「選び分け」を別の種類の難しさとして感じることはありえます。逆に、AWSに業務で触れている方には、応用情報の広さのほうが重く感じられるかもしれません。どちらが上かより、自分がどちらの難しさに慣れているかで体感が変わる、と読むのが自然です。
応用情報や基本情報をお持ちの方にとって、どこが前提として使えて、どこを新しく覚えることになるかは、次の章の基本情報・応用情報を持っている場合、どこが効いて、どこが新しく覚える範囲かで整理しています。
AWS SAAの勉強時間の目安|経験・保有資格別
公式に書かれているのは、想定する受験者として「AWSサービスを使ったクラウドソリューション設計の実務経験1年以上」という経験の目安までです(AWS「SAA-C03 試験ガイド」・2026年9月15日確認)。
Web上には「未経験で100時間」「50時間」といった数字が並んでいますが、記事ごとに「未経験」「経験者」の意味が違うため、数字だけを並べると迷いやすくなります。この章では、自分がどの区分に当たるかを先に決めて、そのうえで数字を読む順番で整理します。
「IT実務がこれから」「AWSだけ未経験」「AWSの実務あり」で分けた時間の目安


この記事では、スタート地点を次の3つに分けています。
| 区分 | どういう方か | 時間の目安 | 数字の出どころ |
|---|---|---|---|
| ①IT実務そのものがこれから | ネットワーク・サーバー・データベースの実務も、これから | 100時間/150〜250時間 | 公開記事の目安(前者:aws-exam.net「IT業務未経験」、後者:IT資格ラボ「ITもインフラも初めて」)。いずれも根拠の記載はありません |
| ②IT実務はあるが、AWSは未経験 | ネットワークエンジニアなど。AWSを少し触っている、またはこれから触りたい方 | 50〜80時間 | 本記事の目安。面接で伺った話と、公開されている目安を合わせた筆者の見立てです(聞き取りの件数は特定していません) |
| ③AWSの実務経験がある | 業務でAWSに触れている方 | 20〜50時間 | 同上 |
①の方は、AWSの用語と、その下にあるネットワーク・サーバー・データベースの考え方を同時に入れることになるため、時間の幅が大きくなります。筆者の見立てとして①の時間を示していないのは、この記事の数字が②③の方を想定して置いたものだからです。
②③の方は前提の知識が使える分、時間の多くが「似たサービスの選び分け」に回る形になります。どこに時間を寄せるかという進め方は、AWS SAAに合格するための勉強法で扱います。
基本情報・応用情報を持っている場合、どこが効いて、どこが新しく覚える範囲か
応用情報技術者試験のシラバスには、SAAの4分野と重なるキーワードが入っています。IPA「応用情報技術者試験シラバス」(Ver.7.2・2026年1月8日)のテクノロジ系から、関係するものを拾うと次のとおりです。
| SAAの出題分野 | 応用情報シラバスで近いキーワード | SAAで新しく覚えること |
|---|---|---|
| セキュアなアーキテクチャの設計 | 技術要素「セキュリティ」「ネットワーク」 | 権限やネットワークの区切りを、AWSのどのサービス・設定で実現するか |
| レジリエントなアーキテクチャの設計 | システム構成要素「冗長構成」「可用性」 | 冗長構成を、AWSのどの仕組みで組むか |
| 高パフォーマンスなアーキテクチャの設計 | —(キーワード単位では特定していません) | 性能の要件に合わせて、どのサービスを選ぶか |
| コストを最適化したアーキテクチャの設計 | システム構成要素「TCO」「初期コスト」「運用コスト」 | AWSの料金の考え方に沿って、どの構成を選ぶか |
| 4分野に共通 | システム構成要素「クラウドコンピューティング」「IaaS/PaaS/SaaS」「サーバレス」 | 一般的な概念を、AWSの具体的なサービスに置き換える |
つまり、応用情報で学んだ「考え方」は、SAAでも前提としてそのまま使えます。一方で、シラバスで挙がっているのは一般的な用語で、AWSのサービス名そのものではありません。SAAで新しく覚えるのは、その考え方をAWSのどのサービスで実現するかという対応関係です。応用情報をお持ちの方がSAAに向かうときの筆者の見立ては、合格率・合格点の目安の末尾のメモに書いています。
時間の目安については、保有資格で区切った数字としてITパスポート保持で50時間、基本情報保持で30時間というものがあります(aws-exam.net・更新日の記載なし。根拠の記載はありません)。応用情報の保有者に絞った数字は、今回確認した範囲では見当たりませんでした。筆者も、応用情報・基本情報をお持ちの方がSAAの取得に何時間かかったかを伺った記録はありません。
インフラ実務(オンプレミス)の経験が、4分野のどこに効くか
ネットワークやサーバーの実務経験がある方が、時間の目安の短い区分に入るのは、SAAの4分野がオンプレミスの現場でやってきた判断と重なるからです。現場の言葉に置き換えると、こうなります。
| SAAの出題分野 | インフラの現場でやってきたこと |
|---|---|
| セキュアなアーキテクチャの設計 | ネットワークの区切り方、アクセス権限の設計、通信の制限 |
| レジリエントなアーキテクチャの設計 | 冗長構成、障害時の切り替え、バックアップと復旧の設計 |
| 高パフォーマンスなアーキテクチャの設計 | 負荷分散、リソースの見積もり、ボトルネックの切り分け |
| コストを最適化したアーキテクチャの設計 | 機器やライセンスの構成をどこまで積むかの判断 |
考え方そのものは、オンプレミスでもクラウドでも変わりません。「落ちないように組む」「速さとコストのどこで折り合いをつけるか」という判断は、インフラの実務で日常的にやってきたことです。時間が短く済むのはこの考え方の部分で、新しく覚えるのは、その判断をAWSのどのサービスで実現するかという対応関係のほうです。
ひとつ見ておきたいのは、「今の現場でこう組んでいる」がそのまま答えにならない場面があることです。現場の構成は予算・既存資産・運用体制といった事情を含んだ結果で、SAAで問われるのは要件に対する最適な構成です。経験がある方ほど選択肢を絞るのは速い一方、最後の1つを選ぶところで現場の癖が出やすく、時間はそこに残ると見ておくと、計画が立てやすくなります。
LinuC・LPICのレベル2とSAAを比べたい方は、こちらの記事で整理しています。


「未経験100時間」「50時間」、記事によって勉強時間が倍違う理由
SAAの勉強時間を調べると、同じ「未経験」でも50時間から250時間まで、数字に大きな幅があります。どれかが間違っているというより、「経験」の区切り方が記事ごとに違うためです。主な目安を、定義と根拠と一緒に並べます。
| 出典(公開・更新日) | 区分と時間 | 「経験」の定義 | 数字の根拠 |
|---|---|---|---|
| ALH「CANTABILE」(2026年6月22日) | 実務未経験(AWS初学者)100〜150時間/実務1年程度 60〜90時間/実務2年以上・CLF直後 30〜50時間 | AWSの実務経験 | 社内のSAA保有者152名(2026年6月時点)の合格体験記を集計・整理 |
| aws-exam.net(更新日の記載なし) | IT業務未経験 100時間/ITパスポート保持 50時間/基本情報保持 30時間 | IT業務の経験・保有資格(AWS経験での区分なし) | 記載なし |
| IT資格ラボ(2026年1月12日公開・1月25日更新) | 未経験 150〜250時間/インフラ経験者 80〜150時間/開発者 70〜130時間 | ITもインフラも初めてか、オンプレミスのネットワーク・サーバー運用の経験があるか、アプリ開発の経験があるか | 記載なし |
| インフラノート(2025年10月26日) | 未経験 150時間前後/経験者 約75時間 | 明記なし | 記載なし |
| 採用のウラ側(本記事) | AWS未経験 50〜80時間/AWSの実務経験あり 20〜50時間 | IT実務はあるが、AWSは未経験(ネットワークエンジニアなど) | 面接で伺った話と公開されている目安を合わせた見立て(件数は特定していません) |
並べると、区切りの軸が大きく3種類あることが分かります。
- AWSの実務経験で区切る(ALH)
- IT業務の経験や保有資格で区切る(aws-exam.net)
- ITもインフラも初めてか、インフラ・開発の経験があるかで区切る(IT資格ラボ)
たとえば本記事の「未経験50〜80時間」は、IT実務はあるがAWSは未経験という方を想定した数字です。IT資格ラボの「未経験150〜250時間」はITもインフラも初めての方の数字なので、同じ「未経験」という言葉でも、数えている人が違います。
ALHの「実務未経験100〜150時間」はAWS初学者の区分で、本記事の区分と名前は近いものの、区切りの軸はAWSの実務経験です。IT実務の有無では分けていないため、この区分にIT実務のある方とない方がどの程度含まれるかは、記載からは分かりません。そのまま並べて比べることはできない、という前提でお読みください。あわせてお伝えしておくと、本記事の数字は件数を集計したものではありません。根拠の示し方でいえば、合格者の体験記を集計したALHの数字のほうが明確です。
SAAをお持ちの方に、面接で「何か月で取りましたか」と伺ったことはありません。勉強にかかった時間の長さは、筆者が選考で見ている項目に入っていないためです。伺うのは、その資格をどうして取ろうと思ったのかのほうです(面接で見ているポイントは面接でSAAについて聞かれたとき、面接官が見ているポイントでお伝えしています)。
ですので、この章の時間の目安は、ほかの方より早いか遅いかを比べるための数字ではなく、自分の区分で計画を立てるための材料として使っていただくのがいいと思います。(筆者が担当してきた選考での話です。2026年9月時点)
採用担当はAWS SAAをどう評価している?|人事のホンネ


ここからは、この記事の最大の特徴である「採用する側のリアルな評価基準」をお伝えします。
ネット上のSAA関連記事のほとんどは「受験者・エンジニア目線」で書かれています。
しかし、資格を活かして転職やキャリアアップを狙うなら、「採用する側がどう見ているか」を知ることが一番重要です。



この章に出てくる評価の分かれ方・書類の見方は、いずれも筆者一人(IT企業の現役採用担当)の選考実務にもとづくものです。採用担当者一般がこう見ている、という話ではありません。
書類選考でSAAがプラスに働く場面・働かない場面
SAAは書類選考でプラスに働きます。ただし、「SAA=即通過」ではありません。
プラスに働く場面:
- クラウドエンジニアやAWSインフラエンジニアのポジションへの応募
- 「SAA保有者優遇」と明記された求人への応募
- 未経験〜経験浅めの候補者が「学習意欲」をアピールする場面
あまり差がつかない場面:
- AWS案件がメインではない企業への応募
- 経験者中途採用で、他の候補者もSAAを持っている場合
- 高度な設計経験が求められるシニアポジション(SAPレベルが期待される)



大切なのは、SAAは「自走して勉強できる人材である」ことの証明として機能しているということです。資格の知識そのものより、「自ら学ぶ姿勢がある」という人物評価につながっています。
SAA持ち+未経験 vs SAA無し+実務3年、どちらが通るか?
これは人事としてよく聞かれる質問です。
さすがに3年の実務経験の重みは大きく、資格だけではカバーしきれません。
採用側は「実際にどんなシステムを触ってきたか」「どんなトラブルを解決したか」といった実体験を重視します。
ただし、「ポテンシャル採用」の枠では話が変わります。
未経験〜経験1年未満の候補者同士の比較なら、SAAを持っている候補者のほうが圧倒的に有利です。「入社後にすぐクラウド案件に入れそう」「学習コストが低い」と判断されるからです。
つまり、SAAは「同レベルの候補者との差別化」には非常に有効です。
SAA保有者と応用情報保有者、採用担当はどう評価を分けているか
AWS SAAと応用情報技術者試験は、どちらを取るべきか迷う方が多い組み合わせです。試験としての難易度の比べ方は前述の「AWS SAAの難易度はどれくらい?他資格との比較」で扱いました。ここでは、採用する側がこの2つをどう見分けているかをお伝えします。
応用情報は「学習面」、SAAは「クラウドの知識面」で受け取っている
まず、応用情報技術者試験を持っている方の書類を見たとき、筆者が何を受け取っているかです。
応用情報は、IT業界の中でも「取ったらすごい」と言われる資格です。ただ、持っているから実務ができる、とまでは言い切れません。継続的に勉強を積み上げられる方だな、という受け取り方に近いです。
ここに書いた2つの受け取り方——「難関試験を突破した」と「実務ができるとまでは言い切れない」——は、矛盾しているようで矛盾していません。評価している軸が違うだけです。学習面の評価と、「現場で手が動くか」という実務面の評価は、選考の中では別々に見ています。応用情報の価値が低いという話ではなく、資格という形式が証明できる範囲がそこまで、ということです。これはSAAにも同じことが言えます。
2つを軸ごとに並べると、こうなります。
| 見ている軸 | 応用情報技術者 | AWS SAA |
|---|---|---|
| 何を証明していると受け取るか | 幅広い範囲を、期間をかけて学習し切ったこと | AWSの設計・構成に関する知識を持っていること |
| どの場面で効きやすいか | 職種を問わず、学習を継続できる方だという裏づけとして | AWS案件・クラウド系ポジションで、担当領域と直接つながる材料として |
| 実務で手が動くことの証明になるか | どちらも、資格単体では判断していません(職務経歴とセットで見ます) | |
| 持っていないと不利になるか | 持っていないことを減点材料にはしていません | 同じく減点材料にはしていません。ただしAWS案件中心の求人では、有無に触れられる場面があります |
ですので、「応用情報とSAA、どちらが評価されますか」という質問には、そのままの形ではお答えできません。志望する職種がクラウド寄りかどうかで、効き方が変わるためです。クラウド方面に進みたいという方には、筆者はSAAをお勧めしています。
現場のエンジニアから見た景色は、採用側とは少し違う
ここで、採用側とは別の見方も紹介しておきます。筆者が現場のSEから聞いた話です。
「応用情報を持っている人もすごいけれど、SAAを持っている人のほうが信頼できる」
——という話を聞いたことがあります。これは筆者が聞いた範囲では1件のみで、発言者の所属や時期も特定していません。現場全体がそう言っている、という意味ではない点にご注意ください。
この発言と、先ほどの「応用情報は継続的に勉強を積み上げられる方だと受け取っている」という採用側の見方は、どちらかが間違っているわけではありません。評価する立場が違います。
- 現場のエンジニア:
「明日から一緒にAWSを触れるか」を見ています。担当している案件がAWS中心であれば、SAAのほうが手触りとして近く感じられます - 採用担当:
入社後に伸びるかどうかも含めて見ています。学び続けられる方かどうかは、配属先が変わっても効いてくる材料です
つまり、案件がクラウドかどうかで、同じ2つの資格の見え方が変わるということです。先ほどのSEの発言も、「応用情報を持っている人もすごいけれど」という前半があったうえでの比較でした。どちらかを下に置く話としては受け取っていません。
両方を持っている方の書類は、加点した状態で見ています
ここが、この章でいちばんお伝えしたい部分です。
応用情報も取得して、SAAも取得しにいく。その姿勢自体を周囲は高く評価します。面接でも、両方を持っている方の書類は、かなり加点した状態で見ています。
※筆者が担当した選考での運用です(2026年8月時点)。該当した候補者の件数の内訳までは特定していません。
答えは、2つは条件が違う話だからです。「SAAという資格1つで書類が通るか」と「応用情報+SAAという組み合わせをどう見るか」は、選考の中では別の判断です。
| 書類に書かれている状態 | 筆者の見方 | 何で判断しているか |
|---|---|---|
| SAAのみ・実務経験なし | 資格単体では通過の理由にしていない | 実務経験の有無(前述のとおりです) |
| 応用情報のみ | 学習を継続できる方、という受け取り方 | 同上 |
| 応用情報+SAA | かなり加点した状態で書類を見る | 学び続けているというシグナル(実務経験とは別軸) |
1つ目と2つ目は、実務経験があるかどうかで判断されます。資格はそこに乗る材料であって、資格が実務経験の代わりになるわけではありません。
3つ目が違うのは、異なる系統の試験を、期間を空けて2つ取りにいっているという事実そのものが情報になるからです。出題範囲も運営元も違う試験を続けて取っている方は、一度きりの頑張りではなく、学習を習慣にできている可能性が高いと読めます。ここは実務経験の話とは別の軸なので、実務経験の評価を打ち消すものではありません。加点が乗るのは、あくまで土台の上です。



逆に言うと、片方だけを急いで増やしても同じようには効きません。
「資格の数が多いほど加点される」という話ではなく、違う方向の学習を続けられているかを見ているためです。
その会社が良いかどうかは
他の選択肢を見ないと判断できません
人事の立場から言うと、比較対象を持たないまま決めている人が一番損をしています。
50歳未満/未経験は対象外
✓ リモート可否・フレックスなど細かい条件で検索できる
✓ 転職を決めていなくても登録できる
20代後半〜30代が中心
✓ 土曜1日で選考が終わる1Day選考会あり
✓ ITコンサル・メガベンチャーの求人が豊富
2027年度の制度見直しで、応用情報側には判断が1つ増えます
これから両方を目指す方には、もう1つ知っておいていただきたいことがあります。
IPA(情報処理推進機構)は、2027年度からの情報処理技術者試験の制度移行を公表しています。応用情報技術者試験は高度試験とあわせて大括り化・再編され、「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」の3区分(マネジメント領域/データ・AI領域/システム領域)に再構成される方向です。
ただし、2026年3月31日のプレス発表は「見直し(案)」という形で公表されたものです(IPA「情報処理技術者試験における試験区分体系などの見直し(案)について」)。その後、新しい出題分野のサンプル問題とシラバスが公開されています(IPA「試験制度の見直しについて」・2026年7月31日時点)。「2027年度からこう変わります」と断定できる段階ではない、という前提でお読みください。
制度見直しの中身は、こちらの記事で詳しく整理しています。


「応用情報とSAA、どちらを先に取るべきですか」と聞かれることがあります。筆者は、順番そのものにはあまりこだわっていません。書類の段階で見ているのは並び順ではなく、面接でその資格を「なぜ取ろうと思ったのか」を自分の言葉で話せるかどうかだからです。
実際、動機を掘り下げて聞くと、片方は業務で必要になって取った、もう片方は次にやりたいことがあって取った——というように、2つの資格の間に本人の筋が通っている方がいます。そこまで話せる方は、資格の順番に関係なく評価が上がります。逆に「会社に言われたので」で止まってしまうと、加点は限定的です。(筆者の場合の見方です)
面接でSAAについて聞かれたとき、面接官が見ているポイント
面接でSAAの話題が出たとき、面接官が聞きたいのは「合格点が何点だったか」ではありません。
面接官が深掘りするのは以下の2点です。
- 「なぜSAAを取ろうと思ったのか?」(動機の確認)
- 「今後の目標は?」(キャリアビジョンの確認)
たとえば、「AWSの案件に携わりたくて、まずは設計の基礎を体系的に学ぶためにSAAを選びました」という回答は好印象です。「なんとなく取りました」は最悪です。
また、「SAAの次はSAPに挑戦して、将来的にはクラウドアーキテクトとして設計フェーズを担当したい」というように、資格を「キャリアのストーリー」の中に位置づけて話せるかどうかが評価の分かれ目になります。
面接官は『SAAの合格点は?』とは聞きません。聞くのは『なぜこの資格を選んだのか』『取った後に何をしたいのか』です。資格は”取った事実”より”取った文脈”で評価が変わります。面接準備では、資格取得のストーリーを言語化しておくことが必要です。
応用情報とAWS SAA、どちらを先に取るか|採用側の見え方から


前の章で、採用する側は応用情報を「学習面」、SAAを「クラウドの知識面」で受け取っていて、2つを同じ土俵で比べていないとお伝えしました(SAA保有者と応用情報保有者、採用担当はどう評価を分けているか)。同じ箇所のメモのとおり、筆者は取得の順番そのものにはあまりこだわっていません。
ですので、この章の答えは「こちらが先」という1つには決まりません。順番を決める材料になるのは、採用側の好みではなく「目指す方向」と「受けられる時期」の2つです。順に整理します。
目的別の順番|クラウド案件に移りたい方、IT全般の土台を示したい方、新卒の方
前の章の評価の分け方を、目的ごとに当てはめると次のようになります。
| 目的・立場 | 先に置くと筋が通りやすいほう | 理由 |
|---|---|---|
| クラウド案件・AWSを扱うポジションに移りたい | SAA | AWS案件・クラウド系ポジションでは、担当領域と直接つながる材料として受け取られやすいため |
| 職種はまだ絞らず、IT全般の土台を示したい | 応用情報 | 職種を問わず、学習を継続できる方だという裏づけとして受け取られやすいため |
| 新卒で就職活動中 | どちらでも | どちらも、持っているだけで書類の段階で目に留まりやすい資格です(下のメモ) |
表の「先に置くと筋が通りやすい」は、後から取るほうが評価されない、という意味ではありません。両方をお持ちの方の書類を加点した状態で見ている点は、前の章でお伝えしたとおりです。ここで言いたいのは、「今の自分が向かう方向と、1本目の資格の方向が揃っていると、面接で取得の理由を話しやすい」ということです。
2027年度の応用情報の制度見直し(案)が、受ける時期に関わる
順番を考えるときに、もう1つ重ねておきたいのが応用情報側の制度の予定です。SAAにはこの論点がなく、時期の制約があるのは応用情報側だけです。
| 項目 | IPAが公表している内容 |
|---|---|
| 見直しの公表 | 2026年3月31日に「試験区分体系などの見直し(案)」を公表。「案」の段階で、変更が生じる場合があると明記されています |
| 新しい試験の開始 | 2027年度の夏頃〜秋頃の開始を予定 |
| 現行制度の試験 | 2026年度の実施をもって終了する予定 |
| 2026年度の応用情報 | 前期:2026年11月頃/後期:2027年2月頃。いずれもCBT方式 |
| 新試験のシラバス案 | 「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」のシラバス案などが公開されています(Ver.0.2・2026年7月31日更新)。いずれも変更の可能性があるとされています |
この予定どおりに進んだ場合、現行の応用情報技術者試験として受けられるのは、2026年度の前期(11月頃)と後期(2027年2月頃)ということになります。申し込みの締め切りは試験日より前に来るため、日程はIPAの公式ページで早めにご確認ください。
順番の判断に当てはめると、次のように整理できます。
- 現行の応用情報を取っておきたい方:
受けられる回が限られているため、応用情報を先に置くほうが予定を組みやすくなります。SAAは、その後に受けても時期の制約はありません - 新しい試験が始まってから考えたい方:
時期の制約はなくなるので、前の項目の目的別の順番で決めて構いません。新試験の区分や内容は「案」の段階なので、確定した情報が出てから計画を立て直す前提でお考えください
制度見直しの中身そのものは、こちらの記事で詳しく整理しています。


新卒採用で書類を見ている立場からお伝えすると、学生のうちにSAAを持っている方は、かなり珍しいと感じます。応用情報も、情報系の学科でしっかり勉強している学生の中には持っている方がいますが、それでも珍しい部類です。どちらも、持っているだけで書類の段階で目に留まる資格です。
ですので新卒の方は、どちらが先かを悩むより、取ろうと思った理由を自分の言葉で話せるようにしておくほうが、選考では生きてきます。(筆者が新卒採用で見ている範囲での見方です。件数は記録していません。2026年9月時点)
AWS SAAに合格するための勉強法


どこから始めるか——CLFで前提を作ってから進むか、SAAの学習の中で用語ごと拾っていくか——については、CLF(クラウドプラクティショナー)を先に取るか、SAAから受けるかで整理しました。ここからは、入口を決めたあとの進め方をお伝えします。
SAAの学習でつまずきやすいのは知識の量ではなく、覚えた知識の使い方です。難しいと言われる理由で見た問われ方に合わせて、学習の到達点は「覚えている」ではなく「要件に照らして選べる」に置きます。そこに向かう道筋は、大きく3つの段階に分かれます。
- 用語と全体像を入れる:主要サービスが「何をするものか」を分かる状態にします
- 似ているものを並べて、違いを言えるようにする:どういう要件のときにどちらを選ぶかを、自分の言葉にします
- 問題を解いて、判断の型を作る:要件文のどこを読んで何を選んだのか、という手順を安定させます
重いのは②と③です。①を軽く済ませて、②と③を行き来するほうが実際の進み方に近いと思います。どの段階にどれくらい時間がかかるかは、スタート地点によって変わります。計画を立てる前に、AWS SAAの勉強時間の目安|経験・保有資格別でご自身の区分を確かめてください。
教材は「何を使うか」より「何の役割で使うか」
教材選びは、いちばん迷いやすく、いちばん結論が出にくいところだと思います。ここでは一般的なおすすめを並べる代わりに、筆者が実際に面接で伺った範囲をそのままお伝えします。
SAAを取得された方に学習方法を伺うと、Ping-tの問題演習で合格された方、Udemyや資格取得講座で学習された方、AWS Black Beltの該当ページを読み込んで合格された方——という3通りの方がいらっしゃいました。
これは少し前に伺った範囲の話で、人数は記録していません。「今もこの3つが主流です」という意味ではなく、実際に合格された方が使っていた例としてお読みください。(筆者が担当してきた選考では/時期は「少し前」)
この3つを聞いたとき、筆者が受け取ったのは「どれが正解か」ではありませんでした。3つとも、教材に持たせている役割が違うということです。
| 教材が担っていた役割 | 効きやすい段階 |
|---|---|
| 問題を大量に解いて、判断の型を作る | ②似たものの選び分け/③問題演習 |
| 体系立った説明を通しで受け、全体像を作る | ①用語と全体像/②似たものの選び分け |
| 公式資料で、仕様そのものを確認する | ②似たものの選び分け(迷った箇所の決着をつける) |
並べてみると、3つは競合しているというより、埋めている場所が違います。問題演習中心で進めた方は、足りない知識を問題の解説で埋めています。講座で進めた方は、全体像を先に作ってから演習に入っています。公式資料を読み込んだ方は、迷ったところを仕様で決着させています。
シナリオ問題は、間違えた後の扱い方で差がつく
SAA固有の対策を1つだけ書いておきます。要件つきの問題を解いたあと、何をするかです。
正解した問題を飛ばし、間違えた問題の正解を覚え直す——という進め方が、いちばんやりがちで、いちばんもったいない形です。理由は、SAAの選択肢は「正解以外が間違い」ではなく「条件が合えばどれも成立する」ように作られているからです。
そこで、1問ごとに次の3つを言葉にしてみてください。
- この要件文は、何を最優先しろと言っているか(コストか、止まらないことか、速さか、権限の絞り込みか)
- 選ばなかった選択肢は、どういう要件なら正解になるか
- 正解した問題は、たまたま当たったのか、根拠を言えて当たったのか
1つ目は、そのまま出題範囲の4分野の観点につながります。要件文には「コストを抑えつつ」「単一障害点をなくし」「最小限の権限で」といった条件が添えられていて、そこがどの観点で選ぶかの指定になっています。
2つ目が、いちばん効きます。選ばなかった選択肢を「どういう要件なら正解か」に変換すると、1問で複数の判断を確認できます。似ているサービスの違いは、この作業の積み重ねで輪郭が出てきます。
この3つを繰り返すと、「知っているサービスの数」ではなく「要件を読んで絞り込む速さ」が上がってきます。SAAで測られているのは後者のほうです。
「学習中であることは、面接で言わないほうがいいですか」と気にされる方がいます。
ひとつ、材料としてお伝えできることがあります。筆者が担当してきた選考では、SAAを取得された方に「どうやって勉強されたのですか」と伺うことがあります。資格そのものより、その方がどう学ぶ人なのかが、答え方に出るためです。
つまり、学習の中身は面接で話題になりうる部分です。取得済みか学習中かにかかわらず、「今どこまで進んでいて、どこで詰まっていて、それをどう埋めているか」を自分の言葉で説明できる状態にしておくと、聞かれたときに材料になります。逆に、教材の名前を挙げるだけでは、あまり話が広がりません。
※面接で学習方法を伺った際の話です(時期は「少し前」・人数は記録していません)。SAAを保有していること自体が選考でどう扱われるかは、採用担当はAWS SAAをどう評価している?|人事のホンネで別途お伝えしています。(2026年8月時点)
AWS SAAに落ちる人の共通点と、不合格後の再受験
ここまでは合格に向けた準備の話でした。この章では、本番で720点に届かなかった場合の話をします。落ちやすいパターン、再受験のルール、そして選考の場でどう見えるかの3つです。
落ちる人に多いパターン
採用担当として資格の話を伺ってきた立場からの見立てですが、届かない原因は、次の4つのどれかにあることが多いと考えています。
- 勉強時間が足りていない:
自分の区分に対して、確保できた時間が少なかったケースです(区分ごとの目安は勉強時間の目安) - 計画を立てていない:
受験日から逆算せず、進んだところで受けてしまうケースです - どの分野で点が取れていないのかを、言葉にできていない:
「難しかった」で止まっていて、苦手な分野が特定できていないケースです - なぜ合格したいのかが、はっきりしていない:
目的が曖昧なまま始めると、学習が途中で続きにくくなります
このうち3つ目は、SAAの採点の仕組みと関係があります。試験ガイドによると、SAAは補償型の採点で、分野ごとに合格点が決まっているわけではなく、試験全体で合格点に届けばよいとされています(AWS「SAA-C03 試験ガイド」・2026年9月15日確認)。
分野ごとの足切りがない分、苦手な分野があっても、それに気づかないまま本番を迎えやすいとも言えます。4分野の配点はセキュア30%・レジリエント26%・高パフォーマンス24%・コスト最適化20%で、いずれも2割以上あります(同ガイド)。どの分野も、苦手なまま残しておくには配点が小さくない配分です。
不合格になったときは、「どの分野で点を落としたか」を言葉にするところから始めると、次の計画が立てやすくなります。問題の復習の仕方そのものは、シナリオ問題は、間違えた後の扱い方で差がつくで扱っています。
再受験のルール:14日後から・毎回全額・回数制限なし


不合格だった場合の再受験について、AWSのポリシーに書かれている内容を整理します。
| 項目 | AWSのポリシーに書かれている内容 |
|---|---|
| 再受験できる時期 | 不合格になった日から14日が経過すると再受験できる |
| 受験料 | 再受験のたびに受験料の全額がかかる |
| 受験回数 | 回数の制限はない |
| 合格した場合 | 合格した試験は、2年間は同じ試験を再受験できない |
| 結果の反映 | 試験の結果は、5営業日以内にAWS認定アカウントに掲載される |
実務的に意味があるのは、「14日」と「毎回全額」の2つです。
- 14日は「最短」であって「目安」ではありません:
すぐに受け直せる制度ですが、苦手な分野を言葉にしないまま受けると、同じところで点を落としやすくなります - 受け直すたびに受験料がかかります:
回数の制限がない分、「とりあえず受けてみる」を繰り返すと費用が積み上がります。次の受験日は、前の項目の振り返りを終えてから決めるほうが無理がありません
不合格の経験は、選考で不利になるのか
「一度落ちていることが、転職の選考で分かってしまうのでは」と心配される方もいると思います。書類の上で確認できる情報と、面接での扱いに分けてお伝えします。
まず書類の側です。AWS認定のデジタルバッジ(Credly)について、AWSのよくある質問では、バッジの検証で確認できるのは「発行日と発行者」と説明されています。不合格の結果が第三者に共有される、という記載は見当たりませんでした(AWS「AWS認定 よくある質問」・2026年9月15日確認)。
つまり、応募書類やバッジから選考側が受け取るのは、合格した認定の情報と考えるのが自然です。ただし、これはAWSの説明から読み取れる範囲です。面接でご本人が話した内容まで含めて、選考でどう扱うかは会社ごとに違います。他社の運用までは分からないため、ここでは断定しません。
筆者は面接で、「SAAになぜ落ちたんですか」という質問は基本的にしていません。不合格の回数を理由に質問を組むこともしていません。伺うのは、合格した資格を「どうして取ろうと思ったのか」のほうです(面接で見ているポイントは面接でSAAについて聞かれたとき、面接官が見ているポイント)。
ですので、一度届かなかったことを必要以上に気にするより、取ろうと思った理由を自分の言葉で話せる状態にしておくほうが、選考では材料になります。(筆者が担当している選考での運用です。他社の運用は分かりません。2026年9月時点)
AWS SAAを取得した後のキャリアパス
ここまでは、SAAを取るまでの話と、選考でどう見られるかの話でした。この章では、取ったあとの話をします。次の4点を順に扱います。
- 有効期限と更新、会社の資格手当・更新費用の確認
- SAAの次に何を取るか
- 求人の側から見たSAA
- 転職市場で最初に聞かれること
有効期限3年と更新費用、資格手当の扱いは求人票に書かれません
まず、AWS側の仕組みです。AWS認定は、取得した日から3年間有効です。更新の方法は1つではなく、AWS公式の再認定ページには次の内容が書かれています。
| 項目 | AWS公式に記載されている内容 |
|---|---|
| 認定の有効期間 | 取得した日から3年間 |
| 更新方法① | 同じ試験の最新バージョンに合格する |
| 更新方法② | 上位レベルの試験に合格する(Foundational・Associateレベルが対象) |
| 有効期間の維持 | AWS Skill Builder で指定されたアクティビティを完了すると、有効期間を1年延長できる ※AWS Skill Builderの有料サブスクリプションが必要と記載されています |
| 再認定の費用 | AWS認定アカウントの特典セクションにある50%割引バウチャーを使用できる |
そしてもう1つ、AWS側の仕組みとは別に会社側の扱いがあります。ここは、採用する側にいるからこそお伝えできる話です。
資格手当があるかどうか、更新の受験料を会社が負担するかどうかは、求人票にはまず書かれません。応募の段階では見えない項目です。
筆者の勤務先にも資格手当の制度がありますが、対象になる資格の範囲や支給の形は会社ごとに設計が違います。ですので、金額や条件をここに書いても、読んでいる方の会社の判断材料にはなりません。お伝えできるのは、「確認する価値のある項目だ」ということまでです。(筆者の勤務先での話です。2026年8月時点)
面接やオファー面談の場で聞ける項目として、次の4つを挙げておきます。金額を聞き出す質問ではなく、制度の形を確認する質問として組み立てています。
| 確認する項目 | なぜ効いてくるか |
|---|---|
| 資格手当があるか。一時金か、毎月の手当か | 同じ「手当あり」でも、受け取り方がまったく違います |
| 更新(再認定)の受験料が会社負担になるか | 3年ごとに発生します。初回の受験料より、長い目で見ると効いてきます |
| 対象資格の範囲にAWS認定が入っているか | IPA試験のみを対象にしている会社もあります |
| 上位資格を取った場合の扱い | 上位試験に合格するとSAAもあわせて更新されるため、会社の制度がその設計と噛み合っているかが見えます |
SAAの次に何を取るか|「上」に進むか「横」に広げるか
SAAの次に進む方向は、大きく2つに分かれます。AWSの中で上のレベルに進むか、AWS以外の領域に広げるかです。どちらが正解という話ではありませんが、3年の有効期限がある以上、この2つは「更新との関係」が違います。
| 方向 | 具体例 | SAAの更新との関係 |
|---|---|---|
| AWSの中で「上」へ | AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)など、上位レベルの認定 | 合格するとSAAもあわせて更新されます(更新方法②) |
| AWS以外へ「横」に広げる | CCNA(ネットワーク領域)、応用情報技術者試験(IT全般) | SAAの更新には影響しません。SAAの更新は別途必要です |
クラウドを軸に深めていく方は、上位試験を次の1本に置くと、更新と学習が同じ方向を向きます。ネットワークやIT全般に広げたい方は、担当したい領域を優先して構いません。その場合は、SAAの更新をいつやるかを別に予定へ入れておく必要がある、というだけです。応用情報を「横」に入れる場合の受験時期は、2027年度の応用情報の制度見直し(案)が、受ける時期に関わるで整理しています。
それぞれの試験そのものの難易度や、どんな方に向いているかは、こちらの記事で整理しています。




求人の側から見ると、どう見えるか
取得後に転職を考える方のために、求人票の話にも触れておきます。
求人の中には「SAA保有者優遇」と明記しているものもあり、そうした求人ではSAAがプラスに働きます(書類選考でSAAがプラスに働く場面・働かない場面)。一方で、筆者が採用担当として自社の求人票を作っている範囲では、インフラ系のポジションで「AWS」という言葉を要件や歓迎条件に置く場面は増えているものの、そこに書いているのは「AWSでの構築・運用経験」であって、「SAA保有」そのものではありません。(筆者の勤務先での書き方です。2026年8月時点)
資格名を条件に置く会社もあれば、実務経験の形で書く会社もある、ということです。求人票を読むときは、「SAA」という文字があるかどうかだけでなく、AWSでの経験がどう書かれているかも一緒に見ておくと、応募先との噛み合い方がつかみやすくなります。
それでも、転職市場で最初に聞かれるのは直近の実務です
最後に、この章の前提そのものに一言添えておきます。
資格のロードマップをきれいに設計して、その通りに取得されている方はいます。ただ、面接で筆者が最初に伺うのは、資格の並び順ではなく「直近で何をされていたか」です。
ロードマップは、ご自身の学習を組み立てるための地図としては非常に有効です。一方で、選考の場でそのまま評価軸になるわけではありません。資格の順序より、今この瞬間に何をやっているかのほうが先に問われます。(筆者が担当してきた選考での話です。2026年8月時点)
年収についても、同じことが言えます。求人票に出ている提示レンジは企業ごとの幅が大きく、資格の有無だけで動く部分は限定的です。「この資格を取れば年収がいくらになる」という形の見通しは、この記事では出しません。資格は、担当できる案件の幅を広げるためのもの——そう位置づけたほうが、実際の選考の見え方に近いと考えています。
インフラエンジニアの資格全体のロードマップは、こちらの記事でまとめています。


AWS SAAについてよくある質問



最後に、これまでの章で扱いきれなかった質問を3つに絞ってお答えします。合格率・勉強時間・選考での評価については各章で詳しくお伝えしているため、ここでは繰り返さず、該当する箇所へのリンクでご案内します。
- 未経験でもAWS SAAに合格できますか?
-
この質問には、「未経験者の○%が合格しています」という形ではお答えできません。AWSは認定試験の合格率を公表していないためです(この点は合格率・合格点の目安で詳しく整理しています)。
そのうえでお伝えできるのは、合格できるかどうかを気にするより先に、決めておいたほうがいいことがあるということです。次の3点です。
- 「未経験」がどちらの意味かを切り分ける
同じ「未経験」でも、IT実務はあるが、AWSは未経験なのか、IT実務そのものがこれからなのかで、埋めるものも時間の目安も違います。前者はネットワークやサーバーの前提知識が使えますが、後者はその基礎とAWSの用語を同時に入れることになります。区分ごとの時間の目安は「IT実務がこれから」「AWSだけ未経験」「AWSの実務あり」で分けた時間の目安で整理していますので、まずはご自身がどちらに当たるかを確かめてください。 - 取ったあとに何をするかを先に決める
転職の材料にしたいのか、今の現場でクラウド案件に手を挙げるためなのか。ここが決まっていると、どこまで深く理解しておく必要があるかの基準ができます。
転職を考えている方は、SAAが選考でどう扱われるかを先に知っておいたほうが、目的がぶれません。こちらは採用担当はAWS SAAをどう評価している?|人事のホンネでお伝えしています。 - 受験の時期を先に置く
意外と見落とされやすいのがここです。AWS認定には有効期限があり、その起算点は「取得した日」です。つまり、取得のタイミングを決めることは、更新のタイミングを決めることでもあります。
取得してから実務で使い始めるまでに間が空くと、使いこなす前に更新の時期が来るという順番になります。仕組みの詳細は有効期限3年と更新費用、資格手当の扱いは求人票に書かれませんで整理しているので、受験日を決める前に一度目を通しておくと安心です。
この3点が決まれば、「未経験でも合格できますか」という問いは「自分はいつまでに、何のために取るのか」という問いに置き換わります。そこまで来ると、教材選びも学習の進め方も後から決まってきます。
- 「未経験」がどちらの意味かを切り分ける
- AWS SAAの偏差値はいくつですか?
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AWSは、SAAの偏差値にあたる指標を示していません。合格率や受験者数も公表されていないため、公式の数字から偏差値を出すこともできません(合格率・合格点の目安)。Web上で見かける偏差値は、公式の数値ではない、という前提でお読みください。
そのうえで「どのくらいの位置か」を知りたい場合は、よく知られた資格と並べて見るほうが実態に近くなります。この記事では、知識の深さでいえば基本情報以上・応用情報未満のあたりと整理しています。範囲・深さ・問題の性質の3つの角度で比べた表は、IPA資格(ITパスポート・基本情報・応用情報)との難易度比較にあります。
- AWS SAPと応用情報はどちらが難しいですか?
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SAP(AWS Certified Solutions Architect – Professional)は、SAAの上のProfessionalレベルにあたる認定です。応用情報とは出題範囲も問題の性質も違うため、SAAと同じく「何を物差しにするか」で答えが変わります。
SAPの難易度や、応用情報との比べ方は、SAPを扱ったこちらの記事で整理しています。
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まとめ|AWS SAAをどう位置づけるか
ここまで、試験の中身から選考での扱われ方、取得後の進め方までをお伝えしてきました。最後に、どこに何を書いたかを整理しておきます。
この記事は、「難しいかどうか」だけでは決められない部分——つまり、SAAをいつ取り、選考でどう説明し、そのあと何につなげるか——まで含めて持ち帰っていただけるように書いています。気になる箇所だけ、下の表から読み返してください。
| 知りたいこと | 戻る章 | そこで扱っていること |
|---|---|---|
| 試験そのものの中身を確かめたい | SAA-C03の試験概要 | 試験時間・問題数・合格点・受験料・出題範囲の配点。AWS公式の記載にもとづき、確認した時点を添えています |
| 他の資格と比べてどれくらいか知りたい | AWS SAAの難易度はどれくらい?他資格との比較 | IPA資格との比べ方と、合格率が公表されていないという事実と、Web上で見かける数字の読み方 |
| なぜ難しいと言われるのか知りたい | AWS SAAが難しいと言われる3つの理由 | 問題形式・時間配分・似たサービスの使い分けと、応用情報と感じ方が分かれる理由 |
| 何時間くらいかかるか知りたい | AWS SAAの勉強時間の目安|経験・保有資格別 | スタート地点ごとの目安と、記事によって数字が倍違う理由 |
| 選考でどう見られるかを知りたい | 採用担当はAWS SAAをどう評価している?|人事のホンネ | 書類での扱い、面接での着眼点、そして応用情報技術者試験との評価の分かれ方 |
| 応用情報とどちらを先に取るか決めたい | 応用情報とAWS SAA、どちらを先に取るか | 目的別の順番と、応用情報の制度見直し(案)が受ける時期に与える影響 |
| 何から手をつければいいか知りたい | AWS SAAに合格するための勉強法 | 教材の役割分担と問題の復習の仕方、筆者が面接で実際に伺った学習方法 |
| 不合格だったときのことを知りたい | AWS SAAに落ちる人の共通点と、不合格後の再受験 | 届かなかったときに多いパターン、再受験のルール、選考での見え方 |
| 取ったあとの話を知りたい | AWS SAAを取得した後のキャリアパス | 認定の有効期限と更新の仕組み、次の一本の決め方、求人票に書かれない資格手当の確認 |
この記事でいちばんお伝えしたかったのは、応用情報との”比べ方”です
「AWS SAAと応用情報技術者試験、どちらを取るべきか」。これは、この記事にたどり着く方からとくに多い迷いです。採用する側から見た答えは、3つに整理できます。
- 2つは、同じ土俵で比べていません。
応用情報は「学習を積み上げられる方だ」という受け取り方、SAAは「AWSの設計・構成の知識がある」という受け取り方。見ている軸が別なので、どちらが上かという形の答えを出していません - 立場が変われば、見え方も変わります。
現場のエンジニアは「明日から一緒に触れるか」を、採用側は「入社後に伸びるか」も含めて見ています。どちらかが正しいという話ではありません - 両方をお持ちの方の書類は、加点した状態で見ています。
違う系統の試験を続けて取りにいっているという事実が、学習を習慣にできている裏づけとして読めるためです。ただしこれは、職務経歴という土台があったうえで乗る加点です
3つ目は、「資格を何個持っているか」という話ではありません。数を増やせば増えるほど加点される、という見方はしていません。ここを取り違えないでいただきたいので、判断の分かれ目まで含めてSAA保有者と応用情報保有者、採用担当はどう評価を分けているかで詳しくお伝えしています。
(いずれも筆者が担当してきた選考での見方です。該当した候補者の件数までは特定しておらず、現場SEから聞いた話は聞き取り1件のみです。採用担当者一般がこう見ている、という話ではありません。2026年8月時点)
読み終えたあとの、次の一歩
最後に、今どの段階にいるかによって、次にやることが変わります。3つに分けて置いておきます。
- まだ取るかどうか決めていない方
まずは勉強時間の区分で、ご自身が「IT実務がこれから」「AWSだけ未経験」「AWSの実務あり」のどこに当たるかを決めてください。そのうえで選考でどう扱われるかを読むと、取る目的のほうが先に決まります - 取ると決めている方
区分の時間の目安から逆算して、受験日を先に置いてください。応用情報も視野に入れている方は、どちらを先に取るかで順番と受ける時期を決めてから、勉強法の章へ進むと計画が崩れにくくなります - すでにお持ちの方・もうすぐ取れる方
人事のホンネの章で選考での説明の仕方を、キャリアパスの章で次の一本と資格手当の確認を。持っていることより、どう使うかの段階です
そのうえで、ひとつだけ。筆者が担当してきた選考で見ているのは、資格そのものより「なぜそれを取ろうと思ったのか」を自分の言葉で話せるかどうかです。ここが用意できていれば、資格は選考の場で十分に働いてくれます。この記事が、その組み立ての材料になれば幸いです。
その会社が良いかどうかは
他の選択肢を見ないと判断できません
人事の立場から言うと、比較対象を持たないまま決めている人が一番損をしています。
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✓ リモート可否・フレックスなど細かい条件で検索できる
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