「NTTデータに転職したいけど、中途採用は厳しいの?」
「自分の経験で本当に受かるのかな……」
それだけに「難易度が高い」「中途は厳しい」という声も多く、応募をためらっている方も少なくないのではないでしょうか。
NTTデータの中途採用は確かに難易度が非常に高いです。ただし、「厳しい」と感じる理由の多くは、正しい情報を知らないまま挑んでしまうことにあります。
特に見落とされがちなのが、面接の前に立ちはだかる2種類の適性検査です。ここで一定数の応募者が姿を消していることは、あまり知られていません。
この記事では、IT業界で採用に携わってきた人事の視点に加えて、実際の受検案内・求人票・社員クチコミの実データをもとに、NTTデータの中途転職を本音で解説していきます。
すけさん面接対策ばかり調べている方をよく見かけますが、実際には面接にたどり着く前に落ちている人のほうがずっと多いんです。どこで人が減っているのかを知らないまま準備をしても、労力が空回りしてしまいます。
- NTTデータ中途採用の難易度と、その裏にある採用側の事情
- 選考フロー・通過率の目安と、人事が本当に見ているポイント
- 2種類ある適性検査の正体と、採用側がどこを見ているか
- 職種別の難易度の違いと、実際の求人から見える年収レンジ
- 入社後に後悔する人の共通点と、その構造的な理由
- NTTデータ子会社(デー子)を活用したキャリア戦略と年収差
その会社が良いかどうかは
他の選択肢を見ないと判断できません
人事の立場から言うと、比較対象を持たないまま決めている人が一番損をしています。
50歳未満/未経験は対象外
✓ リモート可否・フレックスなど細かい条件で検索できる
✓ 転職を決めていなくても登録できる
20代後半〜30代が中心
✓ 土曜1日で選考が終わる1Day選考会あり
✓ ITコンサル・メガベンチャーの求人が豊富
【結論】NTTデータの中途転職難易度は高い。でも「厳しい」の正体を知れば攻略できる


まず最初に、全体像を掴んでもらうために要点を整理します。
難易度が高い3つの理由を30秒でまとめ
NTTデータの中途採用が「厳しい」と言われる理由は、大きく3つあります。
- 人気が高すぎる:IT業界就職人気No.1の知名度で応募が集中する
- 枠が限られている:離職率3.0%と社員の定着率が極めて高く、ポジションが空きにくい
- 即戦力が前提:中途採用ではポテンシャルではなく「何ができるか」が問われる
この3つが重なることで、「難しい」「厳しい」という印象が生まれています。
それでも「今がチャンス」と言える根拠
一方で、NTTデータは近年、中途採用を急速に強化しています。
- 中途採用数:587名(2024年度)※2017年度比で約25倍に拡大
- 中途採用比率:45.7%(2024年度)※ほぼ新卒と半々の水準
- 応募条件:社会人経験1年以上から応募可能(第二新卒もOK)
(出典:NTTデータグループ サステナビリティレポート2024 Data Book)
意外な関門は面接ではなく適性検査
NTTデータの中途選考について調べると、面接対策の情報ばかりが出てきます。しかし実際の選考フローで見落とされているのが、書類選考と面接のあいだにある適性検査です。
しかも一方は、他社ではまず出会わない独特な形式です。
ここについては記事の中盤で詳しく解説しますので、先に選考の全体像から見ていきましょう。
「難易度が高い企業」を受けるとき、多くの方は面接対策から始めます。でも採用側から見ると、応募者が最も減るのは選考の前半です。まずは自分がどの段階で落ちる可能性が高いかを把握してから、対策の順番を決めるほうが効率的です。
NTTデータの基本情報|会社概要・事業内容・グループ構造を整理
NTTデータへの転職を考えるなら、まずは会社の全体像を正確に把握しておくことが大切です。面接でも「NTTデータについてどこまで理解しているか」は必ず見られます。
NTTデータの会社概要と事業領域


基本データを整理すると以下の通りです。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 正式名称 | 株式会社NTTデータ |
| 設立 | 1988年(NTTのデータ通信部門が独立) |
| 売上高 | 約4.6兆円(NTTデータグループ連結) |
| 従業員数 | 約19.8万人(グループ全体) |
| 平均年収 | 923万円(2025年3月期有価証券報告書) |
| 平均年齢 | 39.7歳 |
| 本社所在地 | 東京都江東区豊洲 |
事業領域は大きく「公共・社会基盤」「金融」「法人・ソリューション」の3つに分かれています。


2023年の持株会社化で何が変わった?現在のグループ体制
2023年7月に大きな組織変更がありました。現在のグループ体制を正確に理解しておくと、面接でも好印象です。
- 株式会社NTTデータグループ(持株会社):グループ全体の経営戦略を統括
- 株式会社NTTデータ(事業会社):国内事業を担当
- NTT DATA, Inc.:海外事業を担当
なお2025年には、NTTによる完全子会社化(TOB)が実施され、NTTデータグループは上場廃止となりました。
短期的な株価を意識せずに中長期の成長戦略へ集中できる体制になった一方で、社員のクチコミにはNTT持株の傘下に入ったことで事業運営上の制約が増えたという指摘も見られます。制度変更のメリットとデメリットは、現場レベルでは分かれているようです。
応募先は「NTTデータグループ」名義のことが多い
ここは意外と誤解されやすいポイントです。転職サイトに掲載されているNTTデータの求人を確認すると、募集企業名が「株式会社NTTデータグループ」になっているケースが目立ちます。
また、経験者採用の窓口も「NTTデータグループ 経験者採用事務局」という名称で運営されており、グループ横断の体制で採用実務が行われています。
これは年収を考えるうえでも重要です。有価証券報告書の平均年収923万円は持株会社であるNTTデータグループ単体の数値ですが、応募先も多くがNTTデータグループ名義であれば、この数字はまったく無関係とは言えません。ただし平均年齢39.7歳での金額なので、30代前半で入社する場合の実感値とは差があります。
年収の詳しい内訳は、記事後半で実データをもとに解説します。
グループ体制を理解しているかどうかは、面接で差が出るポイントです。持株会社と事業会社の違いを説明できる応募者は多くありません。求人票の募集企業名を確認して、自分がどの法人に入るのかを把握しておくだけでも、企業研究の深さが伝わります。
NTTデータの中途採用が「厳しい」と言われる6つの理由



「厳しいらしい」という情報だけを見て応募をあきらめてしまう方がいるのですが、これはもったいないです。厳しさの正体を分解すると、自分に関係のある部分とない部分がはっきり分かれます。全部が自分に当てはまるわけではありません。


ここでは、採用側の視点から難易度を高めている6つの構造的な理由を解説します。
理由①|IT業界就職人気No.1の知名度=応募が集中する構造
東洋経済「入社が難しい有名企業ランキング」でも60位にランクインしており、商社や外資コンサルが並ぶ中でIT業界ではトップクラスの位置にいます。
この知名度の高さが、中途市場でも応募の集中を生んでいます。「大手SIerに転職したい」と思ったとき、最初に名前が挙がる企業だからこそ、倍率が高くなるのは構造的に避けられません。
理由②|離職率3.0%の定着率が「枠の少なさ」を生んでいる
NTTデータの自己都合離職率は約3.0%です。情報通信業界の平均離職率が約15.4%であることを考えると、驚くほど低い数字です。
(出典:NTTデータグループ サステナビリティレポート2024 Data Book)
これは「働きやすい会社」の証拠ですが、裏を返すと既存社員が辞めないので、ポジションの空きが生まれにくいということでもあります。
理由③|中途には即戦力が前提。ポテンシャル採用は基本ない
新卒採用では「ポテンシャル」を重視しますが、中途採用では「入社後すぐに戦力になれるか」が前提です。
- SE・エンジニア職:上流工程(要件定義・基本設計)やプロジェクトマネジメントの経験
- コンサルタント職:業界知見+課題解決の実績
- アーキテクト職:システム全体の設計方針を描いた経験
「プログラミングができます」「テスト工程を担当していました」だけでは、残念ながら書類段階で見送りになるケースがほとんどです。
理由④|書類段階でポジションとのマッチ度が厳格に判定される
NTTデータの書類選考は、「この人は優秀か」ではなく「この人は応募ポジションで求めている経験を持っているか」という観点で判定されます。
つまり、どんなに優秀な方でも、応募するポジションとのマッチ度が低ければ書類で落ちます。
逆に言えば、自分の経験と合致するポジションを選べるかどうかが、書類通過のカギです。
理由⑤|適性検査が2種類あり、ここで一定数が姿を消す
意外と知られていないのが、この段階です。NTTデータの経験者採用では、性質の異なる適性検査が2種類案内されます。
しかも、受検案内の文面では「適性検査の受検が完了(合格)した方から順に、次選考の調整を開始します」という表現が使われています。企業側が「合格」という言葉を使っている以上、これは形式的な手続きではなく、明確な合否判定を伴う関門です。
詳しくは次の章で解説します。
理由⑥|「なぜNTTデータか」の深掘りが面接で徹底される
面接では「なぜ転職するのか」「なぜSIerなのか」「なぜNTTデータなのか」という3段階の深掘りが行われます。
NTTデータの企業理念は「Clients First」「Foresight」「Teamwork」です。面接官は、この価値観と応募者の仕事に対する姿勢が合っているかを、過去のエピソードを通じて確認していきます。
面接の雰囲気自体は穏やかですが、一つひとつの回答に対して「なぜそう考えたのか」「具体的にはどう行動したのか」と深掘りされるため、表面的な志望動機では太刀打ちできません。
NTTデータの面接は圧迫ではないですが、深掘りの量がすごいです。軽い気持ちで言ったことを掘り下げられて墓穴を掘るパターンが多いので、言ったことの裏付けエピソードを3つは用意しておくのが鉄則です。
【人事目線】NTTデータが中途採用を強化している本当の理由
「枠が空きにくい」と言われる一方で、NTTデータの中途採用数は年々増えています。一見矛盾するこの状況には、はっきりした理由があります。
中途採用比率45.7%・年間587名採用の背景


NTTデータの中途採用は、ここ数年で劇的に拡大しています。
| 年度 | 中途採用数 | 中途採用比率 |
|---|---|---|
| 2017年度 | 約24名 | 6.3% |
| 2020年度 | 199名 | - |
| 2021年度 | 314名 | 38.1% |
| 2022年度 | 510名 | 48.1% |
| 2023年度 | 565名 | 45.6% |
| 2024年度 | 587名 | 45.7% |
2017年と比較すると約25倍という拡大ペースです。中途入社が組織の重要な採用チャネルになっていることがわかります。
DX・AI・グローバル領域で「新卒だけでは足りない」現実
この採用強化の背景には、事業環境の変化があります。
- DX推進案件の急増:クライアント企業のデジタル変革ニーズが加速し、即戦力の人材が必要
- AI・生成AI領域の拡大:全社横断のDXプロジェクト「GAIA」が始動し、AIファーストな業務プロセス設計を推進
- グローバル展開:海外事業の拡大に伴い、グローバル経験を持つ人材のニーズが高まっている
新卒を育てる時間を待てないほど、事業拡大のスピードが速くなっているのが現実です。
27〜37歳の中堅層が外資へ流出している
ここからは、採用側の目線でもう一歩踏み込みます。
離職率3.0%という数字を見ると「誰も辞めない会社」に思えます。しかし社員クチコミを読むと、辞めない層と辞める層がはっきり分かれていることがわかります。
クチコミには、次のような指摘が繰り返し登場します。
- 20代後半から30代の優秀層が、外資系IT・外資系コンサルへ流出している
- 市場価値の停滞に危機感を覚えた30〜40代が転職を選んでいる
- 経営への提言として、中堅層の待遇改善と引き止めを求める声が多数出ている
(出典:OpenWork 株式会社NTTデータ 社員クチコミ)
つまり、大多数は辞めないが、中途採用のメインターゲットである20代後半〜30代の層だけ穴が空いているという構造です。
これが「枠は空きにくいのに中途採用を増やしている」という一見矛盾した状況の答えです。応募する側から見れば、まさに自分の年代の枠が開いているということになります。
大手が中途採用を本気で強化するとき、社内では必ず「なぜ人が抜けるのか」の議論が走ります。採用ページの刷新や面接時間の柔軟化が進んでいる企業は、抜けた穴を埋めるために本気で動いているサインです。そこは応募者にとって追い風になります。
NTTデータの適性検査は2種類|テストAとテストBの正体



「書類は通ったのに、そのあと連絡が来なくなった」というご相談をよくいただきます。原因が分からないまま次に進めない方が多いのですが、この段階でつまずいている場合、理由は能力ではないことがほとんどです。


テストAとテストBは別々に案内される
NTTデータの経験者採用では、適性検査がテストA・テストBの2種類に分かれており、それぞれ別のメールで案内されます。中身も受検期限もまったく違うので、混同しないよう注意が必要です。
| 項目 | テストA | テストB |
|---|---|---|
| 検査の種類 | TAL(性格・資質検査) | SPI(WEBテスティング形式) |
| 測るもの | ストレス耐性・行動特性など | 言語・非言語の基礎能力+性格 |
| 特徴 | 図形配置問題がある | 電卓可・数値入力で解答 |
| 受検期限 | 案内から3営業日以内と短い | 比較的余裕がある |
特に注意したいのがテストAの期限の短さです。案内が届いたら、まずテストAから手をつけるのが安全です。
テストA=TAL|他社では出会わない図形配置問題
TALは、SPIや玉手箱とは設計思想が異なる適性検査です。学力ではなく、潜在的な思考傾向やストレス耐性を測ることを目的としています。
最大の特徴が、質問形式の設問のあとに出てくる図形配置問題です。
画面上の抽象的な図形を、テーマに沿って自由に配置していく形式で、その並べ方から性格傾向や判断パターンが分析されます。
- 一度配置した図形は移動も削除もできない
- 制限時間が短く、迷っている余裕がない
- 明確な正解が存在しない
初めて受けると「算数や言語の問題だと思っていたら、急に図形を置く画面が出てきて驚いた」という感想が出やすい検査です。能力検査は通過したのにTALで見送りになるケースもあるとされており、「性格検査だから対策不要」と考えるのは危険です。
テストB=SPI|テストセンター形式との違いに注意
テストBは自宅受検型のSPI(WEBテスティング形式)です。所要時間は約65分で、テストセンター形式とは出題範囲も解答方法も違います。
- 電卓が使える(テストセンター形式では持ち込み不可)
- 非言語は選択式ではなく数値入力なので、当てずっぽうが効かない
- 英語・構造的把握は出題されない
- 1問ごとに制限時間があり、前の問題に戻れない



テストセンター用の対策本だけで臨むと形式が合いません。
電卓を手元に置いた状態で練習しておくことが、この形式では実践的な準備になります。
採用側は適性検査のどこを見ているのか



ここからは、私が採用する側として適性検査をどう扱っているかをお話しします。企業によって運用は違いますが、大手企業の考え方としては近いはずです。
まず学力検査は足切りにしか使っていません。理由は率直に言って、点数の信頼性が揺らいでいるからです。生成AIを使った不正の話も聞くようになり、高得点だからといって実力の証明にはならないと考えられるようになりました。基準を下回っていないかを確認する、それだけの用途です。
一方で、性格検査はしっかり見ています。自社にマッチする人物像をデータ化しており、そこと照らして判断します。ポイントは、単一の項目だけで判断していないことです。複数の指標を掛け合わせて、自社の環境では力を発揮しにくいと判断される組み合わせを見ています。
つまり、一部の項目だけを良く見せようとしても意味がありません。
むしろ回答の整合性が崩れて、不自然さが目立つことになります。
適性検査で落ちたのは、能力ではなく相性かもしれない
ここは、いま落ち込んでいる方に届いてほしい部分です。
性格検査で見送りになったとしても、それは「あなたが劣っている」という評価ではありません。企業が自社の業務負荷や組織風土に照らして、この環境では力を発揮しにくいだろうと判断しているだけです。
同じ結果でも、別の企業ではまったく問題にならないことは普通にあります。実際、求める人物像は会社ごとに違いますし、そもそも合否ラインは公表されていません。
相性が理由であれば、同じ企業に再挑戦するよりも、自分の特性が活きる環境を探すほうが合理的です。取り繕って入社しても、結局しんどくなるのは自分ですから。


適性検査の対策に時間をかけすぎる方がいますが、学力検査は基準を下回らなければ十分です。その時間を職務経歴書の作り込みに回したほうが、通過率は確実に上がります。性格検査は正直に答えて、相性で判断してもらうのがお互いのためです。
NTTデータの選考フローと通過率のリアル
ここからは、NTTデータの中途採用の選考プロセスを、通過率の目安まで含めて見ていきます。
選考ステップ|書類選考→適性検査→面接2回→内定


NTTデータの中途採用の選考フローは以下の通りです。
- 応募・エントリー
- 書類選考(職務経歴書・履歴書によるマッチング審査)
- 適性検査(テストA・テストBの2種類)
- 面接2回(1次:現場課長・部長クラス / 2次:部長・人事部長クラス)
- 内定・採用条件提示
選考の流れは個人の状況によって変わりますが、基本的には面接2回で完結するケースが多いです。最終面接から約1週間程度で内定の連絡が届くことが一般的です。
応募経路によって書類選考の中身が変わる
ここは意外と語られていない点です。NTTデータへの応募ルートは大きく3つありますが、ルートによって書類選考の実態が違います。
| 応募ルート | 書類選考の中身 | 実質的な関門 |
|---|---|---|
| スカウト型サービス | 登録済みの職務経歴を企業側が閲覧して判断 | 適性検査 |
| 転職エージェント経由 | エージェントが添削した書類で審査 | 書類選考と適性検査 |
| 公式サイトから直接応募 | 自分で作成した書類で審査 | 書類選考 |
スカウト型サービス経由の場合、志望動機の記入や追加のエントリーシート提出がないまま、登録している職務経歴の情報だけで書類選考が進むことがあります。企業側が先に経歴を見て声をかける仕組みなので、書類段階が形式的な確認になりやすいのです。
その分、絞り込みの重心が適性検査に移ります。「書類は通ったのに、そのあとで見送りになった」というパターンが起きやすいのはこのルートです。
書類選考の通過率は大手の人気求人で1割程度
転職メディアでは「書類選考の通過率は一般的に30〜40%程度」という数字がよく紹介されます。ただしこれは、中小企業を含めた転職市場全体の平均値です。
私はIT企業で年間200件ほどの書類選考を担当していますが、大手企業かつ人気のあるポジションでは、通過率は1割程度というのが実感です。10人応募して1人残るかどうかという世界になります。
さらに適性検査で、書類を通過した人のうち3割前後が見送りになるイメージです。
これはNTTデータが公表している数値ではありません。同社は個別の通過率を公開していないため、正確な数字は誰にも分からないというのが正直なところです。ただ、大手SIerの人気ポジションがこの水準から大きく外れることは考えにくいと思います。
100人応募して面接に進めるのは7人という計算
先ほどの目安をもとに、選考の絞り込みを数字にしてみます。
| 選考段階 | 通過率の目安 | 100人応募した場合 |
|---|---|---|
| 書類選考 | 約10% | 10人 |
| 適性検査 | 約70%が通過 | 7人 |
| 面接(1次・2次) | ポジションにより変動 | - |
面接官に会えるのは100人中7人。この数字が、「NTTデータの中途採用は厳しい」と言われることへの、最も具体的な答えだと思います。
裏を返せば、面接対策より前にやるべきことがあるということでもあります。職務経歴書の精度と、適性検査を落ち着いて受けられる準備。ここを整えるだけで、面接にたどり着ける確率は変わります。
面接で聞かれる質問と、人事が本当に評価しているポイント
面接でよく聞かれる質問は以下の通りです。
- なぜ転職するのか(転職理由)
- なぜSIerなのか、なぜNTTデータなのか(志望動機)
- これまでのプロジェクトでどのような成果を出したか(実績)
- チームでどのような役割を果たしてきたか(チームワーク)
- NTTデータで何をしたいか(入社後のビジョン)
1次面接には現場の課長・部長クラスが出てきます。社員クチコミによれば、NTTデータの組織は課長の下に課長代理が2〜3名、主任・担当層が5〜7名という構成が一般的とのことです。つまり8〜11名程度のチームを預かる課長が、自分の部署に迎える人を見ているわけです。
「NTTデータ全体への志望動機」だけでなく、「このポジションで何を任せたいか」「その期待に対してどの経験が活きるか」を具体的に確認されるのは、この構造が理由です。


書類は1通あたり1分程度で見ています。最初に在籍年数と転職回数を確認し、次に社名と職務内容へ進みます。だからこそ冒頭の数行が勝負です。応募ポジションに直結する経験を、いちばん上に持ってくるだけで通過率は変わります。
【職種別】NTTデータ中途採用の難易度マップ



「NTTデータに入りたい」というご相談は多いのですが、職種まで決めずに動いている方が意外と多いです。同じ会社でも職種によって難易度も年収もまるで違うので、ここを曖昧にしたまま進めるのはもったいないです。
職種別の難易度と平均年収の一覧
難易度と年収を並べてみると、意外な事実が見えてきます。
| 職種 | 難易度 | 平均年収 |
|---|---|---|
| プロジェクトマネージャー | 高い | 973万円 |
| 企画職 | 高い | 888万円 |
| 開発職 | 高い | 788万円 |
| 営業職 | 中程度 | 774万円 |
| コンサルタント職 | 非常に高い | 760万円 |
| エンジニア・SE職 | 高い | 719万円 |
注目してほしいのは、難易度と年収が比例していない点です。最も難易度が高いコンサルタント職の平均年収は760万円で、営業職の774万円を下回っています。
一方、プロジェクトマネージャーは973万円と突出しています。エンジニア・SE職との差は254万円。「入りやすさ」と「稼ぎやすさ」は別の話だということです。
実際の求人から見える技術職の中身


大手転職サイトに掲載されているNTTデータグループの求人を確認したところ、記事執筆時点で21件でした。そして、その内訳に特徴があります。
- 掲載されていた求人はすべて技術職
- ソフトウェアアーキテクト、ITアーキテクト、パフォーマンスアーキテクトなどアーキテクト系のポジションが目立つ
- 生成AI・ITコンサルタント、フォレンジックエンジニアなど専門特化型も含まれる
- 多くがリモート勤務可、実働7.5時間と明記
手を動かす実装者ではなく、設計とマネジメントの担い手が求められています。
SE・エンジニア職|上流工程・PM経験が分かれ道
難易度:高い(ただし求人数は最も多い)
NTTデータのSE・エンジニア職では、以下のような経験が求められます。
- 要件定義・基本設計など上流工程の実務経験
- プロジェクトマネジメントまたはチームリーダーの経験
- クラウドやデータ活用の知見
プログラミングやテスト工程のみの経験だと、書類段階で厳しくなります。求人数自体は最も多いので、「上流+PM」の経験がある方にとっては比較的チャンスがある職種です。
コンサルタント職|難易度は最高だが年収は営業職より低い
難易度:非常に高い
コンサルティングファーム出身者が有利ですが、事業会社で業務改革やDX推進をリードした経験があれば勝負できます。特に生成AI・データ活用領域のコンサルタントは採用を強化しており、この分野の実績がある方は狙い目です。
ただし年収面では、難易度の高さがそのまま報われるとは限りません。外資系ファームと比較して給与や昇格スピードに物足りなさを感じるという声も、社員クチコミには見られます。
営業職|求人が確認できないため公式サイトでの確認を
難易度:判断が難しい
正直にお伝えすると、記事執筆時点で大手転職サイトに掲載されていた21件の求人のうち、営業職は1件もありませんでした。
営業職の募集が存在しないという意味ではありません。公式の経験者採用サイトのみで募集している可能性も、他の媒体に出ている可能性もあります。ただ少なくとも、エージェント経由で流通している求人は技術職に偏っているのが実情です。
営業職を狙う場合は、公式の経験者採用ページを直接確認するのが確実です。
コーポレート職|枠が少なく、相対順位で決まる
難易度:最も高い
人事・経理・法務などのコーポレート職は、募集枠が非常に少ないです。ここで理解しておきたいのは、要件を満たしていても通過が保証されないということです。
枠が1つの求人に対して、要件を満たす応募者が10人いれば、9人は見送りになります。経験の有無ではなく母集団の中での相対順位で決まる要素が強いのが、この職種の特徴です。専門性と大手企業での実務経験があっても、タイミング次第という側面があります。
職種ごとに書類の読み方が違います。エンジニア職なら技術スタックと上流経験を最初に見ますし、営業職なら顧客規模と提案実績を見ます。全ポジション共通の経歴書で出すのはもったいないので、応募先ごとに順番を組み替えてください。
NTTデータの年収|923万円と772万円のどちらが実態か
NTTデータの年収を調べると、2つの数字が出てきます。有価証券報告書の923万円と、社員クチコミサイトの772万円です。150万円もの差があるため、混乱する方が多いところです。
2つの平均年収が食い違う理由





結論として、どちらの数字も正しいです。母集団の平均年齢が違うだけです。
| データ | 平均年収 | 平均年齢 |
|---|---|---|
| 有価証券報告書 | 923万円 | 39.7歳 |
| 社員クチコミ(1,724人) | 772万円 | 33歳前後 |
後述する年代別データを見ると、35歳で850万円、40歳で949万円です。つまり平均年齢を揃えれば、2つの数字はほぼ一致します。
30代前半で転職する方は、772万円のほうが実感に近いと考えておくのが現実的です。
年代別の年収とレンジ
年代別の年収は以下の通りです。同じ年齢でも幅があるため、レンジも併記します。
| 年代 | 平均年収 | レンジ |
|---|---|---|
| 25歳 | 541万円 | 429〜683万円 |
| 30歳 | 717万円 | 569〜905万円 |
| 35歳 | 850万円 | 674〜1,072万円 |
| 40歳 | 949万円 | 752〜1,197万円 |
| 45歳 | 1,026万円 | 813〜1,294万円 |
| 50歳 | 1,079万円 | 855〜1,361万円 |
30歳で700万円を超え、45歳前後で1,000万円の大台に乗る構造です。
注目したいのはレンジの広さです。30歳でも569万円から905万円まで、336万円の幅があります。同じ年齢で入社しても、着地点はかなり違うということです。
年収の12%は残業代|配属部署で100万円変わる構造
レンジが広い理由のひとつが、給与の構成にあります。
| 内訳 | 構成比 |
|---|---|
| 基本給 | 59% |
| 賞与 | 22% |
| 残業代 | 12% |
| その他(手当等) | 7% |
残業代が年収の12%を占めています。30歳のモデルケースでは月給35万円に対して残業代が7万円、40歳では月給47万円に対して9万円。管理職の手前まで残業代が乗り続ける仕組みです。
そして社員クチコミには、一般社員の給与差は評価よりも残業代のほうが大きく、忙しい部署ほど年収が高くなるという指摘があります。
NTTデータは事業部ごとの独立性が高く、部署による働き方の差が大きい会社です。クチコミでも、金融・公共分野は出社が多く残業も多め、法人・スタッフ部門はフルリモートが可能といった証言が見られます。
つまり、どの部署に配属されるかで、年収が100万円近く変わりうるということです。中途採用はポジション単位での応募になるため、ここは事前に確認しておく価値があります。
中途入社の年収決定ロジックとグレード制
中途採用の場合、年収は「前職の年収」と「応募ポジションのグレード」の両方を考慮して決定されます。
公式の募集要項では想定年収レンジが幅広く設定されていますが、実際の個別求人を見ると、もっと現実的な数字が見えてきます。
| ポジション例 | 予定年収 | 月額基本給 |
|---|---|---|
| フォレンジックエンジニア | 650万〜900万円 | 32.0万〜41.0万円 |
| ITアーキテクト(モダナイズ) | 650万〜900万円 | 32.0万〜41.0万円 |
| 生成AI・ITコンサルタント | 650万〜900万円 | 33.0万〜42.0万円 |
| ソフトウェアアーキテクト | 700万〜1,050万円 | 35.0万〜49.0万円 |
技術系ポジションは650万〜1,050万円のレンジに集中しています。公式レンジの下限だけを見て不安になる必要はありません。
ここから逆算もできます。月額基本給32万円のポジションなら年間384万円。予定年収の下限650万円との差額266万円が賞与・手当・残業代ということになります。先ほどの構成比とも整合する数字です。
なおグレードについては、1つ上がると年額で約100万円変動するという社員の証言があります。入社時にどのグレードで格付けされるかは、その後の年収を大きく左右します。



オファー年収は前職の年収がベースになることが多いです。だからこそ、今の年収が低いまま応募すると、提示額もそれに引っ張られます。市場相場を先に把握しておくかどうかで、交渉の土台がまったく変わります。
福利厚生と働き方|住宅補助には年齢制限がある
働き方に関するデータを整理します。会社公表値と社員クチコミの実測値を並べてみます。
| 項目 | 会社公表値 | 社員クチコミ |
|---|---|---|
| 平均残業時間 | 28.7時間/月 | 31.7時間/月 |
| 有給休暇取得率 | 79.8% | 82.7% |
| リモートワーク利用率 | 60.5% | - |
| 平均勤続年数 | 14.6年 | - |
ここは素直に評価できるポイントです。会社公表値と社員の実測値がほぼ一致しています。むしろ有給取得率は、社員側の数字のほうが高く出ています。数字を良く見せていない会社だと言えます。
ただし平均値である点には注意が必要です。クチコミには残業月20〜25時間程度という声がある一方、金融・公共分野の繁忙案件では月80時間近くに達することもあるという証言も見られます。全社平均は決して多くないが、部署差は大きいというのが実態です。
住宅補助については、金額の手厚さが知られています。ただし年齢による制限があります。
- 単身の場合は月4万円程度、単身以外は月7万円程度
- 35歳前後を上限とし、以降は持ち家支援に移行するという証言がある
- クチコミには、家賃補助の上限年齢が引き下げられたという指摘も見られる



つまり、30代後半以降で入社する場合、住宅補助のメリットは限定的になる可能性があります。
額面年収に住宅補助を上乗せして考えるときは、自分の年齢が対象になるかを確認しておいたほうが安全です。
55歳役職定年という出口
年代別データでは50歳の1,079万円がピークとして示されていますが、その先についても触れておきます。
社員クチコミには、55歳の役職定年で大幅な減給があるという指摘があります。長く働ける会社である一方、年収が右肩上がりで続くわけではないということです。
40代で転職を検討している方にとっては、入社後10年程度先までの見通しとして知っておく価値がある情報だと思います。
年収を比較するときは、必ず平均年齢とセットで見てください。有報の数字だけを見て「思ったより高い」と判断すると、入社時の提示額とのギャップに驚くことになります。自分の年代の実データで比べるのが確実です。
NTTデータに受かる人・落ちる人の違い|人事の視点から


ここでは、IT業界の人事経験から見た「受かる人」と「落ちる人」の違いを具体的にお伝えします。
受かる人に共通する3つの特徴
NTTデータの選考を突破する人には、以下の共通点があります。
①「何をやったか」ではなく「どう考えて動いたか」を語れる
面接では行動の背景にある思考プロセスが問われます。「こういう課題があったので、こう分析して、こう行動して、こういう結果が出た」というストーリーを語れる人が通ります。もちろん、結果そのものの難易度も見られます。
② 応募ポジションの業務内容を深く理解している
求人票を読み込み、「このポジションでは何が求められているか」を正確に理解した上で、自分の経験との接点を具体的に説明できる人は強いです。
③ チームで成果を出すことに価値を置いている
企業理念の「Teamwork」にもある通り、個人プレーではなくチームで大きな成果を出すことを重視する文化です。社員クチコミでも、組織としての成果が重視され個人プレーでは差がつきにくいという声が見られます。
書類で落ちる人の典型パターン
書類選考で見送りになるケースで多いのは以下のパターンです。
- 業務内容の羅列だけで、成果が書かれていない(「〜を担当」止まり)
- 応募ポジションと関連の薄い経験ばかり書いている(カスタマイズ不足)
- 自己PRが抽象的すぎる(「コミュニケーション力があります」など具体性のない表現)
面接で評価が下がるNGポイント
面接で評価が下がりやすいのは以下のケースです。
- 転職理由がネガティブすぎる(前職の愚痴になっている)
- 「NTTデータでなくてもいい」志望動機(大手SIerならどこでも良さそうに聞こえる)
- 深掘りされると回答が曖昧になる(表面的な準備しかしていない証拠)
優秀なのに落ちる方の共通点は、経験の幅の狭さです。テスト工程しか経験がない場合、大手SIerの中途では厳しくなります。上流工程やチームリーダーの経験を現職で積んでから挑戦するのも、遠回りに見えて確実な戦略です。
受かった後に後悔する人の共通点



転職支援の記事はどうしても「受かる方法」に寄りがちですが、入って数年で辞めてしまったら、その転職は成功とは言えません。採用する側としても、そこは同じ気持ちです。合わない方に入っていただくのは、お互いにとって不幸です。


ここでは、社員クチコミから見えてくる「入社後のミスマッチ」を整理します。応募前に読んでおくことで、自分に合う会社かどうかを判断できるはずです。
「手を動かしたい人」ほどミスマッチを起こす
退職を検討した理由として、クチコミに繰り返し登場するのが次のようなテーマです。
- 実装や最新技術に触れる機会が少なく、調整業務が中心になる
- 協力会社の管理や仕様書作成が業務の大半を占める
- 大規模案件のなかで「自分で作っている」実感が持ちにくい
- マネジメント中心の業務が続き、市場価値の停滞に不安を感じる
(出典:OpenWork 株式会社NTTデータ 社員クチコミ)
大規模システムを協力会社とともに構築するSIerでは、自社社員はプロジェクト全体を動かす役割を担います。だからこそ、社員クチコミでも大規模なプロジェクトマネジメント力や関係者との合意形成力が身につくと評価されています。
つまり、NTTデータが求める「即戦力」とは、協力会社を含む大きな体制を動かして案件を完遂する力です。技術力そのものではありません。
自分で手を動かし続けたい方は、この点をよく考えたうえで応募を判断するのがよさそうです。合わないのではなく、そもそも役割が違うということです。
中途入社者にとっての「社内人脈」の重さ
もうひとつ、中途入社者に固有の課題があります。
クチコミには、社内の稟議や部署間の調整に時間がかかること、そのため社内人脈づくりが重要になるという指摘が複数見られます。承認の階層が多く、社内調整に相当な時間を取られるという声もあります。
新卒入社の社員には同期という横のつながりがありますが、中途入社にはそれがありません。
調整の比重が大きい組織で人脈がないことは、そのまま仕事の進めにくさになります。
入社後の最初の半年で社内の関係をどう作るか。ここを意識できるかどうかで、立ち上がりのスピードが変わります。面接で「入社後にどう動きますか」と聞かれたときの回答材料にもなるはずです。
それでも中途が馴染みやすいと言われる理由
ここまで課題を挙げてきましたが、人間関係の面では前向きな評価が目立ちます。
- 温厚な人が多く、上下関係が厳しくないため中途も馴染みやすいという声
- 外国籍社員や中途採用者も多く、多様性がある職場だという評価
- やりたいことを伝えればチャレンジさせてもらえる懐の深さがあるという意見
- 財務基盤が安定しており、コスト削減の過度な圧力がない安心感
整理すると、中途が浮く会社ではありません。ミスマッチが起きるとすれば、人間関係ではなく仕事の中身や社内プロセスが理由です。
裏を返せば、大規模案件を動かすことに面白さを感じられる方にとっては、非常に良い環境だということです。社会インフラ規模のシステムを担当できる会社は限られています。
面接で「入社後にどんな業務を担当しますか」と具体的に聞ける方は、ミスマッチが起きにくいです。聞きにくいと感じるかもしれませんが、採用側にとっても入社後のギャップは避けたいこと。遠慮なく確認してください。
子会社(デー子)という選択肢|規模・年収・領域の違い



「まず子会社から入って、あとで本体を目指す」という戦略はよく聞きます。悪い作戦ではないのですが、年収の差を知らないまま決めてしまう方が多いのが気になっています。数字を見たうえで選んでほしいところです。


NTTデータには多数のグループ会社があり、通称「デー子」と呼ばれています。本体への直接転職だけでなく、子会社経由でキャリアを積むという選択肢もあります。
主要子会社の比較一覧
まず、規模と領域を整理します。
| 会社名 | 売上高 | 従業員数 | 得意領域 |
|---|---|---|---|
| NTTデータアイ | 964億円 | 2,373名 | 公共(官公庁・自治体・医療) |
| フォーティエンスコンサルティング | 非公表 | 約1,200名 | 経営コンサルティング |
| NTTデータフロンティア | 233.7億円 | 902名 | 金融システム |
| NTTデータ北陸 | 53.2億円 | 183名 | 北陸3県の地域SI |
同じ「NTTデータ」の名前がついていても、規模はまったく違います。グループ連結の売上高が約4.6兆円であるのに対し、地域会社は50億円台。3桁の開きがあります。
アイ・フロンティア・先端技術|3社の性格の違い
代表的な3社について、もう少し詳しく見ていきます。
NTTデータアイは、公共分野に特化したグループ内でも大規模な会社です。中央省庁の大規模システム、自治体の行政関連システム、ヘルスケア分野の情報システムなどを手がけています。公共分野で腰を据えて働きたい方に向いています。
NTTデータフロンティアは、金融システムに強みを持つ会社です。前身は銀行系の大規模金融システム開発を目的に設立された企業で、その後も電子記録債権、銀行間オンライン決済ネットワーク、インターネットバンキング、銀行向けスマホアプリなどの案件を積み上げてきました。30年以上にわたって金融システムに携わってきた実績が特徴です。
NTTデータ先端技術は、システム基盤とセキュリティに特化した技術者集団です。運用管理ソフトウェアの開発やセキュリティ事業を柱としており、セキュリティ関連の教育カリキュラムも提供しています。
なお、グループ内では社名変更が続いています。フロンティアは2026年7月に商号を変更し、コンサルティング会社のフォーティエンスコンサルティングも2025年10月にクニエから社名を変更しました。応募時と入社時で社名が変わる可能性がある点は、頭に入れておくとよさそうです。


子会社の年収は本体より100〜200万円低い
ここが最も現実的な話です。社員クチコミの年収データを比較します。
| 会社 | 平均年収 | 本体との差 |
|---|---|---|
| NTTデータ(本体) | 772万円 | - |
| NTTデータ先端技術 | 635万円 | 約137万円低い |
| NTTデータアイ | 576万円 | 約196万円低い |
「子会社でも本体と近い水準の待遇」という説明を見かけることがありますが、年収については当てはまりません。100万円から200万円の差があります。
ただし注意点もあります。回答者の平均年齢が会社ごとに違うため、単純比較はできません。アイの回答者は本体より若い層が中心です。それでも、本体と同水準を期待して入ると、想定と違うことになるのは間違いなさそうです。



一方で、福利厚生についてはグループ共通の制度が多く、親会社に匹敵する内容が整っているという社員の声も見られます。年収と福利厚生は分けて考えるのが正確です。
先端技術は年収が低い代わりに残業も少ない
年収だけで判断すると見落とすポイントがあります。働き方を比べてみます。
| 項目 | NTTデータ(本体) | NTTデータ先端技術 |
|---|---|---|
| 平均残業時間 | 31.7時間/月 | 21.8時間/月 |
| 有給休暇消化率 | 82.7% | 84.6% |
| 平均年収 | 772万円 | 635万円 |
先端技術は残業が月10時間少なく、有給消化率は高いという結果です。年収は137万円低いものの、時間あたりで考えると評価は変わります。
「年収は下がるが働き方は良くなる」という選択肢として捉えると、子会社は単なる妥協先ではなくなります。ライフステージによっては、こちらのほうが合う方もいるはずです。
地域会社という選択肢|Uターン・Iターンで使える
意外と知られていないのが、地域会社の存在です。北海道・東北・信越・東海・北陸・関西・中国・四国・九州と、各地に展開しています。
たとえばNTTデータ北陸は、石川・富山・福井の北陸3県を中心に事業を展開しており、金沢の本社に加えて富山と福井にも拠点があります。地域の社会インフラ維持管理や防災関連のソリューションも手がけています。
規模は小さくなりますが、NTTデータグループでありながら地元で働けるという、本体にはない価値があります。UターンやIターンを考えている方には、有力な選択肢になるはずです。


グループ会社出身の方の職務経歴書を見るとき、私が確認するのは会社名ではなく担当した案件の規模と役割です。子会社でも大規模案件の中核を担っていれば、そこはきちんと評価されます。社名より中身です。
SES出身者がNTTデータを目指すときの現実と戦略


SES企業で働きながらNTTデータへの転職を目指している方も多いのではないでしょうか。ここでは、現実的な戦略を解説します。
SES経験はNTTデータでどう評価されるのか
正直にお伝えすると、SES経験だけでNTTデータ本体の中途採用を通過するのは簡単ではありません。
理由はシンプルで、中途採用は即戦力が前提だからです。SES企業での経験は「指示された作業をこなした経験」と見られがちで、「自ら課題を発見し、チームを巻き込んで解決した経験」が示しにくい構造にあります。
ただし、これは「SES出身者は無理」という意味ではありません。経験の中身次第で十分にチャンスはあります。


商流の位置で変わる「評価されやすい経験」
SES企業での経験が評価されるかどうかは、商流のどの位置で何をやっていたかによって大きく変わります。
| 評価されやすい経験 | 評価されにくい経験 |
|---|---|
| 元請け・2次請けで顧客と直接やりとりしながら要件定義や設計を行った経験 | テスト工程のみ、またはプログラミングのみの経験 |
| チームリーダーとして3〜5名以上を取りまとめた経験 | 顧客との接点がなく、指示書に基づく作業のみの経験 |
| 応用情報技術者以上の資格保有(特にレベル4の高度情報処理資格) | 短期間で現場を転々とし、スキルの積み上げが見えにくい経験 |
NTTデータの求人には学歴不問のポジションも含まれています。学歴に不安がある方でも、経験の中身で勝負できる余地はあります。
子会社経由のステップアップ戦略
SES出身者にとって現実的な選択肢が、まず子会社に転職するという戦略です。
- 現職で上流工程・リーダー経験を意識的に積む
- NTTデータの子会社に転職し、グループ内で実績を作る
- 数年後に本体への異動・転職を目指す
遠回りに感じるかもしれませんが、SESから本体を一発で狙うよりも成功確率は高くなります。
ただし前章で見た通り、子会社の年収は本体より100〜200万円低いという現実があります。「一時的に年収が下がることを受け入れて、経験を取りにいく」という判断になる点は、あらかじめ理解しておいたほうがよさそうです。
SESからの応募で最初に見るのは、商流のどこにいたかと何を任されていたかです。プロジェクト概要だけを書いて自分の役割を書かない方が多いのですが、これは大きな損失。小さな範囲でも主体的に動いた部分を具体的に書いてください。
NTTデータの選考で転職サービスをどう使うか
NTTデータのような大手SIerの選考では、転職サービスの使い分けが結果を左右します。
スカウト型とエージェント経由の違い
大手企業は複数のチャネルで採用活動を行っています。それぞれ性格が違います。
- スカウト型サービス:企業側が経歴を見て声をかける。書類段階のハードルは下がるが、その分あとの選考で絞られる
- 転職エージェント:書類添削や面接対策を受けられる。非公開求人にアクセスできる
- 公式サイトからの直接応募:すべて自力。掲載されている求人のみが対象
どれが正解というものではなく、併用するのが現実的です。
公開求人21件に対して、年間587名が入社している
ここは数字で見ると分かりやすい部分です。
記事執筆時点で、大手転職サイトに掲載されていたNTTデータグループの求人は21件でした。一方、同社は年間587名を中途採用しています。
この差が意味するのは、公開されている求人は全体のごく一部だということです。大半は非公開求人か、公式サイト経由で採用されていると考えられます。
「自分に合うポジションが見当たらない」と感じたとしても、それは公開されていないだけかもしれません。エージェントに直接確認するほうが早いのは、こうした構造があるからです。
配属先の実態を事前に確認する価値
もうひとつ、エージェントを使う実利的な理由があります。
この記事で見てきた通り、NTTデータは部署によって働き方も年収も大きく変わる会社です。残業代が年収の12%を占め、忙しい部署ほど年収が高くなる構造がある以上、どの部署に配属されるかは重要な情報になります。
エージェントは企業の人事と直接やりとりしているため、求人票に書かれていない情報を持っていることがあります。確認しておきたいのは次のような点です。
- 配属予定の部署はどの事業領域か(金融・公共・法人など)
- その部署の残業実態とリモート勤務の可否
- 実際の業務でマネジメントと実務のバランスはどうなるか
- 過去の選考でどのような質問がされたか



年収交渉の面でも同じです。オファー年収は前職の年収がベースになりやすいため、市場相場を事前に把握しておくと交渉の材料になります。
その会社が良いかどうかは
他の選択肢を見ないと判断できません
人事の立場から言うと、比較対象を持たないまま決めている人が一番損をしています。
50歳未満/未経験は対象外
✓ リモート可否・フレックスなど細かい条件で検索できる
✓ 転職を決めていなくても登録できる
20代後半〜30代が中心
✓ 土曜1日で選考が終わる1Day選考会あり
✓ ITコンサル・メガベンチャーの求人が豊富
エージェント経由と直接応募で書類通過率が変わるかと聞かれたら、変わります。エージェントは応募先の選考基準を把握しているので、通過しやすい書き方を指導できるからです。競争が激しい企業ほど、この差は大きくなります。
よくある質問(Q&A)
- NTTデータの中途採用に学歴フィルターはある?
-
求人によって学歴要件が異なります。
実際の求人を確認すると「大学院、大学、高等専門学校卒以上」と明記されているポジションと、「学歴不問」のポジションが混在しています。つまり、学歴に不安がある場合は学歴不問の求人を狙うという明確な戦略が取れます。応募前に、求人票の応募資格欄を必ず確認してください。
- テストAとテストBは両方受ける必要がある?
-
両方の受検が必要です。
それぞれ別のメールで案内が届き、受検期限も異なります。特にテストAは案内から3営業日以内と期限が短いため、案内が届いたらまずテストAから着手するのが安全です。職種による免除は確認されておらず、技術職でもコーポレート職でも2種類とも受検する形になります。
- 適性検査に落ちたら再挑戦できる?
-
期間を空ければ再応募は可能です。
ただし、性格検査での見送りは能力ではなく相性による判断である可能性があります。同じ企業に再挑戦するより、自分の特性が活きる環境を探すほうが合理的なケースも多いです。どうしても再挑戦したい場合は、最低1年は期間を空けたうえで、その間に経験を積み上げてから臨むのが現実的です。
- スカウト型サービス経由でも選考内容は同じ?
-
適性検査以降は同じ流れになります。
ただし書類選考の中身が変わります。スカウト型では登録済みの職務経歴を企業側が閲覧して判断するため、志望動機の記入がないまま通過することがあります。その分、絞り込みの重心が適性検査に移るため、「書類は通ったのに、そのあとで見送りになった」というパターンが起きやすくなります。
- 第二新卒でもNTTデータに転職できる?
-
可能です。
NTTデータの経験者採用は「社会人経験1年以上」から応募可能です。公式サイトでは、IT完全未経験から異業種を経て第二新卒で入社した事例も紹介されています。ただし求人票によっては「2年以上」「3年以上」の経験年数が目安として記載されているポジションもあるため、求人選びが重要になります。
- 子会社から本体への異動は現実的?
-
可能性はありますが、確約された道ではありません。
グループ内の公募制度を活用する形が中心になります。ただし社員クチコミでは、社内公募に対して現部署から引き止めがあるという指摘も見られます。「数年後に必ず本体へ行ける」と考えるのではなく、その子会社で働くこと自体に納得できるかを基準に選ぶほうが安全です。
- 残業は実際どのくらい?
-
全社平均は月30時間前後です。
会社公表値が28.7時間、社員クチコミの実測値が31.7時間と、両者はほぼ一致しています。大手SIerとして特別に多い水準ではありません。ただし部署差が大きく、月20時間程度という声がある一方、金融・公共分野の繁忙案件では月80時間近くに達することもあるという証言もあります。配属先の実態確認が重要です。
- NTTデータに落ちたら再応募はいつからできる?
-
最低1年は空けるのが一般的です。
落ちた理由を振り返り、「書類で落ちたなら経歴書の改善」「面接で落ちたなら深掘り対策の強化」など、改善ポイントを明確にしてから再チャレンジしましょう。その間に上流工程やリーダー経験を積めば、次の応募では評価が変わる可能性があります。
まとめ|NTTデータ中途転職は「難しいけど攻略法がある」


NTTデータの中途採用について、採用側の視点と実データの両面から解説してきました。要点を整理します。
- 難易度は高いが門戸は広がっている。中途採用比率は45.7%まで拡大し、年間587名が入社しています。
- 20代後半〜30代の枠が開いている。この年代の中堅層が外資へ流出しており、そこを中途採用で補っている構造です。
- 本当の関門は面接前にある。適性検査は2種類あり、書類を通過しても一定数がここで見送りになります。
- 難易度と年収は比例しない。最難関のコンサルタント職より、営業職やPM職のほうが平均年収は高い結果でした。
- 配属部署で年収が100万円変わる。残業代が年収の12%を占め、忙しい部署ほど年収が高くなる構造があります。
- 求められるのは技術力より推進力。手を動かし続けたい方は、入社後にギャップを感じやすい傾向があります。
- 子会社は年収が100〜200万円低い。その代わり働き方が良くなるケースもあり、目的次第で有力な選択肢になります。
NTTデータの中途採用は、たしかに簡単ではありません。ただ、「厳しい」と言われる中身を分解してみると、自分に関係のある部分とない部分がはっきり分かれるはずです。



面接対策から始める方が多いのですが、実際に人が減っているのは選考の前半です。職務経歴書を応募ポジションに合わせて作り込むこと、適性検査を落ち着いて受けられる状態にしておくこと。この2つを整えるだけで、面接にたどり着ける確率は変わります。
そして、受かることと同じくらい大切なのが、入社後に納得して働けるかどうかです。この記事で紹介した社員のリアルな声が、その判断材料になれば嬉しいです。
その会社が良いかどうかは
他の選択肢を見ないと判断できません
人事の立場から言うと、比較対象を持たないまま決めている人が一番損をしています。
50歳未満/未経験は対象外
✓ リモート可否・フレックスなど細かい条件で検索できる
✓ 転職を決めていなくても登録できる
20代後半〜30代が中心
✓ 土曜1日で選考が終わる1Day選考会あり
✓ ITコンサル・メガベンチャーの求人が豊富



