転職先から内定をもらい、いよいよ退職を伝えるとき。「いつ、誰に、どう伝えればいいんだろう?」「引き留められたらどうしよう……」と悩む方は多いのではないでしょうか。
実は、退職の伝え方ひとつで、あなたの次のキャリアに大きな影響が出ることがあります。
退職を受ける側の人事が、社内でどう動いているのか。引き留めをするかしないかをどう判断しているのか。こうした情報はほとんど世の中に出ていません。
この記事では、現役IT人事として数多くの退職者の対応をしてきた筆者が、採用する側の立場から「退職の伝え方」と「円満退社のコツ」を解説します。
- 退職を伝えた後、人事が社内でどう動くのか(内部フローの全容)
- 人事がカウンターオファー(引き留め条件)を出すかどうかの判断基準
- IT業界ならではの退職タイミングの注意点
- 引き留めにあったときの具体的な対処法
- 退職面談で人事が本当に聞きたいこと
- リファレンスチェックと円満退社の関係
- 人事が「また一緒に働きたい」と思う辞め方の共通点
【結論】この記事の簡単なまとめ

退職を考えている方は、最低限この内容を押さえておいてください。
退職の伝え方で転職後のキャリアが変わる
退職は「今の会社を辞める」だけのイベントではありません。
辞め方そのものが、あなたの次のキャリアに影響を与えます。
すけさんIT業界は思っている以上に狭い世界です。
前職の上司や同僚と、転職先で取引関係になることも珍しくありません。また、最近はリファレンスチェック(前職への問い合わせ)を実施する企業も増えています。
つまり、「この会社にはもう関係ない」と思って雑に辞めると、それが次の転職で足を引っ張る可能性があるのです。
人事が「この人の辞め方は良かった」と思う3つの共通点
これまで多くの退職者の対応をしてきた中で、「この人はしっかりしているな」と感じた方には共通点がありました。
- 退職の意思を明確に、かつ誠実に伝えている(「相談」ではなく「報告」として伝える)
- 引き継ぎを計画的に行い、後任者が困らないように準備している
- 最後まで不満を口にせず、感謝を伝えて去っている
逆に、最終日に会社への不満をぶちまけて辞めていく方もいますが、正直に言うと「この人とまた一緒に仕事をしたい」とは思いません。
退職を伝える前に知っておくべきこと|人事の裏側


退職を伝える前に、「退職を受けた側がどう動くのか」を知っておくと、伝え方や準備の仕方が変わります。ここでは、人事の裏側をお話しします。
退職の申し出を受けた人事は社内でどう動くのか
社員から退職の意思表示があったとき、人事の動きはおおよそ以下の流れです。
- 直属の上司から人事に報告が入る(上司が最初に知るのが通常のフロー)
- 人事が退職日、引き継ぎスケジュール、有給消化の調整を開始する
- 必要に応じて上層部に報告し、後任のアサインや採用計画を立てる
- 退職面談を実施し、退職理由のヒアリングと手続きの説明を行う
退職の申し出が入った瞬間から、人事はすでに「後任をどうするか」を考え始めているということです。
だからこそ、退職日があまりに直近(「2週間後に辞めます」など)だと、後任のアサインが間に合わず、現場に大きな負担がかかります。
人事がカウンターオファーを出すかどうかの判断基準


退職を申し出たら必ず引き留められるかというと、実はそうではありません。
人事がカウンターオファー(条件提示による引き留め)を出すかどうかには、明確な判断基準があります。
カウンターオファーを検討するケース:
- 社内で「優秀社員」と定義されている人材の場合
- 30代中盤以降で、代替が効きにくいスキルやポジションの場合
- 退職理由が待遇や勤務条件に起因しており、調整の余地がある場合
カウンターオファーを出しにくいケース:
- 若手社員の場合、給与額の調整幅が限られるため、大幅な昇給は難しい(あっても次年度の評価を上げて対応できるか相談するくらい)
- 退職の意思が非常に固く、すでに転職先が決まっている場合
- 退職理由が「人間関係」や「仕事内容への根本的な不満」の場合
カウンターオファーの内容としては、給与だけでなく、勤務地の変更、部署異動、時短勤務への切り替えなども検討されることがあります。
ただし、これはあくまで自社にとって替えが効かない人材に対してであり、全員に出すわけではありません。
「相談」と「報告」では人事の対応がまったく違う
退職を切り出すときに最も重要なのは、
「相談」なのか「報告」なのかを明確にすることです。
「実は退職を考えていまして……」という曖昧な切り出し方をすると、上司や人事は「まだ迷っているのでは?」と判断し、引き留めモードに入ります。その結果、退職交渉が長引き、転職先の入社日に間に合わなくなるリスクがあります。
退職の意思が固まっているなら、「○月○日をもって退職させていただきたいと考えています」と、期日を明確にして「報告」として伝えましょう。
人事として正直に言うと、退職を”相談”で持ちかけてくる方には引き留めを試みます。でも”報告”として伝えてくる方には、速やかに手続きに入ります。退職の意思が固いなら、最初から報告として伝えたほうが、お互いにとって時間を無駄にしません。
退職を伝えるタイミングと順番|IT業界ならではの注意点


就業規則と民法のルール|最低何ヶ月前に伝えるべきか
法律上は、民法第627条により、退職の申し出から2週間で退職が可能です。
ただし、これはあくまで法的な最低ラインであり、円満退社を目指すなら就業規則に従うのが基本です。
多くの企業では、退職の1〜2ヶ月前までに申し出ることを就業規則で定めています。引き継ぎの期間や後任の手配を考えると、理想的には退職希望日の2ヶ月前に伝えるのがベストです。



有給が沢山ある場合はそれに応じてもう少し早めに伝えるのがおすすめです。
有給が40日余っていて2ヶ月前に行ったら有給消化しきれないですからね。
退職を伝える順番は以下の通りです。
- 直属の上司(最初に伝える。これが鉄則)
- 上司経由で人事部に連絡が入る
- 退職日が確定してから同僚や取引先に伝える(上司の指示に従う)
直属の上司を飛び越えて先に同僚に話したり、SNSで匂わせたりするのは絶対にNGです。
上司の管理能力が問われることになり、退職交渉がこじれる原因になります。
プロジェクト途中の退職はどこまで許されるか
IT業界で特に悩ましいのが、プロジェクトの途中で退職することです。
プロジェクト途中の退職は法的には問題ありません。 しかし、現場への影響は非常に大きいです。
プロジェクトメンバーが1人抜けると、残りのメンバーで「誰をどんなふうにアサインし直すか」を調整しなければなりません。特に退職が直近すぎる場合(2週間後に退職など)は、この調整が非常に困難になります。
可能であれば、プロジェクトの区切りの良いタイミング(フェーズの完了、リリース後など)を退職日に設定するのが理想です。
それが難しい場合でも、担当部分の引き継ぎ資料をしっかり作成し、後任者がスムーズに入れるようにしておくだけで、現場の印象は大きく変わります。
内定承諾後、退職を伝えるまでの理想的なスケジュール
転職先から内定をもらった後の流れは、以下のスケジュールが理想的です。
- 内定承諾:転職先と入社日を確定する
- 翌日〜1週間以内:直属の上司に退職の意思を伝える
- 上司との面談後:人事と退職日・引き継ぎスケジュールを調整
- 退職日確定後:同僚や取引先への挨拶(上司と相談のうえ)
- 最終出社日まで:引き継ぎを完了させる
- 有給消化:最終出社日〜退職日
内定を承諾してから退職を伝えるまでに時間を空けすぎると、転職先の入社日に間に合わなくなるリスクがあります。内定承諾後はできるだけ早く動くのが鉄則です。
退職を申し出てから退職日が確定するまでのやり取りは、1週間・2回程度の面談で終わらせるのが理想です。調整が長引くと、引き継ぎ期間が短くなったり、転職先の入社日に間に合わなくなるリスクがあります。ダラダラ交渉しないことが、円満退社の第一歩です。
退職理由の伝え方|人事が納得する理由・困る理由


エン・ジャパンの調査によると、退職者の54%が会社に本当の退職理由を伝えていないというデータがあります(エン・ジャパン「本当の退職理由」調査、2024年)。つまり、半数以上の人が「建前の理由」で退職しているということです。
では、どのように伝えるのが正解なのでしょうか。
引き留めにくい退職理由の特徴
人事の立場から見て、引き留めが難しいと感じる退職理由にはパターンがあります。
- 「現職では実現できないキャリアチェンジ」:異業種への転職、まったく違う職種への挑戦など、今の会社では対応しようがない理由
- 「すでに転職先が決まっている」という事実:内定承諾済みであれば、引き留めの余地がほとんどない
- 「家庭の事情」:介護、配偶者の転勤、育児など、会社では調整できない事情



逆に、「給与が低い」「人間関係が悪い」などの理由は、会社側が「改善するから残ってほしい」と交渉材料にしやすいため、引き留めが長期化する原因になります。
本音と建前の使い分け|どこまで正直に話すべきか
退職理由は、嘘をつく必要はありませんが、全てを正直に話す必要もありません。
たとえば、本音が「上司と合わない」だったとしても、「新しい環境で自分のスキルを試したい」と言い換えることで、嘘をつかずにポジティブな印象を残せます。
大切なのは、会社や同僚の批判を理由にしないことです。
ネガティブな理由を伝えると、引き留めの材料にされるだけでなく、最後の印象が悪くなり、退職後の人間関係にも影響します。
転職先の企業名は言わない方がいい理由
退職を伝えると、「次はどこに行くの?」と聞かれることがほとんどです。
しかし、転職先の企業名は聞かれるまで言わない、聞かれても可能な限り伏せるのがおすすめです。
理由は2つあります。
- 同業他社の場合、「裏切り者」と受け取られるリスクがある:
IT業界は取引関係が複雑なので、思わぬところで関係がこじれることがあります - 転職先のネガティブな情報を聞かされる可能性がある:
「あの会社はやめたほうがいい」と言われると、せっかくの決断がぐらつきます



聞かれた場合は、「IT関連の会社です」「○○の分野の企業です」程度にとどめておくのが無難です。
人事として退職面談をするとき、転職先を聞くのは”引き留めの材料にするため”ではなく、退職後の競業避止義務の確認や、業界動向の把握が目的であることが多いです。ただ、無理に聞き出そうとすることはありませんので、言いたくなければ言わなくて大丈夫です。
引き留めにあったときの対処法|人事が教えるかわし方
引き留めパターン別の対応(昇給提示・異動提案・情に訴える)



退職を伝えると、会社から引き留めを受けることがあります。よくあるパターンとその対応方法を整理します。
パターン①:昇給・待遇改善の提示 「給料を上げるから残ってほしい」「来期の評価を上げるよう調整する」
→ 給与以外にも転職したい理由があるなら、「ありがたいお話ですが、待遇面だけの問題ではなく、キャリアの方向性として決断しました」と伝えましょう。給与を理由に残ると、周囲との軋轢が生じるリスクもあります。
パターン②:部署異動・配置転換の提案 「別のプロジェクトに移れるよう調整する」「希望の部署に異動させる」
→ 異動すれば解決する問題なのかを冷静に判断してください。ただし、一度退職を申し出た後に異動で残ると、「いつでも辞める人」というレッテルを貼られるリスクがあることも忘れないでください。
パターン③:情に訴える 「君がいなくなったらチームが回らない」「ここまで育てたのに……」
→ 感謝の気持ちは伝えつつ、「だからこそ引き継ぎはしっかり行います」と建設的な方向に話を持っていくのがベストです。感情的になって罪悪感で残るのは、お互いにとって良い結果になりません。
引き留めに応じて残った人はその後どうなるか
人事としてこれまで見てきた中でも、引き留めに応じて残った方が結局後から辞めるケースは半分くらいある印象です。
引き留めが成功しても、退職を検討した根本的な原因が解消されなければ、同じ悩みが再び訪れます。
さらに、「一度辞めようとした人」という見方をされることで、昇進や重要プロジェクトのアサインに影響が出るケースも実際にあります。



人事や経営層は本人には伝えませんが、「一度辞めようとした人」というレッテルが貼られた人は昇進しづらくなります。
引き留めに応じるかどうかは慎重に判断しましょう。退職の意思が固いなら、「すでに転職先に入社承諾書を提出しています」と伝えるのが、最も効果的な断り方です。
人事の本音を言うと、引き留めに応じて残った方で”残って良かった”と心から思っている方は少ない印象です。引き留め条件として提示された昇給や異動が、約束通り実現されないケースもあります。残る場合は、口約束ではなく書面で条件を確認することをおすすめします。
退職面談で人事が本当に聞きたいこと


退職面談は何のために行われるのか
多くの企業では、退職が決まった社員に対して人事が「退職面談」を実施します。この面談には、大きく2つの目的があります。
- 退職に伴う手続きの説明
退職届の提出方法、社会保険や年金の切り替え、有給休暇の消化、貸与物の返却など、事務的な手続きを説明します。これが面談の前半部分です。 - 退職理由のヒアリング
手続きの話が終わった後、問題なく退職される方(円満なケース)であれば、後半で「なぜ退職するのか」をヒアリングします。ただし、これは引き留めのためではなく、組織改善のためのデータ収集が主な目的です。
人事が退職面談で得た情報をどう使っているか
退職面談で得た情報は、以下のように活用されています。
- 同じ理由で退職する人が続く場合、組織や制度の改善に反映する
- 次の採用で求める人材像の条件に反映する(「この環境に合う人はどういう人か」を見直す)
- マネジメント層へのフィードバック(特定の上司の下から退職者が続く場合など)
つまり、退職面談であなたが話した内容は、会社をより良くするための材料として使われるのです。
だからこそ、建設的な意見であれば伝えて損はありません。
答えなくていいこと・答えたほうがいいこと
答えなくていいこと:
- 転職先の企業名
- 転職先の年収
- 同僚への個人的な不満
答えたほうがいいこと:
- 退職を考え始めたきっかけ(制度面や環境面の改善につながる情報)
- 今の会社で良かったと思う点(人事はポジティブなフィードバックも求めている)
- 引き継ぎに関する懸念事項
退職面談では、退職する方の本音を引き出そうとは思っていません。もちろん聞ける範囲で聞きますが、無理に聞き出すことはしません。ただ、改善につながる意見を冷静に伝えてくださる方には、人事として感謝しています。それが後に残る社員のためになるので。
辞め方が次の転職に影響する理由|リファレンスチェックと業界の狭さ


リファレンスチェックとは?転職先が前職に確認すること
最近、IT業界を中心にリファレンスチェック(前職への問い合わせ)を実施する企業が増えています。
転職先の企業が採用候補者の前職の上司や同僚に連絡を取り、勤務態度、業務実績、人柄などを確認するプロセスです。
具体的に確認される内容は以下のようなものです。
- 在職期間は履歴書の記載と一致しているか
- 担当していた業務内容やポジションは本人の申告通りか
- チームでの協調性やコミュニケーション能力はどうだったか
- 退職の経緯に問題はなかったか
円満退社がリファレンスチェックの結果を左右する
ここで重要なのは、退職時の印象がリファレンスチェックの回答に直接影響するということです。
引き継ぎをしっかり行い、感謝を伝えて円満に退職した方については、前職の上司も好意的な回答をしてくれるでしょう。
一方、突然辞めたり、最後に不満をぶちまけて去ったりした方に対しては、積極的に推薦しにくいのが正直なところです。
リファレンスチェックを実施するかどうかは転職先の企業次第ですが、「実施される可能性がある」と思って退職を進めるのが安全です。
IT業界は狭い|辞め方の評判は意外なところで回る
IT業界は、特にSIerやSES業界では会社間の人の行き来が非常に多いです。前職の同僚が転職先のクライアントになったり、勉強会やカンファレンスで再会したりすることは日常的にあります。
また、転職エージェント経由で情報が伝わるケースもあります。
エージェントは企業の人事と密にやり取りをしているため、「あの方の退職の仕方はちょっと……」という情報が間接的に伝わることがないとは言い切れません。
だからこそ、IT業界で長くキャリアを築いていくなら、辞め方にも気を配ることが大切です。


リファレンスチェックを実施する企業は年々増えています。特に外資系企業やベンチャー企業では一般的になりつつあります。転職先がリファレンスチェックを実施するかどうかは、内定承諾前に確認しておくのがおすすめです。
引き継ぎと最終出社日までの過ごし方
人事が「しっかりした引き継ぎ」と評価する具体的な行動
引き継ぎは「やった」だけでは不十分です。人事が「この方の引き継ぎはしっかりしていた」と感じるのは、以下のような行動です。
- 引き継ぎ資料を文書化している:口頭だけでなく、手順書やマニュアルを作成して後任者に渡す
- 担当業務のリストを一覧化している:進行中の案件、定期業務、関係者の連絡先などを整理する
- 後任者と一緒に業務を行う期間を設けている:可能であれば1〜2週間は並走する
- 取引先への挨拶を後任者と一緒に行っている:対面またはオンラインで顔合わせを済ませる
引き継ぎの目安期間は2〜3週間です。退職日から逆算して、引き継ぎのスケジュールを事前に組んでおきましょう。
有給消化のタイミングと注意点
有給休暇の消化は労働者の権利ですので、遠慮する必要はありません。ただし、引き継ぎが完了してから有給消化に入るのがマナーです。
注意点として、有給消化中はまだ在籍中です。転職先で働くことはできませんので、入社日と退職日が重ならないようにスケジュールを調整しましょう。
有給残日数は、人事に直接聞くと退職を察知される可能性があるため、給与明細や勤怠システムで自分で確認するのがおすすめです。
最後に不満をぶつけて辞めるのが損な理由
退職が決まると、これまで我慢してきた不満が一気に溢れ出ることがあります。「もう辞めるんだから言ってやろう」という気持ちになる方もいるかもしれません。
しかし、人事の経験から言うと、最後に不満をぶつけて辞めていく方の多くは、その不満の原因がご自身の能力不足や環境への適応の問題であることが多いです。
もちろん、会社側に問題があるケースもありますが、感情的にぶつけても何も変わりません。
むしろ、最後まで誠実に対応して辞めた方は、「またこの人と一緒に仕事がしたい」と思えます。 IT業界では出戻り採用(一度辞めた会社に再入社すること)も増えていますので、きれいな辞め方をしておくに越したことはありません。


退職日が近づくと、急に仕事へのモチベーションが下がる方がいます。気持ちはわかりますが、最後まできちんと業務をこなしている方と、”もう関係ない”という態度が出ている方では、送り出すときの印象がまったく違います。最終日まであなたはその会社の社員です。
まとめ|人事から見た「また一緒に働きたい」と思える辞め方
ここまで、退職の伝え方から円満退社のコツ、リファレンスチェックの影響まで解説してきました。
退職は転職活動の「最後のステップ」であり、次のキャリアの「最初のステップ」でもあります。
現役IT人事として多くの退職者を見てきた中で感じるのは、辞め方に人柄が出るということです。
円満に退職する人に共通しているのは、特別なテクニックを使っているわけではなく、「相手への配慮を忘れない」というシンプルなことです。
退職の意思を明確に伝え、引き継ぎをしっかり行い、感謝を伝えて去る。これだけで、あなたの「辞め方の印象」は大きく変わります。
転職先での新しいキャリアを気持ちよくスタートさせるためにも、最後まで誠実な対応を心がけてください。



退職後の転職活動に不安がある方は、転職エージェントに相談するのもおすすめです。エージェントは退職交渉のアドバイスもしてくれるので、一人で抱え込まずにプロの力を借りましょう。




よくある質問(Q&A)
- 退職届と退職願の違いは?どちらを出せばいい?
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退職届は「○月○日に退職します」という一方的な意思表示の書類で、提出後は原則撤回できません。退職願は「退職したい」という意思を伝える書類で、会社側の承認が必要です。
一般的な流れとしては、まず退職願を提出し、上司・人事との調整で退職日が確定した後に正式な退職届を提出します。ただし、会社によって手続きが異なるため、就業規則を事前に確認するのが確実です。
いずれの場合も、退職理由は「一身上の都合により」と記載するのが基本です。
- 上司が退職を受理してくれない場合はどうすればいい?
-
まずは粘り強く、明確な退職の意思を伝え続けましょう。それでも取り合ってもらえない場合は、上司のさらに上の上司や人事部に直接相談するのが次のステップです。
それでも退職が認められない場合は、内容証明郵便で退職届を送付するという方法があります。民法第627条により、退職届の提出から2週間で法的に退職が成立します。
ただし、ここまでこじれると円満退社は難しくなります。可能な限り、対話で解決することを目指しましょう。転職エージェントを利用している場合は、退職交渉のアドバイスをもらえることもあります。
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-
退職を伝えた後も、最終出社日までは今まで通り業務に取り組むのが一番です。
変に気を遣って距離を置くよりも、普段通りのコミュニケーションを心がけたほうが、お互いに気持ちよく過ごせます。
また、引き継ぎに積極的に取り組んでいる姿勢を見せることで、「辞めるけど最後までちゃんとやってくれている」という安心感を周囲に与えることができます。
退職日が近づいたら、お世話になった方々に一人ひとり感謝を伝えましょう。メールでも構いませんが、直接伝えられる方にはできるだけ対面で伝えるのがおすすめです。

