✅ 人事が本音で選んだ|IT転職エージェントおすすめ8選

【現役IT人事解説】リファレンスチェックとは?人事が実際に確認していること・していないこと

転職活動中にリファレンスチェックの話が出ると、不安になる方は多いのではないでしょうか。

この記事では、現役IT人事としてリファレンスチェックを実施してきた筆者が、採用する側のリアルな視点で解説します。

すけさん

先に言ってしまうと、リファレンスチェックは「落とすための審査」ではありません。 必要以上に怖がらなくて大丈夫です。

この記事で分かること
  • リファレンスチェックの仕組みと実施企業の割合
  • 人事が本当に重視している確認項目と、形式的に聞いているだけの質問
  • チェック結果で不採用になるケース・ならないケースの判断基準
  • リファレンスチェックを拒否した場合の影響
  • 推薦者の選び方と依頼のコツ
  • IT業界ならではのリファレンスチェック事情
  • 人事が感じているリファレンスチェックの課題と今後

目次

【結論】この記事の簡単なまとめ

リファレンスチェックは「落とすため」ではなく「確認するため」

リファレンスチェックの目的は、面接や書類ではわからない情報を補い、採用のミスマッチを防ぐことです。

すけさん

リファレンスチェックの段階まで進んでいるということは、企業はあなたを「採用したい」と思っているということです。普通に働いてきた方であれば心配する必要はありません。

人事が本当に重視しているポイントは3つだけ

  • 在籍事実と経歴に嘘がないか(職歴・役職・在籍期間の一致)
  • 面接での印象と、第三者から見た人物像に大きなギャップがないか
  • 一緒に働いた人が「また一緒に仕事をしたい」と思えるかどうか

この3つに問題がなければ、リファレンスチェックで不採用になることはまずありません。


リファレンスチェックとは?基本の仕組みを解説

リファレンスチェックの目的と流れ

リファレンスチェックとは

転職先の企業が採用候補者の前職(または現職)の上司や同僚に連絡を取り、勤務状況や人柄を確認するプロセスのこと

基本的な流れは以下の通りです。

  1. 企業から候補者にリファレンスチェックの実施を通知し、同意を得る
  2. 候補者が推薦者(リファレンス先)を2〜3名指定する
  3. 企業またはリファレンスチェックサービスが推薦者に連絡を取る
  4. 推薦者が質問に回答する(電話、オンラインフォーム、メールなど)
  5. 企業がレポートを受け取り、採用判断の参考にする

実施のタイミングは、最終面接の前後が一般的です。

エンワールドの調査では、最終面接後に実施する企業が62%と最も多い結果が出ています(エンワールド「中途採用における、リファレンスチェック実施状況調査」2021年)。

リファレンスチェックは必ず候補者の同意を得てから実施されます。

すけさん

無断で前職に連絡を取ることはありません。
無断で連絡を取れば求職者との信頼関係もなくなるため絶対に合意を取ってから連絡します。

バックグラウンドチェックとの違い

リファレンスチェックと混同されやすいのがバックグラウンドチェック(前職調査)です。

リファレンスチェック:

  • 目的:候補者の人柄や働きぶりを第三者の視点で確認する
  • 方法:候補者が指定した推薦者にヒアリング
  • 主な対象:勤務態度、スキル、チームでの協調性、人物像

バックグラウンドチェック:

  • 目的:経歴の事実確認やリスクチェック
  • 方法:第三者の調査機関に依頼
  • 主な対象:学歴・職歴の真偽、犯罪歴、反社会的勢力との関係

一般的なIT企業の中途採用ではリファレンスチェックが主流です。

実施する企業の割合|約半数の企業がすでに導入済み

マイナビ転職の調査によると、中途採用担当者858人のうち36.6%がリファレンスチェックを実施しているという結果が出ています(マイナビ転職 中途採用担当者調査)。

つまり、転職先の約3分の1はリファレンスチェックを行う可能性があるということです。もともとは外資系企業を中心でしたが、近年は日系のIT企業やベンチャー企業でも導入が増えています。

採用のウラ側メモ

リファレンスチェックを自社で直接行う企業もありますが、最近は専用のリファレンスチェックサービスを利用する企業が増えています。サービスを使うと、推薦者はオンラインフォームに回答する形式になるため、電話で長時間ヒアリングされるようなことは少なくなっています。


人事がリファレンスチェックで実際に確認していること

必ず確認する3つの項目(在籍事実・業務内容・勤務態度)

  • 在籍事実の確認
    「本当にその会社で、その期間、その役職で働いていたか」の確認です。職務経歴書に書かれた在籍期間や役職が、推薦者の回答と一致しているかを確認します。
  • 業務内容・実績の確認
    面接で語られたプロジェクト経験や成果が、実態と一致しているかの確認です。求めているのは「100%正確な一致」ではなく、大きな齟齬がないかどうかです。
  • 勤務態度・人物像の確認
    「チームでどんな役割を果たしていたか」「コミュニケーションのスタイルはどうだったか」「一緒に働きやすい人か」といった、面接だけでは見えにくい部分を確認します。

「聞くけど重視していない」形式的な質問

リファレンスチェックの質問項目には、正直あまり重視していない形式的な質問もあります。

たとえば、「○○さんの長所と短所を教えてください」という質問。推薦者は候補者が自分で選んだ人なので、当然ポジティブな回答をします。人事もそれを前提として聞いています。

また、「10点満点で評価すると何点ですか?」といった数値評価も、推薦者によって基準がバラバラなので、点数そのものよりも、その点数をつけた理由のほうを重視しています。

推薦者の回答が微妙だったとき人事はどう判断するか

推薦者の回答が全体的に歯切れが悪い場合、人事は「問題があるのでは」と考えるよりも、「推薦者との関係性がそこまで深くないのかもしれない」と判断することが多いです。

ただし、複数の推薦者から同じようなネガティブ評価が出た場合は、面接官にフィードバックして追加の確認を行うこともあります。

採用のウラ側メモ

リファレンスチェックで最も気になるのは、”回答内容”よりも”回答者を見つけられるかどうか”です。前の職場で推薦してくれる人が2人もいないということは、職場での人間関係に課題があった可能性を示唆します。逆に、推薦者がすぐに見つかり具体的なエピソードを話してくれる方は、それだけで好印象です。


リファレンスチェックの結果で不採用になるケース・ならないケース

内定取り消しにつながる”致命的な不一致”とは

以下のような致命的な不一致が発覚した場合は、採用見送りにつながることがあります。

  • 在籍期間や役職の明らかな詐称:3年在籍と書いていたが実際は1年だった
  • 退職理由の重大な虚偽:自己都合退職と申告していたが実際は懲戒解雇だった
  • 面接で語った実績の大幅な誇張:プロジェクトリーダーと言っていたがメンバーの一人だった

ただし、内定後にリファレンスチェックの結果だけを理由に内定を取り消すことは法的に問題があるため、多くの企業は内定を出す前にチェックを完了させるようにしています。

多少のネガティブ評価なら問題にならない理由

「細かいところにこだわりすぎる」「もう少しスピード感があると良い」といった指摘は、短所というよりも仕事のスタイルの特徴です。配属先を考える参考にはしますが、不採用の理由にはしません。

人事が見ているのは、「完璧な人か」ではなく、「この人が入ってきたときに、チームとしてうまく機能するか」です。

経歴詐称と”盛り”の境界線を人事はどう見ているか

問題にならない”盛り”の例:

  • プロジェクトでの貢献度を実態より少し強調した
  • 実際は3人チームだったが「小規模チームをリードした」と表現した

問題になる”詐称”の例:

  • 関わっていないプロジェクトに参加したと嘘をついた
  • 持っていない資格を持っていると申告した
  • 在籍していない期間を職歴に含めた
採用のウラ側メモ

リファレンスチェックで最も多いのは”問題なし“の結果です。候補者が心配するほどネガティブな情報が出てくるケースは稀です。普通に誠実に働いてきた方なら、安心してチェックを受けてください。


リファレンスチェックを拒否したらどうなるか

拒否は可能だが、企業の印象は確実に下がる

リファレンスチェックは候補者の同意がなければ実施できないため、法的には拒否することが可能です。ただし、拒否した場合の企業側の印象は良くありません。 「何か知られたくないことがあるのでは?」と疑念を持たれる可能性があります。

現職にバレたくない場合の対処法

  • 前職の上司・同僚に依頼する:現職ではなく、1つ前の職場の方にお願いする
  • 転職先の企業に事情を説明する:「現職には退職の意思をまだ伝えていない」と正直に伝える
  • 退職後にリファレンスチェックを実施してもらう:内定承諾後、退職してからチェックを受ける形に調整する

推薦者が見つからないときにできること

人事としてリファレンスチェックを実施していて感じるのは、推薦者が見つからないことを理由にチェックを嫌がる方が一定数いるということです。

すけさん

そもそも求職者からしたら良い制度ではないですよね。エージェント経由だとリファレンスチェックがあるので応募辞めました。という人も一定数います。。

「前の職場で書いてくれる人が2人もいない」「マズイ辞め方をして頼める人がいない」——こうした事情がある方は、以下を検討してみてください。

  • 別の職場(さらに前の職場)の関係者にお願いする
  • 社外の取引先やプロジェクトメンバーにお願いする
  • 転職エージェントに相談する(企業側に事情を伝え、代替案を交渉してくれることがある)
採用のウラ側メモ

推薦者が見つからないこと自体は即不採用にはなりません。ただ、”なぜ見つからないのか”の理由は気になります。円満に退職していれば元上司や元同僚に一声かけるだけで済む話なので。だからこそ、円満退社は次の転職にも影響するのです。


推薦者の選び方と依頼のコツ|人事目線のアドバイス

誰に頼むのがベストか(上司・同僚・取引先)

  • 直属の上司(最も評価される)
    業務内容や成果を最もよく知っている人。人事にとって最も信頼性の高い情報源です。
  • 同じチームの同僚・先輩
    チームでの協調性やコミュニケーションスタイルについてリアルな情報を持っています。
  • 取引先やプロジェクトメンバー(社外)
    現職・前職の関係者に頼めない場合の選択肢。ただし情報の深さは限られます。

避けたほうがいい推薦者:

  • あなたのことをよく知らない人
  • 退職時にトラブルがあった相手
  • プライベートの友人(業務上の関係がない人)

推薦者にお願いするときの伝え方

推薦者にお願いする際は、以下を伝えましょう。

  • なぜリファレンスチェックが必要なのか
  • どんな形式で回答するのか(オンラインフォーム、電話など)
  • 所要時間の目安(サービス利用の場合15〜30分程度)
  • あなたが応募しているポジションの概要

事前に「こういう質問が来ると思います」と伝えておくのはマナー違反ではありません。推薦者が答えやすいように情報を共有しておくことは、むしろ推奨されます。

円満退社がリファレンスチェックを有利にする理由

リファレンスチェックで良い結果を得るための最大の準備は、日頃から良い人間関係を築いておくことです。

引き継ぎをしっかり行い、感謝を伝えて円満に退職した方は、推薦者への依頼もスムーズに進みます。

採用のウラ側メモ

推薦者への依頼は、退職直後よりも少し時間が経ってからのほうがスムーズなこともあります。退職直後は引き継ぎの負担で余裕がないことが多いので、転職活動が本格化するタイミングで改めて連絡を取ると快く引き受けてもらいやすいです。


IT業界ならではのリファレンスチェック事情

SES・客先常駐のリファレンスは誰に聞く?

SESや客先常駐の場合、「直属の上司」が自社側と客先側で複数存在することがあります。推薦者としては自社の上司に依頼するのが基本です。客先の方は守秘義務などの関係で回答が難しいケースがあるためです。

ただし、長期プロジェクトで客先の方と深い信頼関係がある場合は、客先の方にお願いすることも選択肢のひとつです。

IT業界の転職頻度とリファレンスの関係

転職回数が多い場合、リファレンスチェックでは直近1〜2社の推薦者に依頼するのが一般的です。5社前の上司に連絡を取る必要はありません。

ただし、直近の在籍期間が短い場合(1年未満など)は、その前の会社の推薦者も追加で求められることがあります。どの会社を辞めるときも円満にを心がけることが大切です。

エンジニアのスキル確認は面接とリファレンスのどちらを重視するか

エンジニアの採用において、技術スキルの評価はリファレンスチェックよりも面接(技術面接・コーディングテスト)で行うのが一般的です。

リファレンスチェックで確認するのは、技術力そのものよりも、「チームでどう働いていたか」「納期に対する責任感はあったか」「問題が起きたときの対応はどうだったか」といったソフトスキルの部分です。

採用のウラ側メモ

IT業界は本当に狭い世界です。前職の同僚が転職先のクライアントになるケースは日常的にあります。リファレンスチェックを依頼しなくても、”あの人、前の会社ではどうだった?”と非公式に聞かれることもあるのが実情です。


まとめ|リファレンスチェックは”怖いもの”ではない

リファレンスチェックは本来「怖いもの」ではありません。普通に誠実に働いてきた方であれば、心配する必要はほとんどありません。

ただし、人事として正直に感じているのは、現状のリファレンスチェックの仕組みは、求職者にとっての体験が良くないということです。

「前の職場に連絡を取られるのが怖い」「推薦者を探すのが負担」「転職するたびに同じことを一からやり直さなければならない」——こうした声は、候補者の方々からよく聞きます。

たとえば、推薦者にフィーを支払う仕組みや、一度受けたリファレンスチェックの結果をすべての企業で使いまわせる仕組みが整えば、求職者の負担は大幅に減るはずです。

リファレンスチェックの本来の目的は「お互いのミスマッチを防ぐこと」なので、求職者にとってもメリットのある形に進化していくべきだと考えています。

転職活動全般に不安がある方は、転職エージェントに相談してみてください。リファレンスチェックの対応についてもアドバイスをもらえます。


よくある質問(Q&A)

リファレンスチェックはいつ実施される?

企業によって異なりますが、最終面接の前後に実施されるケースが最も多いです。エンワールドの調査では62%の企業が最終面接後に実施しています。事前に企業側からスケジュールの説明があるので、急に実施されることはありません。

転職エージェント経由の場合、エージェントが間に入ってくれる?

エージェント経由の場合、推薦者探しのアドバイスや、企業との調整はエージェントがサポートしてくれることが多いです。リファレンスチェックを拒否したい場合の交渉もエージェントに任せることができます。ただし、チェック自体の回答は推薦者本人が行うため、エージェントが代わりに回答することはありません。

リファレンスチェックで前職に転職活動がバレることはある?

候補者の同意なく、現職に連絡を取ることはありません

推薦者も候補者自身が指定するため、現職の方を指定しなければバレることはありません。現職にバレたくない場合は、前職の方を推薦者として指定するか、企業に事情を説明して対応を相談しましょう。

目次