「IT業界に転職したいけど、職種が多すぎてどれを選べばいいかわからない…」
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、IT系上場企業で採用担当を6年務め、約300件の面接を行ってきた現役人事の私が、IT業界の主要職種を”採用する側の本音”で解説します。
「職種の説明」ではなく「人事がその職種の候補者をどう見ているか」にフォーカスしているので、転職活動にそのまま活かせる内容になっています。ぜひ最後まで読んでみてください。
IT業界の職種、人事はこう分類している

IT業界の職種を調べると、「開発系」「インフラ系」「Web系」「データ系」「AI系」…と、どんどん細分化された一覧が出てきますよね。
でも、採用する側の人事は、実はそこまで細かく分けて見ていません。
私たち人事が採用活動で意識しているのは、大きく分けて以下の3つのカテゴリです。
- 開発系(SE・PG・Web系): システムやアプリケーションを作る人たち
- インフラ系(NE・サーバー・クラウド): システムの土台を支える人たち
- マネジメント系(PM・PL): プロジェクト全体を管理する人たち
もちろんこの3つに加えて、「運用保守・ヘルプデスク」や「社内SE」など、企業によって独自のポジションもあります。ただ、採用の現場ではまずこの3カテゴリのどこに当てはまるかで、選考の進め方や評価基準が決まります。
求人票の職種名に惑わされないための基本知識
ここで1つ、人事だから言える大事なことをお伝えします。
求人票に書かれている職種名は、会社によって意味がまったく違います。
たとえば「SE(システムエンジニア)」。一般的には要件定義や設計を行う上流工程のエンジニアを指しますが、実際にはこんなケースがよくあります。
- A社のSE: クライアントと直接やり取りし、要件定義から設計まで担当
- B社のSE: 設計書に沿ってコーディングとテストを担当(実質PG)
- C社のSE: 客先に常駐して、テストや運用を担当(実質テスター)
同じ「SE」でも、仕事内容はここまで違います。特にSES企業の求人では、「SE募集」と書いてあっても蓋を開けたら運用監視やテスト要員だった、というケースは珍しくありません。
すけさん人事の立場から言うと、求人票の職種名だけで仕事内容を判断するのは危険です。面接や企業研究の段階で「具体的にどんなプロジェクトに入るのか」「入社後1年目はどんな業務を担当するのか」を必ず確認してください。
例えば、SEと書いてあるのにインフラ系エンジニアになる可能性があったり、テスターとしての仕事がメインになる可能性があるためです。
人事の間では「職種名はマーケティング用語」と半分冗談で言われています。同じ会社でも部署によって”SE”の定義が違うことすらあります。求人票の職種名を鵜呑みにせず、必ず面接で実態を確認しましょう。
開発系エンジニア(SE・PG・Web系)の採用のウラ側


IT業界でもっともイメージされやすいのが、システムやアプリケーションを「作る」仕事をする開発系エンジニアです。
求人数も多く、SE(システムエンジニア)・PG(プログラマー)・Webエンジニア・フロントエンドエンジニアなど、さまざまな職種名で募集されています。
求人票の「SE募集」、実際の仕事内容は会社によって全然違う
先ほども触れましたが、開発系で最も注意が必要なのが「SE」という職種名の幅広さです。
人事の立場から見ると、「SE募集」の求人は大きく3つのパターンに分かれます。
- 自社開発企業のSE:
自社プロダクトの企画・設計・開発を一貫して担当。裁量が大きく、スキルも幅広く求められる - SIer(受託開発)のSE:
クライアント企業のシステム開発を請け負う。上流工程(要件定義・設計)を担当するケースが多い - SES企業のSE:
クライアント先に常駐して作業を行う。「SE」と書いてあっても、実際にはテストや運用を任されることも多い
未経験の方がよく陥るのが、「SEになりたい」と言いながら、SES企業で実質テスト要員として配属されるパターンです。もちろんテストも大事な仕事ですが、「上流工程をやりたかったのに…」というミスマッチは非常に多いです。
面接では「SE」という肩書きではなく、「入社後に携わるプロジェクトの具体的な工程」を確認することが、ミスマッチを防ぐ最大のポイントです。
開発系で人事が見ている評価ポイントとは
開発系エンジニアの選考で、人事が最も重視しているポイントをお伝えします。
経験者採用の場合:
- 技術スキルの深さと幅:
使用言語・フレームワークだけでなく、「なぜその技術を選んだか」の意思決定プロセスを見ている - 上流工程の経験:
設計や要件定義の経験があるかどうかで、年収レンジが大きく変わる - コミュニケーション力:
開発系は「黙々とコードを書く仕事」というイメージがありますが、実際にはクライアントやチームとの折衝力が非常に重要 - チームでの開発経験:
年収をあげたいのであればチームでの開発経験があることが重要です。もっと言うと、チームリーダーやサブリーダーの経験があると尚良いです。 - 経験年数:
ある程度の規模感になると3年以上で区切りを入れる場合があります。採用基準で定めた経験年数の区切り未満になると書類選考で不採用になる場合があります。
未経験採用の場合:
- 論理的思考力:
プログラミング経験よりも、「物事を順序立てて考えられるか」を重視 - 学習意欲の”証拠”:
「プログラミングに興味があります」だけではNG。ポートフォリオ、資格、オンライン学習の履歴など、行動で示しているかが合否を分ける - なぜ開発系なのか:
IT業界への志望動機ではなく、「なぜインフラでも運用でもなく、開発なのか」という職種選択の理由が明確な人は評価が高い
ここだけの話、未経験で開発系に応募してくる方の多くが「プログラミングがやりたい」とおっしゃいます。でも人事が本当に知りたいのは「なぜ作ることに興味があるのか」という動機の部分です。ここが浅いと、書類選考の段階で落としてしまうケースが多いです。
未経験で開発系を目指すなら、最低限のポートフォリオは用意しておきましょう。面接で「何か作ったものはありますか?」と聞いて「これから勉強します」と答える方は、残念ですが通過率が極端に低いです。
インフラエンジニアの採用のウラ側


インフラエンジニアは、サーバーやネットワーク、クラウド環境など、システムの「土台」を設計・構築・運用する仕事です。
転職サイトでは「未経験おすすめ!」と紹介されることが多い職種ですが、人事から見ると、そこには理由と注意点の両方があります。
未経験からインフラが「受かりやすい」と言われる本当の理由
「未経験ならインフラエンジニアがおすすめ」という情報は、転職エージェントの記事でよく見かけますよね。これは採用する側から見ても、ある程度事実です。
人事がインフラ系で未経験を採用する理由は、主に3つあります。
- 教育がしやすい:
インフラの業務は手順化されているものが多く、マニュアルに沿って業務を覚えやすい。開発系のように「センス」や「発想力」を求められる場面が少ない - 資格と実務が直結しやすい:
CCNAやLPICなど、資格の学習内容がそのまま実務に活きる。未経験でも資格を取得していれば「基礎は理解している」と判断できる - 需要が安定している:
どんなシステムにもインフラは必要。景気に左右されにくく、長期的に人材が必要なため、未経験からでも採用しやすい
ただし、人事の本音をもう1つお伝えすると、インフラ系の未経験採用には「離職率が高い」という課題もあります。
特に運用監視(夜勤シフトあり)からスタートする場合、生活リズムの変化や業務の単調さから「思っていたのと違う」と辞めてしまう方が一定数います。また実機に触って作業する必要があるためテレワークができない場合もあります。
人事としては「この人は地道な仕事にも耐えられるか」「長く続けてくれるか」を選考で見ています。
インフラ系で人事が見ている評価ポイントとは
経験者採用の場合:
- 対応できる技術領域の幅:
オンプレミスだけでなくクラウド(AWS/Azure/GCP)の経験があると評価が高い - 設計・構築の経験:
運用保守だけでなく、上流工程(設計・構築)の経験があるかどうかで年収が大きく変わる - トラブル対応の実績:
障害対応の経験は、インフラエンジニアの市場価値を大きく左右する
未経験採用の場合:
- 資格取得の有無:
CCNAやLPIC Level1など、入門レベルの資格を取得していると書類通過率が明らかに上がる - 安定性・継続力:
前職での勤続年数や、コツコツ取り組んだ経験(勉強、部活、趣味でもOK)を見ている - 夜勤・シフト勤務への理解:
インフラは24時間365日の運用が前提。「夜勤もありますが大丈夫ですか?」という質問に対する回答で、本気度を測っている
インフラ未経験の面接で「将来的にクラウドエンジニアになりたい」と言う方は多いですが、まずは目の前の運用保守に真摯に向き合えるかが大切です。「下積みをちゃんとやれるか」が人事の最大の関心事だったりします。
PM(プロジェクトマネージャー)の採用のウラ側


PM(プロジェクトマネージャー)は、プロジェクト全体の進捗・品質・コスト・メンバーを管理する、いわば「現場の司令塔」です。
年収が高く、やりがいも大きいポジションですが、採用のハードルはIT職種の中でもトップクラスに高い職種でもあります。
未経験からPMは無理?人事が考えるPMへのキャリアパス
結論から言うと、未経験からいきなりPMとして採用されることは、ほぼありません。
転職サイトに「PM未経験歓迎」という求人が出ていることもありますが、これは「PM経験は未経験でもOK(ただしSEやPLとしてのプロジェクト経験は必須)」という意味であることがほとんどです。
PMの採用で人事が見ているのは、「マネジメント対象の業務を自分自身がやったことがあるか」という点です。開発プロジェクトを管理するなら開発の実務経験、インフラ構築のPMならインフラの実務経験が必要になります。
未経験からPMを目指したい方に、人事としてお伝えしたい現実的なキャリアパスはこうです。
- まずSEまたはインフラエンジニアとして実務経験を積む(3〜5年)
- PL(プロジェクトリーダー)として小規模チームのリーダーを経験する
- PMとしてプロジェクト全体を管理するポジションに昇格or転職
このステップを踏まずにPMになろうとしても、メンバーからの信頼を得られませんし、技術的な判断ができないためプロジェクトが破綻するリスクがあります。



リアルな話ですが、未経験からPMに行く場合は、コンサル経験があったり旧帝大や早慶卒など学歴や職歴の偏差値で採用する場合がほとんどです。
PM採用で人事が最も重視すること
PM経験者の採用で、人事が特に重視しているポイントは以下の通りです。
- プロジェクト規模と役割:
何人規模のプロジェクトで、どんな役割を担ったかを具体的に確認する。「PM」と名乗っていても、実態はPLだったというケースが多い - 上流(企画や要件定義など)から下流(テスト・運用・保守)工程の一貫した経験:
大きいプロジェクトであればあるほど一貫した経験がないとプロジェクトを回すことが出来ないと判断します。 - 炎上案件への対応経験:
失敗プロジェクトの経験と、そこからどう立て直したかのエピソードは非常に高く評価される - ステークホルダーとの折衝力:
クライアント・経営層・メンバーの間に立って調整する力。技術力よりもここが弱い候補者はPMとしては厳しい - 数字で語れるか:
「予算○○万円、メンバー○名、期間○ヶ月」のように、プロジェクトを定量的に語れるかどうかは書類選考の段階で見ている
面接で「PMとして何をしましたか?」と聞いたときに、進捗管理ツールの話ばかりする方は要注意です。 人事が知りたいのはツールの使い方ではなく、「人や状況をどうマネジメントしたか」というストーリーです。
PMの面接では「このプロジェクトでいちばん大変だったことは何ですか?」と必ず聞きます。ここで具体的なエピソードが出てこない方は、実際にはPM業務をやっていなかった可能性が高いと判断しています。
運用保守・ヘルプデスク・カスタマーサポートの採用のウラ側


運用保守・ヘルプデスク・カスタマーサポートは、未経験からIT業界に入る際の「最初の入口」になりやすい職種です。
転職サイトでは「未経験歓迎」の求人が最も多いゾーンであり、実際に人事としても未経験者をこの職種で採用するケースが一番多いです。
未経験IT転職の「最初の入口」になりやすい理由を人事が解説
なぜ企業は未経験者を運用保守やヘルプデスクに配属するのか。人事の内部ロジックをそのままお伝えします。
- 業務が手順化されている:
マニュアルに沿って対応する業務が中心なので、ITの専門知識がなくても研修で対応できるようになる - 教育コストが低い:
開発系やインフラ設計と比べて、一人前になるまでの期間が短い。企業としても投資対効果が見込みやすい - ITの現場を肌で感じられる:
システムがどう動いているか、トラブルが起きたときに何が問題になるかを現場で学べる。ここでの経験が、将来の開発やインフラへのキャリアチェンジに活きる



ただし、正直に言うと、企業によっては「とりあえず人手が足りないから未経験を採用する」というケースもあります。 このような企業では、ずっと運用保守のまま上流にステップアップできないリスクがあるので、面接の段階で「入社後のキャリアパス」を必ず確認してください。
未経験でも売上を立てることが出来るため、ベンチャーや中小企業の中には自主研修をさせつつヘルプデスクをするパターンがあります。
この職種群で人事が見ている評価ポイントとは
運用保守・ヘルプデスク・カスタマーサポートの選考では、技術力よりもヒューマンスキルを重視しています。
- コミュニケーション力:
問い合わせ対応が業務の中心なので、「相手の話を正確に聞き取り、わかりやすく伝える力」が最も重要 - ストレス耐性:
クレーム対応やトラブル時の緊急対応が発生する。感情的にならず冷静に対処できるかを見ている - 正確性・丁寧さ:
手順書に沿った作業が多いため、「決められたことを正確にこなせるか」がポイント - IT業界でのキャリアビジョン:
「ずっとヘルプデスクをやりたい」という方は実は少数派。人事としては「この職種をステップにして、将来どうなりたいか」を聞くことで、成長意欲を確認している
特に前職で接客業や営業職の経験がある方は、この職種群では非常に高く評価されます。 ITの知識がなくても、対人スキルが即戦力として活きるからです。
逆に、「プログラミングがやりたいのに、ヘルプデスクにしか受からなかった」というケースの方に伝えたいのは、ここでの経験は決して無駄にならないということ。システムの全体像を理解できるこの職種は、将来的に開発系やインフラ系にキャリアチェンジするときの土台になります。
人事の本音を言うと、運用保守やヘルプデスクの採用で最も警戒するのは「すぐ辞めそうな人」です。面接で「本当は開発がやりたい」と正直に言うのは良いことですが、「だからヘルプデスクは腰掛けです」と受け取られると不合格になります。「この経験を活かして将来ステップアップしたい」という伝え方がベストです。
社内SEの採用のウラ側
社内SE(社内システムエンジニア)は、自社の情報システムの企画・開発・運用・保守を担当する職種です。
「客先常駐がない」「自社のシステムにじっくり関われる」「ワークライフバランスが良い」などの理由から、IT業界の中でも特に人気が高い職種です。
しかし人事の立場から言うと、人気が高い=競争率も高い職種であることを、まず知っておいてください。
社内SEが人気な理由と、人事から見た競争率のリアル
社内SEの求人を出すと、他のIT職種と比べて応募数が2〜3倍になることも珍しくありません。
人気の理由は求職者の方もよくご存じだと思いますが、人事側の事情もお伝えしておきます。
社内SEの求人が他のIT職種より少ない理由:
- 社内SEは各企業に数名〜十数名しかいないため、そもそもポジション数が少ない
- 離職率が低い(待遇・環境が良い)ため、欠員が出にくい
- 退職者が出ても、社内異動で埋めるケースが多い
つまり、求人数が少ないのに応募者が多いという構造です。人事としても、社内SE枠は「厳選して採用する」ポジションとして位置づけています。
社内SE採用で書類選考を通過する人の共通点
社内SEの選考で人事が重視するポイントは、開発系やインフラ系とはかなり異なります。
- IT知識×業務理解のバランス:
社内SEは単にシステムを作る仕事ではなく、「経理部門の業務を理解した上で会計システムを改善する」など、業務への理解が不可欠。IT知識だけでは評価されない - 社内調整力:
現場部門・経営層・外部ベンダーの間に立って調整する力が必要。「技術に強い」よりも「人と人の間に立てる」方が採用されやすい - 幅広い対応力:
大企業なら専門分野を持つ社内SEもいるが、中小企業では「ネットワークもPCセットアップもシステム導入もやる」のが普通。特定分野に特化しすぎている人は、意外と敬遠される
未経験で社内SEを目指す場合の注意点:
理由はシンプルで、社内SEには「ITと業務の両方がわかる人」が求められるため、どちらの経験もない未経験者を採用するメリットが企業側にあまりないからです。
未経験から社内SEを目指すなら、まずは開発系やインフラ系で3〜5年の実務経験を積んだ上で、業務知識も身につけてからチャレンジするのが現実的なルートです。



ライバルがIT経験者であるため未経験者だと中々書類選考も通らないと思います。私のいる会社では自社からピックアップすることが多いです。募集をかけたとしても未経験者を採用した実績はこれまでありません。
社内SEの面接では「なぜ社内SEなのか?」を深掘りします。「客先常駐が嫌だから」「残業が少なそうだから」といった”逃げの志望動機”は人事にはすぐバレます。「自社のビジネスに深く関わりたい」という前向きな動機を、具体的なエピソードとセットで伝えてください。
人事が教える「自分に合うIT職種」の選び方


ここまで各職種の採用のウラ側をお伝えしてきましたが、「結局、自分はどの職種を選べばいいの?」と思っている方も多いでしょう。
最後に、人事として多くの候補者を見てきた経験から、現実的な職種の選び方をお伝えします。
年齢・経験別で人事がおすすめする現実的な選択肢
20代・未経験の場合:
選択肢は幅広いです。開発系・インフラ系・運用保守、いずれもチャンスがあります。
ただし、人事としての正直なアドバイスは「興味のある分野で、かつ学習の証拠を用意してから応募する」こと。「とりあえずIT業界に入りたい」という姿勢では、書類選考の段階で落とされるケースが増えています。
- プログラミングに興味がある → 開発系(ポートフォリオを用意)
- 安定した基盤技術を身につけたい → インフラ系(CCNAやLPICを取得)
- まずはIT現場を体験したい → 運用保守・ヘルプデスク(前職の対人スキルをアピール)
30代・未経験の場合:
30代の未経験IT転職は、20代と比べるとハードルが上がります。しかし不可能ではありません。
たとえば、営業経験がある方なら「IT営業」や「カスタマーサクセス」、経理経験がある方なら「社内SE候補(業務理解をアピール)」など、前職の強みを活かせる職種を選ぶのが現実的です。
30代未経験で「プログラマーになりたい」という方もいますが、人事としては正直に言って20代のポテンシャル採用の候補者と同じ土俵で戦うのは厳しいです。前職の経験を武器にできるポジションを探すことをおすすめします。



IT未経験の場合はフルリモート可やフルフレックス可、夜間勤務なしなどの条件で探すのではなくやりたい職種を応募して引っかかった会社で成果をひとまず出すのがおすすめです。
経験者の場合:
すでにIT業界で実務経験がある方は、「今の職種の延長線上」と「新しい領域へのチャレンジ」のどちらを選ぶかが分かれ道です。
年収アップを狙うなら、同じ職種でより上流の工程やマネジメントに携われるポジションへの転職が確実です。新しい領域に挑戦したい場合は、前職の経験を活かせる接点を見つけることが鍵になります(インフラ→クラウド、SE→PM、運用→設計など)。
職種選びで失敗する人の共通パターン
人事として約300件の面接を行ってきた中で、職種選びに失敗する人には共通のパターンがあります。
- 「年収が高いから」で職種を選ぶ:
PMやコンサルは年収が高いですが、未経験からいきなりは無理。年収だけで選ぶと入口がなくて挫折する - 「なんとなくカッコいいから」で選ぶ:
「AIエンジニア」「データサイエンティスト」など響きが良い職種に飛びつく方がいますが、これらは高度な専門知識が前提。未経験では選考に通りません - 「求人数が多いから」で選ぶ:
求人数が多い=自分に合っている、ではありません。求人数の多さは業界の人手不足を反映しているだけで、自分の適性とは別の話です - 1つの職種に固執しすぎる:
「絶対に社内SEがいい」と視野が狭くなると、チャンスを逃します。IT業界ではキャリアチェンジが当たり前なので、最初の入口にこだわりすぎないことが大切です
一番大事なのは、「最初の職種がゴールではない」という意識です。 IT業界では、運用保守→インフラ設計→クラウドエンジニア、PG→SE→PM、ヘルプデスク→社内SEなど、職種をステップアップしながらキャリアを積み上げていくのが一般的です。
最初の職種選びに完璧を求めすぎず、「まずここからスタートして、3年後にどうなりたいか」という視点で選ぶことをおすすめします。
職種選びに迷ったときは、転職エージェントに相談するのも手です。ただし、エージェントは「受かりやすい求人」を紹介しがちなので、自分のキャリアビジョンは自分で持っておくことが大切です。エージェントはあくまで手段であって、意思決定はあなた自身で行いましょう。
よくある質問(Q&A)
- 文系出身でもIT職種に就けますか?
-
まったく問題ありません。
私の会社でもエンジニアの約3割は文系出身です。特にSEやPMなど、コミュニケーション力が重要な職種では、文系出身者が活躍しているケースが多いです。「理系じゃないから無理」ということは、少なくとも私が担当している採用ではありません。
- IT職種の中で年収が高いのはどれですか?
-
一般的には、PM・ITコンサルタント・クラウドエンジニアなど、上流工程や専門性の高い職種ほど年収が高い傾向にあります。
ただし、年収は職種だけでなく「企業規模」「自社開発 or SES」「ポジション」によっても大きく変わります。同じSEでも、自社開発の上場企業と小規模SES企業では年収に200万円以上の差がつくことも珍しくありません。
- IT資格があると有利になる職種はどれですか?
-
最も資格が評価されやすいのはインフラ系です。 CCNA、LPIC、AWS認定資格などは、実務に直結するため書類選考で明確にプラスになります。一方で、開発系では資格よりもポートフォリオや実務経験のほうが重視される傾向にあります。資格はあくまで「基礎を理解している証明」であり、資格だけで採用が決まることはありません。
- IT業界で将来性が高い職種はどれですか?
-
クラウドエンジニアやセキュリティエンジニアは、今後も需要が伸び続ける見込みです。
ただし、将来性だけで職種を選ぶよりも、「自分が興味を持てるか」「地道に学習を続けられるか」のほうが、長期的なキャリア形成では重要です。IT業界はトレンドの移り変わりが速いので、特定の技術ではなく「学び続ける力」が最大の武器になります。
まとめ
この記事では、IT業界の主要職種を人事の本音で解説してきました。最後にポイントを振り返ります。
- 人事が職種を見る基本の3分類は「開発系」「インフラ系」「マネジメント系」。 加えて「運用保守・ヘルプデスク」「社内SE」などの職種がある
- 求人票の職種名は会社によって意味が全然違う。 特に「SE」は要注意。面接で実態を必ず確認する
- 開発系は論理的思考力とポートフォリオ、インフラ系は資格と安定性、PM系はマネジメント実績と、職種ごとに人事が見る評価ポイントは異なる
- 運用保守・ヘルプデスクは未経験の最も現実的な入口。 ただしキャリアパスの確認を忘れずに
- 社内SEは人気の割にポジション数が少なく、競争率が高い。 未経験からは難しいことを知っておく
- 最初の職種がゴールではない。 IT業界ではキャリアチェンジが当たり前。長期的な視点で選ぶ



IT業界の職種選びは、あなたのキャリアの出発点を決める大事な判断です。ネットの情報を鵜呑みにせず、「採用する側がどう見ているか」という視点も持った上で、納得のいく選択をしてくださいね。
もし職種選びや転職活動の進め方に不安がある方は、IT業界に強い転職エージェントに相談するのもおすすめです。









