「正社員型派遣とSESって何が違うの?」 「求人票に”正社員”って書いてあるけど、これって本当の正社員なの?」
ITエンジニアへの転職を考えているとき、こんな疑問にぶつかる方は少なくありません。
正社員型派遣もSESも「客先に常駐して働く」という点では似ているため、違いがわかりにくいですよね。しかし、契約形態や指揮命令権、キャリアパスはまったく異なります。
この記事では、現役IT人事の視点から、正社員型派遣・SES・自社開発正社員の違いを徹底的に比較していきます。
- 正社員型派遣・SES・自社開発正社員の基本的な仕組みと違い
- 契約形態・指揮命令権・給与体系など7つの比較ポイント
- 採用担当者が書類選考・面接で実際に見ているポイント
- 「正社員募集」なのに実態はSES?求人票の見分け方
- 未経験からITエンジニアを目指すときの判断軸
- 正社員型派遣・SESから次のキャリアにステップアップする方法
【結論】正社員型派遣・SES・正社員の違いを30秒で理解する

まずは全体像をつかんでいただくために、3つの働き方の違いを比較表にまとめました。
【正社員型派遣・SES・自社開発正社員の比較表】
| 比較項目 | 正社員型派遣 | SES | 自社開発正社員 |
|---|---|---|---|
| 契約形態 | 派遣契約 (労働者派遣法) | 準委任契約 (民法) | 直接雇用 (労働契約) |
| 雇用主 | 派遣会社 | SES企業 | 勤務先企業 |
| 指揮命令権 | 派遣先企業にあり | SES企業にあり | 勤務先企業にあり |
| 雇用の安定性 | 高い (無期雇用) | 高い (正社員雇用) | 高い |
| 3年ルール | 適用なし | 適用なし | ── |
| 給与体系 | 月給制 (派遣会社基準) | 月給制 (SES企業基準) | 月給制 (自社基準) |
| 勤務場所 | 派遣先企業 | クライアント先 (常駐) | 自社オフィス |
| 案件選択の自由度 | やや低い | 企業による | ── |
ポイントは、正社員型派遣もSESも「自社の正社員」として雇用されるという点です。
すけさんどちらも客先で働くスタイルですが、法的な契約形態と指揮命令権の所在がまったく異なります。
ここからは、それぞれの仕組みを詳しく見ていきましょう。
面接で”うちは正社員です”と言われても、契約形態が派遣なのかSESなのかで働き方は大きく変わります。上の比較表の”指揮命令権”の列は、入社後のリアルな働き方に直結するので必ずチェックしてください。
そもそも正社員型派遣とは?仕組みをわかりやすく解説
正社員型派遣(常用型派遣)の基本構造
派遣会社の正社員(または無期雇用の契約社員)として雇用されたうえで、派遣先企業に派遣されて働く形態のことです。
「常用型派遣」「無期雇用派遣」とも呼ばれ、IT業界では比較的メジャーな働き方になっています。
仕組みを整理すると、以下のようになります。
- 雇用主: 派遣会社(ここの正社員になる)
- 勤務場所: 派遣先企業のオフィス
- 指揮命令: 派遣先企業の上司から業務指示を受ける
- 給与支払い: 派遣会社から毎月支給される
- 待機期間: 次の派遣先が決まるまでも給与が発生する
つまり、「派遣会社に守られながら、さまざまな企業で実務経験を積める」のが正社員型派遣の特徴です。
登録型派遣との違い──3年ルールと雇用安定性
「派遣」と聞くと不安定なイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、それは「登録型派遣」のイメージが大きいです。
正社員型派遣と登録型派遣には、大きく3つの違いがあります。
- 雇用期間: 正社員型は無期雇用、登録型は派遣期間のみ有期雇用
- 3年ルール: 正社員型は適用なし(同じ派遣先で3年以上働ける)、登録型は同一組織単位で最長3年まで(労働者派遣法に基づく期間制限)
- 待機中の給与: 正社員型はあり、登録型はなし(派遣されていない期間は無給)
正社員型派遣は雇用が安定しているぶん、登録型派遣のように「好きな案件を自分で選ぶ」という自由度はやや低くなります。派遣会社が決めた派遣先に行くケースが多い点は、理解しておきましょう。
「派遣会社の正社員」は普通の正社員と何が違うのか
ここで気になるのが、「結局、普通の正社員と何が違うの?」ということだと思います。
一番の違いは、自分が働く場所と、自分を雇用している会社が別だという点です。
普通の正社員であれば、雇用主=勤務先です。自社のプロダクトや事業に携わり、社内でキャリアアップしていくのが一般的ですよね。
一方、正社員型派遣の場合は、あくまで派遣会社の社員です。
派遣先企業での評価が直接的に昇進・昇給に反映されにくかったり、派遣先の正社員と同じ仕事をしていても待遇に差があったりすることがあります。
とはいえ、未経験から大手企業の現場で実務経験を積めるのは、正社員型派遣ならではの大きなメリットです。
正社員型派遣の方の職務経歴書を見ると、大手企業での実務経験が並んでいることが多いです。採用側としてはそれ自体はプラス評価ですが、”どの工程を担当したか”まで見ます。テストだけなのか、設計から入っていたのかで評価はかなり変わりますよ。
SES(システムエンジニアリングサービス)とは?仕組みと契約の特徴
SES=準委任契約ってどういう意味?
「System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)」の略で、SES企業の正社員としてクライアント企業に常駐し、技術力(労働力)を提供するサービスのことです。
SES契約は法律上「準委任契約」に分類されます。ちょっと難しく聞こえますが、ポイントは以下の2つだけです。
- 報酬の対象は「労働時間(工数)」であって「成果物」ではない
- 成果物を完成させる義務はない(ここが請負契約との違い)
つまり、「決められた時間、誠実に業務を遂行すること」が求められる契約です。
SES企業とエンジニアの関係を整理すると、このようになります。
- 雇用主: SES企業(ここの正社員になる)
- 勤務場所: クライアント企業のオフィス(常駐)
- 指揮命令: SES企業にある(←ここが派遣との最大の違い)
- 給与支払い: SES企業から毎月支給される
指揮命令権の違い──ここがSESと派遣の最大の分岐点
正社員型派遣とSESの最大の違いは、「誰がエンジニアに業務指示を出せるか」です。
- 正社員型派遣: 派遣先企業が直接エンジニアに業務指示を出せる
- SES: クライアント企業はエンジニアに直接指示を出せない。指示はSES企業を通じて行う
……とはいえ、これは「法律上のルール」の話です。
実態としては、SES契約であってもクライアント企業の社員から直接指示を受けて働いているケースは珍しくありません。しかし、これは本来あってはならないことです。
偽装請負とは?SESで起こりがちなグレーゾーン
SES契約なのに、クライアント企業がエンジニアに直接的な指揮命令を行っている状態を「偽装請負」と呼びます。これは労働関係法令に違反する行為です。
具体的には、以下のようなケースが該当する可能性があります。
- クライアント企業の社員が、SESエンジニアに直接「この作業を何時までにやって」と指示する
- 勤怠管理(出退勤の時間)をクライアント企業が直接行っている
- SESエンジニアの業務内容や配置をクライアント企業が一方的に決めている
残念ながら、IT業界では偽装請負がグレーゾーンのまま運用されているケースも少なくないのが実情です。
転職活動の際は、「SES契約なのに、面接でクライアント先の業務内容を細かく指示される」ような企業には注意が必要です。


正直なところ、SES契約と派遣契約の境界線が曖昧な企業は少なくありません。面接のときに”指揮命令はどのように行われていますか?”と質問してみてください。しっかり説明できる企業は、コンプライアンス意識が高い証拠です。
正社員型派遣とSESを7つの項目で徹底比較
ここからは、正社員型派遣とSESの違いを7つの具体的な項目に分けて比較していきます。


契約形態と法的な位置づけ
正社員型派遣は「労働者派遣法」に基づく派遣契約です。派遣事業を行うには厚生労働大臣の許可が必要で、許可番号(例:派01-234567)を取得している企業だけが事業を行えます。
一方、SESは「民法」に基づく準委任契約です。派遣事業の許可は不要なため、参入障壁が低いという特徴があります。この参入のしやすさが、SES企業の数が多い理由のひとつでもあります。
雇用の安定性と待機期間の扱い
雇用の安定性という観点では、どちらも「自社の正社員」として無期雇用されるため、登録型派遣やフリーランスと比べると安定しています。
ただし、プロジェクトの合間に「待機期間」が発生することがあります。この扱いが両者で微妙に異なります。
- 正社員型派遣: 待機期間中も給与は支給される(ただし派遣会社によって金額は異なる場合がある)
- SES: 待機期間中も基本給は支給されるが、企業によっては給与が減額されるケースもある
いずれにしても、待機期間が長引くと「早く次の現場に入ってほしい」というプレッシャーがかかりやすいのは共通しています。
給与体系と年収の目安
給与面は、多くの方が気になるポイントですよね。
複数の調査データを参考にすると、おおよその年収イメージは以下のとおりです。
- SESエンジニア(全体):
平均年収は約350万〜450万円程度(出典:Geekly「SESの平均年収」調査(2024年10月〜2025年9月内定者データ)では約408万円) - 派遣エンジニア(都内):
時給2,000円〜3,000円が中心帯で、年収換算で約400万〜500万円程度
SESエンジニアの年収がやや低めに見える背景には、IT業界特有の多重下請け構造があります。元請けから2次請け、3次請けと仕事が流れていく過程で中間マージンが発生し、下流のSES企業ほどエンジニアへの「還元率」が低くなりやすい構造です。





一般的に、SES業界の還元率は60〜70%程度とされています。
同じスキルを持っていても、所属する企業の商流の位置によって年収に大きな差が出るのがSESの特徴です。
指揮命令権と現場での働き方
先ほども触れましたが、現場での働き方に直結するのが指揮命令権の違いです。
正社員型派遣の場合:
- 派遣先の上司やリーダーから直接業務指示を受ける
- 派遣先のチームに組み込まれて、正社員と近い感覚で働ける
- ただし、派遣先の評価制度の対象にはならない
SESの場合:
- 法律上はSES企業からの指示で動く
- 実態としてはクライアント先のチームに入って働くことが多い
- 正社員型派遣よりも「外部の人」という扱いになりやすい
キャリアパスとスキルアップの方向性
キャリアパスについては、両者とも「さまざまな現場で経験を積める」という共通のメリットがあります。ただし、方向性には違いがあります。
正社員型派遣の場合:
- 派遣会社が用意する研修制度を活用できることが多い
- 派遣先での評価次第で、直接雇用(正社員登用)の打診を受けるケースもある
- 長期的な案件に配属されやすく、ひとつの分野で深い経験を積みやすい
SESの場合:
- プロジェクト単位で現場が変わるため、幅広い技術に触れやすい
- SES企業内での昇進(リーダー、マネージャーなど)が可能
- 自社の評価制度を通じた昇給が期待できる(企業によって差が大きい)
案件の選択自由度
自分がやりたい仕事を選べるかどうかも、大事なポイントですよね。
- 正社員型派遣: 派遣会社が派遣先を決めるため、自分で案件を選びにくい傾向がある
- SES: 企業によって方針が異なるが、エンジニアの希望をヒアリングしたうえで案件を決める企業もある
未経験の段階では、どちらの場合も最初から希望通りの案件に入るのは難しいのが現実です。まずは実務経験を積むことを優先し、経験を重ねるなかで選択肢を広げていくのが現実的な戦略です。
3年ルールの適用有無
労働者派遣法の「3年ルール」は、登録型派遣にのみ適用されます。
- 正社員型派遣(常用型派遣): 3年ルールは適用されない。同じ派遣先で3年以上働き続けることが可能
- SES: そもそも派遣契約ではないため、3年ルールは適用されない
- 登録型派遣: 同一組織単位で最長3年まで(労働者派遣法に基づく)
正社員型派遣とSESはどちらも3年ルールの対象外ですが、プロジェクトの終了などにより現場が変わることは当然あります。
年収を比較するときは、基本給だけでなく”ボーナスの有無“”待機期間中の減額率””退職金制度“まで確認してください。同じ年収400万円でも、内訳によって手取りや将来の安心感がまったく違います。面接で聞きにくければ、転職エージェント経由で確認するのがスマートです。
採用担当者のホンネ──正社員型派遣・SES出身者をどう評価しているか
ここからは、採用する側のリアルな視点をお伝えします。「採用のウラ側」ならではのパートです。
書類選考で見ているポイントと「職歴の見え方」の違い
正社員型派遣出身者とSES出身者の職務経歴書は、実はかなり「見え方」が異なります。
正社員型派遣出身者の職務経歴書の傾向:
- 派遣先企業名が記載されるため、「大手〇〇で勤務」といった経歴になりやすい
- 大手企業での経験がずらりと並ぶと、見た目のインパクトは大きい
- ただし、採用側は「派遣先でどこまで任されていたか」を注意深く確認する
SES出身者の職務経歴書の傾向:
- 所属企業名(SES企業)が記載され、「〇〇プロジェクトに参画」という書き方になりやすい
- 複数プロジェクトの経験が並ぶため、幅広いスキルをアピールしやすい
- ただし、短期間でプロジェクトが変わりすぎていると「定着性」を懸念されることがある
採用担当者として率直に言うと、「どの会社にいたか」より「何をやったか」のほうがはるかに重要です。
職務経歴書には、担当した工程(要件定義・基本設計・詳細設計・実装・テストなど)を具体的に書いてください。「テスト工程のみ」と「設計から実装まで一気通貫で担当」では、評価がまったく変わります。
面接で確認していること──SES出身者・正社員型派遣出身者への質問の違い
面接では、それぞれの働き方に応じた質問を投げかけることが多いです。
SES出身者への質問例:
- 「プロジェクトごとに現場が変わっていますが、一番成長を感じた案件はどれですか?」
- 「クライアント先ではどのようにチームに入っていきましたか?」
- 「次の転職で、なぜ自社開発(またはSES以外)を希望するのですか?」
正社員型派遣出身者への質問例:
- 「派遣先ではどのような役割を担っていましたか?」
- 「派遣先の正社員と比べて、業務範囲に制約はありましたか?」
- 「今後はどのような環境で働きたいと考えていますか?」
どちらの場合も、「受け身ではなく、自分から動いて成長してきたか」が伝わるかどうかが合否のカギです。
SESや正社員型派遣の経歴自体がマイナスになることはありません。私がマイナス評価するのは”何年もテスト工程だけで、スキルアップの努力が見えない”ケースです。逆に、SES2年でも設計工程に食い込んでいた方は高く評価します。
求人票での見分け方──「正社員」表記に隠れた落とし穴


「正社員募集」なのに実態はSES?チェックすべき3つのポイント
転職サイトで「正社員募集」と書かれた求人を見つけても、実態はSES企業で客先常駐がメインというケースは珍しくありません。
以下の3つのポイントをチェックしてみてください。
①「勤務地」の欄に注目する
- 「東京都内のクライアント先」「プロジェクトにより異なる」といった記載は、客先常駐型(SESまたは正社員型派遣)の可能性が高い
- 自社開発企業であれば、具体的なオフィス住所が記載されていることがほとんど
②「事業内容」を確認する
- 「システムエンジニアリングサービス」「技術者派遣」「ITアウトソーシング」といった文言があれば、SESまたは派遣事業を行っている企業
- 「自社サービス開発」「自社プロダクト運営」であれば自社開発企業の可能性が高い
③「取引先」「プロジェクト事例」をチェックする
- 「取引先:大手メーカー〇〇社以上」のような記載は、SES企業に多い表現
- 自社開発企業であれば、自社サービス名やプロダクト名が記載されている
正社員型派遣の求人を見極めるポイント
正社員型派遣の求人は、「派遣会社の正社員募集」として出されるため、比較的わかりやすいことが多いです。
見分けるポイントは以下のとおりです。
- 企業名に「〇〇テクノ」「〇〇スタッフィング」など、派遣会社であることが推測できる社名が多い
- 「常用型派遣」「無期雇用派遣」「エンジニア派遣」といったキーワードが含まれている
- 派遣事業の許可番号が企業情報に記載されている
いずれにしても、求人票だけでは判断が難しいケースもあります。気になる求人は、転職エージェントに「この企業の契約形態は何ですか?」と確認するのが確実です。


求人票に”自社内開発あり”と書いてあっても、実際に自社内開発の案件に配属される割合が5%しかないケースもあります。面接では”自社内開発と客先常駐の割合はどれくらいですか?”と聞いてみてください。具体的な数字を出せる企業は信頼できます。
未経験からITエンジニアを目指すならどれを選ぶべき?
経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2030年にはIT人材が最大約79万人不足すると予測されています(出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」2019年)。
この人材不足を背景に、未経験者を受け入れるSES企業や派遣会社は増えています。しかし、「どれを選ぶか」で最初の数年間のキャリアが大きく変わるのも事実です。
安定重視なら正社員型派遣が選択肢になる理由
未経験からITエンジニアを目指す場合、正社員型派遣は「安定して学べる環境」として有力な選択肢です。
正社員型派遣が未経験者に向いているポイントは以下のとおりです。
- 派遣会社による入社前・入社後の研修制度が充実していることが多い
- 大手企業の現場に配属されやすく、整った開発環境で基礎を学べる
- 無期雇用のため、「スキルが足りないから契約終了」というリスクが低い
- 派遣先での実績次第で、直接雇用(正社員登用)の可能性もある
ただし、派遣先の選択権が限られるため、希望する技術分野と異なる現場に配属される可能性がある点は理解しておきましょう。
SESを選ぶなら知っておくべきリスクと対策
SES企業も未経験者を積極的に採用していますが、企業によって質のばらつきが大きい点には注意が必要です。
SESを選ぶ際に確認したいポイント:
- 研修制度の有無と内容: 入社後すぐに現場に放り込まれるのか、事前研修があるのか
- 還元率: エンジニアへの給与還元率を公開している企業は透明性が高い
- 案件の商流: 2次請け・3次請け中心なのか、元請けに近い案件があるのか
- 待機期間中の給与: 満額支給か減額かを事前に確認する
- キャリア面談の頻度: エンジニアのスキルアップを支援する体制があるか


最終的に目指すべきは「自社開発・自社サービスの正社員」
正社員型派遣もSESも、ITエンジニアとしてのキャリアをスタートするには有効な選択肢です。
しかし、長期的なキャリアを考えると、最終的には「自社開発・自社サービス企業の正社員」を目指すのが、年収・スキル・キャリアのすべてにおいてバランスの良い選択になります。
自社開発企業の正社員になるメリットは以下のとおりです。
- プロダクトやサービスに継続的に関われるため、技術力だけでなくビジネス視点も身につく
- 評価制度が自社内で完結するため、成果が正当に昇給・昇進に反映されやすい
- 転職市場での評価が高まりやすく、次のキャリアの選択肢が広がる
正社員型派遣やSESで1〜3年の実務経験を積んだら、自社開発企業への転職を視野に入れてキャリアを設計していくのが、現実的で着実なステップです。
他にもSIer企業にキャリアアップ転職するのもおすすめです。
未経験から最初の1社を選ぶとき、”入社しやすさ”だけで決めると後悔しやすいです。研修制度が整っているか、1年後にどんなスキルが身についているかを具体的にイメージできるかどうかを基準にしてみてください。
正社員型派遣・SESから次のキャリアにステップアップする方法


実務経験の棚卸しと市場価値の確認
正社員型派遣やSESで経験を積んだら、定期的に自分の市場価値を確認する習慣をつけましょう。
具体的には、以下のことを整理してみてください。
- 担当した工程: テスト → 詳細設計 → 基本設計と、上流工程に関わった経験があるか
- 使用した技術スタック: 言語、フレームワーク、クラウドサービスなど
- チームでの役割: メンバーとしての参加か、リーダーやサブリーダー経験があるか
- 業界知識: 金融、製造、医療など、特定業界の業務知識が身についているか
これらを書き出してみると、自分の「強み」と「これから伸ばすべきスキル」が見えてきます。
転職エージェントを活用したキャリアチェンジ戦略
SESや正社員型派遣から自社開発企業への転職を目指すなら、IT業界に特化した転職エージェントの活用が効果的です。
エージェントを活用するメリットは以下のとおりです。
- 非公開求人を含む幅広い選択肢にアクセスできる
- 自分の市場価値を客観的に把握できる
- 書類選考の通過率を高めるための職務経歴書の添削を受けられる
- 面接対策として、企業ごとの質問傾向をアドバイスしてもらえる
- 年収交渉を代行してもらえる
特に、SESや正社員型派遣からの転職実績が豊富なエージェントを選ぶと、キャリアの活かし方について具体的なアドバイスがもらえます。


SESや正社員型派遣から転職してくる方の面接では、”なぜ今のタイミングで転職するのか”を必ず聞きます。”客先常駐が嫌だから”ではなく、”〇〇の経験を活かして、自社プロダクトにじっくり向き合いたい”と前向きに語れる方は好印象です。
よくある質問(Q&A)
- 正社員型派遣とSES、未経験ならどちらが入りやすいですか?
-
どちらも未経験者を積極的に採用していますが、入りやすさでいえばSES企業のほうがやや門戸が広い傾向があります。
SES企業は参入障壁が低い(派遣事業の許可が不要)ため企業数が多く、その分だけ未経験者向けの求人も豊富です。一方、正社員型派遣は派遣会社の選考(適性検査や面接)がある程度しっかりしていることが多いです。
ただし、「入りやすい=良い環境」とは限りません。研修制度やキャリア支援の充実度をしっかり比較したうえで判断しましょう。
- SESで経験を積んでから自社開発企業に転職できますか?
-
十分に可能です。
実際にSESで2〜3年の実務経験を積んだあと、自社開発企業やSIerに転職する方は数多くいます。
ポイントは、SES時代にどのような経験を積んだかです。設計工程に携わった経験、特定の技術領域での専門性、チームリーダーとしての経験などがあると、転職市場での評価は高くなります。
「SES=キャリアの行き止まり」ではなく、「SES=キャリアの踏み台にできる」と考えて、日々のスキルアップに取り組むことが大切です。
- 正社員型派遣は「派遣切り」されることがありますか?
-
正社員型派遣は派遣会社との無期雇用契約ですので、派遣先の契約が終了しても、派遣会社との雇用関係は継続します。 この点が登録型派遣との大きな違いです。
ただし、「派遣先が見つからない状態が長期間続いた場合」や「派遣会社の経営状況が悪化した場合」には、雇用に影響が出る可能性はゼロではありません。とはいえ、IT人材の需要が高い現在の市場環境であれば、すぐに次の派遣先が見つかるケースがほとんどです。
まとめ──自分に合った働き方を選ぶために
正社員型派遣・SES・自社開発正社員。どれが「正解」ということはありません。
大切なのは、自分の現在のスキルレベル、目指すキャリア、優先したい条件を整理したうえで、納得のいく選択をすることです。
- 正社員型派遣は「派遣会社の正社員」として安定した雇用のもと、さまざまな企業で経験を積める
- SESは「SES企業の正社員」として客先に常駐し、プロジェクト単位で技術力を磨ける
- 最大の違いは指揮命令権の所在──派遣は派遣先に、SESはSES企業にある
- 未経験からのスタートにはどちらも有効だが、研修制度・還元率・キャリア支援の充実度で選ぶのがポイント
- 長期的には自社開発企業の正社員を目指してキャリアを設計するのが着実
- 求人票の「正社員」表記を鵜呑みにせず、契約形態・勤務地・事業内容を必ず確認する
今の自分に合った働き方を選びつつ、「次のステップ」を常に意識してキャリアを積み上げていきましょう。


