【現役人事が本音で解説】退職理由・転職理由の面接での伝え方|NG例・OK例文つき

転職理由、どう伝えればいいんだろう……

面接対策の中でも、退職理由の伝え方に悩む方はとても多いです。

ネットで調べると「ポジティブに言い換えましょう」というアドバイスはたくさん出てきますが、じゃあ具体的にどう言えばいいの?という部分は意外と曖昧だったりしますよね。

ここで最初にお伝えしておきたい事実があります。

面接官は、退職理由の”本音”を言ってもらえるとは思っていません

300件以上の面接を担当してきた現役人事の立場から言うと、これは面接官の間ではほぼ共通認識です。本音を言ってくれるとは思っていない。でも、必ず聞く。

なぜなら、退職理由の「内容」そのものよりも、その伝え方から見えるものがあるからです。

この記事では、面接官が退職理由で本当に見ているポイントと、よくある5パターンのNG例・OK例文を人事のリアルな視点で解説します。

この記事で分かること
  • 面接官が退職理由を聞いて本当に確認していること
  • 退職理由をネガティブ→ポジティブに変換する3ステップ
  • よくある退職理由5パターンのNG例・OK例文
  • 人事が「この人はアウトだな」と感じる一発NGポイント
  • 退職理由の伝え方に自信がないときの対処法

目次

面接官が退職理由で確認している3つのこと

「退職理由を聞かれるのは、転職回数が多い人だけでしょ?」

そう思っている方もいるかもしれませんが、退職理由は全員に聞きます。転職回数が少なくても、経歴がきれいでも、必ず確認するポイントです。

では、面接官は退職理由から何を確認しているのか。大きく分けて3つあります。

自社に入ってすぐ辞めないかの確認

面接官が一番気にしているのはここです。

退職理由を聞いて、「それ、うちの会社でも起こり得るな」と感じたら、その時点でかなり慎重になります。

たとえば「残業が多かった」が退職理由だとして、応募先の会社もそれなりに忙しい時期がある場合、面接官は「うちに来ても同じ理由で辞めるのでは?」と不安を感じます。

だからこそ、退職理由は応募先で解決できる内容になっている必要があるんです。

不満に対して自分で改善行動を取れる人かの確認

面接官は退職理由を聞きながら、もうひとつ重要なことを確認しています。

それは、「この人は不満があったとき、自分で何とかしようとした人なのか」ということです。

どんな職場にも不満はあります。完璧な会社なんてありません。だからこそ、不満があったときに「自分なりに改善しようとしたけど、構造的に変えられなかった」と伝えられる人は、面接官に安心感を与えます。

逆に、不満をそのまま並べるだけだと、「この人はうちに来ても、何かあったらすぐ辞めるんだろうな」と思われてしまいます。

転職回数が多い・短期離職がある場合はさらに慎重に見る

転職回数が多かったり、1年未満で退職した経歴がある場合、面接官は退職理由をより深く確認します。

ただし、ここで大事なのは「転職回数が多い=不合格」ではないということです。

面接官が気にしているのは回数そのものではなく、毎回同じような理由で辞めていないか。人間関係で退職→人間関係で退職→また人間関係……というパターンだと、「環境が変わっても繰り返す人だ」と判断されやすくなります。

逆に、それぞれの転職に一貫したキャリアの方向性があれば、転職回数が多くても納得感があるので問題になりにくいです。

すけさん

書類選考を通過している時点で、たとえ転職回数が多かったり、1年未満の短期離職があったとしても、それを上回るポジティブな要素があると判断されています。

採用のウラ側メモ

正直なところ、面接官は退職理由の本音を言ってもらえるとは思っていません。だからこそ見ているのは”内容”よりも”伝え方”。不満を他人のせいにしないか、改善しようとしたか、その姿勢が合否を分けます。


退職理由を面接用に変換する3ステップ

「ポジティブに言い換えましょう」と言われても、具体的にどうすればいいかわからないですよね。

すけさん

ここでは、どんな退職理由でも面接用に変換できる3ステップを紹介します。この型さえ覚えておけば、自分の状況に合わせて応用が効きます。

ステップ①|本音の不満を正直に書き出す

まずは、本音の退職理由を正直に書き出してください。きれいに整える必要はありません。

  • 上司と合わない
  • 給料が安い
  • 残業が多すぎる
  • 仕事がつまらない
  • 評価されていない

このまま面接で言ったらNGですが、出発点は本音でOKです。ここを曖昧にすると、後のステップが上手くいきません。

ステップ②|その不満がどうなれば解決するかを考える

次に、書き出した不満を「どうなれば解決するか?」に置き換えます。

  • 上司と合わない → チームで協力して成果を出せる環境
  • 給料が安い → 成果が正当に評価される環境
  • 残業が多すぎる → 効率的に働ける環境
  • 仕事がつまらない → 新しいスキルを身につけられる環境
  • 評価されていない → 実力を正当に評価してもらえる環境

ここで大事なのは、不満を「過去」ではなく「未来」に置き換えることです。

〇〇が嫌だった」ではなく、「〇〇な環境で働きたい」に変換するだけで、同じ内容でも印象がまったく変わります。

ステップ③|解決後の理想の状態を志望動機につなげる

最後に、ステップ②で出した「理想の環境」を、志望動機とつなげます

〇〇な環境で働きたい → 御社なら〇〇だから実現できると考えた

この流れが作れると、退職理由と志望動機に一貫性が生まれます。面接官が一番納得しやすいのは、この「不満 → 解決策 → 御社ならできる」の流れです。

ここで重要なポイントが3つあります。

1つ目は、退職理由はシンプルに伝えること。

退職理由を詳しく話しすぎると、面接官に深掘りされてボロが出ます。「要点だけ端的に→志望動機へ接続」が鉄板です。面接は1つの質問に対して30秒〜1分程度で答えるのが理想なので、退職理由もそのくらいの長さに収めてください。

2つ目は、「他責」に聞こえたらほぼアウトだということ。

面接官が退職理由を聞いて一番マイナスに感じるのは、「この人は全部人のせいにしているな」という印象です。上司が悪い、会社が悪い、環境が悪い……事実はそうだったとしても、伝え方が他責に聞こえた時点で評価は大きく下がります。

3つ目は、自分で改善しようとした事実を添えること。

面接官も本当の退職理由を言ってくれるとは思っていません。だからこそ重要になるのは、「理由がなんであれ、自分で改善しようとしたか」という部分です。「自分なりに〇〇を試みたが、構造的に変えられなかった」と一言添えるだけで、印象は大きく変わります。

採用のウラ側メモ

退職理由は長く話すほど不利になります。なぜなら話が長いと面接官は”この部分をもう少し詳しく“と深掘りしたくなるから。深掘りされるとボロが出やすい。シンプルに、30秒〜1分で伝えきるのが最強です。


【NG例・OK例文つき】よくある退職理由の伝え方5パターン

ここからは、IT転職でよくある退職理由5パターンについて、NG例文とOK例文をセットで紹介します。

すけさん

各パターンとも先ほどの3ステップ(不満 → 解決策 → 志望動機接続)で変換した例を載せていますので、自分の状況に近いものを参考にしてみてください。

①人間関係が悪い・上司と合わない

本音の不満: 上司と合わない、チームの雰囲気が悪い、パワハラ気味の指導がある

【NG例文】

「前職の上司は自分の意見を聞いてくれない方で、チーム内の雰囲気も悪く、毎日ストレスを感じていました。もっと穏やかな環境で働きたいと思い、転職を決意しました。」

人事にはこう見えています

人間関係が理由で辞める人は、うちでも同じことが起きる可能性が高い

すけさん

人間関係の退職理由は、面接で最もリスクが高いテーマです。どんな職場にも合わない人はいるので、「人間関係が悪かった」と言った時点で、「この人はどこに行っても同じなのでは」と思われやすいんです。

【OK例文】

「前職ではチームのメンバーがそれぞれ個人で動く体制だったため、周囲と連携しながら成果を出す経験が積みにくい環境でした。自分なりにチーム内での情報共有を提案しましたが、組織の方針として個人成果を重視する体制が根付いており、大きな変化には至りませんでした。今後はチームで協力しながらプロジェクトを進められる環境で力を発揮したいと考え、転職を決意しました。」

「上司が嫌い」「雰囲気が悪い」ではなく、「働き方・体制の違い」に変換しています。感情の問題ではなく、構造の問題として伝えるのがコツです。

採用のウラ側メモ

人間関係が退職理由の場合、そのまま伝えるのはリスクが高すぎます。面接官は”うちでも同じことが起きそう”と反射的に感じます。”人間関係”という言葉は使わず、”チームの体制”や”仕事の進め方”に置き換えましょう。

②給与が低い・昇給しない

本音の不満: 頑張っても給料が上がらない、年功序列で成果が反映されない

【NG例文】

「前職では5年間勤務しましたが、ほとんど昇給がありませんでした。同年代の友人と比べても明らかに低く、このまま続けても将来が不安だと感じたため転職を考えました。」

人事にはこう見えています

給料の話をメインにする人は、もっと高い給料の会社があればすぐそっちに行きそう

すけさん

給与が退職理由であること自体は面接官も理解しています。ただ、それだけが理由だと「条件次第で簡単に辞める人」と映ります。

【OK例文】

「前職では年功序列の評価制度が基本で、成果を上げても評価に反映される仕組みがありませんでした。上長に評価制度の見直しを相談したこともありますが、会社全体の方針として変更は難しいとのことでした。今後は自分の成果やスキルアップが正当に評価される環境で、モチベーション高く長く働きたいと考えています。」

「給料が安い」ではなく、「成果が正当に評価される環境で働きたい」という未来志向に変換。「上長に相談した」という改善行動を添えているのもポイントです。

採用のウラ側メモ

“給料が低い”という退職理由自体はNGではありません。でも面接官は”うちの給与水準で満足するかな?”と考えます。給与だけでなく”成果を評価される環境”というセットで伝えると、お金だけが目当てではないという印象になります。

③残業代が出ない・サービス残業が多い

本音の不満: サービス残業が常態化している、残業代が支払われない

【NG例文】

「前職では毎日22時まで残業が当たり前で、残業代も出ませんでした。体力的にも限界を感じて転職を決意しました。」

人事にはこう見えています

残業への耐性が低そう。うちでも繁忙期に不満を言いそうだな

すけさん

労働環境の不満はもっともな理由ですが、「残業が嫌」だけだと、面接官は「うちも忙しい時期はあるけど大丈夫かな?」と不安になります。

【OK例文】

「前職では慢性的に長時間労働が続いており、自分なりに業務効率化の提案をしましたが、組織の慣習として改善は難しい状況でした。限られた時間で効率よく成果を出し、空いた時間を技術のキャッチアップに充てることで、エンジニアとしてもっと成長したいと考え、転職を決意しました。」

「残業が嫌」ではなく、「効率的に働いて成長に時間を使いたい」に変換。「業務効率化を提案した」という改善行動が入っていることで、ただ不満を言っているだけの人とは違う印象になります。

採用のウラ側メモ

残業時間が本当にひどい場合(月80時間超など)は、事実を淡々と伝えるのもアリです。その場合も”効率的に働きたい”など前向きな希望をセットで伝えてください。”つらかった”で終わると同情は得られても評価にはつながりません。

④仕事に飽きた・成長を感じない

本音の不満: 同じ作業の繰り返し、スキルが身につかない、刺激がない

【NG例文】

「今の仕事はルーティンワークが多く、正直やりがいを感じられなくなりました。もっと刺激のある仕事がしたいと思っています。」

人事にはこう見えています

飽きっぽい人だな。うちに来ても同じことを言いそう

すけさん

「飽きた」「つまらない」という表現は、面接官に「忍耐力がない」と受け取られやすいです。

【OK例文】

「前職では3年間、運用保守をメインに担当してきました。安定運用に貢献できた実感はありますが、今後のキャリアを考えたときに、設計や構築などの上流工程にも挑戦してスキルの幅を広げたいと考えるようになりました。社内での異動も打診しましたが、チーム構成上難しいとのことだったため、転職で実現したいと考えています。」

「飽きた」ではなく、「キャリアの幅を広げたい」という成長意欲に変換。IT業界では「運用保守→上流工程」「SES→自社開発」など、キャリアアップの方向性が明確なので、志望動機にもつなげやすいパターンです。

採用のウラ側メモ

IT業界の場合、”成長したい”は説得力のある退職理由になりやすいです。ただし”成長したい”だけだと抽象的すぎるので、”具体的にどんなスキルを身につけたいか”まで言えると一気に評価が上がります。

⑤仕事ができないと判断された・評価されなかった

本音の不満: 能力不足と言われた、期待された成果が出せなかった、配置転換された

【NG例文】

「前職では自分の能力を活かせる仕事を任せてもらえず、評価も低いままでした。自分の実力をもっと発揮できる環境を求めて転職を考えました。」

人事にはこう見えています

自分の能力を過信している人かもしれない。うちでも同じことが起きそう

すけさん

これは5パターンの中で最も伝え方が難しい退職理由です。「評価されなかった」と言うと、面接官は「本当に実力があるのに評価されなかったのか、それとも本人の自己評価が高すぎるのか」を判断しなければなりません。

【OK例文】

「前職では〇〇の業務を担当していましたが、自分の強みとは異なる領域でした。その中でも〇〇の改善に取り組み、一定の成果は出せましたが、自分が本来得意とする〇〇の分野でもっと力を発揮したいと考えるようになりました。自分の適性と向き合った結果、〇〇の領域に挑戦できる環境で再スタートしたいと考えています。」

「評価されなかった」ではなく、「自分の適性と向き合い、強みを活かせる領域に進みたい」に変換。前職での取り組みも添えて、ただ逃げているのではないことを伝えます。

採用のウラ側メモ

“仕事ができなかった”系の退職理由は、正直に言い過ぎると自分を下げるだけになります。かといって隠しすぎると深掘りで矛盾が出る。”適性の違い”というフレームで伝えるのが一番安全です。前職でも努力はした、でも方向性が違ったという流れで。


退職理由の伝え方に自信がないならエージェントに相談するのが近道

ここまで3ステップとNG例・OK例文を紹介してきましたが、「頭ではわかっても、自分のケースに当てはめるのが難しい……」という方もいると思います。

その場合は、転職エージェントに相談するのが一番早いです。

エージェントを使うと退職理由のブラッシュアップができる

転職エージェントのキャリアアドバイザーは、退職理由の添削・ブラッシュアップを日常的にやっています。

  • 自分では気づかなかった「他責に聞こえるポイント」を指摘してもらえる
  • 応募先企業に合わせた退職理由の伝え方をアドバイスしてもらえる
  • 模擬面接で実際に声に出して練習できる

特に退職理由は、文章で考えると上手くまとまっても、声に出すと不自然になることがよくあります。エージェントとの模擬面接で一度練習しておくと、本番での安心感がまったく違います。

IT転職に強いおすすめエージェント

IT業界の転職であれば、IT業界に特化したエージェントを選ぶのがおすすめです。業界の事情を理解しているアドバイザーに相談できるので、SESからの転職理由やエンジニア特有のキャリアの悩みにも的確にアドバイスをもらえます。

IT転職におすすめのエージェントについては、以下の記事で詳しく紹介しています。


退職理由・転職理由の伝え方でよくある質問(Q&A)

退職理由と転職理由は同じことを聞かれていますか?

厳密には違います。

退職理由は「なぜ辞めたのか(辞めるのか)転職理由は「なぜ転職先として当社を選んだのかです。ただし面接では区別なく聞かれることが多いので、退職理由→志望動機の流れで一貫性を持たせて伝えれば、どちらの質問にも対応できます。

本当の退職理由は絶対に言わない方がいいですか?

「絶対に言わない方がいい」わけではありません。

ただし、本音をそのまま伝えるのではなく、この記事で紹介した3ステップで変換してから伝えるのが大切です。面接官も不満があって転職すること自体は理解しています。伝え方さえ工夫すれば、正直な退職理由でも好印象を残せます。

退職理由を聞かれたとき、どのくらいの長さで答えればいいですか?

30秒〜1分程度が目安です。

退職理由は長く話すほど深掘りされやすくなり、矛盾が出やすくなります。要点をシンプルに伝えて、志望動機へスムーズにつなげるのが理想的です。面接官が追加で聞きたいことがあれば質問してくるので、最初から全部話す必要はありません。


まとめ|退職理由は「過去の不満」ではなく「未来の希望」で語ろう

この記事では、面接での退職理由・転職理由の伝え方について、人事の立場から解説してきました。

最後に、ポイントをまとめます。

まとめ
  • 面接官は退職理由の本音を期待していない。見ているのは「伝え方」
  • 確認しているのは「すぐ辞めないか」「自分で改善できる人か」の2点
  • 退職理由は「不満→解決策→志望動機」の3ステップで変換する
  • 伝えるときはシンプルに、他責にならないように
  • 自信がないならエージェントに相談して添削してもらうのが近道

退職理由の伝え方ひとつで、面接の結果は大きく変わります。

大事なのは、過去の不満をそのまま話すのではなく、「これから自分はどうなりたいのか」を語ること。それだけで、面接官に与える印象はまったく違うものになります。

この記事が、あなたの面接対策のお役に立てば嬉しいです。

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