ITパスポート・基本情報技術者に受からない人を人事はどう見ている?【採用担当のホンネ】

「ITパスポートに何回も落ちてるんだけど、転職に影響あるのかな…」 「基本情報技術者が受からない。未経験からIT転職って本当にできるの?」

こんな不安を抱えていませんか?

ネットで調べると「ITパスポートを取れば転職に有利!」「資格がなくても大丈夫!」といったポジティブな記事ばかり出てきますよね。

でも、ちょっと待ってください。

採用する側の人事は、本当にそう思っているのでしょうか?

すけさん

この記事では、現役IT企業の採用担当である筆者が、ITパスポートや基本情報技術者に受からない人を人事が実際にどう評価しているのか、正直にお伝えします。

受からない=終わり」ではありませんが、知らないまま転職活動を進めると損をする可能性があります。

人事のホンネを知って、戦略的にIT転職を進めていきましょう。


目次

そもそもITパスポート・基本情報技術者試験とは?【難易度と合格率】

まず、この2つの資格がどんなものか簡単に整理しておきます。

ITパスポート試験

レベル情報処理技術者試験のレベル1(もっとも初級)
合格率約50%前後(社会人はほぼ50%)
勉強時間の目安100〜200時間(未経験者の場合)
試験形式四肢択一・100問・120分
受験資格誰でも受験可能(年齢・学歴不問)

ITパスポートはIT業界の「入門資格」です。ITの基礎知識に加えて、経営戦略やマネジメントなどビジネス全般の知識も問われます。

よく「IT業界へのパスポート(入国許可証)」と言われる資格ですね。

基本情報技術者試験

レベル情報処理技術者試験のレベル2
合格率約35〜41%(2024年度は40.8%)
勉強時間の目安約200時間(未経験者の場合)
試験形式科目A(知識)+科目B(技能)
受験資格誰でも受験可能(年齢・学歴不問)

基本情報技術者はITパスポートの上位資格で、「ITエンジニアの登竜門」と呼ばれています。アルゴリズムやプログラミングなど、より専門的な内容が問われます。

どちらも国家資格であり、IT業界では広く認知されています。

採用のウラ側メモ

人事の間では、ITパスポートは『IT業界に興味があるかどうかの最低ライン』、基本情報は『エンジニアとしてやっていけるかの基準』として見ています。資格の名前は知っていても、この”位置づけの違い”を理解している求職者は意外と少ないです。


人事が資格の合否を気にする本当の理由

「資格があれば有利」とよく言われますが、人事が本当に見ているのは資格そのものではありません。

資格を取れるかどうか」が何を示しているかを見ています。

具体的には、次の3つのシグナルです。

①ITへの興味関心の「本気度」

未経験からIT業界を目指す人に対して、人事が最も確認したいのは「この人は本気でIT業界に来たいのか?」ということです。

ITパスポートの勉強すらしていない人と、合格している人では、「本気度」の伝わり方がまったく違います。

②基礎的な学習能力があるか

IT業界は常に新しい技術が出てくる世界です。入社後も勉強し続ける必要があります。

ITパスポート(合格率約50%)に受からないとなると、人事としては「入社後の研修についてこれるかな?」という不安が正直あります。

③SIerの場合:上流工程を任せられるかの判断材料

特にSIer(システムインテグレーター)では、将来的に要件定義や設計といった上流工程を担当してもらうことを前提に採用するケースが多いです。

上流工程では、お客様との折衝や設計書の作成など論理的思考力が求められます。基本情報技術者レベルの内容が理解できないと、「この人に上流の仕事を任せて大丈夫かな…」と不安に感じてしまうのが正直なところです。

採用のウラ側メモ

面接で『何か取得したIT資格はありますか?』と聞くのは、資格自体を評価したいわけではありません。ITへの興味関心・学習への意欲・計画性を総合的に見ています。資格の合否よりも、”どう取り組んでいるか”の方が大事なんです。


ITパスポートに受からない人を人事はこう見ている

ここからは少し厳しい話になりますが、大事なことなので正直にお伝えします。

合格率50%の試験に受からない=人事は不安を感じる

ITパスポートは情報処理技術者試験の中でもっとも初級の資格です。合格率は約50%で、しっかり勉強すれば合格できる試験として位置づけられています。

すけさん

つまり人事の目線では、「IT業界を目指しているのに、入門レベルの試験に受からない」ということは、次のいずれかを疑ってしまいます。

  • そもそも勉強していないのでは?(=本気度が低い)
  • 勉強しているのに受からないのでは?(=IT適性に不安)

どちらの場合でも、採用判断にプラスにはなりません。

「1回落ちた」と「何回も落ちている」は全然違う

ただし、1回落ちたこと自体は問題ではありません。

試験には運やコンディションもありますし、人事も「1回で受からないこともある」とは理解しています。

問題なのは、何回も受けてるんですけど、なかなか受からなくて…」と面接で言ってしまうことです。

これを聞いた人事は、

  • 「そんなに時間をかけてもITパスポートすら取れないの?」
  • 「学習の計画を立てて実行する力が弱いのでは?」

と思ってしまう可能性が高いです。

長期間勉強しているのに受からない場合は特に注意

「半年以上勉強しています」「もう3回目です」といった発言は、面接官にかなりネガティブな印象を与えます。

勉強の熱意自体は評価できるのですが、人事の頭の中では「入社後の研修やOJTでもこのペースだと厳しいな…」という計算が働いてしまうのが現実です。

採用のウラ側メモ

面接で資格の話をするときは”回数”ではなく”計画”を伝えてください。『○月に受験予定で、苦手な分野を重点的に勉強しています』と言える人は、たとえまだ受かっていなくても好印象です。逆に『何回受けても受からない』は絶対に避けたいフレーズです。


基本情報技術者に受からない人を人事はこう見ている

基本情報技術者はITパスポートよりも難易度が高い試験です。合格率は35〜41%程度で、現役エンジニアでも落ちることがある試験なので、人事もその難しさは理解しています。

ただし、SIerを志望する未経験者の場合は話が変わります。

SIer志望なら基本情報は「あって当然」の空気がある

SIer業界では、多くの企業が社員に基本情報技術者の取得を推奨、または義務化しています。

大手SIerでは応募条件に記載されることもあり、持っていないと書類選考で落ちるケースもあります。

すけさん

つまり、SIerを志望しているのに基本情報が取れない場合、人事の頭の中では「入社後に取得できるのか?」という不安が生まれるのです。

「この人に上流工程を任せられるか?」が最大の判断ポイント

SIerの仕事は、ざっくり言うと次のように分かれます。

  • 上流工程
    要件定義・基本設計・詳細設計・顧客折衝(論理的思考力が必要)
  • 下流工程
    プログラミング・テスト(技術力が必要)
  • 運用・保守
    システムの監視・障害対応・ヘルプデスク

基本情報技術者で問われる内容は、上流工程で必要な知識と重なる部分が多いです。そのため、基本情報に受からない人に対しては、「上流工程を任せるのは難しいかもしれない」と判断されやすくなります。

未経験者と経験者で評価は異なる

ひとつ補足しておくと、

すでにIT業界で実務経験がある人の場合は、基本情報がなくても実績でカバーできます。

しかし、未経験者の場合は実績がないため、資格が数少ない判断材料になるのです。未経験でSIerを目指す人ほど、基本情報の取得は重要度が高いと言えます。

採用のウラ側メモ

正直に言うと、SIerの人事の間では『基本情報に受からない人に設計書を任せるのは怖い』という感覚があります。これは能力を否定しているのではなく、”入社後にキャッチアップできるかのリスク判断“なんです。経験者ならポートフォリオや実績で挽回できますが、未経験者にはそのカードがありません。


面接で「資格に落ちた」をどう伝えるべきか?人事が教えるNG・OK例

ITパスポートや基本情報に落ちたからといって、面接で嘘をつく必要はありません。

大事なのは、伝え方です。

すけさん

ここでは、人事が聞いて「これはマズい」と思うNG例と、「この人は大丈夫そうだ」と思えるOK例を具体的にご紹介します。

NG例① 回数を強調してしまう

「何回も受けてるんですけど、なかなか受からなくて…」

→ 人事の本音:「何回もって何回?学習能力に問題があるのでは?」

回数を具体的に言ってしまうと、「努力しても結果が出せない人」という印象になります。

NG例② 資格を否定してしまう

「資格より実務経験が大事だと思うので、あまり重視していません」

→ 人事の本音:「未経験なのに実務経験を語るの?資格すら取れない言い訳にしか聞こえない…」

経験者が言うならまだしも、未経験者がこれを言うと逆効果です。

NG例③ 具体性がない

「今勉強中です!受かりそうになったら受けます」

→ 人事の本音:「いつ受けるか決めてないの?計画性がなさそうだな…」

「勉強中」とだけ言っても、具体的なスケジュールがなければ説得力はありません。

OK例① 具体的な計画を伝える

「前回は不合格でしたが、○月○日に再受験を予定しています。苦手だったテクノロジ系の分野を重点的に勉強し直しており、直近の模擬試験では正答率70%まで上がりました」

→ 人事の本音:「1回落ちたけど、ちゃんとPDCAを回せる人だな。入社後も成長してくれそう」

ポイントは、受験日・苦手分野の分析・現在の進捗を具体的に伝えることです。

OK例② 前向きな姿勢を見せる

「1回目は範囲の広さに苦戦しましたが、勉強を通じてIT業界への興味がさらに深まりました。次回の受験に向けて毎日1時間の学習を継続しています」

→ 人事の本音:「落ちた経験をポジティブに捉えられる人だ。メンタルも強そう」

不合格をネガティブに捉えず、成長の過程として語れると好印象です。

採用のウラ側メモ

面接で落ちた経験を話すこと自体は問題ありません。人事が見ているのは”落ちた事実”ではなく”そこからどう行動したか”です。1回落ちた→原因分析→対策して再挑戦、という流れを話せる人は、むしろ高評価になることもあります。


何回も受からない人がまずやるべき2つのこと

すけさん

何回受けても受からない…」という状態が続いている人に向けて、人事の目線から具体的なアドバイスをお伝えします。

①まずはヘルプデスク・運用系の仕事から始めてみる

何回もITパスポートに落ちている人に対して、私がいつもお勧めしているのは「いきなり上流工程を目指すのではなく、まずはITの現場に触れること」です。

具体的には、次のような仕事が候補になります。

  • ヘルプデスク
    社内・社外からのIT関連の問い合わせ対応
  • システム運用・保守
    サーバーやネットワークの監視・障害対応
  • テクニカルサポート
    IT製品の操作案内・トラブル対応

え、最初からSEやプログラマーを目指しちゃダメなの?」と思うかもしれません。

すけさん

もちろん最初からSEを目指すこと自体は悪くありません。ただ、ITパスポートに何回も受からない状態で上流工程を目指すのは、率直に言ってかなりハードルが高いのが現実です。

運用系の仕事をお勧めする理由は3つあります。

おすすめの理由3選
  • 座学では掴めない知識が体感で身につく
    実際にサーバーやネットワークに触れることで、「あ、これ試験に出てたやつだ!」という瞬間が増えます
  • ITの現場に慣れることで資格取得にもつながる
    実務と試験内容がリンクするため、勉強のモチベーションが上がります
  • 人事から見て「現場を知っている人」になれる
    運用経験がある人は、たとえ資格がなくても「ITの基本は分かっている」と判断されやすいです

まずは運用系の仕事でITの基礎体力をつけて、そこからステップアップしていくのは十分に有効な戦略です。

②エージェントや第三者と一緒に対策を立てる

何回も試験に落ちる人に共通する傾向のひとつに、「ずっと一人で勉強している」というパターンがあります。

独学の最大の落とし穴は、自分の弱点に自分で気づけないことです。

そこでお勧めなのが、転職エージェントや第三者に相談することです。

相談するメリット
  • 転職エージェントに相談するメリット
    「今の実力で応募できる企業」と「資格取得後に狙える企業」を整理してもらえます。また、資格の取得計画を含めた転職戦略を一緒に立ててくれるので、「何から手をつければいいか分からない」状態から抜け出せます
  • 第三者の視点が入ることで勉強法を見直せる
    勉強法の壁打ち相手がいるだけで、「自分はこの分野が弱い」「この勉強法は非効率」といった気づきが生まれます

特に未経験からIT転職を目指す場合、IT業界に特化した転職エージェントを選ぶのがポイントです。IT業界の事情に詳しいアドバイザーがついてくれるので、資格の話を含めて具体的なアドバイスがもらえます。

採用のウラ側メモ

何回も落ちている人ほど、一人で抱え込まないでほしいです。人事の立場から見ると、エージェントに相談して戦略を立てた上で転職活動をしている人は、それだけで”計画的に動ける人”という評価になります。資格だけでなく、行動の仕方も人事は見ていますよ。


資格がなくてもIT転職を成功させる方法はあるのか?

ここまで厳しめのことを書いてきましたが、一つ大事なことをお伝えしておきます。

資格がすべてではありません。

これは間違いない事実です。

ただし、「資格がなくても大丈夫」と「最低限の資格に受からなくても大丈夫」はまったく別の話です。

資格以外で人事に刺さるアピール方法

資格がまだ取れていない段階でも、次のようなアピールができれば人事の評価は上がります。

  • ポートフォリオ(成果物)の提示
    簡単なWebサイトやアプリを自作して見せる。「実際に手を動かせる人」という印象になります
  • 自主学習の記録
    Progateやドットインストールなどで学習を進めている記録があると、「継続的に学べる人」というアピールになります
  • 業界研究の深さ
    応募先企業の事業内容やサービスを調べた上で、「御社の○○というサービスに興味がある」と伝えられると、志望度の高さが伝わります

それでもITパスポートは取っておくべき理由

上記のようなアピール方法は有効ですが、それでもITパスポートくらいは取得しておくことを強くお勧めします。

理由はシンプルです。

  • ITパスポートを持っていれば、書類選考で「最低限の基礎知識がある」と判断される
  • 持っていないと、どれだけ面接で熱意を語っても「本気なの?」と疑われるリスクがある
  • 合格率50%の試験なので、しっかり勉強すれば取れる

資格は取ることがゴールではありませんが、IT転職のスタートラインに立つためのチケットとしてとらえてもらうのが良いと思います。

エージェントを活用して自分の強みを整理しよう

「資格はまだ取れていないけど、それ以外でアピールできることを整理したい」という方は、転職エージェントに相談するのも有効な手段です。

自分では気づいていない強みを引き出してもらえることもありますし、「今の状態でどんな企業に応募できるか」を具体的に教えてもらえます。

採用のウラ側メモ

正直に言うと、未経験者の面接で資格もポートフォリオも何もない人は評価が難しいです。逆に、”資格はまだ取得中だけどポートフォリオは作ってきました”という人は、行動力を評価できるので印象が良いです。資格+αで差をつけることを意識してみてください。


まとめ|「受からない」を放置せず、人事の目線を知って対策しよう

今回は、ITパスポート・基本情報技術者に受からない人を人事がどう見ているか、採用側のホンネをお伝えしました。

この記事のポイントをまとめます。

この記事の要点
  • 人事は資格の合否そのものではなく、「ITへの本気度」「学習能力」「入社後のポテンシャル」を見ている
  • ITパスポート(合格率約50%)に受からないと、人事は「IT適性」に不安を感じてしまう
  • 基本情報技術者に受からないと、SIerの場合「上流工程を任せられるか」の判断に影響する
  • 面接では「何回も落ちた」ではなく「具体的な計画と改善策」を伝えるのが鉄則
  • 何回も受からない人は、まずヘルプデスクや運用系の仕事でITに慣れることを検討しよう
  • 一人で抱え込まず、エージェントや第三者と一緒に対策を立てることが大切

受からない=IT転職ができない」ではありません。

でも、「受からないまま何も対策しない」のは確実にリスクです。

この記事で知った人事の目線を活かして、「人事から見て応援したくなる候補者」を目指してみてください。

IT転職を効率的に進めたい方は、まずはIT業界に特化した転職エージェントに相談してみるのがおすすめです。自分の現在地と目指すべきゴールが明確になりますよ。


よくある質問(Q&A)

ITパスポートに落ちたら転職は無理ですか?

無理ではありません

ただし、IT業界を志望している場合は、受からないまま放置するのはリスクがあります。不合格でも「次回○月に再受験予定で、現在対策中です」と言えれば、面接での印象は大きく変わります。

基本情報技術者は未経験でも必要ですか?

SIerやコンサルなどの上流工程に挑戦したい場合は取得しておくことを強くお勧めします。

SIerでは入社後に取得を義務化している企業も多く、持っていないと書類選考で不利になる場合もあります。一方、Web系企業やスタートアップでは、基本情報よりもポートフォリオや実務スキルを重視する傾向があります。

資格勉強中でも面接でアピールできますか?

できます

むしろ、勉強中であることをアピールすべきです。ポイントは「具体的に伝える」こと。受験予定日、現在の正答率、勉強の方法など、計画的に取り組んでいることが伝われば好印象になります。

ITパスポートと基本情報、どちらを先に取るべき?

ITパスポートから取るのがお勧めです。

ITパスポートで学ぶ内容は基本情報の科目Aと重なる部分が多いため、ITパスポート→基本情報とステップアップすると効率的に学習できます。また、未経験者が「まずITパスポートを取った」というだけでも、人事には一定の好印象を与えられます。

何回も落ちていることは正直に言うべき?

自分から「何回も落ちた」と言う必要はありません

聞かれた場合も、回数ではなく「現在の取り組み」にフォーカスして答えましょう。「以前受験した際は不合格でしたが、苦手分野を分析して○月に再受験予定です」という伝え方であれば、回数に触れずに前向きな印象を残せます。

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