インフラエンジニアを目指すなら避けて通れないのが、Linux資格の選択です。
「LinuCとLPICって何が違うの?」「どっちを取ればいいの?」——この疑問、IT業界を目指す方なら一度はぶつかるのではないでしょうか。
ネットで調べても「国内ならLinuC」「海外ならLPIC」という情報ばかりで、実際の採用現場でどう評価されているのかまで踏み込んだ記事はほとんどありません。
この記事では、IT企業で採用業務に携わる現役人事の立場から、LinuCとLPICの違いを徹底比較し、「結局どっちを取ればいいのか」という疑問に本音でお答えします。
- LinuCとLPICの基本的な違いと、2つの資格が分かれた経緯
- 試験範囲・受験料・難易度など7項目の具体的な比較
- キャリアパターン別の「あなたに合う資格」の選び方
- 採用担当者が書類選考でLinuC・LPICをどう評価しているかのリアル
- レベル1合格に向けた効率的な勉強法とおすすめ教材

この記事の簡単なまとめ
両資格の試験範囲は約9割が共通しており、採用担当者から見ても「Linux基礎を自分で学んだ証」として同等に評価されます。
しいて言えば、日本国内のインフラエンジニア市場を目指すならLinuCがおすすめです。
LPI-Japanが運営しているため、日本の現場で求められる技術(仮想化・コンテナなど)が試験に反映されています。
一方、外資系企業や海外プロジェクトを視野に入れるならLPICが有利です。
ここから先は、この結論に至る根拠を詳しく解説していきます。
LinuCかLPICかで迷って勉強を始められない人が一番もったいない。採用側が見ているのは『どちらを持っているか』ではなく『自分で行動して学んだかどうか』です。
【結論】LinuCとLPICはどっちを取るべき?IT人事の本音
迷ったらこのフローチャートで判断しよう
LinuCとLPICのどちらを選ぶべきか、以下の基準でシンプルに判断できます。
① 外資系企業・海外就職を目指している → LPIC
LPICは世界180カ国以上で実施されている国際資格です。英語の履歴書にも記載しやすく、グローバルに通用します。
② 国内のSIer・SES・自社開発企業を目指している → LinuC
LinuCは日本の市場に最適化された資格で、仮想化やコンテナといった今の現場で使われる技術が試験範囲に含まれています。
③ 勤務先・内定先に資格手当制度がある → 会社の対象リストを確認
資格手当の対象が「LPIC」だけ、あるいは「LinuC」だけというケースがあります。事前確認が最も確実です。
④ まだ決められない → LinuC
日本語で作問されているため問題文の読みやすさに定評があり、最新技術もカバーしています。学習効率の面でもおすすめです。
採用担当から見た「ぶっちゃけ、どちらでも評価は変わらない」理由
すけさん採用担当の本音をお伝えすると、書類選考でLinuCとLPICを区別して評価することはほぼありません。
どちらの資格が書いてあっても、見ているのは「この人はLinuxの基礎知識を自分で学ぶ勉強意欲がある人だな」というポイントです。
実際の求人票でも「LPIC/LinuC歓迎」と併記されているケースが非常に多いことからも、企業側がこの2つを同等に扱っていることがわかります。
求人票に『LPIC/LinuC歓迎』と併記するのは、インフラ経験者+勉強意欲のある若手を採用したいとき。特に年収アップを目指すリーダー候補〜課長補佐クラスの募集で書くことが多いです。
そもそもLinuCとLPICとは?基本情報を整理


LinuCとLPICは、どちらもLinuxの操作・管理スキルを証明するIT資格です。インフラエンジニアやサーバーエンジニアを目指す方にとっての登竜門として広く知られています。
もともとは同じ「LPIC」という1つの試験だったのですが、2018年に日本独自の「LinuC」が誕生し、現在は2つの資格が併存する形になっています。
LinuC(リナック)とは?日本特化のLinux資格
LPI-Japan(エルピーアイジャパン)が開発・運営する日本向けのLinux技術者認定試験です。
- 正式名称: Linux技術者認定試験 LinuC
- 運営団体: LPI-Japan(日本のNPO法人)
- 開始年: 2018年
- 最新バージョン: レベル1 Version 10.0(2020年4月〜)
- 試験構成: 101試験・102試験の2つに合格で認定
- 受験料: 1試験あたり16,500円(税込)※2試験合計33,000円
LinuCの最大の特徴は、日本の現場で求められる技術に対応している点です。
Version 10.0では、仮想化やコンテナ(Docker/Podman)、クラウドセキュリティといった、今のインフラ現場で必須の知識が試験範囲に含まれています。
また、問題文が最初から日本語で作成されているため、翻訳特有の読みにくさがなく、試験中のストレスが少ないと言われています。
LPIC(エルピック)とは?世界標準のLinux資格
LPI(Linux Professional Institute)が運営する国際的なLinux技術者認定資格です。
- 正式名称: Linux Professional Institute Certification
- 運営団体: LPI(カナダ・トロントに本部を置くNPO法人)
- 開始年: 2000年〜2001年
- 最新バージョン: LPIC-1 Version 5.0
- 試験構成: 101試験・102試験の2つに合格で認定
- 受験料: 1試験あたり16,500円(税込)※2試験合計33,000円
LPICの強みは、世界180カ国以上で実施されている国際的な認知度です。
20年以上の歴史があるため、ベテランエンジニアからの知名度も高く、外資系企業や海外プロジェクトで通用する資格として定評があります。
日本語での受験も可能ですが、もともと英語で作成された問題を翻訳しているため、「やや翻訳調の表現が気になる」という声もあります。
2つの資格が分かれた経緯と背景
もともとLPICの日本での運営を担当していたのは、LPI-Japanでした。しかし、LPI-Japanは以下の課題を感じていました。
- LPICは世界共通の資格であるため、日本のIT市場が求める技術変化に柔軟に対応できない
- 海外で試験問題が流出する問題(ブレインダンプ)が発生していた
これらの課題を解決するため、LPI-Japanは2018年に独自の認定試験「LinuC」を新たに策定しました。
なお、LPICは現在「LPI日本支部」が日本での運営を引き継いでおり、引き続き受験可能です。
この経緯を知っておくと、面接で『なぜLinuC(またはLPIC)を選んだのか?』と聞かれたときに、しっかり理由を説明できます。資格選びに意図があること自体が好印象です。
LinuCとLPICの違いを7つの項目で徹底比較【一覧表あり】


ここからは、LinuCとLPICの違いを具体的に7つの項目で比較していきます。まずは一覧表で全体像を掴んでください。
| 比較項目 | LinuC レベル1(Ver 10.0) | LPIC-1(Ver 5.0) |
|---|---|---|
| 運営団体 | LPI-Japan(日本) | LPI(カナダ本部) |
| 対象市場 | 日本国内 | 世界180カ国以上 |
| 試験範囲の特徴 | 仮想化・コンテナ・クラウドを重視 | 伝統的なLinux技術を幅広くカバー |
| 問題文の日本語 | 日本語で作成(自然な表現) | 英語から翻訳 |
| レベル構成 | レベル1〜3+システムアーキテクト | レベル1〜3 |
| 受験料(税込) | 1試験16,500円(2試験で33,000円) | 1試験16,500円(2試験で33,000円) |
| 有意性の期限 | 5年間 | 5年間 |
運営団体と認知度の違い
LinuCはLPI-Japan、LPICはカナダ本部のLPIが運営しています。
知名度という点では、LPICのほうがやや上というのが現状です。
LPICは2000年から20年以上の歴史があり、ベテランエンジニアや古くからの技術規定を持つ企業では「Linux資格=LPIC」というイメージが根強く残っています。
一方、LinuCは2018年開始と歴史は浅いものの、国内の大手SIerやSES企業を中心に導入が進んでおり、着実に認知度を高めています。
試験範囲の違い(9割共通・1割の差分とは)
Linuxコマンドの基本操作、ユーザー管理、ファイルシステム、ネットワーク基礎、パッケージ管理、シェルスクリプトなどは、どちらの資格でも問われます。
違いが出るのは残りの約1割です。
LinuCにあってLPICにない範囲:
- コンテナの概念と利用(Docker/Podmanなど)
- クラウドセキュリティの理解
- オープンソースの文化
LPICにあってLinuCにない範囲:
- X11(LinuxのGUI環境)
- 共有ライブラリの管理
- アクセシビリティ関連
日本語の問題文の読みやすさ
試験の「解きやすさ」に直結するのが、日本語の問題文の質です。
LinuCは日本語で問題が作成されているため、自然な日本語で出題されます。問題文の読み違いによるミスが少なく、試験中のストレスが軽減されます。
LPICは英語で作成された問題を日本語に翻訳しています。日本語で受験できるものの、翻訳調の独特な表現が含まれることがあり、「問題の意図がわかりにくい」と感じる受験者もいます。
未経験の方やLinux学習が初めての方にとっては、問題文の読みやすさは意外と重要なポイントです。
レベル構成と上位資格の違い
両資格ともレベル1〜3の3段階がありますが、上位資格の構成に違いがあります。
LinuCのレベル構成:
- レベル1:Linuxの基本操作・システム管理
- レベル2:より高度なシステム管理・ネットワーク
- レベル3:3種類の専門分野(300/303/304試験)
- システムアーキテクト: 設計・開発・運用をトータルで管理できるエンジニア向け(LinuC独自)
LPICのレベル構成:
- LPIC-1:Linuxの基本操作・システム管理
- LPIC-2:より高度なシステム管理・ネットワーク
- LPIC-3:4種類の専門分野(300/303/305/306試験)
LinuCには「システムアーキテクト」という独自の上位資格があり、これは日本のIT市場で求められるスキルセットに対応したものです。
受験料の違い(2026年最新の料金比較)
レベル1の受験料は、LinuC・LPICともに同額です。
- LinuC レベル1:1試験16,500円(税込)× 2試験 = 合計33,000円
- LPIC-1:1試験16,500円(税込)× 2試験 = 合計33,000円
ただし、レベル2以上ではLPICのほうが高くなります。
2024年10月の料金改定により、LPIC-2・LPIC-3の受験料が1試験あたり19,800円(税込)に値上げされました。LinuCのレベル2は16,500円(税込)のままなので、上位資格まで目指す場合はLinuCのほうが費用を抑えられます。
なお、どちらの資格もPing-tなどの学習サイト経由でバウチャー(割引チケット)を購入することで、1科目あたり約1,100円の割引を受けることが可能です。
求人票での扱われ方の違い
転職を考えている方にとって気になるのが、求人票での扱われ方です。
大手求人サイト6社での検索ヒット数を比較した調査(2025年時点)によると、LPIC:約1,450件、LinuC:約799件と、LPICのほうが多い結果になっています(出典:infla-lab.com)。
ただし、この差は「資格としての価値の差」ではなく、LPICのほうが歴史が長いため、企業側の認知度が高いことが主な理由です。実際に求人の中身を見ると、「LPIC/LinuC歓迎」と併記されているケースが非常に多く、どちらか一方しか認めないという求人はほとんどありません。
学習教材・情報量の違い
学習リソースについては、どちらの資格も充実しています。
共通の定番教材:
- 「あずき本」(翔泳社の『Linux教科書』シリーズ):LinuC版・LPIC版ともに発売されている定番テキスト
- Ping-t: 無料で600問以上の問題集が使える学習サイト。LPIC・LinuC両方に対応
LinuCの強み:
- LPI-Japanが公式に「Linux標準教科書」を無料で提供しており、学習の入り口としてアクセスしやすい
- LPI-Japan認定教材が体系的に整備されている
LPICの強み:
- 20年以上の歴史があるため、受験体験記やブログ記事などの情報量が豊富
- 市販の参考書・問題集の選択肢が多い
求人票でLPICのほうが多く見えるのは知名度の差であって、実力の差ではありません。採用担当は『LPIC/LinuC』をセットで見ていることがほとんどです。
【パターン別】あなたに合うのはLinuC?LPIC?選び方ガイド
ここまでの比較を踏まえて、キャリアパターン別におすすめの資格を整理します。
国内のSIer・SESで働きたい人
国内のSIer(システムインテグレーター)やSES(システムエンジニアリングサービス)企業で働く場合、LinuCの強みが活きます。
LinuCはVersion 10.0で仮想化やコンテナといった、日本のインフラ現場で実際に使われる技術をカバーしています。資格の勉強がそのまま実務に活かしやすいのがメリットです。
また、LPI-Japanが国内企業へのLinuC導入を積極的に推進しているため、資格手当の対象として認定している企業も増えてきています。
外資系・海外プロジェクトを目指す人
外資系企業への転職や、海外のエンジニアと一緒に働く機会を想定しているなら、LPICが有利です。
LPICは世界180カ国以上で実施されており、英語の履歴書(レジュメ)にもそのまま記載できます。海外のエンジニアにとっても「LPIC」は馴染みのある資格名なので、スキルの証明として通用します。
英語での受験も可能なので、英語力のアピールにも繋がります。
未経験からインフラエンジニアを目指す人
未経験の方には、問題文が自然な日本語で読みやすいLinuCを第一候補としておすすめします。
初めてLinuxを学ぶ段階では、問題の意図を正確に読み取れるかどうかが合否に直結します。LinuCなら翻訳調の日本語に悩まされることなく、純粋にLinuxの知識で勝負できます。
ただし、LPICを選んでも問題はありません。学習教材が豊富でネット上の情報も多いため、独学しやすいというメリットがあります。
大切なのは「どちらを選ぶか」よりも「今日から勉強を始めること」です。
会社の資格手当を狙いたい人
資格手当については、会社によって対象資格が異なるため注意が必要です。
LinuCは2018年に始まった比較的新しい資格のため、古い制度のまま更新されていない企業では、LPICは対象だがLinuCが対象外になっているケースがあります。逆にLPI-Japanの推進により、LinuCだけを対象にしている企業もあります。
また、資格手当の支給形態も会社によって異なります。Linux資格の場合、認定期間に対して毎月の手当が出るケースもありますが、受験料の補助+合格お祝い金(一時金)として支給するケースのほうが多いのが実情です。
もし希望する資格が手当の対象外になっている場合は、人事担当に「LinuC(またはLPIC)を対象に追加できないか」と相談してみるのも一つの手です。LinuC公式サイトの説明資料を添えると説得力が増します。
資格手当が毎月出る会社もありますが、Linux資格は有意性の期限が5年なので、一時金(受験料補助+お祝い金)で支給する企業が多数派。入社前に支給形態まで確認しておくと安心です。
IT人事が教えるLinuC・LPICの「採用での評価」リアル事情
ここからは、採用の内側の視点をお伝えします。
書類選考でLinuC・LPICをどう評価しているか
採用担当が履歴書・職務経歴書でLinuCやLPICを見たとき、最初に感じるのは「勉強意欲がある人だな」ということです。
「LinuCだから加点」「LPICだから減点」といった区別はしていません。どちらであっても、Linuxの基礎知識を自分の意思で学んだことの証として、同じように好印象を持ちます。
特に未経験からインフラエンジニアを目指す候補者の場合、資格欄にLinuCやLPICがあると「入社後も自走して学んでくれそうだ」という期待感に繋がります。
「LPIC/LinuC歓迎」と求人票に併記される裏側
求人票に「LPIC/LinuC歓迎」と書かれているのを見たことがある方も多いでしょう。この併記には、採用側の明確な意図があります。
この記載が入るのは、主に以下のような採用ケースです。
- インフラエンジニアの経験者で、かつ勉強意欲のある若手〜中堅を採用したいとき
- 今後年収を上げていきたいリーダー候補や、課長補佐クラスのポジションを募集するとき
つまり、「LPIC/LinuC歓迎」という記載は、単なる「あったら嬉しい」ではなく、「成長意欲が高い人材を求めています」というメッセージでもあるのです。
求人票にこの記載がある企業は、資格取得を通じたスキルアップを評価してくれる可能性が高いと言えます。
資格よりも面接で見ているポイント
資格は書類選考を通過するための「入場チケット」としては有効ですが、最終的な合否を決めるのは面接での受け答えです。
面接で採用担当が見ているのは、以下のようなポイントです。
- 「なぜLinuCを選んだのか」を自分の言葉で説明できるか(資格選びの意図が明確=論理的思考力がある)
- 学んだ知識を実務にどう活かしたいかのビジョンがあるか
- 資格の勉強を通じて、自分の強み・弱みを把握できているか
LinuCやLPICで身につけた知識は、あくまでインフラエンジニアとしてのスタートラインです。資格をゴールにするのではなく、「資格取得をきっかけに何をしたいか」まで語れると、面接での評価は大きく変わります。
LinuC・LPICを持っていて実機経験がゼロという候補者には、私は会ったことがありません。この資格を取る人は実際にLinuxを触りながら学んでいる=行動力がある人が多い、というのが現場の実感です。
LinuC・LPICレベル1の効率的な勉強法とおすすめ教材


学習期間の目安と学習計画の立て方
LinuC・LPICレベル1の合格に必要な学習時間は、1〜3ヶ月程度が一般的な目安です。
ただし、これはIT業界の基礎知識がある方の場合です。完全未経験の場合は、2〜4ヶ月程度を見込んでおくとよいでしょう。
学習計画のポイントは以下のとおりです。
- 101試験と102試験は、どちらから受けてもOK。 同時に受ける必要はなく、片方に合格してからもう片方を受ける形で問題ありません。
- 最初の1ヶ月はテキストの通読+実機操作、残りの期間で問題集を繰り返すのが王道パターンです。
- 合格ラインは公表されていませんが、正解率65〜75%程度が目安とされています。
定番教材「あずき本」と学習サイト「Ping-t」の活用法
LinuC・LPIC対策で圧倒的に支持されている教材が2つあります。
① あずき本(翔泳社 Linux教科書シリーズ)
表紙の色から「あずき本」の愛称で親しまれている定番テキストです。LinuC版・LPIC版がそれぞれ出版されており、出題範囲を網羅した解説と練習問題、模擬試験が収録されています。
LPI-Japan認定テキストでもあるため、信頼性も高く、これ1冊で基礎学習は十分です。
② Ping-t(https://mondai.ping-t.com/)
600問以上のWeb問題集を無料で利用できる学習サイトです。LPIC・LinuC両方に対応しており、問題の正答率によって弱点分野を可視化してくれます。
通勤中やスキマ時間にスマホで問題を解けるのも大きなメリットです。あずき本で知識をインプットし、Ping-tでアウトプットを繰り返すのが最も効率的な学習サイクルです。
なお、Ping-t経由でバウチャー(受験チケット)を購入すると、1科目あたり約1,100円の割引が適用されるため、受験料の節約にもなります。
実機を触りながら学ぶのが合格への最短ルート



テキストと問題集だけで合格することは可能ですが、実際にLinux環境を構築して手を動かしながら学ぶことがおすすめです。
その理由は2つあります。
① コマンドが記憶に定着しやすい
テキストで読んだだけのコマンドは忘れやすいですが、実際にターミナルで入力して結果を確認すると、格段に記憶に残ります。
② 合格後の実務にそのまま活きる
資格取得がゴールではなく、その先のエンジニアとしてのキャリアが目的です。実機操作の経験は、面接でも「ただの暗記ではなく、理解して使える人」という評価につながります。
Linux環境の構築方法は、VirtualBoxやWSL2(Windows Subsystem for Linux)を使えば、自宅のPCで無料で始められます。あずき本にもLinux実習環境のダウンロード方法が記載されています。
面接で『VirtualBoxで自分のLinux環境を作って勉強しました』と言える人は、それだけで評価が上がります。特に未経験者の場合、この一言があるかないかで印象が大きく変わります。
LinuC・LPICに関するよくある質問(Q&A)
- LinuCとLPICは両方取ったほうがいい?
-
基本的にはどちらか一方で十分です。
試験範囲の約9割が共通しているため、両方取得しても大きなアドバンテージにはなりません。それよりも、片方のレベル1に合格した後にレベル2への挑戦や、AWS認定・CCNAなど他の資格にステップアップするほうが、キャリアの幅が広がります。
ただし、「国内企業向けにLinuCを持っていて、海外案件にも対応できるようLPICも取った」というケースはあり得ます。ご自身のキャリアプランに合わせて判断しましょう。
- LinuCやLPICの有効期限が切れたらどうなる?
-
資格自体が消えるわけではありませんが、「有意性」がなくなります。
LinuC・LPICともに、認定から5年間が「有意性の期限」として設定されています。5年を過ぎると、資格の認定自体は残りますが、「現在も有効なスキルを持っている」という証明としては使えなくなります。
有意性を維持するには、以下のいずれかが必要です。
- 同じレベルの試験を再受験して合格する
- 上位レベルの試験に合格する
履歴書への記載は可能ですが、面接で「有意性は切れています」と伝える必要があるかもしれません。資格取得後もスキルアップを続けることが大切です。
- LinuC・LPICの次に取るべきおすすめ資格は?
-
インフラエンジニアのキャリアアップを考えるなら、以下の資格が有力候補です。
- AWS認定ソリューションアーキテクト(SAA):
クラウド分野での需要が非常に高く、インフラエンジニアのキャリアアップに直結します。求人でも「AWS認定歓迎」の記載が増えています。 - CCNA(シスコ技術者認定):
ネットワークの基礎知識を証明する資格で、インフラエンジニアの登竜門として定番です。LinuC/LPICと合わせて持っていると、「サーバーもネットワークも分かる人材」として評価されます。 - LinuCレベル2 / LPIC-2:
Linux資格をさらに深めたい場合は、上位レベルへの挑戦がおすすめです。レベル2はより高度なシステム管理やネットワーク構築の知識が問われます。
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まとめ:LinuCとLPICは「どちらを選んでも正解」。大事なのは一歩を踏み出すこと
この記事では、LinuCとLPICの違いを7つの項目で徹底比較し、採用担当者のリアルな評価基準までお伝えしました。
- LinuCとLPICの試験範囲は約9割が共通しており、採用での評価も同等
- 日本国内のインフラ現場を目指すならLinuC、外資系・海外志向ならLPICがおすすめ
- 採用担当が見ているのは「どちらを持っているか」ではなく「勉強意欲があるかどうか」
- 求人票の「LPIC/LinuC歓迎」は、成長意欲の高い人材を求めているサイン
- 「あずき本」+「Ping-t」+「実機操作」の3点セットが合格への最短ルート
LinuCかLPICかで迷い続けて勉強を始められないのが、一番もったいない選択です。



どちらを選んでも、Linuxの基礎知識は確実に身につきますし、採用の場面でもプラスに働きます。大切なのは、今日からLinuxに触れ始めることです。




