在職中に転職を考えはじめると、まず気になるのが「今の会社に知られないだろうか」ということだと思います。転職会議は口コミを読むために会員登録が必要なサービスなので、登録ボタンの手前で手が止まる方も多いはずです。
この記事では、転職会議に登録したときにどこから情報が外に出ていくのかを、公開されている利用規約と実際の画面に沿って整理します。
あわせて、口コミを投稿するときに何が一緒に掲載されるのか、そして採用する側がそれをどう読んでいるのかも、現役の人事の立場からお伝えします。画面や設定の名称は、すべて2026年9月時点の内容です。
- 転職会議から情報が渡る相手を、利用規約がどう定めているか
- 「登録がバレる」と「口コミがバレる」は別の話だということ
- スカウト設定とメール通知設定の違い、いま自分がどちらの状態かを確かめる場所
- 口コミと一緒に載る情報のうち、運営が丸める項目と自分で決める項目
- 人事が自社の口コミページを開くのはどんなときで、そこで何を見ているか
すけさん在職中の転職活動で「会社にバレないか」が気になるのは、当たり前のことだと思います。私も同じ立場なら同じことを心配します。ただ、規約と実際の画面を一度そろえて見ると、気をつける場所は思っているより少ないことが分かります。まずは仕組みから見ていきましょう。
結論|情報が渡るのは「自分が選んだ相手」だけです。分かれ目はスカウト設定と口コミ投稿の2つ
個人情報が第三者に渡る場面については、利用規約に条件が書かれています。
提供目的:会員が選択した、採用企業や提携先人材紹介会社等への情報提供のため
出典:転職会議 利用規約(第1章 第14条2項)
「個人情報の取り扱い」にも、利用目的のひとつとして「ユーザーが選択(求人原稿の気になるボタン等を押下)されたエージェント又は求人企業への提供」と書かれています(転職会議「個人情報の取り扱い」)。提供の起点が会員自身の選択だと定められている、ということです。
そう考えると、気にする場所は次の2つに絞られます。
- スカウトサービスの設定(登録情報を公開するかどうかを、自分で切り替える)
- 口コミの投稿(何を書くかを、自分で決める)
スカウトのほうは「スカウトを受け取る」というトグルスイッチで切り替える形になっていて、確認した画面ではOFFになっていました(2026年9月時点)。口コミのほうは、投稿すると匿名で掲載されます。どちらも、自分が動かさない限り先に進まない作りです。
ここから先は、この2つをそれぞれ分解していきます。「絶対にバレません」と言い切れる話ではありませんが、規約と画面がどう定めているかは、そのまま確かめられます。出典はすべて記事内に置いていますので、気になるところはご自身で開いてみてください。
採用側の画面に求職者の名前が並ぶのは、応募が来てからです。それより手前の段階で人事が見ているのは個人ではなく人数のほうで、「誰が登録したか」を開く画面がそもそもありません。
「バレる」には2種類あります|登録がバレるのと、口コミがバレるのは別の話



ご相談を受けていて感じるのは、心配される順番と、実際に起きる順番が逆だということです。多くの方が登録のところで手を止めますが、現実に論点になるのは投稿のほうです。読むだけの人は、そもそも会社の画面に出てきません。


口コミを読むだけのとき、会社に伝わるものはあるか
前の章で見たとおり、規約が定めている提供の起点は「会員が選択した」ことだからです。読むという行為は、そこに当たりません。
あわせて1点だけ。利用規約には、閲覧履歴や応募履歴などの利用履歴を、会員登録の前後を問わずサービス提供・運営改善・統計情報の取得のために閲覧・使用することがある、と書かれています(第1章 第11条)。統計データについては「個人を識別・特定できないように加工した後」に作成すると定められており(第15条)、第14条2項が挙げている提供項目に閲覧履歴は含まれていません。読んだページの記録が採用企業に渡る、という定めにはなっていない、ということです。
転職会議は「口コミを投稿すると読める」作りになっている
マイページを開くと、「すべての口コミを見るには?」という案内の先頭に「口コミを投稿する(1投稿につき30日間見放題)」が置かれています(2026年9月時点)。読みたい人が、書く側にまわる導線があるということです。
ただし、投稿には合計450文字以上が必要です(各カテゴリ50文字以上)。軽い気持ちで書き流せる分量ではありません。



読むための手段はほかにも用意されていますので、方法そのものを比べたい方は次の記事にまとめています。


だから、気をつける場所は投稿のほうに寄る
登録して読むだけなら、自分が選んだ相手はまだ誰もいません。スカウトをONにすると、登録情報を公開する相手が生まれます。口コミを投稿すると、自分が書いた文章が公開されます。
不安の中身が「登録」ではなく「投稿」に寄っていると分かれば、確認すべき場所も自然に決まります。次の章でスカウト設定を、その次の章で投稿を、順番に見ていきます。
登録がバレるのを心配して相談に来られる方が多いのですが、人事の側から見て現実に起きるのは投稿のほうです。読むだけの利用は、会社側のどの画面にも出てきません。
スカウト設定と、情報が渡る相手|規約はどう定めているか(2026年9月時点)
情報が渡るのは「自分が選んだ相手」だと規約に書かれています
利用規約の第1章 第14条2項には、第三者提供の目的・提供先・提供する情報が、まとめて書かれています。
提供目的:会員が選択した、採用企業や提携先人材紹介会社等への情報提供のため
出典:転職会議 利用規約(第1章 第14条2項)
提供先:弊社取引企業(採用企業や提携先人材紹介会社等)
提供する情報:氏名・電話番号・メールアドレス・住所・性別・生年月日・年収・学歴・職務経験・スキル・資格・希望就職条件等に例示される、会員が本サイトの会員登録の際に登録する情報および提携先人材紹介会社等の会員登録時または求人情報に応募することを希望したときに入力された情報などの会員情報
項目の並びを見ると不安になるかもしれませんが、読む順番が大切です。この条項は「提供する場面と、そのとき渡る情報」を定めたもので、その提供の目的が「会員が選択した」相手への情報提供だと最初に書かれています。「個人情報の取り扱い」のほうには、その選択の例として「求人原稿の気になるボタン等を押下」という具体的な操作が挙げられています。
なお、これは提供についての条項です。スカウトの検索画面で企業側に何がどう表示されるかについては、記載を確認できていません。提供の話と、検索での表示の話は、別のものとして押さえておいてください。
スカウトが届くのは「当社厳選の転職エージェント」と案内されています
マイページの「スカウトサービス設定」を開くと、サービスの説明として次のように書かれています(2026年9月時点)。
あなたの登録情報を公開することで、経験に興味を持った転職エージェントからスカウトが届きます。(利用無料)
転職会議 スカウトサービス設定画面の表示(2026年9月時点・ログイン後のマイページで確認)
同じ画面に、ポイントが3つ並んでいます。
| 画面に書かれている内容(2026年9月時点) | |
|---|---|
| ❶ | 当社厳選の転職エージェントのみ参画 |
| ❷ | 個人情報非公開※で利用できる ※エージェントに返信するまで |
| ❸ | 転職会議内のチャットでやりとりできる |
受け取るかどうかは「スカウトを受け取る」というトグルスイッチで切り替えます。確認した画面ではOFFの状態でした。


そして、いまONなのかOFFなのかは、設定画面まで進まなくても分かります。マイページのアカウント欄に「スカウト受信:OFF」とステータスが表示されています。気になったときは、まずここを開いてみてください。
所定の入力欄以外に、自分が分かる情報を書かない
もうひとつ、規約に書かれていて見落とされやすい部分があります。
会員は、識別情報を、弊社所定の入力欄以外に入力・保存してはならないものとします。(中略)当該会員の識別情報が採用企業に提供された場合、弊社はその責任を負いません。
出典:転職会議 利用規約(第3章 第3条1項)
サービスの仕組みが守ってくれるのは、所定の入力欄に入れた情報です。自己PRや職務経歴の自由記述欄に、自分だと分かる固有名詞を書き込むと、その部分は仕組みの外側に出ます。入力欄はそれぞれ用途が決まっているので、決められた欄に決められたものを入れる、という基本だけ守っておけば足ります。
スカウトを止める操作と、メール通知を止める操作は別のもの
利用規約 第1章 第9条1項には、会員申込によってメールマガジンの配信登録が行われ、配信が開始されると書かれています。止めたい場合は、通知設定のページから手続きします。
退会前の案内ページには、「お手続きから配信停止までに、2〜3日間ほどかかる場合がございます」とも書かれています(2026年9月時点)。設定したのに翌日届いた、というときは、この時間差が理由かもしれません。
会社の端末・会社のメールアドレスでは登録しない
ここまではサービス側の話でしたが、実際に気づかれるとしたら、多くの場合はもっと手前です。
会社から支給されたパソコンやスマートフォン、会社のメールアドレス、社内のWi-Fi。この3つを使うと、閲覧履歴や受信メールが自分の管理の外に出ます。



会社によって端末やネットワークの運用は違いますので、登録は個人の端末と個人のメールアドレスに分けておくほうが確実です。
設定をどう変えるかより先に、ここを分けるだけで安心感がだいぶ変わります。
設定の場所が分かっていれば、情報収集の段階から使えます。スカウトを受け取るかどうかは、転職活動が具体的になってから切り替えれば足ります。
スカウトをONにするかどうかは、転職活動の段階になってから決めれば足ります。情報収集のあいだはOFFのままでも困りません。迷ったら、マイページのステータス表示だけ先に確認しておいてください。
口コミと一緒に載る情報|運営が丸める2つと、自分で決める3つ(2026年9月時点)
口コミと一緒に、実際にはここまで載ります
口コミの投稿画面には、掲載のされ方が案内されています。
投稿者情報は、年代・性別等の一般的な属性部分のみを掲載します。個人情報を適切に管理し、裁判所または行政機関からの開示命令・要請がない限り、ユーザー様の同意なく第三者に開示することはありません。
転職会議 口コミ投稿画面の表示(2026年9月時点・ログイン後に確認)
同じ画面には、掲載例として「30代前半/女性/正社員/法人営業」という4つのタグが示されています。そして、実際に公開されている口コミページを開くと、これに加えて在籍時期・年収・投稿日も表示されます。確認した口コミの表示は、次のとおりでした。
| 口コミと一緒に載る情報 | 表示例(2026年9月時点) | 決めるのは |
|---|---|---|
| 年代 | 20代前半 | 運営(丸められます) |
| 在籍時期 | 2025年頃 | 運営(丸められます) |
| 性別 | 女性 | 回答者 |
| 雇用形態 | 正社員 | 回答者 |
| 職種 | プログラマ(オープン系・WEB系) | 回答者 |
| 年収 | 金額(万円) | 回答者 |
| 投稿日 | 2025.12.09 | 運営(自動) |
もうひとつ、カテゴリによって一緒に載る情報が変わります。年収の口コミには年代・雇用形態・在籍時期・年収が並び、面接・選考の口コミには性別・職種と、面接時期・募集形式・面接形式・面接結果が並んでいました(2026年9月時点)。
なお、ここで挙げたのは1社・数件の口コミで確認した範囲です。部署名や役職は確認した口コミには表示されていませんでしたが、企業やカテゴリによって表示が変わる可能性はあります。投稿する前に、自分が書こうとしているカテゴリの口コミを実際に開いて、何が並んでいるかを一度見ておくと確実です。



投稿を迷っている方には、いつもこうお伝えしています。属性のところは運営側が幅を持たせてくれるので、読み返すべきなのは本文です。書いたあとに一度置いて、翌日もう一度読む。それだけで、たいていのことは防げます。
運営が丸めるのは2つ。自分で決めるのは3つです
表をもう一度見ると、線がはっきり引けます。年代は「20代前半」、在籍時期は「2025年頃」。どちらも運営側が幅を持たせて表示していて、そこから個人を絞り込めないようになっています。
一方で、職種と年収は入力したまま載ります。そして本文は、450文字以上を自分の言葉で書きます。自分で粒度を決められるのは、この3つです。気をつけるところも、そこだけで足ります。


投稿日については、年月日まで表示されます。これは事実として知っておいてください、という程度の話です。
そして、運営側が先に弾いている部分もあります。転職会議は投稿された口コミを全件全文確認していて、2025年に投稿された口コミの掲載率は94.1%と公開されています。非掲載になった理由の内訳では、「個人特定につながると判断した投稿」が0.6%を占めています(※四捨五入のため合計が100%と異なることがあります)。
そのうえで、投稿の前に注意喚起を出す仕組みも案内されています。
転職会議は、個人特定や誹謗中傷にあたる投稿を非掲載としています。中には、悪意なく強い言葉を使ってしまっていると思われるケースが散見されるため、そのようなキーワードが含まれていた場合には、自動で判定し、投稿者に注意喚起を行います。
出典:転職会議「口コミ・ランキングの信頼性への取り組み」
あとから直せるのか|退会する前なら、再編集を申請できます
ここがいちばん大事なところです。退会前の案内ページには、次のように書かれています(2026年9月時点)。
口コミ投稿の削除は原則として承っておりません。ただし、内容の再編集は可能です。こちらのページの手順にそってご申請ください。
転職会議 退会前の案内ページの表示(2026年9月時点・ログイン後に確認)
退会すると、ご本人様確認が不可能となるため、口コミの再編集をお受けすることができなくなります。
整理すると、こうなります。
| 状態 | 削除 | 再編集 |
|---|---|---|
| 会員のまま | 原則として承っていない | 申請できる |
| 退会後 | できない | できない(本人確認ができないため) |
利用規約 第2章 第4条4項にも、「会員は退会以前に投稿した内容を編集・削除することはできないものとします」と定められています。これは退会した場合について書かれた条文で、退会前の案内と整合しています。
つまり、順番だけ間違えなければ大丈夫です。投稿の前に、自分で決める3つ(職種・年収・本文)を確認する。書いたあとで気になったら、退会するより先に再編集を申請する。退会してしまうと、本人確認ができなくなるため、その申請ができなくなります。
退会そのものの手続きについては、次の記事にまとめています。


人事は属性を見て誰かを当てにいきません。分かってしまうときは、本文に書いてある出来事のほうです。丸めてくれない項目はそこなので、投稿の前に本文を読み返しておけば足ります。
【人事のウラ側】人事が口コミを読んで「誰か分かってしまう」のはどういうときか



私が自社のページを開くのは、たいてい採用計画をつくる時期です。あとは、応募が急に減ったときに理由を探しにいくくらいでしょうか。毎日開いている人事はほとんどいません。何を見ているのかも含めて、順番にお話しします。
人事が自社の口コミページを開くのは、どんなときか
ここからは規約や画面の話ではなく、私が採用の現場で見ている範囲の話です。人事が自社の口コミページを開くのは、だいたい次のような場面に限られます。


- 翌年度の採用計画をつくるとき
- 新しい求人を公開する前
- 応募が急に減ったとき
- 内定辞退が続いたとき
- 採用広報の内容を見直すとき
どれも年に数回あるかどうか、という頻度です。新しい口コミが載ったかどうかを毎日確かめている、という使い方にはなっていません。
分かるのは属性からではなく、書いてある出来事から
口コミと一緒に表示されるのは、年代・性別・雇用形態・職種と、在籍時期です。前の章で見たとおり、年代は前半/後半という形で、在籍時期は年単位に「頃」を付けた形で表示されます。この範囲で社内の誰かに絞り込むのは、よほど小さな組織でなければ簡単ではありません。
読んでいて「これは誰だろう」と思うのは、たいてい本文に書いてある出来事のほうです。
「去年の異動のとき」「あの案件で」といった時期と出来事が組み合わさると、属性を見なくても見当がついてしまいます。だからこそ、気をつける場所は本文になります。
あわせて、企業ページの口コミ一覧には職種・雇用形態・性別・採用区分で絞り込む機能があります(2026年9月時点)。自分で決められる項目のうち職種は、少し広めの分類を選んでおくという手もあります。
企業向けには、自社の口コミを分析・活用するツールも提供されていると案内されています。人事が自社のページを見ていること自体は、特別なことではありません。
分かったとして、人事は何をするのか
ここも私が見てきた範囲の話になりますが、口コミを読んで「これはあの人かもしれない」と思ったとして、そこから何かが動くことはほとんどありません。理由は単純で、人事がそのページを開いている目的が別のところにあるからです。
見ているのは、評価が低く出ている項目と、その推移です。「待遇の満足度が下がっている」「残業についての記述が増えている」といった、募集要項や面接での説明に跳ね返る部分を探しています。書き手を当てにいく作業は、そこに何も足しません。
それでも気になる方は、投稿の前に本文だけ読み返してください。時期と出来事を具体的に書きすぎていないか。確認するのはその一点で足ります。
口コミの読み方そのものについては、こちらの記事で扱っています。


面接で「うちの口コミを見ましたか」と聞く会社は、まずありません。聞いた時点で、自社の口コミを気にしていることを認めることになるからです。聞かれないこと自体が、会社側の事情を表しています。
【人事のウラ側】会社が投稿者を特定することはあるのか|開示請求の実績が公開されています
会社側が使える手段は、送信防止措置申請と発信者情報開示請求
運営が公開している内容によると、大きく2つです。ひとつが送信防止措置申請(口コミ投稿の削除申請)、もうひとつが発信者情報開示請求です。どちらも情報流通プラットフォーム対処法にもとづく手続きとして案内されています。
まず削除のほうから見ていきます。権利者から削除の申請があった場合の扱いについて、運営はこう書いています。
ただし、送信防止措置申請があった場合においても、口コミ投稿の削除はお約束いたしません。権利者より提出された各証拠を精査し、判断した場合に削除を行います。
出典:転職会議「口コミ・ランキングの信頼性への取り組み」
申請すれば消える、という作りにはなっていないということです。実際の審査結果も数字で公開されています。
| 送信防止措置申請の審査結果 | 割合 |
|---|---|
| 掲載継続 | 71.0% |
| 全件削除 | 21.6% |
| 部分的な削除 | 7.4% |
これは投稿者の味方をしてくれるという話ではありません。運営は提出された証拠を精査して判断すると書いていて、実際に反証が示された場合には削除しているとも説明しています。中立の立場で審査した結果として、この内訳になっている、という読み方をしてください。
2025年の開示請求で、開示を行ったものは0件と公開されています



もうひとつの手続きが、発信者情報開示請求です。
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分になります。
転職会議は、情報流通プラットフォーム対処法に基づき、発信者情報の開示請求を受けつけています。この手続きは、裁判所を経由せずに、転職会議に対して直接、発信者情報(投稿者のIPアドレス等)を請求するものです。
出典:転職会議「口コミ・ランキングの信頼性への取り組み」
読み方のポイントが2つあります。ひとつは、裁判所を経由しなくても請求できる手続きだと説明されていること。2つの手続きのうち、入口としてはハードルが低いほうです。もうひとつは、請求の対象が「発信者情報(投稿者のIPアドレス等)」と説明されていることです。氏名がそのまま会社に渡る、という形の手続きではありません。
そのうえで、同じページに実績が書かれています。
2025年の開示請求に対して、開示を行ったものは0件です。
出典:転職会議「口コミ・ランキングの信頼性への取り組み」
裁判所を通さずに直接請求できる手続きがあり、それでも2025年の実績として開示に至ったものは0件だった、ということです。裁判所や行政機関を経由する手続きについても、捜査関係事項照会3件・仮処分手続き18件・訴訟5件という件数が公開されています(2026年9月時点で公開されている内容)。手続きそのものは動いているけれど、その先で開示が行われた実績は公開されていない、という順序で読むのが正確です。
もちろん、これは「今後も絶対に開示されない」という意味ではありません。要件が高く、実際にはそこまで至らないことが多い——2025年の実績として運営が公開しているのは、そういう数字です。日常的な感想の範囲で書いた口コミが、この手続きに乗っていくことは通常起こりません。
会社が口コミに手を出すことも、規約とガイドラインで禁止されています
逆方向の話もしておきます。会社の側が自社の評価を操作しようとすることについても、ルールが用意されています。
口コミ投稿ガイドラインでは、「該当企業の評価・評判を操作する意図による投稿」が削除の対象として挙げられています(転職会議 口コミ投稿ガイドライン)。利用規約の禁止事項にも、虚偽の情報を提供・公開する行為や、代表権や代理権がないにもかかわらずあるものと装う行為が並んでいます(転職会議 利用規約 第1章 第16条1項)。
つまり、企業も一方的に振る舞えるわけではなく、投稿する側と同じルールの内側にいるということです。読者の立場からすると、気をつけるところは前の章までで出そろっています。投稿の前に、職種と年収と本文の3つを確認する。気になったら、退会より先に再編集を申請する。ここまでで十分です。
口コミが1件出たくらいで開示請求に動く会社は、私が見てきた範囲ではまずありません。動くとしたら事実と違う記載で採用に実害が出たときで、そこには弁護士費用と時間がかかります。感想の範囲の投稿とは、そもそも土俵が違います。
転職会議とオープンワーク、登録したときに公開される情報の違い
2サイトの公開範囲を並べて見る





転職の口コミサイトを調べていると、転職会議とオープンワークの両方が候補に挙がると思います。
どちらを使うかの前に、登録したときに何がどこまで公開されるのかを並べておくと、迷いが減ります。
両サイトの設定画面・投稿画面・口コミページで確認できた内容を、4つの軸で整理しました。
| 項目 | 転職会議 | オープンワーク |
|---|---|---|
| スカウトが届く相手 | 転職エージェント(「当社厳選の転職エージェントのみ参画」と案内) | 採用企業とエージェントの2つの経路 |
| 個人情報が相手に渡るタイミング | エージェントに返信するまで非公開 | 求人に応募するまで公開されない |
| スカウトを止める操作 | 「スカウトを受け取る」をOFF | 受信設定を「公開しない」/特定企業のブロック設定 |
| 口コミと一緒に載る情報 | 年代・性別・雇用形態・職種/在籍時期・年収・投稿日 | 部門・職種・役職/在籍期間・在籍状況/入社・性別 |
この表は、どちらが多いか少ないかを比べるためのものではありません。作りが違うので、気をつける場所が違うということを示すための表です。
1行目がいちばん分かりやすいところです。スカウトの届く経路が違えば、設定の作りも違ってきます。3行目に並んでいる操作の数も、機能の多い少ないではなく、そこから来ています。
転職会議は年代と在籍時期が丸められ、自分で決めるのは職種と年収と本文でした。オープンワークは在籍期間と在籍状況のほうが丸められ、部門・職種・役職を自分で選ぶ形になっています。投稿するときに読み返すべき場所が、サイトによって変わるということです。
同じ会社を両方で引くと、回答者の層のズレが分かる
2つのサイトは、どちらも登録情報を入力すると読める範囲が広がるという共通の作りになっています。読むために何を差し出すことになるのか、という点では似ています。
そのうえで、使い方としておすすめなのは同じ会社を両方のサイトで引いてみることです。口コミを書いている人の層はサイトごとに違うので、片方だけでは見えない部分が出てきます。転職会議のほうに年収の口コミが厚く集まっていて、オープンワークのほうに役職者の視点が多い、というようなズレは珍しくありません。
気になった会社があるなら、まずは両方で引いてみてください。評価の高さそのものより、同じ論点が両方で出てくるかどうかのほうが判断材料になります。
オープンワーク側の公開範囲については、こちらの記事で詳しくまとめています。


同じ会社でも、サイトによって回答者の層が違います。人事の側も複数のサイトを見て、どちらかに偏っていないかを確かめています。応募する側が2つ見ておくのは、そのまま面接での質問の材料にもなります。
よくある質問(Q&A)
- 転職会議を退会したら、投稿した口コミや登録した情報はどうなりますか?
-
退会前の案内ページには「退会後も、口コミは削除されず、当サイトに掲載されます」「退会後は、口コミの修正及び削除ができません」と書かれています(2026年9月時点)。利用規約 第2章 第4条4項にも、退会以前に投稿した内容は編集・削除できないと定められています。大事なのは順番です。口コミの内容が気になっているなら、退会するより先に再編集を申請してください。退会するとご本人様確認ができなくなるため、その申請ができなくなると案内されています。なお、退会後に再度会員登録をしても、退会前の会員情報は引き継がれません(利用規約 第1章 第7条7項)。退会の手続きそのものは【内部リンク:転職会議の解約・退会方法の記事】にまとめています。
- 登録せずに口コミを見ることはできますか?
-
閲覧の方法にはいくつか選択肢があり、それぞれ条件が違います。方法の比較は【内部リンク:転職会議の口コミを無料で見る方法の記事】にまとめていますので、そちらをご覧ください。この記事の主題である「会社に伝わるか」という点についてだけお答えすると、読むだけの段階で勤務先に通知が届く仕組みは、2026年9月時点では確認できません。規約が定めている情報提供の起点は「会員が選択した」ことなので、読むという行為はそこに当たりません。
- スカウトのメール通知を止めれば、会社に知られませんか?
-
メール配信設定と、スカウトサービス設定は別の項目です。メールの設定は「手元に届く通知」の話で、会社の端末でメールを見ている方が通知で気づかれないようにする、という意味では有効です。一方、登録情報を公開するかどうかを切り替えるのは「スカウトを受け取る」のトグルのほうです。優先順位としては、まずマイページのアカウント欄で「スカウト受信」のステータスを確認してください。なお、メルマガの配信停止は、手続きから停止までに2〜3日ほどかかる場合があると案内されています。
まとめ
ここまでの内容を、要点だけ振り返っておきます。
- 情報が渡る起点は「会員が選択した」こと。利用規約 第1章 第14条2項に、第三者提供の目的としてそう定められています。
- 分かれ目はスカウト設定と口コミ投稿の2つ。登録して読むだけの段階で、勤務先へ通知が届く仕組みは確認できません(2026年9月時点)。
- スカウトの状態はマイページで確認できる。アカウント欄に「スカウト受信」のステータスが表示され、切り替えはトグルスイッチです。
- 運営が丸めるのは2つ、自分で決めるのは3つ。年代と在籍時期は幅を持たせて表示され、職種・年収・本文は入力したまま載ります。
- 気になったら退会より先に再編集の申請。退会すると本人確認ができなくなり、再編集を受けられなくなると案内されています。
- 人事が読んで気づくのは属性より本文。自社の口コミページを開くのは採用計画や求人公開の前など、年に数回の場面です。
- 2025年の開示請求で、開示を行ったものは0件。裁判所を経由せずに直接請求できる手続きについて、運営がそう公開しています。
在職中の転職活動で「バレないか」が気になるのは自然なことですが、規約と画面をそろえて見ていくと、実際に確認する場所はそう多くありません。
この2つで、心配の大部分は手当てできます。
そして、この記事では「絶対にバレません」という書き方をしていません。書けるのは、規約と画面と公開データがどうなっているか、というところまでです。出典はすべて本文に置いていますので、気になった部分はご自身で開いて確かめてみてください。自分で確かめられる状態にしておくことが、いちばん落ち着いて動ける方法だと思います。
口コミを読む手段そのものを比べたい方は、こちらにまとめています。


退会の手順を先に確認しておきたい方は、こちらをご覧ください。


