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BIPROGY(旧日本ユニシス)の転職難易度は?年収・やばい評判を現役IT人事が解説

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すけさん

この記事はBIPROGYが自分で公表している決算資料と人財戦略レポートを読み込んだうえで、採用する側の目線で難易度を分解したものです。

BIPROGY(ビプロジー)は、2022年4月に日本ユニシスから社名を変更した大手システムインテグレーターです。

転職市場での人気は高い一方で、検索窓には「やばい」「難易度」といった言葉が並びます。

気になるのは、この会社が実際のところ何を求めていて、入ったあとにどんな働き方になるのか、というところではないでしょうか。

この記事では、2026年3月期の決算短信と有価証券報告書、BIPROGYグループ人財戦略レポート2025、そしてOpenWorkに投稿された社員の声を突き合わせながら、転職難易度と年収、そして「合う人・合わない人」を整理していきます。数字はすべて出典を示しています。口コミは原文を引用せず、趣旨を要約して紹介しています。

この記事で分かること
  • BIPROGYの転職難易度と、難易度を押し上げている構造的な理由
  • 平均年収約885万円・中央値827万円の中身と、求人票から見た中途入社の年収目安
  • 「やばい」と検索される5つの理由と、公開資料で確認できる事実
  • OpenWorkの評価スコアと口コミから見える、部署ごとの働き方の差
  • 2026年3月期決算が示す、いま人を採りたい事業領域
  • 退職検討理由から逆算した、BIPROGYに合う人・合わない人
  • 選考フローと、通過するために準備しておきたいこと
目次

BIPROGYの転職難易度・年収・働き方サマリー

平均年間給与885万円、中央値827万円、中途採用比率49.7%、離職率2.70%をまとめた図

BIPROGYの転職難易度は高めです。求人ごとに求める経験と年数が細かく決まっていて、そこに当てはまるかどうかで結果が分かれます。

まずは基本的な数字を並べます。

項目数値
平均年間給与884万6,208円(2025年度)
中途求人の月給レンジ32.2万〜82.4万円、賞与5.35か月(2026年10月3日時点の5件)
年間給与の中央値827万2,666円(2025年度)
平均年齢46.3歳
平均勤続年数20.4年
キャリア採用比率49.7%(2025年度・BIPROGY単体)
離職率2.70%(2025年度・連結グループ)
月間平均残業時間16.9時間(2025年度)
有給休暇取得率85.93%(2025年度)
連結売上収益4,336億86百万円(2026年3月期)
連結従業員数8,801人(2025年度)
OpenWork総合評価3.73(回答者833人・2026年10月時点)
キャリア採用の公開求人数21件(2026年10月3日時点)
出典:BIPROGY サステナビリティ「社会データ」、BIPROGY「2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」、BIPROGY株式会社 採用情報、OpenWork「BIPROGY 社員クチコミ」
すけさん

なお、BIPROGYは人事データの一部について、第三者による独立した保証を受けています。2025年度の対象は、平均年間給与、平均年齢、平均勤続年数、離職率、従業員数、男性育児休業取得率などです。給与の中央値、キャリア採用比率、残業時間、有給取得率は対象外なので、こちらは会社の公表値として読んでください。

この記事の要点は次の3つです。

この記事の要点
  • 難易度は高めで、分かれ目は経験が求人の条件に合うかどうか:
    BIPROGYは増やしたい人材のタイプと人数を公表しているので、自分の経歴がどこに当てはまるかを応募前に確かめられます
  • 退職を考えた理由は、待遇への不満よりミスマッチが中心:
    人事制度の改定で手当が変わったことを挙げる声はあるものの、多いのはやりたい仕事と合わなかったという趣旨の理由です
  • 上流工程やプロジェクトマネジメントでキャリアを作りたい方には有力候補:
    一方で、最新技術で手を動かし続けたい方は慎重な検討が必要になります
採用のウラ側メモ

書類選考で私が最初に探すのは、募集要件の経験が経歴のどこにあるかです。難易度の評判より、自分の職務経歴が会社の公表している人材像のどれに近いかを先に確かめてください。そこが重なっていれば、十分に勝負できます。

BIPROGYの転職難易度は?中途採用の実態を公開データから読む

BIPROGY単体の年代別従業員数と、キャリア採用比率の推移を示した図
すけさん

「難易度が高い」と聞くと、応募する前から腰が引けてしまうものです。ただBIPROGYは、どんな人を何人増やしたいかを自分で公表している会社です。噂より資料で判断できるので、まずは数字から見ていきます。

難易度は高め。分かれ目は「どんな経験を積んできたか」

BIPROGYのキャリア採用は、HRMOS上で職種と領域を分けて募集されています。公開求人の数は時期によって大きく変わり、2026年8月10日時点では82件ありましたが、10月3日時点では21件でした。

10月3日時点の募集区分は次のとおりです。

  • 職種:営業職、SE・技術職、ジェネラルスタッフ
  • 業種・領域:金融、社会公共、流通、製造、戦略、スタッフ
  • そのほかの入口:カムバック採用(アルムナイ採用)、障害者採用

では、具体的に何が求められるのか。10月3日時点の求人票から、SE職と営業職の必須条件をいくつか抜き出しました。

求人必須条件業界経験
小売業向けAI発注予測サービスのPM候補Webシステムの開発経験、チーム開発3年以上が目安小売の業界経験は不問
物流システム刷新のPMシステム開発のPM経験物流経験は不問
製造業向けシステムの提案・開発業務アプリまたはWebアプリの開発経験3年以上製造業の経験は不問
航空会社のデータ利活用リーダー基幹業務システムの開発経験7年以上、業務部門との仕様調整航空システムの経験は歓迎条件
保険業界向け営業のリーダー候補生命保険会社での営業〜本社企画などの業務経験 通算5年以上業界経験が必須
出典:BIPROGY株式会社 採用情報(HRMOS)(2026年10月3日時点の掲載内容から抜粋)

SE職は、業界経験を問わない求人が目立ちます。必須になっているのは、開発の実務年数と、リーダーやPMとしての経験です。一方で営業職には、保険業界での実務経験を必須にしている求人もあります。SEなら役割と年数、営業なら業界での経験が、書類で見られやすいポイントです。

公表されている「4つの強化人財」と、そこに空いている枠

BIPROGYは人財戦略レポートと有価証券報告書で、事業戦略をリードする4つの人材モデルについて、実績人数と目標人数を公表しています。

人財モデル2024年度実績2025年度実績2026年度目標
顧客ビジネスアーキテクト147人198人300人
高度プロジェクトマネージャー239人329人300人
ビジネスプロデュース人財48人63人100人
グローバル人財39人46人70人
出典:BIPROGY「BIPROGYグループ人財戦略レポート2025」、BIPROGY「統合報告書2026」(P.38)、BIPROGY「第82期 有価証券報告書」。ビジネスプロデュース人財は「新規事業開発を推進する人財数」として開示

それぞれの人材像は、レポート内で次のように定義されています。

  • 顧客ビジネスアーキテクト:
    深い業務理解と信頼関係で顧客の課題を先んじて捉え、DXによる解決の道筋を示せる人材。営業とエンジニアの両方が対象です
  • 高度プロジェクトマネージャー:
    豊富なマネジメント経験をもとに、最適なアーキテクチャとエンジニアリングプロセスを選択できる人材
  • ビジネスプロデュース人財:
    社会課題を捉えて自らビジネスをデザインし、多様な関係者を巻き込んで共創できる人材
  • グローバル人財:
    タフさと洞察力で海外事業に挑戦し、グループのグローバルビジネス拡大に貢献できる人材。現在の展開先はASEANが中心です

2025年度の実績を見ると、高度プロジェクトマネージャーは329人で、すでに目標の300人を超えています。一方、目標までの差は、顧客ビジネスアーキテクトがあと約100人、ビジネスプロデュース人財が約40人、グローバル人財が約25人です。人財戦略レポートでも、ビジネスプロデュース人財について「事業創出のスキルを持つ専門人財の採用強化が必要」と書かれています。中途採用で狙い目になるのは、この3つのモデルです。なお、人数の判定方法や条件は今後さらに精査すると、会社自身も書いています。

なぜBIPROGYは中途採用を強化しているのか

OpenWorkには、30代の中堅社員が少なく、40代以上と20代の間が空いているという趣旨の声が繰り返し出てきます。

会社が公表している年代別の従業員数を見ると、30代の層が薄いことは数字でも確認できます。

年代従業員数(2025年度)構成比
30歳未満733人16.8%
30〜39歳611人14.0%
40〜49歳998人22.9%
50〜59歳1,304人29.9%
60歳以上713人16.4%
出典:BIPROGY サステナビリティ「社会データ」(BIPROGY単体・構成比は合計4,359人から算出)

30代は611人で、5つの年代の中で最も少なく、最多の50代(1,304人)の半分以下です。会社自身も人財戦略レポートの中で、中堅層が少ない「ひょうたん型」の年齢構成を課題に挙げています。スキルやノウハウの継承、マネジメント層の育成に影響が出ているという認識です。地方拠点や客先常駐を担うコア事業部門で人手がひっ迫していることも、同じレポートに書かれています。

この穴を埋める手段が、キャリア採用です。実際、BIPROGY単体のキャリア採用比率は次のように推移しています。

  • 2023年度 47.5%
  • 2024年度 44.7%
  • 2025年度 49.7%

2025年度は入社者のほぼ半分が中途です。連結グループでの採用人数を見ても、新卒266人に対してキャリア採用226人と、ほぼ拮抗しています。

「新卒中心の会社だから中途は入りにくい」というイメージは、少なくとも現在のBIPROGYには当てはまりません。

採用方針でも、ミドル層の人財や、次の組織を引っ張る人財をキャリア採用のターゲットに挙げています。30代から40代前半で、SIerや事業会社での実務経験を持つ層が、いちばん求められていると考えてよさそうです。

会社は人財戦略の重点施策に「キャリア入社者の活躍」を掲げ、入社3年目以内の中途社員の自己効力感をKPIにしています。ただ、この数字は2025年度に下がっています。詳しくは後半の人的資本の章で触れます。

選考で見られるのは、ROLESに近い経験かどうか

BIPROGYは人的資本経営の基盤として「ROLES」という役割定義の仕組みを整備しており、社員が担う役割と熟達度を可視化しています。熟達度は「基礎・習熟・確立・深堀拡大」の4段階です。先ほどの4つの人財モデルにもそれぞれROLESの条件があり、顧客ビジネスアーキテクト・高度プロジェクトマネージャー・ビジネスプロデュース人財は「確立」以上、グローバル人財は「習熟」以上と決められています。

社内の評価が役割で決まる会社なので、中途の書類も「どのロールを、どのレベルで担ってきたか」で読まれると考えるのが自然です。実際、10月3日時点の求人で必須条件に並んでいたのは、開発の年数やPM・リーダーとしての経験でした。学歴の条件が付いていたのは、M&A担当など一部の専門職だけです。

採用のウラ側メモ

応募前に、人財戦略レポートで4つの人材モデルの定義を読んでおいてください。私は書類選考を年間1,000件超見ていますが、どの役割で採ってほしいのかが1つに絞れている職務経歴書は、配属先をイメージしやすく、読む側の手が止まります。

BIPROGYの年収は平均約885万円|中央値まで公開されている

2025年度の平均年間給与884万6,208円と中央値827万2,666円を比べた棒グラフ。差は約57万円

BIPROGYの平均年間給与は、2025年度で884万6,208円です。前年度の846万2,098円から、1年で38万円ほど上がっています。

BIPROGYは、平均年間給与に加えて、年間給与の中央値も公表しています。

年度平均年間給与年間給与の中央値
2023年度850万2,857円807万3,075円
2024年度846万2,098円802万5,105円
2025年度884万6,208円827万2,666円
出典:BIPROGY サステナビリティ「社会データ」(BIPROGY単体)

中央値827万円という数字が示すもの

平均年収は、一部の高額所得者に引き上げられて実態より高く見えることがあります。だからこそ中央値が重要になります。

BIPROGYの場合、平均884万6,208円に対して中央値は827万2,666円。その差は約57万円で、比率にすると中央値は平均の93.5%にあたります。

平均と中央値の差が小さいので、平均年収が一部の高給者に大きく引っ張られているわけではないと分かります。

ただし、これは平均年齢46.3歳・平均勤続20.4年の集団の数字です。20代や30代前半の実際の年収は、これよりかなり低い水準になります。転職時に「885万円もらえる会社」と考えてしまうと、提示額とのギャップに驚くことになります。

項目内容
平均年齢46.3歳(男性48.1歳/女性41.0歳)
平均勤続年数20.4年(男性22.0年/女性15.6年)
給与構成基本給+賞与(年2回)+残業代
等級制度年齢に関係なく意欲と能力に基づく処遇、若手の早期登用が可能なグレード制度
組織長定年廃止(雇用延長者を含むシニア人財の活用へ)
出典:BIPROGY サステナビリティ「社会データ」、BIPROGY「BIPROGYグループ人財戦略レポート2025」

初任給は2年で4万7,000円引き上げられている

若手の待遇が動いていることも、公表データから確認できます。学部卒の初任給は2023年度の22万5,000円から、2025年度は27万2,000円へ。修士卒も25万300円から28万8,000円に引き上げられました。

2年で学部卒が4万7,000円の増額です。若手の待遇を厚くする動きは、数字でも確認できます。

求人票から見る中途入社の年収目安

すけさん

中途入社時の年収は、これまでの経験と応募するポジションで決まります。等級ごとの年収レンジは公表されていませんが、求人票には月給の幅と賞与の実績が書かれています。10月3日時点の求人から、条件の違う5件を並べました。

求人主な必須条件月給年収の目安
製造業向けシステム提案・開発(中部)業務・Webアプリの開発経験3年以上32.2万〜58.2万円約559万〜1,010万円
小売業向けAI発注予測サービスのPM候補Web開発、チーム開発3年以上が目安33.4万〜51.9万円約579万〜900万円
物流システム刷新のPMシステム開発のPM経験41.2万〜58.2万円約715万〜1,010万円
航空会社のデータ利活用リーダー基幹業務システムの開発経験7年以上42.4万〜82.4万円約736万〜1,430万円
保険業界向け営業のリーダー候補生命保険会社での業務経験 通算5年以上42.4万〜82.4万円約736万〜1,430万円
出典:BIPROGY株式会社 採用情報(HRMOS)(2026年10月3日時点)。年収の目安は「月給×(12か月+賞与5.35か月)」で算出した概算で、残業代・手当は含みません

どの求人も、賞与は5.35か月(2025年度実績)、残業代は別途支給です。表のとおり、開発経験3年前後のポジションなら500万円台後半から、リーダーやPMの経験を求めるポジションなら700万円台からが、求人票から見た入り口です。

ちなみに、OpenWorkに年収を回答した正社員383人の平均は662万円(平均34歳)です。平均年間給与の約885万円は平均46.3歳の集団の数字なので、30代での転職なら、こちらの方が実感に近いはずです。

ただし、これは概算です。賞与は実績値なので毎年変わりますし、5.35か月が月給全体に掛かるのか基本給だけに掛かるのかも、求人票からは分かりません。また、入社した年は賞与の算定期間をフルに在籍していないため、満額にならないのが一般的です。提示額は、初年度と2年目以降を分けて確認しておくと安心です。

人事制度の改定で変わったこと

人財戦略レポートによると、BIPROGYは人材の成長と専門性を伸ばす目的で人事制度を改定しています。ポイントは次の4点です。

  • 成長と成果創出の基軸となるコンピテンシーを設定し、1on1などで発揮状況を確認する
  • 組織長だけでなく、スペシャリストとして貢献する人材のキャリアパスを用意する
  • 年齢に関係なく意欲と能力に基づいた処遇とし、若手社員の早期登用を可能にする
  • 組織長定年を廃止し、メリハリのある処遇で成長と挑戦意欲を促す

口コミでは、基本は年功序列だという声が今も多い一方で、30代前半で組織長になった人がいるという投稿もあります。制度は変わり始めていても、現場の実感が追いつくには時間がかかっている段階です。

額面だけでなく手当の条件も確認しておきたい

年収を考えるうえで見落としやすいのが、住宅関連の手当です。OpenWorkには、人事制度の改定で、20代後半までが対象の住宅手当や独身寮が外れる時期に実質の年収が大きく下がる、という趣旨の声があります(SE・在籍5〜10年)。

年齢や条件によって手当の対象が変わる設計になっている可能性があります。中途で入る場合は年齢が一定以上のケースも多いため、提示された額面に手当が含まれるのか、自分は対象になるのかを、オファー前に確認しておくと安心です。

採用のウラ側メモ

手当の条件は、オファー面談で聞いて大丈夫です。採用側として、オファー面談で答えにくい質問は特にありません。ただ、年齢で外れる手当のように時期によって変わる内容は、配属先の上司に確認したほうが正確なこともあります。

BIPROGYが「やばい」と検索される5つの理由

BIPROGYが「やばい」と検索される5つの理由(高年収、激務イメージ、外資系という誤解、過去の紛失事案、配属と異動)を整理した図
すけさん

ネガティブなサジェストを見ると不安になりますよね。ただ、検索候補には何年も前の出来事や評判が残り続けることがあります。ひとつずつ、いま確認できる事実と照らし合わせていきますね。

理由1|平均年収が高く「勝ち組」と見られている

平均年間給与884万6,208円、中央値でも827万2,666円という水準は、国内の平均と比べて高い部類に入ります。この「高すぎるのでは」という驚きが、良い意味での「やばい」として検索されている面があります。ネガティブな意味ばかりではありません。

理由2|「激務なのでは」というイメージ

会社が公表している2025年度の月間平均残業時間は16.9時間、年間の平均総労働時間は1,832時間です。数字だけ見れば、長時間労働の会社ではありません。

離職率も2025年度で2.70%と低い水準です。

2023年度の3.51%から2年連続で下がっており、新卒定着率も90.5%を維持しています。「離職率が高いのでは」という不安については、公表データが答えになっています。

部署ごとの残業の幅は、OpenWorkの章で口コミをもとに見ていきます。

理由3|社名変更と「外資系だったのでは」という誤解

前身は、1958年に米スペリー社と三井物産(当時は第一物産)の協定で設立された日本レミントン・ユニバックです。スペリー社は1986年にバロース社と合併してユニシスとなり、日本側も1988年に日本ユニシスへ社名を変えました。米ユニシスは2006年に保有株式を売却しており、現在は資本関係がありません。2022年4月の社名変更も、この経緯を踏まえてブランドを整理したものです。

なお、2026年3月31日現在の筆頭株主は大日本印刷で、持株比率は21.44%です。

理由4|2022年の尼崎市USBメモリー紛失事案

2022年6月、兵庫県尼崎市から受託した給付金業務で、全市民分の個人情報を含むUSBメモリーが一時紛失しました。紛失したのは、BIPROGYが市の許可を得ずに再々委託した先の従業員で、無断の再委託そのものも問題になりました。USBメモリーは2日後に見つかり、市の調査委員会は個人情報の漏えいは確認されなかったと報告しています。転職を検討するうえで気になる方も多いと思いますので、公表されている事実を時系列で整理します。

  • 2022年6月23日 尼崎市における個人情報を含むUSBメモリーの紛失についてお詫びを公表
  • 2022年6月24日 紛失していたUSBメモリーの発見を公表
  • 2022年7月1日 第三者委員会を設置
  • 2022年9月21日 個人情報保護委員会からの指導について公表
  • 2022年12月12日 第三者委員会の調査報告書を受領し、役員の処分等を公表
  • 2025年度 許可されたPCと可搬メディアしか使えない仕組みを、国内グループ会社へ導入完了(有価証券報告書で開示)

現在の取り組みは、有価証券報告書で確認できます。可搬メディアへのデータ移送を制御する仕組みのほか、機密性の高い顧客情報に触れるプロジェクトを専門組織が審査・管理する「特例運用管理」を導入しています。2025年度の重大なセキュリティインシデントは0件でした。

転職を検討する立場で見ておきたいのは、事案そのものよりその後どう変えたかです。事案から4年たった今も、再発防止の進捗を有価証券報告書のKPIとして開示しています。監査役も、情報セキュリティ事案を通じて見えた組織風土の改善を、重点監査項目に置いています。

この出来事は、後述する社員評価の「法令順守意識4.7」という高スコアの背景にもつながっています。

理由5|配属や異動が固定されやすいという声

一度配属されると部署を移りにくいという声は、口コミの中でも比較的多く見られます。会社自身も社内の人財流動性は限定的と認めていて、手挙げで異動できる「ココツイ異動」を試行しています。詳しくは後半の章で扱います。

採用のウラ側メモ

面接で過去の事案について自分から触れる必要はありませんが、志望動機で情報セキュリティやガバナンスに関心があると伝えられると、会社が力を入れている領域と重なります。無理に絡めず、自分の経験に接点がある場合だけで十分です。

OpenWorkの口コミから見るBIPROGYの実態

OpenWorkでのBIPROGYの8項目の評価スコアのレーダーチャート。法令順守意識4.7が最も高く、社員の士気2.9が最も低い

OpenWorkでのBIPROGYの総合評価は3.73で、掲載企業約8万社の上位2%に入ります。

回答者は833人、社員クチコミは4,168件です(2026年10月時点)。数字だけ見ると高評価ですが、内訳を見ると評価がきれいに割れています。

評価項目スコア
法令順守意識4.7
風通しの良さ4.0
社員の相互尊重3.8
待遇面の満足度3.5
人材の長期育成3.4
人事評価の適正感3.3
20代成長環境3.0
社員の士気2.9
出典:OpenWork「BIPROGY 社員クチコミ」(2026年10月時点)

法令順守意識4.7と社員の士気2.9という落差

法令順守意識の4.7は、8項目の中で最も高いスコアです。「やばい」理由4で触れた事案のあと、会社は情報管理のルールと仕組みを強めてきました。

ただし、良い面ばかりではありません。チェックリストや申請、上長の承認が年々増えて本来の仕事に時間を割けない、セキュリティやコンプライアンスのルールが厳しく新しいアイデアをすぐには試せない、という声も出ています(いずれもSE)。

安心して働ける仕組みと、動きの速さは、しばしばトレードオフになります。BIPROGYはいま前者に寄っている会社だと理解しておくとよいと思います。

繰り返し登場する4つのキーワード

2020年から2026年までの投稿を通して読むと、同じ言葉が何度も出てきます。

  • 温厚・穏やか・真面目:
    人柄への評価は年度をまたいでほぼ一貫しています。相互尊重3.8というスコアとも整合します
  • 縦割り:
    営業とSEと事務局の間で調整コストが発生するという指摘が複数年にわたって出ています
  • スピード感に欠ける:
    決裁の遅さ、変化を嫌う層との衝突といった言葉が並びます
  • 年功序列と平均年齢の高さ:
    一方で若手登用の実例も出始めており、変化の途中と見られます

変わった点と、変わっていない点

投稿の時期で並べると、次のようになります。

  • 変わった点:
    2020年以前は、フレックスが名ばかりだった、炎上プロジェクトでは休日出勤が多かったという声がありました。直近は、テレワークが定着して出社する人のほうが少ないという投稿も見られます
  • 変わっていない点:
    縦割り構造とスピード感への指摘は、6年間ほぼ同じ表現で出続けています

会社の公表値と、社員の体感のズレ

働き方に関する数字は、会社が公表しているものとOpenWorkの回答とで差があります。

項目会社公表値(2025年度)OpenWork
月間平均残業時間16.9時間20.5時間
有給休暇取得率85.93%71.1%
出典:BIPROGY サステナビリティ「社会データ」、OpenWork「BIPROGY 社員クチコミ」(2026年10月時点)

どちらかが誤りというわけではありません。会社の数値はBIPROGYとユニアデックスの全社員が対象で、OpenWorkは投稿した833人の回答をもとにしたものです。母集団が違えば数字も変わります。

実態としては、この2つの数字の間くらいで捉えておくと大きく外さないはずです。

残業もテレワークも、部署によって大きく違う

会社全体の平均残業は月16.9時間ですが、口コミを読むと、残業時間もテレワークのしやすさも部署によって大きく違います。BIPROGYを検討するうえで、いちばん注意したい点です。

  • 同期でも、1年目から月45時間を超える人と定時で帰る人に分かれる(SE・在籍3年未満)
  • 月平均で80時間を超えているという投稿もある(製造流通のSE・在籍5〜10年)
  • テレワークとフルフレックスで、午後から出社するような調整もしやすい(SE・在籍5〜10年)
  • インフラ系の部門や役職者には、出社を重んじる空気が残っている(流通のSE)

平均値だけで判断すると、入社後にずれが出やすい会社です。応募する部門の状況をどう確かめるかは、選考準備の章で整理しています。

有給と育児休業に関するデータ

有給休暇は、事前に申請すれば問題なく取れるという声が多く、半休や時間休を使った中抜けのしやすさを評価する投稿も目立ちます。

男性の育児休業も、取るのが当たり前で周りの理解もあるという口コミを、公表データが裏づけています。男性の育児休業取得率は2023年度の49.5%から、2025年度は66.0%まで上昇しました。育児休業からの復職率は男女とも100%です。

一方で、夏休みが特別休暇ではなく年休を使う扱いになる点を挙げる口コミも複数あります。実際、求人票の休日欄も「土日祝・年末年始6日」で、夏季休暇の記載はありません。取得率85.93%の中に夏休み分が含まれている可能性があり、体感としての自由度とのズレにつながっているのかもしれません。

研修は手厚いが、現場は自走が前提

新人研修への評価は一貫して高く、文系でITの知識がなくても研修でついていけるという声もあります。ただし、配属後は事情が変わります。

  • 上司が忙しく、育ててもらうのを待っていると伸びにくい。自分から動ける人向け(SE・在籍3年未満)
  • 新人研修は手厚いが、配属後に希望の仕事に就けるかは別問題(SE・在籍5〜10年)
  • 研修制度はあっても、使うと部署の負担になるため、受けるには周りとの調整が要る(SE・在籍3〜5年)

20代成長環境の3.0というスコアは、こうした声と重なります。研修の制度はそろっていますが、使うには自分から動く必要があります。

すけさん

ちなみに、研修への投資額も公表されています。2025年度の従業員一人当たりの年間研修時間は37.7時間で、前年度の32.1時間から増えました。年間研修費用は11万3,648円です。

口コミを読むときに気をつけたいこと

OpenWorkの投稿を読み込んで気づくのは、投稿の大半が新卒入社者による声だという点です。中途入社者の投稿は少数にとどまります。

新卒で入って長く働いてきた人の目線で書かれている、と考えて読むと、中途で入る自分との違いに気づきやすくなります。

採用のウラ側メモ

口コミを読むときは、総合評価より先に、投稿者の在籍年数と部署を見てください。自分が応募する領域に近い投稿だけを抜き出して読むと、判断材料として使いやすくなります。

2026年3月期決算から読む、いま人を採りたい領域

BIPROGYの2026年3月期決算。売上収益4,337億円・営業利益426億円・当期利益312億円と、セグメント別の売上収益を比べた棒グラフ

2026年4月30日に発表された2026年3月期の決算は、増収増益でした。

項目2026年3月期前期比
売上収益4,336億86百万円7.3%増
営業利益426億4百万円9.1%増
親会社の所有者に帰属する当期利益312億9百万円15.7%増
調整後営業利益435億67百万円13.4%増
親会社所有者帰属持分比率47.0%4.1ポイント低下
営業活動によるキャッシュ・フロー575億66百万円126億49百万円の収入増
出典:BIPROGY「2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」

セグメント別で伸びている事業

事業別の売上を並べると、どこに勢いがあるかが見えてきます。

セグメント2026年3月期2025年3月期
システムサービス1,408億45百万円1,304億33百万円
アウトソーシング972億45百万円905億83百万円
ハードウェア752億64百万円674億1百万円
サポートサービス599億42百万円583億55百万円
ソフトウェア474億44百万円450億87百万円
出典:BIPROGY「2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」セグメント情報

売上もセグメント利益(511億27百万円)も、最も大きいのはシステムサービスです。請負開発やSEサービスが、今も収益の中心にあります。

カタリナマーケティングジャパンの買収が意味するもの

2026年1月6日、BIPROGYはリテールメディアを手がけるカタリナマーケティングジャパン株式会社を完全子会社化しました。決算短信に記載されている内容は次のとおりです。

  • 支払対価は396億42百万円
  • のれんは450億48百万円を計上
  • 取得にあたり短期借入金300億円を実施

この結果、のれんは前期末の25億39百万円から483億78百万円に増え、自己資本比率は51.1%から47.0%に下がりました。300億円を借り入れてでも、リテール領域の事業を取りにいった買収です。

投資の中身も見ておきます。無形資産の取得による支出は134億62百万円で、前期の99億9百万円から増えました。決算短信では、アウトソーシング用ソフトウェアへの投資が中心と説明されています。

「転換は進んでいない」という現場の声と、決算の数字

一方で、社員の口コミには、会社の変化をまだ実感できないという声があります。

  • サービス型へのシフトを掲げてはいるが、実態はまだSI中心で、本当に実現できるのか疑問(SE・在籍5〜10年)
  • 人月の受託から抜け出す動きや、新規事業の立ち上げが遅れている(SE・在籍5〜10年)
  • 優秀な人がサービス事業側に回り、稼ぎ頭の既存SI部門で人が足りなくなっている(SE・在籍3年未満)

会社は投資とM&Aで事業の形を変えようとしていますが、日々の仕事の中身はまだ既存のSIが中心です。転換は途中の段階にあります。

中途で入る場合は、コア事業(金融、リテール、エネルギー、モビリティ、OTインフラ)と成長事業(市場開発、事業開発、グローバル)のどちらに配属されるかで、積める経験が変わります。応募する求人がどちらの領域にあたるかは、応募前に確かめておいてください。

2027年3月期の計画

2027年3月期は、売上収益4,700億円(8.4%増)、営業利益484億円(13.6%増)を計画しています。第82期 有価証券報告書の「事業等のリスク」では、必要な人財を確保できないことをリスクの一つに挙げています。一方で、生成AIの活用が進めば、外部からの人財獲得の方針を見直す可能性があるとも書いています。今の採用の勢いがこの先も続くとは限らない点は、頭に入れておいてください。

採用のウラ側メモ

私が面接してきた応募者でも、決算に触れる人はごく少数です。カタリナの買収や成長事業への投資が、自分のやりたいこととどうつながるかを一言話せるだけで、印象に残ります。細かい数字まで覚える必要はありません。

BIPROGYの人的資本経営|人財戦略を数字で公開している会社

BIPROGYの人財戦略(2024-2026)の4つの重点戦略と、累計140億〜150億円の人的資本投資計画を整理した図

BIPROGYは2024年度に、グループとして初めて人財に特化した戦略を策定し、人財戦略レポートを発行しました。2025年版はその2冊目にあたります。

仕組みづくりはそれ以前から進んでいて、2022年度にはタレントマネジメントシステムを導入し、社員の役割を定義するROLESを人事の土台にしています。戦略を作るだけで終わらず、KPIと実績を毎年公表しているので、企業研究をする側には助かる会社です。

人財戦略(2024-2026)の4つの重点戦略

現在の人財戦略は、「個人」と「組織」の2つの切り口で4つの重点戦略が設定されています。

  • 持続的成長の基盤となる人財づくり:志追求型人財(ココツイ人財)、次世代経営人財
  • 事業戦略をリードする人財の強化:先ほどの4つの強化人財
  • DE&I推進:意思決定層のジェンダーダイバーシティ、キャリア入社者の活躍
  • 働きがい向上:理念・戦略の浸透、シニア人財の活躍

人的資本投資は、2024年度から2026年度の3年間で累計140億〜150億円を計画しています。前の3年間(2021〜2023年度)の実績110億円から30億〜40億円の上積みで、2025年度は単年で52億円を投じました(統合報告書2026 P.34)。

「キャリア目標を達成できる」は46%から55%へ

人財戦略レポートで目を引くのが、エンゲージメント・サーベイの結果です。「この会社でキャリア目標を達成できると思うか」という設問への肯定的回答率は、2024年度時点で46%でした。

会社はこれを2026年度に55%へ上げる目標を置いていましたが、2026年3月期の有価証券報告書によると、2025年度の実績は55%です。目標に1年早く届いたことになります。

一方で、中途で入る方には見逃せない数字もあります。キャリア入社3年目以内の社員に聞いた「業務における自己効力感」の肯定的回答率は、2024年度の60%から2025年度は55%に下がりました。2026年度の目標は65%なので、差はむしろ開いています。会社全体のキャリア実感は上向いている一方で、入社して間もない中途社員の手応えはまだ弱い。これが今の数字です。

なお、OpenWorkの「社員の士気」2.9と「20代成長環境」3.0は、2026年10月時点でも変わっていません。社内サーベイの改善が口コミの評価に表れるかどうかは、これからです。

口コミの不満と、会社が打っている手を並べてみる

すけさん

口コミで挙がっている不満を人財戦略レポートと並べてみると、ほとんどが会社側も課題として書いている内容でした。私は、同じ指摘が何年も続いている会社は、経営層や人事に問題意識がないと見ています。BIPROGYは、それを自分で文書に残してKPIまで置いている点が違います。

口コミで挙がっている声会社側の打ち手
中間管理職に変化を嫌う層がいて衝突が起きる2025年度から、組織長への180度フィードバックと、任意参加のマネジメントセミナーを実施
年功序列で若手の昇進が難しい人事制度を改定し、若手を早く登用できるグレード制度と、組織長定年の廃止を導入
経営陣の理念が現場に届いていない重点戦略に「理念・戦略の浸透」を設定。役員が自分の志を語るショート動画を社内で発信し、志を言葉にする対話ワークショップ「ココカフェ」を全社で展開
社内公募が少なく、異動のハードルが高い会社自身も社内の人財流動性は限定的と認めており、手挙げで異動できる「ココツイ異動」をトライアル中。社内副業や、スタートアップ等への出向・越境の機会も用意
上司に手取り足取り育てる余裕がない社外研修を自分で選んで受講できる「ジリケン」を2024年度に試行し、2025年度に導入。1on1(ユアタイム)やキャリア相談窓口も整備
モダンな技術を業務で使うハードルが高い技術戦略で、開発DX、AI活用、量子コンピューティング等の先端技術など6つのテーマを設定
出典:BIPROGY「BIPROGYグループ人財戦略レポート2025」、BIPROGY サステナビリティ「人財・労働」、BIPROGY「統合報告書2026」、OpenWork「BIPROGY 社員クチコミ」

口コミに出ている課題の多くは、会社がKPIを置いて手を打っている最中のものです。

ただ、施策が現場に届くまでには時間がかかります。ココツイ異動はまだトライアルの段階ですし、キャリア入社3年目以内の自己効力感は2025年度に下がっています。入社してすぐに恩恵を受けられるとは限らない、という前提で見ておくのが安全です。

採用のウラ側メモ

志望動機は、入社後に何をしたいかまで話せるように準備してください。キャリアを変える方の面接で私が評価を上げるのは、短期・中期・長期の目標があって、そこに向けて今すでに何か動いている人です。

BIPROGYの採用大学・学歴フィルターは?新卒と中途で基準が違う

新卒採用と中途採用で異なる、学歴と経験の見られ方を比べた図

新卒採用では幅広い大学から採用実績がある

新卒採用の採用大学については、就職情報サイトなどで国公立・私立を問わず幅広い大学名が公表されています。旧帝大や早慶といった難関校だけでなく、中堅私立大学からの採用実績も掲載されており、明確な学歴フィルターがあるとは言いにくい状況です。

口コミにも、文系で知識がなくても研修で追いつける、文系ならではのコミュニケーション力や顧客の意図をくむ力が提案や開発で生きる、といった声があります。技術知識より人物面を重視した採用をしてきたことがうかがえます。

中途採用では採用大学が公表されていない

一方で、キャリア採用の採用大学に関する公式なデータは公表されていません。ここは重要な点です。「BIPROGY 採用大学」で検索して出てくるリストは、そのほとんどが新卒採用のデータです。

中途採用で見られているのは、前述のとおりROLESに基づく役割と経験です。新卒の採用大学リストを見て応募をためらう必要はありません。

現役人事の視点|経験者採用の書類で実際に見ているところ

私は書類選考を年間1,000件超見ていますが、基本項目の確認が終わったあと、内容面で最初に見るのは次の3点です。役割で人を見るBIPROGYでも、見られ方は大きく変わらないはずです。

  • 募集要件の経験が、経歴のどこにあるか:求人票の必須条件と同じ経験を、読み手が探さずに見つけられるか
  • 案件の規模・役割・工程が具体的か:チームの人数、自分の立場、担当した工程が書かれているか
  • 転職の間隔と理由に引っかかりがないか:短い在籍や空白期間に、納得できる説明があるか

職務経歴書に「詳細設計を担当」とだけ書かれていると、読み手は役割の大きさを判断できません。担った役割で書き直すだけで、印象が変わります。書類で見送られやすい書き方と通過率を上げる書き方は、中途の書類選考で落ちる人の特徴と通過のコツで詳しく解説しています。

採用のウラ側メモ

書類で読みやすいのは、規模と役割が具体的に書かれている経歴です。「約30名体制のプロジェクトで、協力会社5社の進捗管理を担当」とあれば、読み手はすぐにイメージできます。数字が1つ入るだけで、伝わる速さが変わります。

退職検討理由から逆算する、BIPROGYに合う人・合わない人

BIPROGYに合う人と慎重に検討したい人の特徴を比べた図
すけさん

企業研究では、辞めた方の理由もぜひ見てください。良い評判は集まりやすい一方で、辞める理由には会社との相性がそのまま出ます。私も人事として自社のOpenWorkを月に1回は見ていますが、BIPROGYは退職理由の傾向がとても分かりやすい会社でした。

退職理由の中心は「やりたい仕事とのミスマッチ」

OpenWorkの退職検討理由を読み込むと、人間関係への不満はほとんど出てきません。人事制度の改定で手当が減ったことを挙げる声はあるものの、目立つのはやりたい仕事と合わなかったという趣旨の理由です。これはBIPROGYを判断するうえで、大きな意味を持ちます。

最も多い理由は「技術を極めたかった」

退職検討理由として繰り返し登場するのが、技術志向とのギャップです。

  • モダンな技術を業務で使うハードルが高く、自社開発の事業会社に関心が移った(SE・在籍10〜15年)
  • プロジェクト管理の経験は積めるが、確立済みの技術を使うことが多く、技術を磨きたい人には物足りない(SE・在籍10〜15年)
  • 技術力の面で将来に不安を感じた(エンジニア・在籍3年未満)

金融の勘定系をはじめとするミッションクリティカルなシステムを扱う以上、枯れた技術を選ぶのは当然の判断でもあります。ただ、エンジニアとして技術を伸ばしたい方にとっては、ここが最大の分岐点になります。

次に多いのは「自分でキャリアを動かせない」

異動やキャリアの選択肢に関する声も目立ちます。

  • やりたいこととずれを感じても、社内公募はたまにしか出ず、上司を通す必要があって動きにくい(SE・在籍3〜5年)
  • 本部やユニットをまたぐ異動は基本的に難しい(SE・在籍3〜5年)

部門内の異動希望は比較的通りやすい一方、部門をまたぐ異動のハードルは高い、というのが実態のようです。この点は次の章にもつながる重要なポイントです。

「ホワイトすぎてやりがいがない」という逆方向のミスマッチ

意外に思われるかもしれませんが、働きやすさが理由で辞めるケースもあります。

  • 働きやすすぎてやりがいを感じられず、エンジニアとしての適性に迷いが出た(SE・在籍5〜10年)
  • 若いうちは残業してでもがむしゃらに働きたかったが、そうできない部署に配属された(SE・在籍3〜5年)
  • 人が良く風通しもいいが、高い志で働く人は多くない印象(エンジニア・在籍3年未満)

社員の士気2.9というスコアと、きれいに重なる部分です。

BIPROGYに合う人・慎重に検討したい人

ここまでの内容を整理すると、次のように分けられます。

合う可能性が高い人慎重に検討したい人
上流工程やプロジェクトマネジメントでキャリアを作りたい最新技術やモダンな開発環境で手を動かし続けたい
ミッションクリティカルな大規模システムに価値を感じるスピード感のある意思決定と大きな裁量を求める
生活基盤の安定と、長く働ける環境を重視する自分でポジションを取りにいくキャリアの動かし方をしたい
業界知識を深めて顧客と長い関係を築きたいプロダクトをゼロから立ち上げる経験を積みたい

右側に当てはまる方でも、成長事業側のポジションなら条件が変わることがあります。

採用のウラ側メモ

「なぜ当社なのか」は、どの会社の面接でもまず聞かれる質問です。ここで技術志向だけを前に出すと、上流やPMに強いこの会社とはかみ合いにくくなります。技術力を語るなら、それで顧客の業務課題をどう解決したいかまで話すと伝わります。

BIPROGYの選考を通過するために準備しておくこと

転職エージェントの担当者と面談し、応募先の情報を確認するイメージ
すけさん

私は中途入社の方の入社後フォロー面談もしてきましたが、出てくる戸惑いで多いのは、年齢と社歴のどちらで見られるのか、先輩との距離感、できないことをどう埋めていくか、の3つです。平均勤続20年の会社なら、配属先に加えてこうした点も想定しておくと楽になります。準備の順番を整理しておきますね。

応募する求人の選び方が、その後を左右する

OpenWorkの章で見た部署ごとの差に加えて、部門をまたぐ異動のハードルも高めです。中途採用は職種と領域を指定して応募する形式なので、どの求人を選ぶかが、入社後の働き方を大きく左右します。

選考フローと面接回数

キャリア採用の応募は、HRMOSの求人ページから求人ごとに行います。2026年10月3日時点で確認した求人では、流れは次のとおりでした(BIPROGY株式会社 採用情報(HRMOS))。

応募(応募書類の提出)→ 面接2回 → 内定

面接回数は、確認した求人のいずれも2回です。営業職の一部の求人には、1次面接のあとにカジュアル面談を行う場合があると書かれています。カムバック採用(アルムナイ採用)は、採用担当とのカジュアル面談から始めることもできます。

適性検査の有無や、応募から内定までの期間は、求人票には書かれていません。求人によって違う可能性もあるので、選考の案内や転職エージェントを通じて確認しておくと安心です。

面接は2回なので、1次面接の時点から、担ってきた役割と規模を具体的に話せるように準備しておくと、限られた回数を有効に使えます。職務経歴書で見られるところは、採用大学の章で詳しく触れています。

応募前に確認しておきたい3つの論点

求人票だけでは分からないのが、次の3点です。面接の逆質問やエージェントを通じて聞いておくと、入社後のずれを減らせます。

  • 案件の性質:既存顧客の保守中心か、新規構築か、サービス開発か
  • 稼働の波:繁忙期の残業水準と、開発と保守の兼任があるかどうか
  • 実装に触れる比率:マネジメント中心なのか、手を動かす場面があるのか

志望動機はPurposeとの接続で組み立てる

BIPROGYのPurposeは「先見性と洞察力でテクノロジーの持つ可能性を引き出し、持続可能な社会を創出します」というものです。そしてVision2030では、デジタルコモンズという考え方を掲げています。

人財戦略でも「志とPurposeの重なり」を中心に置いている会社です。これまでの仕事で大事にしてきたことと、会社が目指す方向がどこで重なるかを、具体的な経験を1つ添えて話せるようにしておくと伝わります。

転職エージェントを使うと得られるもの

応募前に確認したい3点(案件の性質・稼働の波・実装に触れる比率)は、求人票の文面からは分かりません。転職エージェントを使うと、この部分を補えます。

  • 部門単位の情報を面接前に得られる:
    どんなチームで、どんな案件を抱えているかを事前に確認できます
  • 公開されていない時期の募集も把握できる:
    公開求人は8月の82件から10月には21件まで減っており、時期による差が大きい会社です。エージェント経由で紹介される求人もあります
  • 推薦文が添えられる:
    役割ベースで評価する会社では、経歴の翻訳を手伝ってもらえる意味が大きくなります
  • 条件面の交渉を任せられる:
    手当の条件など、自分では聞きにくい部分を確認してもらえます

下の2つは、どちらもIT実務経験がある方向けのサービスです。上の4つを担当者に任せたい方は、エージェント型のテックゴー(実務経験2年以上が目安)が合います。まず企業からどんな反応があるかを見たい方は、スカウト型のレバテックダイレクトが合います。対象条件は表で確認してください。

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採用のウラ側メモ

エージェントに相談するときは、「この領域でこういう経験を積みたい」と、やりたいことから伝えてみてください。部門単位で情報を持っている担当者ほど、具体的な話が返ってきます。そこで会社との相性も自然に見えてきます。

BIPROGYの転職に関するよくある質問

BIPROGYはIT業界未経験からでも転職できますか?

SE・技術職の求人は、システム開発やインフラ構築などの実務経験を前提としています。2026年10月3日時点の公開求人21件の中に、職務経験を問わない求人はありませんでした。一方で営業職には、法人営業の経験を必須とし、IT業界での経験は「あると望ましい」にとどめている求人や、保険業界での実務経験を必須にしている求人があります。IT業界の外で積んだ営業や業界の経験が、そのまま応募条件になる求人もあります。まずは公開されている求人の必須条件を確認してみてください。

担当する業界の経験がなくても応募できますか?

SE・技術職では、業界経験を問わない求人が多くあります。2026年10月3日時点では、小売業向けAI発注予測サービスのPM候補、物流システム刷新のPM、製造業向けシステムの提案・開発、関西の鉄道会社向けクラウド構築などが、業界経験は不問と明記していました。地銀・信金向け国際勘定系システムのインフラ担当も、金融システムの経験は問わず、インフラの構築・保守経験2年以上を条件にしています。業界知識は入社後に身につける前提で、求められるのは開発やリーダーとしての経験です。営業職では保険業界での経験を必須にしている求人もあるため、職種によって条件が分かれます。

BIPROGYの中途採用の面接は何回ですか?

2026年10月3日時点で確認した求人では、面接回数はいずれも2回と記載されています。営業職の一部の求人には、1次面接のあとにカジュアル面談を行う場合があるとの注記があります。適性検査の有無や、応募から内定までの期間は求人票に書かれていないため、選考の案内や転職エージェントを通じて確認してください。

BIPROGYの残業時間やリモートワークの実態はどうですか?

会社が公表している2025年度の月間平均残業時間は16.9時間、OpenWorkの回答をもとにした数値は20.5時間です。ただし部署による差が大きく、口コミの内容も分かれます。テレワークが定着して出社する人のほうが少ないという声がある一方で、月平均80時間を超えるという投稿や、インフラ系の部門や役職者には出社を重んじる空気が残るという指摘もあります。応募する部門の実態は、選考の中で個別に確認してください。

BIPROGYで最新技術を使った開発はできますか?

会社としてはAI駆動開発や量子コンピューティングなどを技術戦略の重点テーマに掲げ、2026年4月には全社横断のAI専門組織「AI CoE」を立ち上げました。有価証券報告書では、「AI駆動開発」によって高い品質と短い納期の両立を目指すと説明しています。一方で口コミには、確立された技術を採用することが多く、挑戦的な技術に触れる機会は少ないという趣旨の声が、複数年にわたって出ています。金融の勘定系など、安定性が最優先される案件が多いことが背景です。最新技術に触れたい場合は、成長事業側やAI・クラウド関連の募集を選ぶなど、配属領域の選び方が重要になります。

BIPROGYと日本ユニシスの違いは何ですか?

同じ会社です。日本ユニシス株式会社が、2022年4月にBIPROGY株式会社へ社名を変更しました。社名は、光が屈折・反射したときに見える7色(Blue、Indigo、Purple、Red、Orange、Green、Yellow)の頭文字を組み合わせた造語です。旧社名の「ユニシス」は米ユニシスに由来しますが、米ユニシスは2006年に保有株式を売却しており、現在は資本関係がありません。口コミや転職情報を読むときは、日本ユニシス時代の投稿も同じ会社の情報として混ざっている点に注意してください。

まとめ|BIPROGYの転職難易度は高いが、合う経験があれば射程に入る

最後に、この記事の要点を整理します。

この記事のまとめ
  • 転職難易度は高めで、求人ごとに求める経験が具体的に決まっています。会社は4つの強化人財の人数と目標を公表しているので、どこに空きがあるかが分かります
  • 平均年間給与は884万6,208円、中央値は827万2,666円(2025年度)です。平均と中央値の差は約57万円と小さめです。ただし平均年齢46.3歳の集団の数字なので、30代で転職する場合は求人票の月給を目安にしてください
  • 2025年度のキャリア採用比率は49.7%で、入社者のほぼ半分が中途です。30代が全体の14.0%と少ないことが、中途採用を増やしている背景にあります
  • 「やばい」と検索される理由の多くは、今の公表データで確かめられます。離職率は2.70%と低く、2022年の事案についても再発防止の進捗を有価証券報告書で開示しています
  • 残業もテレワークのしやすさも、部署によって大きく違います。全社平均は月16.9時間ですが、月80時間を超えるという投稿もあります
  • 退職を考えた理由は、やりたい仕事とのミスマッチが中心です。上流・PM志向なら有力候補、技術を極めたい志向なら慎重な検討が必要になります
すけさん

BIPROGYは、決算資料も人財戦略も、都合の悪い数字まで含めて公開している会社です。キャリア入社者の自己効力感が下がったことも有価証券報告書に載せていますし、給与は平均だけでなく中央値まで開示し、人事データの一部は第三者の保証も受けています。企業研究がしやすい会社だと思います。

平均値や総合評価は、会社全体をならした数字です。応募する前に、自分が入る領域の実態を確かめておいてください。

そのためには、公開資料を読むことと、部門の情報を持っている人に話を聞くことの両方が役に立ちます。

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