「基本情報技術者やITパスポートって、2027年から変わるって聞いたけど本当?」 「今のうちに受けたほうがいいのかな…それとも新しい制度を待つべき?」
こんなふうに、モヤモヤしていませんか。
実は2027年度から、情報処理技術者試験は約18年ぶりの大きなリニューアルを迎えます(IPA 2026年3月31日発表)。ITパスポートや基本情報技術者も、その対象です。
さらに、最近受験した方からは「過去問と全然違う問題が出て対策しづらい」という声も増えています。これは2027年の改定とはまた別に、すでに起きている変化なんです。
すけさんこの記事では、現役IT企業の採用担当である筆者が、2027年の変更点と受験のタイミングについてお伝えします。
- 2027年に情報処理技術者試験がどう変わるのかの全体像
- ITパスポートの具体的な変更点(実は変化が大きいのはこちら)
- 基本情報技術者の変更点(範囲は「据え置き」)
- 最近「過去問が通用しない」と言われる本当の理由
- 2026年度に受けるか、2027年の新制度を待つかの判断軸
それでは、順番に見ていきましょう。
【先に結論】この記事の要点まとめ


先に、この記事のポイントをまとめておきます。
- 2027年度から情報処理技術者試験が新制度に移行します。現行制度は2026年度の実施で終了予定です(IPA発表)
- ITパスポートは”中身”が変わります。DXやAI、データ活用に関する出題が増え、システム開発の分野は縮小されます
- 基本情報技術者は”範囲そのもの”は変わりません。IPAも「問う知識・技能の範囲に変更はない」と明言しています
- ただし、基本情報は2023年から過去問が原則非公開になっており、制度改定を待たずにすでに対策しづらくなっています
- 「今の範囲でサクッと取りたい人は2026年度中」「DX・AI分野まで学びたい人は新制度」という選び方が、ひとつの目安になります
ここから、それぞれをもう少し詳しく見ていきます。
そもそも2027年に何が変わる?情報処理技術者試験の全体像


まずは、全体像から整理しましょう。
背景には、経済産業省とIPAがまとめた「Society 5.0時代のデジタル人材育成に関する検討会 報告書」(2025年5月公表)があります。
現行制度は2026年度で終了、2027年度春から新制度へ
スケジュールは、次のようになっています(IPA発表)。
- 2026年度:現行制度で試験を実施(現行制度はこの年度で終了予定)
- 2027年度 春頃:ITパスポート試験・情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験が新制度でスタート
- 2027年度 夏〜秋頃:新設のデータマネジメント試験(仮称)などがスタート



つまり、ITパスポートと基本情報については、2027年の春が新制度の最初のタイミングになります。
試験区分が12から8へ再編される
今回の改定では、試験区分そのものが整理されます。
- 現行:ITパスポートから高度試験まで、全体で多くの区分に分かれている
- 新制度:8つの試験区分に再編される(IPA発表)
大きな変化として、応用情報技術者試験と高度試験が「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」に大括り化され、「マネジメント」「データ・AI」「システム」の3領域に再編されます。
あわせて、ITパスポートの次のステップにあたる「データマネジメント試験(仮称)」が新設されます。
応用情報や高度試験の再編について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。


全試験がCBT方式・ITパス/基本情報は通年実施を継続
受験のしやすさに関わる部分は、うれしいことに大きく変わりません。
- 全区分がCBT方式(パソコンで受ける方式)で実施予定
- ITパスポート・情報セキュリティマネジメント・基本情報は、これまでどおり通年で受験可能
「制度は変わるけど、いつでも受けられる手軽さはそのまま」と考えていただければ大丈夫です。
試験名が変わっても、履歴書での価値がすぐ下がることはありません。人事が気にするのは”いつ取ったか”より”取ってから何をしたか”です。制度改定を受験を先延ばしにする理由にしないほうが、キャリアは前に進みますよ。
ITパスポートの変更点【変化が大きいのは実はこちら】





「基本情報のほうが上位資格だから、変化も大きいのでは?」と思われるかもしれません。ですが、中身の変化が大きいのはITパスポートのほうです。
出題分野が3系統から新しい3分野へ再編される
現在のITパスポートは、「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の3分野で構成されています。これが、次のように再整理されます(IPA発表)。
| 現行の出題分野 | 新制度の出題分野 |
|---|---|
| ストラテジ系 | ビジネス |
| マネジメント系 | テクノロジ |
| テクノロジ系 | セキュリティ・倫理 |
分野の名前だけでなく、中身の重心も動くのがポイントです。
DX・データマネジメント・AI倫理の出題が新しく加わる
新制度のITパスポートでは、次のような内容が強化されます。
- DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む際のマインドやスタンスが新たに問われる
- データマネジメントの基礎が加わる
- AI時代に対応したセキュリティ・倫理の出題が強化される
一方でシステム開発の分野は縮小される
追加されるものがある一方で、システム開発に関する内容は縮小される予定です。
- 「プログラミングや開発寄りの細かい知識」よりも、「デジタルをどう活かすか」という視点が重視される
- 完全な初学者にとっては、とっつきやすくなる面もあると考えられます
試験時間・問題数は変わらない
ボリューム感は、これまでどおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 120分(変更なし) |
| 出題数 | 100問(変更なし) |
| 実施方式 | CBT・通年(変更なし) |
面接でも”DX”や”データ活用”というキーワードは年々増えています。新制度のITパスポートで学ぶ内容は、未経験者が業界の話題についていくうえで役立ちます。試験対策がそのまま面接対策にもなる、と考えると学ぶ意味が見えてきますよ。
基本情報技術者の変更点【範囲そのものは”据え置き”】


次に、多くの方が気になる基本情報技術者です。結論からお伝えすると、基本情報の変化は比較的おだやかです。
「問う範囲そのものは変えない」がIPAの公式見解
IPAは、基本情報について次のように説明しています。
つまり、「呼び方や整理のしかたは変わるけれど、覚えるべきことの範囲は基本的に同じ」ということです。
ここは安心してよいポイントです。
科目A・科目Bの出題範囲体系は一部だけ再整理
とはいえ、まったく手つかずというわけではありません。
- 科目A(知識を問う試験)の出題範囲の体系が一部変わる
- 科目B(技能を問う試験)の出題範囲も一部変わる
新制度での基本情報の構成は、次のとおりです。
| 科目 | 試験時間 | 出題数 |
|---|---|---|
| 科目A | 90分 | 60問 |
| 科目B | 100分 | 20問 |
科目A免除制度は継続される
対策のしやすさに関わる制度も、引き続き使えます。
- 科目A免除制度は、新制度でも変更予定なし(IPA発表)
- 対象講座を受けて修了試験に合格すれば、本試験で科目Aが免除される仕組みはそのまま
基本情報は制度が変わっても”エンジニアの基礎の証明”という価値は揺らぎません。未経験からSIerを目指す方にとっては、引き続き心強い一枚です。範囲が大きく変わらない今こそ、腰を据えて取りに行く価値がありますよ。
【要注意】改定を待たず”すでに”対策しづらくなっている基本情報


ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
「基本情報は範囲が変わらないなら安心」と思いきや、実は2027年を待たずに、すでに対策が難しくなっているという現実があります。
最近受験した方からは、「過去問と全然違う問題が出た」「過去問道場で勉強したのに歯が立たなかった」という声が多く聞かれます。
2023年のCBT通年化で「過去問」が原則非公開に
大きなきっかけは、2023年4月からの変更です。
- 基本情報は2023年4月にCBT方式・通年実施へと移行しました
- これにともない、実際の試験問題は原則非公開になりました
- 受験時に「問題を第三者に開示しない」ことが契約内容として求められます(IPA公開問題ページ)
かつては年2回の試験ごとに問題がまるごと公開されていましたが、今はそのしくみではなくなっています。
IPAが公開するのはサンプル問題と一部の公開問題のみ
では、まったく問題が手に入らないのかというと、そうではありません。
- IPAはサンプル問題と、一部の「公開問題」を提供しています(IPA公開問題ページ)
- ただし、これは本番で出た全問題ではなく、あくまで一部です
- 科目Aは本番60問・科目Bは本番20問のうち、公開されるのはごく一部にとどまります
つまり、「大量の過去問を解いて傾向をつかむ」という従来のやり方が、以前ほど通用しにくくなっているんです。
「見たことない問題ばかり」と感じる背景
最近の受験者が戸惑う理由を整理すると、次のようになります。
- 過去問が公開されないため、市販の問題集や過去問サイトは”再現・予想”に頼らざるを得ない
- とくに科目B(アルゴリズムやセキュリティの読解問題)は新傾向が出やすく、丸暗記が効きにくい
- 「過去問を周回すれば受かる」という数年前までの常識が、アップデートを必要としている



これは決してあなたの勉強不足ではなく、試験のしくみそのものが変わったからです。ここを知っているだけでも、対策の立て方が変わってきます。
これからの基本情報対策で押さえたい勉強法
では、どう対策すればよいのでしょうか。ポイントを表にまとめました。
| 対策 | ねらい |
|---|---|
| IPA公式のシラバス・サンプル問題を必ず確認する | 出題範囲と最新の傾向を一次情報でつかむ |
| 過去問は「傾向をつかむ教材」と割り切る | 丸暗記ではなく、考え方を身につける |
| 科目Bはアルゴリズムの”読解力”を鍛える | 新傾向でも対応できる地力をつける |
| 最新版の教材・問題集を選ぶ | 2023年以降の傾向に対応した内容で学ぶ |
「過去問だけに頼らない」——これが、今の基本情報対策のいちばんの合言葉です。
面接で”何回も落ちて…“と言う未経験者が増えていますが、背景には試験のしくみ変更もあります。落ちた回数より、”傾向が変わったので勉強法を見直しました”と語れる人のほうが、人事にはずっと好印象に映りますよ。
【人事目線】2027年改定で資格の”転職価値”はどう変わる?


制度の話が続いたので、ここで採用側の視点も少しお伝えします。「改定後、この資格って転職で使えるの?」という疑問に、正直にお答えします。
DX・データ・AI重視の流れは採用現場の実感と一致している
新制度がDXやデータ、AIを重視する方向に動くのは、採用の現場感覚とよく合っています。
- 実際に、求人票で「DX」「データ活用」といったキーワードを見かける機会は年々増えています
- 未経験者でも、こうした言葉を自分の言葉で説明できる人は、面接で印象に残りやすい傾向があります
- 新制度のITパスポートで学ぶ内容は、業界の会話についていくための土台になります
ITパスポートの位置づけはどう変わるか
ITパスポートは、これまでも「IT業界の入門資格」という位置づけでした。新制度でもそこは変わりませんが、少しニュアンスが加わります。
- 「システム開発の初歩」から「デジタルを使いこなすビジネス素養」へと、色合いがシフトする
- 非IT職(事務・営業など)から見ても、デジタルリテラシーの客観的な証明として使いやすくなる
基本情報が「エンジニアの登竜門」であり続ける理由
一方の基本情報は、範囲が大きく変わらないぶん、評価のされ方も安定しています。
- 「エンジニアとしての基礎がある」ことの証明という価値は、新制度でも変わらない
- 未経験からSIerやエンジニア職を目指す方にとって、引き続き大切な一枚になる
資格を取ったあと、書類や面接でどう伝えるかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。


資格は”取っただけ”では武器になりません。人事が見ているのは、取得の動機・学習の工夫・次の一手です。新制度で学んだDXやAIの知識を、志望動機に自然につなげられる人は、それだけで一歩リードできますよ。
結局、2026年度に受けるべき?2027年の新制度を待つべき?





いちばん悩ましいのが、この受験タイミングだと思います。どちらが正解というより、あなたの目的によって最適解が変わります。メリット・デメリットを整理しました。
| 受けるタイミング | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 2026年度中(現行制度) | 今の範囲で早く取り切りたい人/転職を急いでいる人 | 現行制度は2026年度で終了。教材が今のうちに揃っている |
| 2027年度〜(新制度) | DX・データ・AI分野まで学びたい人/急いでいない人 | 開始直後は過去問・教材が少なめになりやすい |
今の範囲で早く取りたい人は2026年度中がおすすめです
次のような方には、2026年度中の受験が向いています。
- 転職活動を控えていて、早めに資格を手に入れたい
- すでに現行の教材で勉強を進めている
- 「範囲が変わる前に取り切ってしまいたい」
現行制度は2026年度の実施で終了予定です(IPA発表)。今の教材が揃っているうちに取り切るのは、堅実な選択です。
DX・AI領域まで学びたい人は新制度を待つ選択肢もあります
一方、こんな方は新制度を待つのもよいでしょう。
- 資格取得を急いでいない
- これから伸びるDX・データ・AI分野の知識を、体系立てて学びたい
- 最新の内容で学んだことを、そのまま仕事に活かしたい
ただし、新制度の開始直後はサンプル問題や対策教材が少なめになりやすい点は、頭に入れておきたいところです。
迷ったら「受験の目的」で決めましょう
それでも迷う場合は、次のシンプルな問いで考えてみてください。
- 転職の武器を早くそろえたい → 2026年度中に受験
- 学びの中身を最新にしたい・急いでいない → 新制度を待つ
自分だけで判断が難しいときは、IT業界に詳しい転職エージェントに相談してみると、「今のあなたに合うタイミング」を一緒に整理してもらえます。


人事目線では、”制度が変わるから様子見”で立ち止まっている人より、目的を決めて動いている人のほうを応援したくなります。2026年度・新制度のどちらを選んでも、”なぜそう決めたか”を語れることが大切です。
資格取得後にどう活かすか


資格は、取って終わりではありません。取ったあとにどう活かすかで、転職での価値は大きく変わります。
取得後の書類・面接での伝え方
- 履歴書の資格欄は正式名称で書く(「ITパスポート試験 合格」「基本情報技術者試験 合格」)
- 職務経歴書や自己PRでは、「動機 → 学習 → 次の一手」の流れで語る
- 「なぜ取ったのか」を自分の言葉で説明できると、面接官の印象に残りやすい
なかなか受からないときの考え方
- 落ちた回数より、原因分析と次の対策を語れるかが大事
- 独学で行き詰まったら、第三者に勉強法を壁打ちしてもらうのも有効
- まずは運用・ヘルプデスクなど、現場でITに触れる仕事から始める選択肢もある
なかなか受からないときに人事がどう見ているかは、こちらの記事で本音を書いています。


資格+ポートフォリオ、資格+実務経験など、”掛け合わせ”で見せられる人は強いです。制度が変わっても、この基本は変わりません。取得後の一歩目まで面接で語れると、他の応募者と差がつきますよ。
よくある質問(Q&A)


- 2026年度に取得した基本情報は、2027年以降も有効ですか?
-
はい、有効です。
合格の資格が失効することはありません。IPAは、過去の合格情報も新しいスキル可視化のしくみに登録・活用できるようにする方針を示しています(IPA発表)。「今取ると損」ということはないので、安心してくださいね。
- 2027年からITパスポートは難しくなりますか?
-
一概に「難しくなる」とは言えません。
DXやデータ、AI倫理といった新しい分野が加わる一方で、システム開発の分野は縮小されます(IPA発表)。試験時間120分・100問という基本的なボリュームも変わりません。得意分野によって、易しく感じる人・手ごわく感じる人が分かれる、というのが実際のところです。
- 過去問が通用しないなら、何で勉強すればいいですか?
-
まずはIPA公式のシラバスとサンプル問題で、最新の出題範囲と傾向をつかむのがおすすめです。
過去問は「丸暗記の材料」ではなく「考え方を身につける教材」と割り切って使いましょう。とくに科目Bは、アルゴリズムの読解力を鍛えると新傾向にも対応しやすくなります。2023年以降の傾向に対応した最新版の教材を選ぶことも大切です。
まとめ|2027年の変化を正しく理解して受験戦略を立てよう


最後に、この記事のポイントを振り返ります。
- 2027年度から情報処理技術者試験が新制度に移行し、現行制度は2026年度で終了予定です
- ITパスポートは中身が変わり、DX・データ・AI倫理が強化、システム開発は縮小されます
- 基本情報は範囲そのものは据え置きで、科目A免除制度も継続します
- 基本情報は2023年から過去問が原則非公開になっており、すでに対策の工夫が必要です
- 「今の範囲で早く取りたい人は2026年度中」「最新の内容を学びたい人は新制度」という選び方が目安になります



制度が変わると聞くと不安になりますが、正しく知っておけば、むしろ戦略的に動くチャンスです。あなたの目的に合ったタイミングで、無理なく一歩を踏み出してくださいね。
「自分の場合はどう動くのがいいだろう?」と迷ったら、IT業界に強い転職エージェントに相談して、現在地とゴールを整理してみるのもよい方法です。


あなたの挑戦を、応援しています。
